平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

篤姫 第39回「薩摩燃ゆ」

2008年09月29日 | 大河ドラマ・時代劇
★「コロリと負けること、これが外国と肩を並べる早道ですよ」
 勝(北大路欣也)の言葉。
 攘夷の熱に侵されている幕末日本。
 この熱を冷ますにはこてんぱんにやられて外国の強さを認識させること。

 この言葉を聞いて太平洋戦争の時代のことを思い出した。
 日本の勝利を確信して戦争続行を突き進む軍部。
 しかし日米の経済・国力差は明らか。
 それが戦争指導者には見えていない。
 それは外国人など簡単に打ち払えると思っていた幕末日本と同じ。

 このふたつのことに日本という国の特質がある様に思う。
・つまり島国、日本は引きこもりが得意で外界を理解するのが下手。
 自分だけの考え・思い込みに囚われやすい。
・日本の社会構造を変えるのは外圧。
 ということ。

 グローバル化のまっただ中にいる21世紀の日本。
 我々は攘夷派の様に近視眼になっていないだろうか?
 勝の様な未来を見通せる指導者は誰だろうか?
 そんなことを考えさせられた。
 
★和宮と天璋院
 和宮(堀北真希)が帝から攘夷の使命を帯びてきたのは、斉彬から慶喜を推す様に言われてきた天璋院(宮崎あおい)と同じ。
 情勢から攘夷が難しいこと、慶喜の将軍が難しいことを認識するのも同じ。
 夫を愛する様になったのも同じ。

 和宮は天璋院がたどってきたのと同じ道を歩んでいる。
 ふたりは合わせ鏡。
 和宮が幕府のために行動する日も近いだろう。
 実際、今回、和宮は家茂(松田翔太)を江戸に戻すよう帝に具申した。

★薩英戦争
 TVドラマで艦隊からの砲撃を描いたのは今回は初めてではないですかね。
 煙が立つ焦土となった町を俯瞰で描いたのも。
 こう書くと帯刀(瑛太)たちには申し訳ないが、映像的には清新であった。
 英国艦隊は燃料・弾薬切れということで引き揚げていったが、陸戦となったら違った展開になっていただろう。
 人数も多く刀で斬りつけてくる武士達は怖ろしいはず。
 これは戦術論。

※追記
 先程外圧のことを述べたが、幕末の外国勢の目的がアジアの植民地化であったことを忘れてはならない。
 生麦事件→賠償金→拒めば戦争。
 現在から考えると短絡的過ぎる。
 もっとも大量破壊兵器があるとしてイラクに空爆を行ったアメリカは幕末の外国勢と変わらない気がするが。
 形を変えて歴史は繰り返される。


コメント (2)
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