goo blog サービス終了のお知らせ 

平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

あんどーなつ

2008年07月08日 | ホームドラマ
 TBSの月曜8時の現代ドラマって人情モノで古くさいという感じがあったのだが、逆に新鮮。
 そこには隣近所、地域の連帯がある。

 舞台は浅草。
 店主の急逝により無職になった洋菓子職人・安藤奈津(貫地谷しほり)は老舗の和菓子屋・満月堂を手伝う。
 第1話は奈津がそこで見聞きしたことが描かれる。
 それは……喜びや悲しみを共有する浅草の人々。

 例えば結婚式。
 町の人々は子供の頃から知っている新婦の幸せをいっしょになって祝福する。
 例えばお葬式。
 故人は三社祭を仕切ったりして町の人たちが信頼している人。
 そんな故人をいっしょになって悲しむ。

 象徴的なのは満月堂のベテラン職人の梅吉(國村隼)だ。
 彼は結婚する娘のために宝来饅頭をいう特製饅頭を作る。
 お葬式では故人が大好きだった饅頭を霊前に供えるために作る。
 梅吉の和菓子は町の人々の喜びや哀しみと共にあるのだ。

 現代は個人の時代と言われる。
 隣の人がどんな人かを知らない。
 娘が結婚して嬉しいのか、父親が亡くなって哀しいのか、どんな食べ物が好きなのか?
 しかし「あんどーなつ」の登場人物たちは違っている。
 喜びや悲しみを共有して温かい。

 この世界は古くさい世界かもしれないが、個の時代が究極まで行った現在、ドラマで描かれるべき世界かもしれない。
 現代人が無意識に求めている世界の様に思える。
 現に「三丁目の夕日」は大ヒットした。
 「あんどーなつ」は「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」に連なる人情ドラマ。
 これらは松竹的なダサいドラマかもしれないが、これらを一捻りした所に新しいドラマの可能性がある様に思える。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする