平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

魔王

2008年07月05日 | 推理・サスペンスドラマ
★リアリティ?
 弟・英雄の復讐をする弁護士の成瀬領(大野智)。
 事件に関わった直人(生田斗真)と共犯者だけでなく一族郎党復讐をするというのがすごい執念。
 しかも練りに練った計画。
 こんな暗い情熱を燃やせるというのがすごい。
 物語と言ってしまえばそれまでだが、リアリティを感じない。
 弟のイジメでしかも殺意のない事故的な死。
 裁判でうまく言い逃れをして無罪となったのは成瀬にとって不条理だろうが、これほどの復讐劇を行う動機としては弱い。
 タロットカードを送りつける手法といい、成瀬はどこかおかしくなっているのかな。
 同じ復讐ものでリアリティを感じるのは「クロサギ」が限界だ。
 
 動機も犯人も明らかにされた第1話。
 物語を引っ張っていく興味としては、成瀬がいかに復讐を行っていくか?警察がどう成瀬を追いつめていくかだが、果たしてどれくらい面白く描けるか?
 警察側にいるのは復讐される側の人間・直人だしね。
 刑事物としては追及が弱くなる。
 サイコメトリーの少女・咲田しおり(小林涼子)が成瀬を追いつめる便利な道具として作者に安易に使われなければいいが。

★シーンとして面白かったのは弁護士・熊田が殺された状況を犯人の林と再現する所。
 ここで直人が過去の事件と罪を思い出す。
 これは直人としては怖い。
 封印していた情景が悪夢となってよみがえる感じ。
 過去を描くと同時に直人が現在抱いている罪の意識も描いている。
 表現手法として上手い。


※追記
 サイコメトリーの少女・しおりは「犯人には心がない」と言ったが、成瀬は復讐以外の別の動機を持っているのか?
 復讐だったら怒りの心を持っているはずだし。
 成瀬は悪魔に心を売り渡してしまった?
 だとしたら、この作品はオカルトものだ。

 それにしても大野くんの演技って。
 心がないから無表情なのはわかるが、単なる無表情なのっぺり感だけで恐怖も狂気も感じない。
 「ラスト・フレンズ」の錦戸くんの方が怖い。

※追記
 小包の差出人は『雨野真実』。
 わかりやすい。
 もっとマシな名前をつけられなかったのか?


コメント (4)
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