格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

2019-02-19 19:33:53 | 杉並からの情報発信


衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第四十五回目朗読 (2019.02.18)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第二節 特殊法人は法的には幽霊だ (P122-130)

●借金のツケは国民に回される (P129-130)

旧総務庁は平成二年五月、特殊法人の一部について財務調査の結果を公表し
た。それによると、本州四国連絡橋公団については、道路事業だけで七二〇〇
億円以上の債務超過となっている。瀬戸内海の狭い区間に三ルートもの橋を架
けているので収支率が極めて悪い。一〇〇円の収入を得るのに二〇〇円以上の
経費がかかり、利子が利子を生んでいるのである。

石油公団も二百数十の探鉱事業のうち採算ラインにあるのが数個しかない。
石油探鉱会社に出した財投の残高一兆五〇〇〇億円のうち七七〇〇億円以上は
回収困難ということだ。

もちろん、政府がこれまで出し続けてきた税金四兆一七〇〇億円は、まるで
何事もなかったかのように掘った穴に消えてしまう(実際は、とっくに利権に
消えている)。

核燃料サイクル開発機構(旧動燃)は一兆六〇〇〇億円の欠損金が累積して
いる。鉄建公団や空港公団の赤字も見通しは暗い、という。旧総務庁から報告
のあった九法人とも、まともなものはない。

国鉄清算事業団は平成二年三月末日をもって解散した。そのさい残された二
七兆円の累積債務は全額が一般会計に付け替えられた。そのうち三兆円だけは
たばこ税の増税分で償却することになったが、残り二四兆円は全額国民にツケ
回しされた。

いま、道路公団や都市基盤整備公団は「第二の国鉄」といわれている。それ
ら特殊法人の赤字のツケは、国鉄の前例にならって国民に回される可能性が強
い。特殊法人の借金残高は認可法人を含め三四四兆円であり、その金額は年々
歳々膨らみ続けている。

ここであらためて強調しておきたいのは、特殊法人の借金は国の借金以外の
何ものでもないということである。なぜならば、公庫、公団、事業団といった
特殊法人は国会の議決で設置された国の政策遂行機関であり、国の出資金や補
助金で運営されているからである。

特殊法人には財政投融資から毎年二五兆円もの融資がなされ、その利払い金
や出資金として毎年四兆円以上の国費が注入されている。そのうえ、国鉄清算
事業団をはじめとする特殊法人の清算金や欠損金は現実に国民の負担に転嫁さ
れている。

しかも、恐ろしいことに、特殊法人は一般企業のように倒産することがない
ため、借金はどこまでも際限なく膨らみ続ける。こうした事実だけからでも、
特殊法人というものが、いかに巨大な利権装置であるかがわかる。それだけ
に、じつは政と官にとって、何としても守らねばならない砦なのである。

節を改め、代表的な特殊法人について具体的な活動をみてみよう。

(第二章 第二節 終わり)






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