平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

MR.BRAIN 第3話

2009年06月07日 | 推理・サスペンスドラマ
 第3話「透明人間が仕掛けた連続殺人」

★事件解決のパターンが見えてきましたね。
 ひとつは<トリック解決>。
 今回は監視カメラの死角。大仰な透明人間も蓋を開けてみれば「な~んだ」という感じ。
 ふたつめは<脳科学的解決>。
 今回はしりとり。めぐみ(相武紗季)の証言は和久井雅和(亀梨和也)が言わせていたしりとりだった。
 前回(第2話)は<トリック>がデータすり替え、<脳科学>がじゃんけんでしたが、今後もこの二本立てで事件が解決されていく様です。

★なかなかなラスト
 今回トリックはイマイチでしたが、ラストのやりとりはなかなかドラマになっていました。
 和久井の写真を見て赤く染まるめぐみの脳。恋愛感情。
 彼女は自分が殺される目に遭いながらも彼を愛していた。彼を見て嬉しかった。
 一方、和久井。
 自分の犯罪隠滅のためにめぐみを殺害しようとするが、殺せなかった。愛ゆえに。
 和久井の人間性が垣間見えた部分。
 推理ドラマではラストのひとひねりが重要ですが、めぐみと和久井のふたりの感情が描かれていて見事なひねりになっている。

 話は変わりますが、婚約者を殺そうとした和久井を責めたのは林田(水嶋ヒロ)でしたね。
 「彼女を守る」と言って結婚した水嶋ヒロさんならではの役柄。
 製作側は視聴者に現実の水嶋さんと林田をオーバーラップさせたかった?
 こういう製作側の意図を読み取るのもドラマを見る楽しみですね。

※追記
 今回の綾瀬はるかさんの活躍はしりとり対決。
 彼女の順番になると<き>が来る。
 綾瀬さんは困った状況に陥らせるとコメディエンヌぶりを発揮する役者さんですね。
 ところでしりとり必勝法。
 常に<き>で終わらせる。
 確かに<機><器>で終わる単語は多そう。


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テレビでは過剰な人を見たい

2009年06月05日 | バラエティ・報道
 今週のバラエティ(6/1~)はふたつ。

★しゃべくり007
 珍獣ハンター・イモトが登場。
 この人、僕はファンなんですよね。
 日曜日はNHKの大河ドラマが終わった後に「イッテQ」を見る。するとイモトさんが出てる。

 人食いワニとの対決、カメレオンと真剣白刃どり、ライオンに猫じゃらし、チーターとの100メートル走……。
 たった1年間で数々の伝説を作った。
 彼女の地球の走行距離と同じくイモトはこの1年を走りまくった。
 実に見事です。

 そこで今回のタレント論。
 タレントは<過剰>でなければならない。
 おバカなことを含めて一般の人に「よくやるよ」と言わせるのがタレントさん。
 タレントとはエネルギーが過剰な人。
 イモトさんはその条件を満たしている。
 卓越した芸があるわけではないが、そのエネルギーで人を圧倒し元気にする。

 一方、大丈夫かなと思ったのは品川庄司の庄司智春さん。

★ロンドンハーツ
 ミキティとの破局をさせないために庄司さんにアドバイスという企画。
 しかしこの場での庄司さんは<一般人>になっていた。
 アドバイスをただ聞いているだけで笑いにつながるリアクションもない。
 お相手の藤本美貴さんに怒られるから、彼女に関するネタはNGらしい。
 だから黙って聞いているリアクションしか出来ない。
 視聴者が一番知りたい、期待していることを話せない。
 これは芸人としてはつらいですね。
 同じ感じでは藤原紀香さんと結婚・破局した陣内智則さんがそうだった。
 ネタにできたのは「俺の嫁は紀香やぞ!」だけ。
 それで息詰まって結局破局。

 もともと庄司さんは相方の品川さんの様にトークや話の切り口が上手い人ではない。
 とすると何で勝負していくか?
 「深イイ話」で島田紳介さんが語っていたが「芸人になるのはモテたいため。イイ女を捕まえたいため」
 その目的を達成してギラギラものをなくしてしまった庄司さん。
 おふたりの結婚は祝福したいが、芸人さんとしての方向性をしっかり定めないと……。
 同番組で土田晃之さんがアドバイスした<子だくさん芸人>の道もあるが、それには時間がかかる。

 芸風は違うが、庄司さんはイモトさんの様なパワーをもう一度取り戻すべき。
 イモトさんには売れるためにはライオンと格闘することを辞さない覚悟がある。
 一方、庄司さんは……?今じゃ結婚して幸せなフツーの人。
 テレビでは<過剰な人>を見たい。 


コメント (2)
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アイシテル ~海容~ 第8話

2009年06月04日 | ホームドラマ
 第8話「審判の日 すべての真相」

 自分の母親を批判された。
 その怒りゆえの犯行。
 大好きで愛していたお母さん。
 愛ゆえに犯してしまう罪もあるんですね。
 愛と憎は表裏一体。

 今回は<小道具>について考えてみたい。
 智也(嘉数一星)のグローブ。
 これは父親とキャッチボールをするために母親が買ってくれたもの。
 智也にとってグローブは父親と母親の象徴なんですね。
 父親と母親と智也を結んでいるものと言ってもいい。
 それを地面に投げつけられた。
 この行為は智也にとって耐え難いことだったでしょう。
 それは清貴のどんな批判の言葉よりも突き刺さること。
 このシーンの作劇で言えば、清貴の言ったことよりもグローブを地面に叩きつけられた行為を強調した方が説得力があった様な気がする。
 小道具はどんな雄弁なせりふよりも気持ちを的確に伝える。

 さてこの作品、今後はどんな展開を見せていくのでしょう。
 キイワードは『家族で笑える日』。
 ラストシーンでは両家が家族で笑っているシーンが見たいですね。
 そのためにはさつき(稲森いずみ)の家と聖子(板谷由夏)の小沢家のぶつかり合いが必要になってくるような気がしますが、その点はどう描かれるか?
 さつきの家はカブトムシがポイントになりそう。(やはり小道具は重要ですね)
 また智也の罪の意識も忘れてはならないポイントですね。
 今回、同級生のノートに反応を示さなかったのは、智也が『自分は罪を背負って生きていかなくてはならない』『自分は悪い子で今までどおりの生活を送ってはいけない』と思ったから。
 この罪の意識を智也がどう克服していくか。
 この辺がクライマックスにむけてのテーマになりそうです。


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デスパレートな妻たち その2

2009年06月03日 | テレビドラマ(海外)
 ともかく面白い。
 第14話「スキャンダル」ではこんな感じ。

★主婦売春をしていたメイシー・ギボンズがおとり捜査で逮捕。
 彼女は顧客リストの手帳を持っているという。
 ブリーは夫の名の公表を避けるため拘置所のメイシーを訪ねる。
 夫のことは見放していながら世間体は気にする完璧主義者のブリーらしい行動ですね。

★学校であたまじらみが集団発生。
 その発生源はリネットの双子?
 しかし発生源は別にいた。
 自分の子に濡れ衣を着せられたリネットは発生源の子の誕生パーティへ。

★ガブリエルの家では排水システムが故障し汚水が逆流する。
 しかし夫が裁判中で配水管を直すお金がない。
 直すお金がないことを言えないガブリエルは口実を作って近所のトイレを借りるが、ついに限界。
 工事現場の仮設トイレを盗み出す。

★スーザンは揺れている。
 恋人マイクはフーバーさん殺しの犯人?
 自分は裏切られた。でも好き、愛してる。
 この葛藤。
 そんな恋愛の悩みを14歳の自分の子・ジュリーに相談するスーザン。
 実にかわいい。
 スーザン役は萬田久子さんが声をあてられているが、萬田さんの声は自分の子に恋愛相談してしまうスーザンに合っている。
 そしてスーザンは行動に。
 イーディとバーで話していてポールが犯人ではないかと思いつく。
 そこでイーディとポールの家に忍び込んで証拠探し。

★本当に次から次へと起こる事件。
 そう言えばブリーの家は夫はSM趣味で息子は轢き逃げ。
 ともかくメチャクチャ。
 日本のドラマなら哀しみ、絶望、悲惨になる所。
 しかしこの作品では常にドライでユーモアをまとっている。

 その理由はキャラクターがしっかりしているから。
 登場人物たちは自分の欲望に正直に生きている。そして必死に生きている。
 たとえば今回のガブリエル。
 お金がないことが近所にバレるよりは仮設トイレを盗む方を選ぶ。
 そのあくまで自分に正直であろうとするパワーに視聴者は圧倒される。
 その必死さに勇気づけられる。

 この作品は私たちに『自分に正直に生きればいいんだよ』と教えてくれる。
 登場人物たちはそのためのパワーを与えてくれる。

 「デスパレートな妻たち」レビューその1はこちら


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MR.BRAIN 第2話

2009年06月02日 | 推理・サスペンスドラマ
★右脳で見るMR.BRAIN
 第2話ではこんなシーンがありましたね。
 殺害現場に行く九十九(木村拓哉)と由里(綾瀬はるか)。
 その土手での会話のシーン。
「自分は中途半端で役に立っていない」と悩む由里。
 なぜか遠方からのロングショット。
 時々挿入されるふたりのアップでは太陽光が効果的に使われている。
 色調も変えててこのシーンだけ別世界のよう。
 このシーンだけなぜこういう処理にしたのか、意図はわかりませんが、映像としてとても凝っている。
 そして物語よりもこのシーンの方が頭に残っている。
 これが右脳の力。

 今回の犯人についてもそうですね。
 犯人役の役者さんの知名度ということもありますが、その役者さんの表情を見て何かあるなと思う。
 怪しいと思って見ていると『やつら』としっかり言っていることも気づいてしまった。
 犯行現場でネックレスを拾うシーンもそう。
 右脳で見ているとその不自然さがわかってしまう。
 これが右脳の力。

★トリックはデータの改ざんですか。
 マジックの種が大したことのない様に幽霊も蓋をあけてみれば「な~んだ」という感じ。
 逆にそのトリックを成し遂げるために指を噛みきってしまう執念の方に圧倒される。

 その他では『じゃんけん』がうまく使われていましたね。
 グーしか出せない理由。
 ひとつは追い込まれるとパーやチョキを出す瞬時の思考が出来なくなるから。
 ふたつめはネックレスのピースを握っているから。
 見事です。
 ラストのオチもいい。
 木下優樹菜の掃除のお姉さんは九十九の思考を上回っている。
 彼女は感覚・右脳で生きているんですよね。


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天地人 第22回「真田幸村参上!」

2009年06月01日 | 大河ドラマ・時代劇
 「真田幸村参上!」

 前回の三成に続き真田幸村(城田優)が兼続(妻夫木聡)と心通わせる話でしたね。
 ここで今回示された兼続の人物像を分析してみると……

★共感力
 初音(長澤まさみ)の境遇に対して「つらかったであろうの」と心から語る共感力。
★信じる力
 どんなに裏切られても信じ切る。「人は信ずるに足るもの」という信念を持っていること。
★楽天家
 真田と結ぶことに秀吉などが不快感を示すのではと懸念する仲間に対し、兼続はこう言う。
 「その時はその時じゃ」

 と兼続の人物像はこんな感じ。
 知謀の軍師というよりは戦国の世にあって<人を信じ切ることの出来るカラッとした明るい人>という感じでしょうか。
 知謀の軍師でしたら「その時はその時じゃ」なんていい加減なことは言いませんからね。(『知謀の軍師』という僕の兼続像は間違っていました)
 そして喰うか喰われるかの戦国時代にあって兼続の様な人物は希有であったのでしょうね。
 だから三成も幸村も初音も心を寄せた。
 一面それは<人のいいおバカさん>でもあるのですが。

 <おバカさん>と言えば三成もそうですね。
 世の中の流れに逆らって豊臣家に殉じる。

 こんな<おバカさん>兼続や三成に対するのは真田昌幸(岩松了)の様な<生き残るために何でもする>という人間。
 この対決では<おバカさん>の方が弱いんですね。

 これを現代に当てはめると、例えば会社で不正があった時おバカさんは不正を告発する。
 お利口さんは会社に従って隠蔽する。
 結果、会社で生き残るのはお利口さん。
 仮におバカさんが勝ったとしてもその時会社は潰れている。

 この作品はそれでも<おバカさん>になりましょうと言っている。
 <人として美しくありましょう>(=義)と言っている。

 さて兼続たちの生き方をどう考えるか?
 歴史では三成が滅び、兼続が生き残った。
 その理由を考えてみるのも面白い。

※追記
 心がきれい過ぎる、ひたすら明るい兼続は主人公として魅力的か?
 僕は清濁合わせ飲むというのが人間だと思うので、イマイチリアリティがないんですよね。
 むしろ「どんなことをしても生き残る」というしたたかな真田昌幸の方がリアリティがある。
 この辺がこの作品になかなかのめり込めない理由。

 ということでもやもやしたものを感じていたが、それを的確に表現して下さった記事があった。
 いつも独特のギャグ切り口で作品を斬って捨てるぱるぷんての海の家さんの記事。
 「今年の大河には行間がない」
 まさにそのとおり!
 僕も今年の大河には深みがないと思っていて、それが脚本・演出のせいなのか、役者さんのせいなのか考えていましたが、この記事でやっとその理由がわかりました。


コメント (3)
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