与党暴走下で政党討論放送しない腐敗NHK
NHKの腐敗が極まっている。
森友疑惑では財務省による国有地不正払下げの事実がほぼ明らかになっている。
日本が法治国家であるなら、不正払下げを適正に刑事事件として立件するべきである。
しかし、安倍内閣の下で日本の刑事司法は、権力犯罪放置国家に転落しているとの見方がある。
権力犯罪放置国家の下では、与党政治家と官僚機構の犯罪は放置され、無罪放免とされる。
その一方で、政治的敵対者は無実であるにもかかわらず、犯罪者に仕立て上げられる。
腐臭の立ち込める国、それが、日本の現状である。
財務省は決裁済公文書を大規模に改ざんした。
元の公文書とは別に、重要事項を削除した虚偽の公文書が作成されたのである。
したがって、警察・検察当局は、当該事案を虚偽公文書作成及び同行使罪で立件する必要がある。
これも権力犯罪放置国家の下で無罪放免にされるのか。
安倍晋三氏は森友学園の学校認可や国有地払い下げに、自分や妻がかかわっていたら、総理大臣も国会議員も辞めると明言した。
しかし、その疑いは極めて濃厚である。
疑惑の主である安倍昭恵氏が公の場で説明することは当然の責務である。
野党が安倍昭恵氏の証人喚問を要求するのは当然のことである。
加計学園疑惑では、昨年3月13日の参議院予算委員会で、安倍首相が、「もし働きかけていれば責任を取る」と明言した。
その安倍首相は、加計学園が今治市で獣医学部新設の意向を有していることを、2017年1月に初めて知ったと答弁している。
しかし、2015年4月2日に、加計学園関係者が首相官邸を訪問し、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が面会したことが明らかになっている。
しかし、柳瀬氏は国会の参考人聴取で、「記憶による限り面会した事実はない」と言い通した。
ところが、面会の事実を裏付ける文書が存在することが相次いで明らかにされ、国会での再説明が求められている。
虚偽の答弁ができない証人喚問を行うべきであることは当然だが、安倍政権与党はこれを拒絶して、野党空席のまま国会審議を強行する暴走を続けてきた。
こうしたなかで、財務省の福田淳一事務次官によるセクハラ行為が明らかにされた。
NHKは「セクハラの判定が難しい」ことを強調する偏向報道を展開しているが、福田淳一氏の言動は誤解の生じる余地のない明白なセクハラ行為であり、適正な処分が必要であることは明白だ。
実際に財務省は調査の上でセクハラ行為があったと認定して懲戒処分を決定した。
ところが、財務省の最高責任者の麻生太郎氏が、懲戒処分後にセクハラ行為の事実認定を覆す発言を示している。
NHKは「日曜討論」という番組を設定しているのであるから、国会会期中は、少なくとも2週に1回は政党討論会を開催するべきである。
審議拒否をしている野党の主張と、審議拒否を批判する与党の主張を、視聴者に知らせることが公共放送としての責務であろう。
ところが、NHKは政府が追及される問題がある局面では、日曜討論での政党討論を徹底的に放送しない対応を示している。
NHKからも腐敗臭が立ち込めているのだ。
麻生太郎氏は福田次官のセクハラ行為が明らかになったあとも、責任を問わずに幕引きを図ろうとしたが、音声データという決定的な証拠が明らかになり、次官の更迭を決めた。
しかしながら、セクハラ事実を認定しない対応を示し続けている。
財務省が事実関係を調査して、セクハラ行為があったと認定して処分を決定したことと、麻生太郎氏の発言は食い違っている。
さらに、麻生財務相は被害者を攻撃する言動を示してきており、野党が麻生太郎氏の辞任を求めることも当然のことだ。
議会制民主主義が健全に機能するには、多数勢力が少数意見にもしっかりと耳を傾けることが必要不可欠である。
数の力ですべてを押し通すなら、そもそも「審議」など意味がなくなるからだ。
国会審議が空転してきた主因は、与党が数の力で、横のものを縦にして、これを押し通す横暴を続けてきたからだ。
これらの主張のぶつかり合いを政党討論のかたちで実現することが公共放送の責務であることは明白であるのに、NHKは権力に迎合して政党討論を実施せず、完全に御用放送に成り下がっている。
政権交代を実現した場合には、直ちに放送法を改正して、まずは、NHKの放送受信契約締結を「任意制」に移行させるべきである。