平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

キャットストリート

2008年09月19日 | 学園・青春ドラマ
 1話2話は見逃してしまったんですけれど、この作品はなかなか掘り出し物。
 原作は「花より男子」の神尾葉子さん。
 脚本は「ラスト・フレンズ」の浅野妙子さん。
 主演は「14歳の母」「太陽と海の教室」の谷村美月さん。
 これだけのメンバーが揃えば文句ないでしょう。

★登場人物は引きこもりのフリースクールに通う若者たち。
 学校からも社会からもはじき出されてしまった野良猫たちだ。
 主人公の恵都(谷村美月)はかつての名子役。
 しかし舞台でのトラウマから引きこもりになってしまった。

 物語はそんな恵都が女優として再起し自立していく過程が描かれる。
 恵都は傷つきたくないから舞台から遠ざかり引きこもっているが、心の中では『演じたい』と思っている。
 そんな恵都に起こる女優再起のきっかけとなる事件。
 第3話ではフリースクールの友達・紅葉(黒川智花)が侮辱されたことへの怒りから『誘惑する女』を演じる。
 侮辱した男の子を公園で誘惑し悲鳴をあげて警察に逮捕させるのだ。
 第4話は子役時代のライバル奈子(高部あい)の代役。
 代役でPVに出て世間に再び注目される恵都。
 彼女は否応なく再び舞台に借り出されていくのだ。

★その物語展開は「ガラスの仮面」の様。
 PVの撮影であまり監督に期待されていない恵都は泣きのシーンで目薬をさすように言われる。
 しかし恵都は「わたし、自分で泣けますから目薬はいりません」ときっぱり拒否。←恵都の見せ場!
 果たして恵都は涙を流し、しかも予想外の完璧な演技をしてしまう。
 ライバル奈子の存在をかすませてしまう様な。
 これはまさに「ガラスの仮面」。

 そんな抜群の演技力を持つ恵都だが、弱さ・もろさも持っている。
 フリースクールの友達の浩一(勝地涼)の所に料理を作りに行くが、お米の研ぎ方も知らない。
 それを浩一に見咎められて「わたしってダメだよね。足手まといだよね」とネガティブ発言。
 恵都は日常の何気ないことでも壁にぶつかり心を閉ざしてしまうのだ。

★<もろさ>と<抜群の演技力>を持つ女の子・恵都。
 魅力的なキャラクター造型だ。
 そんな恵都がどの様に自立していくか?
 代役を自分以上にやってのけた恵都にライバル奈子は嫉妬心を抱き、様々な妨害をして来そうだし。
 今後が楽しみ。
 
 この作品は確かに掘り出し物だ。
 
※追記
 ライバル奈子の描写も素晴らしい。
 フリースクールに遊びに来た奈子は皆に愛想を振りまく明るい人気女優。
 恵都にも笑顔を向ける。
 しかし別の日、個人的に恵都に会うと彼女はこう言う。
 「今日はすっぴんで来たの。演技はなしよ」
 そして
 「フリースクールなんて弱い人間の集まりじゃない。あなたたちが引きこもり楽をしている間に私は闘ってきたのよ」
 と本音を吐露。
 <すっぴん>というキイワードで本音と建て前、裏と表を描いてみせる。
 見事な人物描写だ。

※追記
 黒川智花ファンも必見!
 彼女のロリータファッションを見ることが出来る。
 黒川さんは「実写版コナン」の毛利蘭や「医龍2」の代議士の娘なんかで好演をしていますが、なかなか当たり役がありませんね。
 「てるてるあした」とかもすごくよかったのに。
 がんばってほしい女優さんです。


コメント (6)
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