平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ヤスコとケンジ 最終話

2008年09月21日 | 学園・青春ドラマ
★過剰な人たち
 ドラマの登場人物たちは見る人にエネルギーをあげる存在だからエネルギーに溢れていなければならない。
 この作品の登場人物は皆そう。

 ヤスコ(多部未華子)は好きだと言われて天にも昇る気持ち。そして本当に天使になって天に昇ってしまう。
 一人前になると決心したらテント暮らし。

 エリカ(広末涼子)は恋占いをバラで行い床は花びらの山。
 歯痛のケンジ(松岡昌宏)のために作ったスープは何と50種類の野菜。

 ケンジは歯痛を気力で治してしまうし、ともかくこの作品の登場人物達は過剰。
 愛情も気持ちも過剰。
 こういう人達が近くにいたら相当鬱陶しいだろうが、テレビの中だったらOK。
 テレビで映えるのはこういう過剰なエネルギーをもった人達だ。
 ケンジたちが元暴走族というのもウザさを緩和してくれる。
 見る人は「族だから熱くてウザくても仕方がないか」と思ってしまう。
 
★『お付き合い十ヶ条』
 『お付き合い十ヶ条』は面白かった。作家の腕の見せ所。
 「会うのは週に15分!」「見つめ合うのは3秒以内!」「同じ夕日を見るな!」「電話で話すのは「もしもし」のみ!」「小僧の夢を見るな!」「同じ方向に歩くな!」などなど。
 個人的は「同じ夕日を見るな!」が好き。
 この十ヶ条で苦労するヤスコを描いたのは「見つめ合うのは3秒以内!」だったが、出来れば十ヶ条全部を描いてほしかったな。
 ドラマ的には遊びの部分だがコメディならこういう所を広げて見せてもいい。
 例えば「ギャルサー」。
 オノノイモコとオノイモコで『ノ』の字の大切さをジェロ~ニモは力説する。
 「わたしキノボリが好きなの」→「わたしキボリが好きなの」→少女の悲惨な過去に触れてしまう。
 「これでいいのだ」→「これでいいだ」→国民的ギャグが台なしになってしまう。
 普通、広げなくてもいい所だがこだわっている。
 こういう所にこだわるとカルト作品になるのだが、ちょっと残念。
 ケンジのちゃぶ台まわしは毎回楽しみだったが。

★ケンジの告白
   〃   では前フリ。
 「売れっ子少女漫画家の世紀の名告白を聞ける!」と振っておいて
 「ふたりで人生バリバリ走ろうぜ」
 ヤスコが「ダサッ」とリアクションするがさらに
 「おまえといっしょなら人生エンスト知らずだぜ」
 そして全員がコケる。

 これで告白の名シーンになった。
 20年後懐かしのTVドラマみたいな特番が組まれたら、このシーンが使われるだろう。

 後半マンネリで(キャラクターのリアクションが同じなので)少々飽きてしまいましたが、効果音の使い方など全体としては楽しい作品でした。

※追記
 乱闘シーンでカレー屋渋谷が来る所は格好良かった。
 僕は青田が来ると思っていたので予想外でもあったし。


コメント
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