いやサンプロ批判、大いに結構ですよ。私はお客さん的に出ているだけで、常時企画にタッチしている訳でもなく、従っていちいちの番組内容に責任を持っている訳でもないですので。しかしまあこの番組も、「2〜3年はやってみるつもりだから付き合え」と田原さんに言われて、いつの間にか丸20年。日曜日の午前中をナマの報道・討論番組のゴールデンアワーにした功績は大だと思います。番組終了まであと4カ月、せいぜい励んで出演しようと思っています。
西川インタビューはねえ。たぶん他では出ていない人を出したというだけで番組としては満足してしまったのかもしれません。私は、西川という人を全く評価しておらず、それは不良債権問題の頃に住銀の頭取で確か銀行協会会長だった彼がサンプロに出た時に、「21世紀の日本の金融システムをどう構想しているのか」と質問したら「当行としては今後はリテールに力を入れていきたい」と完全に間抜けなことを言ったので呆れ返ってしまったことが一因です。その時の番組の文脈上、「これから日本の銀行は、国際金融、産業ベンチャー型金融、地域金融の3次元で機能を整備していくべきだと思うがあなたはどう考えているか」という意味で訊ねたのに、「当行はリテールで」だと。馬鹿じゃないかと。そんな奴を日本郵政にした小泉・竹中が問題で、だからこそ、郵貯というギガバンクを、3つのメガバンクの上か横か下か、一体どこにどう位置づけてこれまで財務官僚の管轄下にあった300兆円を民間に解き放っていくのかという郵政民営化の肝心要のところを設計も実行も出来ずに、相変わらず国債を買っているだけだったのでしょう。そこをもう一度聞いてやろうと思いながら局に行くと、「あれは昨日収録が終わっているので録画です」と言われてガックリでした。
ちなみに西川が無能であることと、辞める辞めないは別の話で、きちんと理由を明示し手続きを踏んで辞めさせないで、感情論で「怪しいから辞めろ」というのでは、秘書が逮捕されたのだから小沢は辞めろというのと同じになってしまう。
小泉・竹中はギガバンクの解き放ち方を方向付けないで西川に丸投げしたが、西川にはそれを受ける能力が乏しかった。郵政見直しはそこをまず見直すことだと思います。私は当初から、ブロックで地域分割してその豊富な資金で地域金融をサポートすることから始めるという京都大学の先生たちの案に賛成で、亀井大臣の下での見直しがそこまで届くのかどうかを見ています。
投稿者: 高野孟 | 2009年11月19日 16:22