平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

コード・ブルー 最終話

2008年09月12日 | 職業ドラマ
★林宏司脚本
 この作品の脚本は「医龍」の林宏司さん。
 ある意味、この作品は「医龍」の変奏ですね。

 例えば高速道路で多重衝突事故。
 コンテナに挟まれている夫を助けようとする藍沢(山下智久)たちだが、ガソリン引火の怖れが……。
 これは「医龍」で手術中、術前に予想も出来なかった病巣が見つかったり事故でドナーの心臓が運べなかったのと同じ。
 何とか夫を助け出してトンネルから出てくる藍沢たちのスローモーションはまさに手術を終えたチームドラゴンのスローモーション。

 主人公像もそう。
 林さんは、天才的技術を持ち強い医者としての信念を持つ朝田のキャラを180度変えた。
 それが藍沢だ。
 藍沢はまだ発展途上だし精神的にも弱い。
 脇キャラは「医龍」と同じ。
 それぞれに自分の問題を抱えていてそこから抜け出せないでいる。

 「医龍」そしてこの「コード・ブルー」で林さんは医療ドラマの独自のスタイルを確立した。

★群像劇の難しさ
 ただしこの作品、群像劇の難しさを実感した作品でもあった。
 「ER」の様なスタイルを狙ったのだろうが、日本のドラマはどうしても<情>を大事にするため描き込みが薄くなる。
 藍沢のおばあちゃん話や藤川(浅利陽介)のお母さん話などはやはり日本的。
 理性的でスタイリッシュな映像はまだ日本の土壌には合わない。

★締めくくりは黒田(柳葉敏郎)の言葉。
 医者が患者を救うことの意味を藍沢に問われて黒田は言う。
 「10分かも知れん。1時間、1日、1年かも知れん。だがそのわずかな時間が時に人生の意味を変える。そのために腕を磨く。俺は生きて息子に会えた」

 人は最後の最後まで生きなければならない。
 現在が絶望だらけでも10分、1時間、1日、1年後には希望を待っているかもしれない。
 生きて息子に会えた黒田の様に。
 だから「自分の人生は悲惨でつらいことばかりだった」と自棄になったり自殺したりするのは傲慢だ。
 最後の最後まで生きて決めるものだ。
 最後の最後まで希望と自分とは何かを模索すべきだ。
 黒田は絶望の中で自分を見出した。
 黒田は言う。
 「俺の腕は戻らん。その代わり医者を続けてれば1つや2つの救える命はある」
 腕が動かなくなったことは死にたくなるようなつらいこと。
 しかし生きた結果、息子に出会えた。
 「1つや2つの命を救うために」藍沢達に指示を出す医者としての自分を見出した。
 そして懸命なリハビリ。
 絶望を乗り越えて雄々しく生きる黒田。
 見事な生き様だ。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする