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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

シバトラ

2008年07月09日 | 推理・サスペンスドラマ
★作劇に工夫がない。
 逃げる竹虎(小池徹平)と美月(大後寿々花)。
 ストリートギャング・ヘルタースケルターに囲まれて「こいつ刑事ですよ」。
 このひと言でバレてしまう。これじゃ潜入捜査じゃない。
 ヘルタースケルターに潜入する経緯も「新入りの竹虎です」というだけで入れちゃう。
 人を介するとかもっと工夫があるでしょう。
 安易なご都合主義はさらに続く。
 竹虎にリンチ!次は美月で危機一髪!という所で、小次郎(藤木直人)と白豚(塚地武雅)が現れる。
 もう少し竹虎に頭脳を使わせないと。(竹虎は素直なストレートキャラで駆け引きや知恵を使うのは苦手な様ですが)

 この様にストーリーが安易に流れてしまっている。
 ギャグもすべりまくり。サイドカーから白豚が抜けない……。
 塚地さんの大げさな演技も気になる。(「間宮兄弟」じゃいい演技してたのに)
 初出勤で遅刻するというのもパターン。(日本のドラマの第1話で必ず目にする情景)
 千葉さくら(真矢みき)さんがいきなり銃を抜いたり床から出てくるのは今までの真矢さんのイメージを壊して新鮮だったけど、実写ドラマ向きじゃない。

★唯一のひねりは美月の父親が暴力の張本人だったこと。
 今までが安易に流れたドラマだっただけにこのひとひねりは面白い。
 しかし「のぞき屋」とかを見ている人には父親が怪しいことはすぐわかってしまう。
 「チェリーパイが嫌いになりそうだったから」というせりふでも深読みすればわかる。

 インパクトがあったのは美月が殺されるために家に帰ったこと。
 やはりドラマは心情描写だ。
 この美月の絶望は胸に迫る。
 人物の心情を深くえぐり出したからだ。
 それはウリをする少女の言葉もそう。
 「あたしたちもバカじゃない。やりたくてやってるんじゃない」
 やりたくもない売春をやることで居場所を確保している少女の現実。
 これはドラマだ。

 ドタバタでなく美月や売春少女の心情をもっと時間をかけて描けばもっと面白くなっていたのに……。
 というのが感想。
 脚本家の名前を見ると武藤将吾さん。
 「花ざかりの君たちへ」の人。
 あれも心情描写よりはドタバタの多い作品だった。


コメント
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