メディア一刀両断の小沢幹事長正論と法改正案
民主党小沢一郎幹事長が2月8日、記者会見を行った。
-世論調査で幹事長辞任を求める声が7割前後ある。
ここ1カ月以上、小沢一郎は不正なカネを受け取っている、けしからん人物だという報道がずっと続いた後の世論調査だ。小沢一郎は潔白だったという報道を同じように続けた後に世論調査をすれば、そのときにコメントする。皆さん(報道機関)の協力を得ながら、私自身も国民にお話しし、支持と理解を得られるようにしたい。
質疑応答で以上のやりとりがあった。
マスメディアが、小沢幹事長が辞任するべきかどうかの世論調査を行っている。小沢幹事長が指摘するように、小沢氏に対するネガティブ・キャンペーンを土石流のように行ったうえで質問するのだから、明らかな誘導尋問である。
悪質極まりない。
昨年前半、「かんぽの宿不正売却疑惑」が広がった際、マスメディアはこの問題についての世論調査をほとんど行わなかった。西川善文社長の進退についての調査もほとんど行われなかった。
小沢氏の政治資金管理団体の問題について、メディアは小沢氏に収賄やあっせん利得などの問題があるかのような報道を繰り返した。水谷建設元会長が小沢氏サイドに現金を渡したとの真偽不明の情報を、あたかも真実であるかのように流布して、小沢氏のイメージが悪化するように注力した。
一般個人は個別の問題について十分な情報を持っているわけではない。一般個人の情報源の大部分はマスメディアが提供する情報にある。そのマスメディアが意図的に小沢氏を貶(おとし)める虚偽の情報を土石流のように供給してきたのである。小沢氏に対するイメージが悪化することを阻止する手法は存在しない。
小沢氏は潔白であったとの報道を続け、その後に世論調査をするなら、そのときにコメントするとの小沢氏の発言は、問題の核心を突くものである。
腐った検察が腐った捜査を展開した結末が、小沢氏に対する不起訴決定である。重箱の隅を突いて、マスメディアを総動員して情報操作を実行したにもかかわらず、小沢氏の潔白しか証明できなかったのだ。
メディアは検察の不正、腐り切った体質を正確に伝えるべきであるが、検察と癒着するメディアにこうした行動は取り得ない。
本ブログに記述してきたように、民主党は2006年4月、解党の危機に直面した。岡田克也氏が2005年9月総選挙の指揮を誤り、民主党を大敗させた。後継代表に就任した前原誠司氏は偽メール問題で、党代表としての力量不足を誰の目にもはっきりと露呈した。
この危機に小沢一郎氏が代表に名乗りをあげ、小沢-鳩山-菅のトロイカ体制を構築した。2006年4月のトロイカ体制構築が民主党大飛躍の出発点である。
小沢氏が代表に就任した直後に衆院千葉7区の補欠選挙が実施され、民主党は奇跡の逆転勝利を得た。その後、民主党の大躍進が始まったのである。
日本政治を支配し、利権を吸い尽くしてきた既得権益勢力=政官業外電の悪徳ペンタゴンは、当初から小沢一郎氏に最大の警戒感を示した。2006年4月以降、悪徳ペンタゴンは一貫して小沢氏失脚工作を展開し続けて現在に至っている。
2007年の参院選に際しての小沢氏に対するネガティブ・キャンペーンも熾烈を極めた。しかし、民主党は参院選に大勝し、参議院での与野党逆転を実現した。
2007年秋の大連立構想も小沢氏の影響力を排除するための工作であった可能性が高い。民主党が大連立を受け入れれば自民党下野の可能性が低下し、民主党が大連立を拒否すれば小沢氏の影響力が低下するとの読みから画策されたものであったのだろう。
2008年春の日銀幹部人事では、財務省出身の渡辺博史氏の副総裁就任をめぐって小沢一郎氏が梯子を外されかけた。渡部氏が副総裁に就任していたら小沢氏が辞任していた可能性もある。
2008年秋の民主党代表選で小沢氏が無投票再選を果たすことは小沢氏の実績から見て極めて順当なものであった。しかし、メディアと自民党は執拗に複数候補による代表選を要求した。代表選を通じて小沢氏に対するネガティブ・キャンペーンを実行することが計画されていたのだと考えられる。
こうした小沢氏攻撃にもかかわらず、小沢氏は失脚せず、民主党による政権交代実現が現実味を増していった。私は悪徳ペンタゴンがなりふり構わず、手段を選ばずに攻撃を仕掛けてくることについて、警戒を呼び掛けた。
昨年の3.3事変(さんさんじへん)での小沢氏の公設第一秘書大久保隆規氏逮捕はその第一弾であった。チンピラの因縁というべき瑣末な事項で大久保氏は逮捕、起訴され、長期勾留が実行された。
しかし、本年1月13日の第2回公判で、検察側証人が検察側立証の根幹を突き崩す証言を行い、検察は窮地に追い込まれた。
本年の1.15事変(いちいちごじへん)は、窮地に追い込まれた検察による「窮鼠猫を噛む」行動であった。
政治資金収支報告書に一部の資金立て替え分の記述を行わなかったことを、検察は虚偽記載であるとして、現職国会議員を含む3名を逮捕したのだ。これも無理筋、極めて筋の悪い検察の暴走である。
こうした歴史的経過を踏まえれば、一連の小沢氏攻撃が政治謀略であることは歴然としている。政官業外電の悪徳ペンタゴンが日本政治利権の独占を失うことを回避しようと、まったく筋違いの小沢氏攻撃を繰り返してきているだけなのだ。
したがって小沢幹事長は絶対に幹事長職に留まらなければならない。昨年の3.3事変では、結局、小沢代表が5月11日に代表を辞任する決断を下した。総選挙に向けての情勢を冷静に分析し、政権交代実現という大義のために、筋を曲げて柔軟に対応した。この戦術が功を奏して政権交代の大業が成就した。
賢い主権者国民は、3.3事変、1.15事変の本質を的確に捉えている。学習効果を積んで、ものごとの本質を見誤らない。小沢氏が幹事長に留任しても参院選を乗り越えることが可能である。
悪徳ペンタゴンはなんとかして小沢氏の影響力を引き下げたいのだろうが、悪事が順調に運んではこの世の正義が廃れてしまう。腐った検察とメディアが主導するシナリオにくさびを打ち込まなくてはならないのだ。
民主党内部で小沢氏に攻撃を仕掛けているのは、渡部恒三氏、前原誠司氏、野田佳彦氏、枝野幸男氏などの勢力である。民主党を解党の危機に追い込むのに貢献した人々である。偉そうなことをのたまうが、政権交代を実現させたのは小沢-鳩山-菅の現執行部であり、これらの人々はおこぼれを頂戴しただけでしかない。現体制に不満があるなら、脱党して「みんなの党」とでも合流すればよい。
NHKの偏向が一向に改まる気配がない。政治部の偏向職員である影山日出夫氏、島田敏男氏などは、現場から排除されるべきである。
菅義偉元総務相は、NHK番組の軌道修正を実現するために、総務省の放送政策課長を更迭した。鳩山政権もNHKの偏向を是正するために、放送政策課長を交代させるべきである。NHKが偏向した小沢氏攻撃を継続することは適切でない。
「政治とカネ」問題の本質は、「政治権力と大資本の癒着」にある。この問題を解決する抜本策は「企業献金の全面禁止」である。鳩山政権は今通常国会に企業献金全面禁止を盛り込んだ政治資金規正法改正案を提出し、成立を図るべきである。
鳩山首相は2月8日、「政治に対する国民の信頼が揺らぐのは大変マイナスだ。政治資金問題に厳しく処していく必要がある。できれば通常国会中に仕上げた方がいい」と発言した。企業献金全面禁止の是非が参院選の争点になることが望ましい。
「政治権力と大資本の癒着」にとっぷりと浸かってきたのは自民党であり、自民党は現段階でも企業献金全面禁止の方針すら示せずにいる。この問題を正々堂々と掲げて、「政治とカネ」の問題に抜本的に取り組む勢力がどこに存在するのかを明らかにすることが必要である。