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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

14才の母 第2話

2007年11月14日 | ホームドラマ
 第2話 「お前なんかもう娘じゃない」

★妊娠発覚! 平和な日常が崩れる時。
 未希(志田未来)の妊娠発覚のシーンは大きな見せ場。
 特に娘を持つお父さん、お母さんには自分の問題として感情移入できる場面だろう。
 きっかけは未希の部屋を掃除する加奈子(田中美佐子)。
 妊娠検査薬。
 加奈子が「買ったの?」と問いつめると未希。
 「買ってない」
 これで加奈子は友達にでも興味半分でもらったのだろうと安心するが、さらにショッキングなことを聞かされる。
 「万引きした」
 さらに。
 「妊娠しているかどうか知りたかったから」
 平和な日常が崩れる瞬間。
 うまいせりふのやりとりだ。会話だけでもショッキングなシーンが作れるというお手本。
 加奈子はまだ現実を受け入れられない。
 誰かに強姦された?と聞く。
 14才の娘がセックスするわけがないという想い。
 しかし未希は「好きな人がいるの。だから」
 それでも母親は強い。
 現実を受けとめ、翌日病院に連れて行く。
 一方、父親、忠彦(生瀬勝久)。
 ひたすらうろたえる。
 「冗談だよな」
 見せられる診断書。
 「手の込んだ冗談だよな」
 やっと現実を受けとめると
 「どういうことだ!?」「誰だ!?」
 智志(三浦春馬)の名をくん付けで言うと「桐野くんじゃないだろう!」
 「私たち好きだから」と言うと「そんなものは勘違いだ!錯覚だ!」
 ひたすら叫ぶ。
 こういう時、男親は弱い。
 母親、父親のリアクションの描き分けが見事。

 日常が崩れて親子が本音でぶつかり合う。
 ここにドラマが生まれる。
 平和な日常が偽りで、何かが起きれば簡単に崩れてしまうものであることがわかる。
 
 智志の母親、静香(室井滋)に会いに行った時も男親、女親は対照的だった。
 怒りにまかせてやって来たのは忠彦。うまく言えない。
 しかし冷静に話をしたのは加奈子。
 「娘と智志さんのことで来ました」
 母親は強し。

★産婦人科医・春子
 脇キャラとして産婦人科医・春子(高畑淳子)は圧倒的存在感。
 やって来た未希たち母子に、こんな事例を他にも見てきたのだろう、冷静に対処。
 機械に映った胎児を見て「確かにいるね。9週目」
 「好きで結ばれたってことね?」
 「相手には言った? 自分だけが背負うのは間違いよ」
 「中絶手術は12週目までが安全。父親の同意書が必要」
 誰もがパニックする中で冷静なキャラがいると存在感が出る。
 客観的な立ち位置で船の進むべき道を示すキャラは頼もしい。
 キャラの立て方のお手本。
 
★頬を打つ母親
 病院から出て来た未希と加奈子のやりとりも感動的だ。
 「怒るなら怒っていいから何か言ってよ」
 不安な未希はどんなことでもいい、言葉を待っている。
 頬を叩く加奈子。
 そして抱きしめる。
 加奈子の気持ちがよく伝わる。
 頬を叩くことと抱きしめることは相反する行為だが、いずれも未希への愛情から出た行為。 

★再び本音について
 こうして本音でぶつかり合う様になった未希たち親子。
 その前に柳沢真由那(谷村美月)のこんなせりふがある。
 真由那(谷村美月)はクラスメイト達にこう言う。
 「大人の顔色うかがって要領よく生きているやつ。本気で人を好きになったことなんてないでしょう?」
 クラスメイト達はぼんやりした日常の中に住んでいる。
 一方、日常の取り払われた未希達親子は?
 本音でぶつかり合って、お互いの愛を確かめ合うことが出来た。
 未希は本気で赤ん坊のことを考えて愛とは何かを考えることが出来た。
 ここにこの作品のテーマがある。


コメント
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