格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

福祉革命へ解散だ!<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-17 18:39:39 | 日本の風景


福祉革命へ解散だ!<本澤二郎の「日本の風景」(3347)
<うちわで解散風起こし自公維の改憲軍拡勢力吹き飛ばせ!>
 日本は、このままアベ自公維の改憲軍拡路線で沈没してしまうのであろうか。財閥1%の傀儡政権に屈して、戦争国家へと突進してしまうのであろうか。こうした現在の日本の危機的惨状を目の前にして、姥捨て山の日本を象徴していよう。この機会に提言したい。人々が街頭に出て、うちわで解散風を吹かせて、一気に政権を交代させ、福祉国家革命を実現するのである。韓国は確かローソクだったが、日本はいまの季節はうちわで、解散風を吹かせて、自公維を退治する時だろう。ネット世代に叫ぼうと思う。福祉革命の時である。

<オスプレイ・F35で沈没させられる前に決起、決起!>
 武器弾薬で国民を守ることはできない。
 70年前の歴史を紐解けば、小学生でも理解することができる。なにも70年前に戻って、国家神道や教育勅語・大日本帝国憲法を引きずり出す、自公維の政治は、愚の骨頂である。

 国民の3割、4割が貧困層に突き落とされて、福祉から排除されている。日本を代表する財閥企業のトヨタでも、終身雇用を拒否している。
 国民は一生働いても、それでも2000万円の赤字生活を余儀なくされる。実際は、4000、5000万円も不足するわけだから、もう長寿無縁どころか、食うや食わずの人生が待ち構えている。
 厚労省の基本データを分析した金融庁審議会の報告書である。「消えた年金」は、いまだに解決していない。新たに「2000万円の赤字」と試算した公文書は、それでも低めの数字だ。
 どうするか。報告書は「ギャンブル(投資)で稼げ」と、途方もない警鐘を鳴らした。勇気ある金融審議会の提言だが、現状からすると、合点するほかない。

 他方で、危険な「オスプレイ」や「F35」、はたまた「イージス・アショア」の爆買いのアベ内閣である。死の商人向けの、血税軍拡予算を強行してきた自公内閣である。武器弾薬に沈没する日本は、いまや絵空事ではない。
 ネット世代の若者が、このことにようやく覚醒したようだ。
<「2000万円赤字」にネット若者が数千人規模の街頭デモ>
 昨日、日刊ゲンダイのK記者は、いつもながら鋭い指摘をしながらコメントを求めてきた。
 ネット若者が、ネットに情報発信したら、数千人が街頭に飛び出した。この新現象をどう見るのか。極右の政府と議会は、野党の国会追及から逃げ惑うばかりのアベを、3分の2の絶対多数で押し切っている。この不当極まりないアベを、事実上見守るばかりの情けない議会だ。

 人生100年の今日から将来を見据えると、そこに希望はない。真っ暗闇もいいところだ。どうするか。
 最近の欧州議会選挙で環境派が大きく伸びた。原因は16歳の女性の決起が引き金となった。フランスの反政府デモも、若者が主体となっている。イギリス、ドイツからロシアまで、行動する若者が政治を動かしている。

 そして日本でも「2000万円赤字」人生に対して、政治革命にネットの若者が目覚めたものだろう。「川崎殺傷事件」や元農水事務次官に殺害された息子らの運命などを重ね合わせると、とうの昔に日本の福祉は崩壊してしまっている。
 行動する若者が、街頭に飛び出す理由であろう。彼らに「うちわを持て」といいたい。これで解散風を起こして、野党を一本化、福祉革命を推進する平和革命なのである。
 日本に希望の灯をともす偉大な平和革命である。
<反自公維勢力を結集して「福祉9条国家」の実現へ>
 内閣支持率50%は、新聞テレビの政府に寄り添う願望の数値であろう。昨夜、初めて世論調査という突然の電話を受けた。録音電話がポンポンと質問、それに受話器の番号で応答する、きわめていい加減なもので、政治に素人だと本音で即答することなど出来ない。
 世論調査のいい加減な正体を初めて知って納得した。

 若者の福祉革命は、いうなれば9条国家・平和軍縮路線である。血税を武器弾薬から排除して、福祉に切り替えるだけでいい。
 どうするか、改憲軍拡路線の自公維を打倒するのである。信濃町が覚醒すると、よりはっきりと福祉革命は人々の思いで実現する。安心して老後も生きられる日本である。
 言及するまでもなく、武器弾薬国家の先行きは、戦争するアメリカが見本である。9条は断固としてNOを突き付けている。
<「ゆりかごから墓場まで」の日本へ>
 北欧に開花した「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家を参考にする必要などない。日本国憲法は、そこへと国民を呼んでいる、優れた世界最高の憲法である。外交を平和主義に切り替えることで可能である。
 これこそ人類の悲願実現で、国際社会から尊敬と信頼を手にすることができる。若者よ、立て!である。
2019年6月17日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)







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2年前の「枝野幸男ブーム」と今の「山本太郎ブーム」。何が同じで何が違うのか

2019-06-17 08:35:20 | 阿修羅


中島岳志の「野党を読む」
(3)山本太郎 
2年前の「枝野幸男ブーム」と今の「山本太郎ブーム」。何が同じで何が違うのか
島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授
論座 2019年06月16日

■山本太郎ブームはなぜ巻き起こるのか
 いま「山本太郎ブーム」が起きています。
 山本さんが各地の街頭で行う演説会は、瞬く間に黒山の人だかりができます。山本さんが話す内容は、グラフや数字を使った統計資料を基礎とする経済政策が中心で、1時間を優に超えるレクチャーに近いものです。しかし、人は減らない。むしろ雪だるま式に増えていきます。
 このうねりは一体何なのか。
 約2年前、「枝野幸男ブーム」が起きました。「枝野立て」という声が各地で起き立憲民主党が立ち上がると、あっという間に野党第一党の議席数を勝ち取りました。
 「山本太郎ブーム」と「枝野幸男ブーム」は何が同じで、何が違うのか?
 両者に共通するのは、「一人で立ち上がる姿」です。大きな流れに抗し、勝算を度外視して立ち向かう姿勢は、多くの人の共感を呼びます。大きな塊から飛び出し、安定した場所を捨ててでも、国民の選択肢を作る行動に、人は期待を寄せます。
 今回の参議院選挙に向けて、立憲民主党は「物語」の設定がうまくできていないように見えます。同じブームを同じ主人公・同じ内容で巻き起こすことは不可能です。新たな「物語」を作らなければ、国民の期待を集めることは難しいでしょう。
 一方で、山本さんは「物語」の設定に成功しているように思えます。山本さんは6年前の参議院選挙でも、東京選挙区から立候補し、ブームを巻き起こしました。一見すると、今回はこの時のリバイバルのように見えますが、単なる6年前のコピーでは、現在のようなブームは起きません。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_2.jpg
Tシャツにジャケット姿。大きな身ぶりで訴える山本太郎氏=2018年10月9日、千葉・船橋駅
■自民支持層を切り崩す「消費税廃止・減税」
 何が6年前と違うのか。なぜ今、山本太郎に注目が集まるのか。
 その理由は山本さんが今回強く訴えている「消費税廃止・減税」にあります。
 後で述べるように、山本さんは街頭に立ち続ける中から、原発問題の根っこには労働問題があり、その先に全国民に関わる経済問題があるという認識に至ります。そして、全国各地で生活苦に陥っている人たちの痛みに触れ、リアルな「お金」の問題を最重要課題に設定していきます。
 そして今、自民党支持者も山本太郎支持へ流れているのです。
 朝日新聞のWEB版に興味深い記事が載っています。山本さんが2月に民間業者に委託して独自で行った世論調査によると、「新党を立ち上げたら支持しますか?」という問いに対して「支持する」と答えた人のうち「自民支持層と立憲支持層がともに約15%を占めた」というのです(河合達郎『山本太郎氏、ひとりからの挑戦 野党に化学反応起こすか』朝日新聞オンライン、2019年6月1日)
 山本さんはどこから票を引きはがしているのか?
 それは2年前に立憲民主党を応援した人だけでなく、同じぐらいのボリュームで自民党支持層から共感を集めているのです。
 自民党支持層の中には、景気対策を重視し、「反緊縮」を支持するビジネス界の人たちがいます。しかし、それ以上に山本さんの主張は、苦境にあえぐ農家や中小企業、商店主など旧来の自民党支持者たちに支持されています。
 ここには2年前に立憲民主党に吹いた風と、異なった要素が含まれているように思います。山本さんは一般的に、左派的な政治家と見なされますが、実際は保守的な庶民層に届く熱量をもった政治家です。これから選挙戦が過熱化し、テレビなどで山本さんの姿と主張が取り上げられると、安倍政権に不満を持つ保守層に支持が拡大する可能性があります。
■山本太郎の「ヤンキー気質」
 なぜ、山本太郎という政治家は保守的な庶民層の心を動かすのか。
 それは、彼の「ヤンキー気質」にあると私は思います。
 彼自身が様々なインタビューで語っていることですが、中学生の頃は各所で悪さをした「ヤンチャ」な子だったと言います。実際、彼の母親は、次のように語っています。
 ワルだったんですよ。その頃、娘にも言ってたんですけど、この
コは絶対、将来刑務所行きやからって。あんた結婚したころ、太郎
が刑務所から出てきて、お金せびりに来ると思うけど、絶対渡した
らあかん!って。(山本太郎『母ちゃんごめん普通に生きれなくて』
TVぴあ、1998年)
 山本さんは高校時代の素人参加のバラエティ番組出演がきっかけで芸能界デビューしますが、「勉強がイヤで芸能界に入ったようなもん」だったと言います。(『山本太郎 闘いの原点』ちくま文庫、2016年)
 そして、俳優として具体的に「不条理への怒り」「損得勘定を超えた気合」などを内包する「心優しいワル」を演じ、評価を獲得しました。「デビュー時から肉体を駆使してきた」と言うように、彼は演ずる対象と時に一体化し、行動力を身につけていきます。(「本当の芸能人なら声を上げてファンを守れ!! 行動する俳優 山本太郎」『金曜日』2011年11月4日号)
 精神科医で『世界が土曜の夜の夢なら――ヤンキーと精神分析』(角川書店、2012年)などの著書がある斉藤環さんは、山本さんについて「自らの“情緒”に対して忠実な人」と評し、その側面と「反知性主義」の組み合わせが「きわめてヤンキー的」と指摘しています(「太郎からの手紙」『金曜日』2013年11月22日号)
 彼は、政治家になる過程で勉強を重ね、円形脱毛症になるまで頑張りました。しかし、社会に対しては、次のように言います。
 僕が目指す社会は、究極は、頑張らなくても生きていける世の中で
す。もう、「これトチったら俺の人生終わりだな」みたいな世の中は
やめにしたいんですよね。そういう状態が続く人生は地獄ですよね。
「まぁいいか」みたいな余裕が欲しい。
 何をもって頑張るかは個人差があるので、それを測るのは難しい。
でも、頑張れない時に頑張ってもロクなことがないから、ゆっくり休
んで、それを国が支えて、そろそろ力が湧いてきたという時に頑張っ
てもらう方が、ずっと生産性は高いですよ。だって、無理しても壊れ
るだけだもん。
 だから、「いいよ、頑張らなくても」という世の中になればどんだ
けいいか。今はあまりにも地獄すぎると思うんです(山本太郎、(取材
・構成)雨宮処凛『僕にもできた!国会議員』筑摩書房、2019年)
 一体、山本太郎という政治家は何者なのか。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_1.jpg
街頭で訴える山本太郎氏。演説の大半を経済対策に費やした=2019年5月29日、東京・北千住駅
■政治へのきっかけは原発事故
 山本さんが政治に関与し始めたきっかけは東日本大震災による原発事故でした。
 彼は、この時まで「何かあった時、自分は助かるかもしれない」と思っていたそうです。自分は芸能界で活躍する人間であり、税金も多く払ってきた。だから、他の人よりも優先的に助けてもらえるという「選民意識みたいなもの」があったと言います。
 しかし、これが一気に崩壊します。自分は切り捨てられる側の人間であると痛感し、「税金、高いなと思いながらも、そこそこな額を真面目に収めてきたのに切るんですか」と思ったと言います。(前掲『山本太郎 闘いの原点』)
 この時、彼の中に「猛烈に「生きたい」という感情が湧きあがってきた」と言います。(「「生きたい」という思い、自分への憤慨、そして政府への怒り 三位一体の原動力」『マスコミ市民』2012年3月)
 そして、この思いが怒りに変わっていきます。
 本格的にスイッチが入ったのは、「国が子どもの被曝に対しても20ミリシーベルトという基準値を与えた時」でした。「子どもたちの命も守らないような国」には「未来がない」。「未来を諦めた国」なんてどうかしている(『山本太郎 闘いの原点』)。そう思った山本さんは、声を上げようとしました。
 しかし、立ちはだかったのが芸能界という壁でした。
 俳優として芸能界で生きていくためには、特定の政治勢力に加担するような政治的発言はタブーで、「シガラミや利害」が絡んでいます。自分の思っていることを言えば、俳優としての仕事を失うのではないか。そんな自主規制が働きました。
 山本さんは、言うべきことを言えていない自分への苛立ち・ストレスを溜め込み、自問自答します。
 「今、声を上げないってことは、推進派と同じじゃないか」「お前、本当にそれで自分を許せるのか? 後悔しないとでも思ってるのか?」
 そんなとき、2011年4月8日に孫正義さんがツイッターでつぶやきました。
 「皆さんは、原発賛成・反対?」
 山本さんは、これに「反対!」と返します。その瞬間、「内側から何かがどっと溢れてきて、なぜか涙が止まらなくなった」と言います。
 初めて「宣戦布告」した瞬間、堰を切ったように涙が溢れました。
何かを失うかも知れぬ不安、後悔の涙じゃない。これまで、本当の自
分を押さえつけ、言うべきことも言えずにいた。声を上げた瞬間の涙
は、本当の自分を取り戻した、解放の涙でした。(「独占インタビュー 
俳優・山本太郎 原発マネーに汚染されたテレビと芸能界へ」『週刊
現代』2011年8月6日号)
 山本さんは、「やっと人間に戻れた」という感覚を持ち、反原発運動に参加する意思をもちました。そして、その週末、高円寺で行われた反原発デモに参加。ここで一人で悶々としていた気分が吹き飛び、肩の荷が下りたと言います。そして、思いを共有する人たちと意思表示をする自由を味わい、感動します。
 それから本格的に各地の反原発運動・デモに参加するようになっていきました。
■芸能界に働く自主規制
 しかし、彼が前進すればするほど、俳優としての仕事に支障が出るようになります。
 社会問題は企業と繋がっており、CM出演に支障が生じます。テレビ番組もスポンサーによって成り立っており、広告収入が減るようなことは避けられます。その結果、政治発言をするタレントは忌避され、業界内の自主規制が加速します。
 さらに、所属事務所に様々な抗議・嫌がらせ電話がかかってくるようになりました。そして、ついにマネージャーから出演予定だったドラマについて「反原発発言が問題になっており、なくなりました」というメールが届きました。
 この時の心境を、山本さんは「本当にこんなことがあるんだなとショックでした」と語っています。(「独占インタビュー 俳優・山本太郎 原発マネーに汚染されたテレビと芸能界へ」『週刊現代』2011年8月6日)
 山本さんは、このままでは事務所に迷惑がかかると考え、10年以上所属していた事務所をやめてフリーになります。すると、「仕事関係では実際、収入が十分の一になりました」(「緊急インタビュー 未来に向けて生きる学びを:山本太郎さんに聞く(第2回)」『高校のひろば』83号、2012年)。
 知り合いに頼んでテレビ局などに営業をかけてもらうと「ちょっと今、山本は出せないでしょう」という反応が返ってきたと言います。(野呂美加、山本太郎対談「“生きたい”という本能が原動力 仕事があっても命がなきゃ意味がないと思いませんか?」『婦人公論』2011年12月7日)
 それでも山本さんは、反原発運動から遠ざかりませんでした。それは「子供を助けたい」「子供から未来を奪ってはいけない」という思いが強かったからだと言います。
 やっぱり自分の人生を振り返っても、いつが輝いていたかってい
うと、断然子供の頃なんですよ。自分を取り巻いている世界の広さが
どんどん分かってきて、好きな人が現れて恋が始まってという、あの
わくわくする感じ。「どの年齢に帰りたいですか?」って聞かれたら、
きっと多くの人は子供時代とか思春期を思い浮かべる気がするんです。
(『山本太郎 闘いの原点』)
 では山本さんは、どのような子供時代を送ってきたのか。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_4.jpeg
街頭で訴える山本太郎氏。新たに立ち上げた「れいわ新選組」をアピールした=2019年5月229日、東京・北千住駅
■母子家庭で育ったこと
 山本さんは母子家庭で育ちました。父は、1歳の時に亡くなったといい、「父の存在はぼくの中にはいっさいない」と語っています(岩切徹「現代の肖像 俳優 山本太郎 ”脱原発”役者の軌跡」『アエラ』2012年12月3日)
 彼を育てた母親は「パワフルで正義感が強」い人で、「日常的にも自分より弱い立場の人には、手を差し伸べろっていうことはすごく言われ」たと言います。山本さんは、母の存在から大きな影響を受けて育ちました(『山本太郎 闘いの原点』)
 母はフィリピンの貧しい子供たちを支援するボランティア団体のメンバーで、山本さんも子供の時から何度もフィリピンに行って、仕事を手伝わされました。
 母は次のように語っています。
 東南アジアに行くと、バクシーシ(喜捨)じゃないけど、いろん
な町や村で日本から持っていった食べ物とかデザートを、子供たち
に実際に配らしたんです。慈悲の心とか、優しさを培うために。施
す方が、自分の内に徳を積めるというか、してもらった人がたとえ
一時でも幸せを感じれば、自分も幸せな充実感で満たされる。それを
子供たちに教えたかったんです(『山本太郎 闘いの原点』)
 母は学校の規範から自由。夏休みが終わっても、家族で海外から帰ってこないこともありました。一方で家では「鬼軍曹」。ヤンチャな山本さんは、繰り返し厳しくしかられました。子供の時は「うっとうしい」と思っていたそうですが、社会に出るころにはその思いが「尊敬と感謝」に変わったと言います。
 子供の頃の山本さんは、とにかく勉強が大嫌い。小学校の時に「このままじゃ、高校に行けません」と先生に言われ、私立の中学校と高校のつながった学校に通うことになります。そして「今までの僕の学校人生において、担当してくれた先生には平等に迷惑をかけた」と言います。(「緊急インタビュー 未来に向けて生きる学びを:山本太郎さんに聞く(第2回)」『高校のひろば』83号、2012年)
 そんな彼にとって転機になったのが、『天才・たけしの元気が出るテレビ!』の「ダンス甲子園」に素人として出演したことでした。ここで彼の個性に人気が集まり、世間に注目される存在になりました。
 しかし、その過激なパフォーマンスを問題視した所属高校の校長は彼を呼び出し、「テレビの活動を続けるのか、それとも学校やめるのか」と迫ります。山本さんは職員室から母に電話をすると、母から「太郎の人生だから、自分で本当にやりたいことをやりなさい」と言われ、電話口で大泣きしました。
 そして、芸能界にデビュー。俳優として活躍するようになります。
■天皇への手紙
 具体的に政治家への道を歩み出したのは、東日本大震災の翌年(2012年)でした。2012年12月に衆議院議員総選挙への出馬を表明し、東京8区から無所属で出馬しますが、この時は落選しました。
 しかし、2013年7月の参議院議員通常選挙に東京都選挙区から立候補し、65万票を超える票を獲得して当選。2014年の衆議院選挙後には、政党要件を失っていた「生活の党」に入党し、「生活の党と山本太郎と仲間たち」という政党名に改めます。2016年には「自由党」に党名変更。
 そして、今年離党。新党「れいわ新選組」の立ち上げに至ります。
 その間に起きたことで話題になったのは、「天皇への手紙」でした。2013年10月31日、園遊会に出席した山本さんは、明仁天皇に書簡を直接手交しました。これが大問題になり、山本さんは厳しい批判にさらされます。
 この時、山本さんは次のように語っています。
 お手紙には、原発の再稼働については一切書いていません。子供
たちの被曝、原発労働者たちの理不尽な処遇、それとこのことも含
めて秘密にされてしまう秘密保護法によって、戦前と同じ状況に向
かっているという心の叫びをしたためました。陛下に何かを求める
というよりも、自分自身の心の叫びでした。
 今回の行為については猛省しています。(『週刊現代』2013年11
月23日号)
 山本さんには、明仁天皇に対する「敬愛の念」があったと言います。それは国民への気遣いや言葉の端々に表れる「権力者を戒めるようなニュアンス」、そして「開かれた皇室」への共感に基づいていたと言います。彼は騒動ののち、明仁天皇を「「父無き子の父」のような存在」と語っています。(「天皇への直訴事件のその後 「手紙」についての偏向報道に反論する」『創』2014年1月)
 ここには天皇制をめぐる重要な論点が潜んでいると思いますが、この点は別稿を期したいと思います。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_8.jpeg
蓮池透さん(右)の擁立を発表する山本太郎氏=2019年5月31日、東京都新宿区
■労働問題、そして経済問題へ
 山本さんは初当選の選挙戦で、原発問題を国民に問いました。しかし、有権者の反応はいまいちでした。そしてあることに気づきます。
 僕は選挙のときに原発のこと、被曝のこと、TPPのこと、そして
労働問題についてお話ししてきましたが、聴衆のみなさんとの距離
がぐっと縮まるのは、実は労働問題だということに気付いたんです。
演説をしていても、立ち止まる人の数も反応も違う。演説が終わっ
たらみなさんと握手をするんですけど、そのときに話かけられるの
も、労働問題のことがいちばん多かったんです(「政党や団体を超
えて不満がある人たちを集めたい」『Posse』2013年9月号)
 働く人間ひとりひとりにとって、労働環境が改善されていかなか
ったら、世の中に興味を持てないよな、っていうことに気が付いた
わけです。朝から晩まで働いて、その後に社会のことを考えるって
不可能だなって。2年間ずっと活動してきて、そういう部分に思い
が至ったというか」(「秘密保全法反対で全国キャラバン 全国各地
を歩き回る それが僕流の「政治」だ」『創』2013年11月号)
 山本さんがたどり着いたのは「労働問題」でした。結局、原発事故の処理をする危険な労働は、下請け会社や派遣会社に丸投げで、しかもピンハネして安い賃金で働かされていました。
 この被曝労働は「過労死の問題にもつながって」いると考え、労働問題に話を展開すると、反原発運動には距離感を示していた人たちも、熱心に話に耳を傾けるようになりました。
 労働問題に力を入れていかなければならないと思った山本さんは、次第に経済問題に関心をもちます。
 その大きなきっかけとなったのは、2016年1月に出版された松尾匡さんの『この経済政策が民主主義を救う-安倍政権に勝てる対策』(大月書店)を読んだことでした。山本さんは言います。
 その本を読んで衝撃を受けました。要は安倍政権をどうやって倒
すのかという時に、なくてはならないものがある。それは安倍さんを
超える経済政策だと。(山本太郎、(取材・構成)雨宮処凛『僕にもで
きた!国会議員』筑摩書房、2019年)
 そして「松尾先生に「知恵をつけてください」とメール」し、2016年夏ごろから、松尾さんらとともに勉強会がはじまりました。
 この頃、山本さんは自民党の経団連中心主義を厳しく批判しています。安倍内閣は「国民のための政治」ではなく「企業のための政治」であり、その政策は経団連の提言を「完全コピー」している。結局、安倍内閣は大企業優遇のために法人税を減税し減税分を補てんするために消費税を上げようとしている。さらに「人件費の削減」のために外国人労働者の受け入れを進め、「世界的な低賃金競争に自国の人々を引きずり込」もうとしている。そして、TPPによって一部の利益を確保し、農家を苦しめようとしている。(「安倍政権は経団連の御用聞きか」『月刊日本』2016年10月)
 一連の問題を見ていると、安倍政権や経団連は「お前たちが生き
ることは許してやる、但し、余計なことは口に出すな、政治に興味
を持つな」という本音が見て取れますよね。まるで王の様な振る舞
いです。バカ殿ですかね?
 いくら子どもたちが貧困で苦しもうと、若者が借金まみれで家族
を持つのは贅沢だと言われ、少子化も絶望的な状況の中でも「関係
ない」とばかりに、税金を既得権益者にばらまき続けている(前掲
「安倍政権は経団連の御用聞きか」)
 この主張を展開しているのが、保守色を特徴とする雑誌『月刊日本』であるというのも重要です。彼は次第に、自民党を支持してきた保守層を意識し、生活者としての連帯を呼びかけるようになっていきました。
■消費税減税、財政出動
 では、具体的に経済政策をどのようにすべきか?
 山本さんは、「まず景気を良くしなければならない」と言います。清貧の思想を説くのではなく、生活苦にあえいでいる人に目を向け、お金が回るようにしなければならない。景気を良くするためには総需要が大きくならなければならない。総需要は「消費+設備投資+政府支出」であり、この中でGDPの6割を占めるのが個人消費である。だとしたら、何とかして個人消費を伸ばさなければならない。
 では、何をすべきか。
 ここで「消費税廃止・減税」という主張が出てきます。
 消費税を増税すると、景気は冷え込みます。デフレ経済下での消費税増税は、経済に深刻なダメージを与え、貧困層を直撃します。実質賃金が増えることない中で消費税分の物価が上がると、ギリギリの生活水準で耐えしのいでいる人たちは、生きていくことが出来なくなります。
 そんなことはやってはならない。むしろ消費税を廃止もしくは減税することで物価を下げ、経済の循環をよくした方がよい。そう主張します。
 財源は、金融資産の所得への増税。そして「法人税の増税と賃上げを行った企業に対する減税をセットでやる」。(前掲『僕にもできた!国会議員』)
 そして「金融緩和と大胆な財政出動」を進める。作り出されたマネーで「国がこれまで放置してきた分野、支出を渋る分野に大胆に投資」する。「そこが一番伸びしろがある産業であり、成長分野」であり、具体的には「介護、保育、教育、公的住宅」などにお金を回す。「一番足りていない部分を大胆に」テコ入れする(「山本太郎が実行したい最低限の政策」『消費者法ニュース』2018年1月)
 企業が求めるのは「需要」。需要を上げるためには、出生率を上げなければいけない。そのためにやるべきことはなにか。
 一つ目は「個人やその家族に教育の負担をかけない」こと。二つ目「低廉な家賃で住める公的住宅」の提供。そして三つ目「所得に対する補填」。(前掲「山本太郎が実行したい最低限の政策」)
 このような経済政策を大胆に打ち出すことによって、格差・貧困問題を解決することこそ、今の日本に求められていると説きます。
■「左右対決」ではなく「上下対決」
 いつもの図で、山本さんを位置付けることにしましょう。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_5.jpg
 山本さんは、明確なⅡのタイプの政治家です。セーフティネットの充実に積極的で、リベラルな価値観を鮮明にしています。
 山本さんの重要な点は、このⅡのゾーンを、安倍内閣に疑問を持つ保守層と共有しようとしていることです。
 脱原発に限らず市民運動とかに関わると、すぐ“サヨク”ってレ
ッテルを貼られたりするでしょう……でも僕に言わせてもらえば、
この国に人が住めなくなるかどうか、自分たちの子供が生きていけ
るかどうかって瀬戸際で、右も左もないやろと。もっと言えば、右
翼って本来、国を愛する人、美しい国土を愛する人の集団なんでしょ
う? この状況に右翼が怒らんでどないすんねんと。(『山本太郎 
闘いの原点』)
 山本太郎という政治家は、「左右対決」という軸ではなく、「上下対決」によって成り立っています。イデオロギーの対立ではなく、富を持てる者と持てない者の対決。安倍内閣によって特権を得ている一部の人に対する生活者の反逆。この構図を旧来の自民党支持者に投げかけ、安倍内閣に疑問を持つ保守層に訴えかける姿勢が、山本さんの特徴でしょう。
 日本政治に新しい「風」を吹かせることができるのか。他の野党は、この潮流に呼応することができるのか。
 参議院選挙の動向を注視したいと思います。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019061500001.html  










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アベ中東外交大失態<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-17 04:59:51 | 日本の風景


アベ中東外交大失態<本澤二郎の「日本の風景」(3345)
<火中の栗を拾った日本政府>
 「内閣支持率にプラスになる」と信じ込んでのアベの中東外交は、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃によって、海中深く沈められてしまった。どうやら、火中の栗を拾ってしまった日本政府を、国際社会に披歴してしまった。日本の新聞テレビが必死で蓋をかけても無駄なことであろう。
 今後は、予測もつかない大変な事態の招来に、怯えなければならなくなってしまった日本国民なのか。警備費に莫大な資金を投入することになろう。2020東京五輪にもSOSの声が聞こえてきた。何が起こるのか、予測がつかない。中東外交の大やけどの波紋と影響は、平凡な日本人には想定できない。

<タンカー攻撃でワシントンのポチに警告>
 2隻のタンカー攻撃のその日に安倍晋三は、日本の首相として41年ぶりにイランを訪問、最高指導者のハメネイ師と会談、イランの核合意を破綻させ、経済制裁と軍事的圧力を行使している米大統領のトランプの意向を、やや得意満面の面持ちで伝えたようだ。
 ハメネイ師は「賢明な国であれば、圧力にさらされている中で対話に応じることはない。トランプ大統領は、イランと平等に交渉するつもりだといっているが、私は絶対に信じない」とアベの心臓にくぎを刺した。

 ワシントンのポチに向かって外交辞令上、最大級の皮肉を込めながらも、結論として「絶対に信じない」と絶対という言葉を使った。「シンゾウよ、これくらいのことがわからんのか。たとえトランプのポチでも」という本心が伝わってくるようなのだ。
むろん、ノーテンキの心臓にとって理解不能であろう。ワシントンのポチが、外交面で、それを中東で果たすことの危険性が、まるで分っていない。安倍に中東外交の仲裁役は務まらない。彼は第三者ではない。トランプの手先なのだから。世界衆知のことであろう。まさに醜態・大失態である。
 タンカー攻撃を「日本への侮辱だ」と反撃したシンゾウである。

<ノーテンキの心臓に観光業者もハラハラ>
 中東の火薬庫で、日本政府が進んで、外交という重要な場面でもって、火中の栗を拾うということを想定した専門家が一人でもいるだろうか。

 トランプとのゴルフ遊びの延長線上で、遊び半分で手を出しての大やけどについて、それでも本人は何もわかっていない。中東の火薬庫は、世界の他のどの火薬庫よりも、複雑で、かつ危険である。
 日本は、そこから大量の原油を輸入してきた宿命的な事情から、火薬庫への介入を回避、友好協力という歴史を有してきた。その大きな壁を破綻させたアベの中東外交に、今後その影響を受けるかもしれない旅行会社などは今真っ青であろう。

<危険にさらされる日本向け原油>
 中東からエネルギーを運搬する業界の不安は、観光業者の比ではない。日本向けのタンカーは、日々命がけの作業を強いられるかもしれない。人件費だけでも負担は大きい。
 火薬庫が点火でもしたら、日本経済は破局的な影響を受けることも想定できるだろう。死の商人はそれを待ち望んでいる。

<ガソリン値上げで踏んだり蹴ったりの国民>
 庶民大衆は、ガソリンの大幅値上げで悲鳴を上げなけれなならない、という不安を抱え込んだ形である。
 一国の無能リーダーを選んだ悲劇を、いま国民はかみしめているだろう。ガソリン車の時代は、しばらく続くわけだから、その間に日本経済が窒息しないのかどうか、新たな不安にも駆られてしまいそうだ。

<「外務省の陰謀」説も浮上>
 ここでうがちすぎた怪説も飛び出してきている。それは外務省の陰謀である。

 火薬庫の栗を拾わせる外交を外務省は、大反対のはずである。たとえ大馬鹿なアベが、トランプに悪乗りしたとしても、それを阻止する外務省のはずだ。しかし、今回はそうしなかった。アベに火中の栗を拾わせた外務省の狙いは、いったい何なのか。
 「安倍をつぶせ」なのか。

 霞が関の叛乱なのか?ともあれ、中東の火薬庫に手を突っ込んでしまったことで、衰退と貧困が襲い掛かってきている日本社会に、新たなマイナス要因が注射されてしまったことだけは間違いなさそうだ。
 杞憂であることを祈るばかりである。中東問題の専門家は、遠慮せずに真実を語れ、である。






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それでも老後資金2000万円不足が参院選争点になる

2019-06-17 03:56:44 | 日本の風景


それでも老後資金2000万円不足が参院選争点になる
選挙を目前にして国民が注目する数字が大きく報道された。

老後の生活のために2000万円の貯蓄が必要という金融庁の報告だ。

安倍内閣はメディアと御用コメンテーターに命令して火消しに躍起だ。

NHKなどは、9時の定時ニュースは、金融庁報告書によって老後の資金計画を考えるきっかけが得られたとのまとめを示して、そのあとでパンダのニュースを延々と報じた。

腐ったNHK。

NHKで重要ポジションに就くには、上の命令に従う必要がある。

全身全霊で安倍チャンネル、あべさまのNHKの報道に協力しなければならない。

目立つポジションに就きたい気持ちは分かるが、全身全霊で御用に徹している姿は、決して美しいものではない。

人間の醜い性が浮かび上がって「かたはらいたし」と感じられてしまう。

「かたはらいたし」とは、こっけいで苦々しく感じるさま、笑止千万だ、ということ。

今回の金融庁ワーキング・グループの報告書に記載された内容について、政府に媚びを売る人々が、「目新しいことではない」、「年金で生活できるなどと誰も言っていない」などの言説を流布して、問題の火消しに躍起になっている。

それでも、この問題は参院選の大きな争点になるだろう。

重要なことは、政府が国民の老後の生活について、必要資金の標準を提示したことにある。

政府が資産の前提に置いた必要生活費は

夫婦二人で月に263,718円だ。

約26万円を必要生活資金として提示したのだ。

問題になっている2000万円必要の試算は、平均的な姿として、夫婦が月に209,198円の収入があるとして計算したものだ。

毎月54,520円の赤字になる。

この金額は1年当たりで654,240円になる。

30年では1962万7200円が必要になる。

夫65歳、妻60歳の夫婦で30年生存すると、自己資金が約2000万円必要だとする仮定計算を公表したのである。

この数値そのものは,単なる試算だが、公表された試算数値が、それぞれの国民が自分の老後を考える尺度として使われることになる。

そのために数値を公表したのだとも言える。

このことによって、私たちの老後の状況が、より具体的イメージとして掴めるようになったのだ。

それによって、人々が安心できるなら数値公表の意味があっただろうが、現実は逆である。

日本の多数の国民に「地獄絵図」を提示してしまった。

金融庁は計り知れない失態を犯したことになる。

まず問題になるのは、夫婦で月に21万円の収入という部分だ。

厚生年金に加入していないとこの金額を受領できない。

国民年金の場合、満額で一人月額65,000円だから、二人で13万円になる。

そうなると、26.4万円の生活費がかかると、月に13.4万円の赤字になる。

年間では160.8万円、30年間では4824万円必要になる。

つまり、国民年金だけしか加入していない人の場合は、満額もらえる人でも4824万円の貯金がないと老後を暮らしていけないということになる。

では、生活苦で年金保険料が払えず、無年金の人はどうなるのか。

毎月26.4万円の生活費が必要になるから、年間で316.8万円必要になる。

30年間では9504万円だ。

老後に生きてゆくには9500万円の貯金が必要だということが示される。

2人以上世帯では、所得ゼロ世帯の57.1%が貯蓄ゼロである。

300万円以下の収入世帯の28.4%が貯蓄ゼロだ。

これらの数値が明らかにすることは、日本の高齢社会が地獄絵図の様相を示すということだ。

重要なことは、すべての国民に付与する最低ラインを引き上げることなのだ。

これを示さずに、試算結果を公表すれば、怒号が飛びかうのは当然のことだ。

選挙ではこの問題を徹底的に掘り下げて論争点にするべきだ。







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21世紀の姥捨て山<本澤二郎

2019-06-17 03:49:06 | 日本の風景


21世紀の姥捨て山<本澤二郎の「日本の風景」(3346)
<それでも内閣支持率50%と新聞テレビが合唱する日本>
この国は当の昔、正確には6年前から崩壊・沈没過程をまっしぐらに突き進んでいる。「物つくりを自負していた製造業で、世界に通用するものは消えてしまっている」のだし、財政の悪化は天文学的、それゆえの10%消費税!極右首相はそれでも欠陥機F35の大量購入で、ワシントンのポチを演じ、とうとう中東外交で火中の栗を拾ってしまった。
 支援するのは、高給取りの新聞とテレビだ。内閣支持率は50%前後、選挙すれば3分の2議席確保と宣伝している。どっこい金融庁の金融審議会が「現実は2000万円赤字の日本国民の家庭」と消えた年金の第二弾を、公文書として公開した。そんな金など無縁の無数の老人は、21世紀の姥捨て山へと放り込まれるしかない。ああ、どうする日本!

<年金20万円に届かない世帯は「急いで死ね」か>
 金融審議会が公表した2000万円赤字家庭というのは、実際はもっともっと深刻である。
 月収20万円に届かない家庭は、ゴマンといる。この数字の根拠は、厚労省の家計調査を基にはじき出した試算で、いい加減なものではない。日本の貧困が、いかに容易ならざる事態に追い込まれているかを裏付けている。

 困ったことは、これを報道する輩は、みな高給取りだから、その深刻さを十分理解できていないことである。夫婦二人の健全な家庭で月収20万円、ということは一人住まいや国民年金のお年寄りは、赤字は2000万円どころか、3000万円、5000万円とはねあがる。

 近くにいる年金1か月5万円の高齢者は、歩行もままならない、食事もつくれない。介護施設も週2回である。「早く死ね」が日本政府の福祉の実態である。
 公務員は、この枠から外れている。なぜか。官尊民卑ゆえである。麻生太郎は「年金」を知らない。安倍晋三も山口那津男も公金や毒饅頭で腹が膨らんでいる、そのためである。
<優雅すぎる国家公務員給与と老後の年金生活>
 年金生活に入ってみて、国民は初めて官民格差を思い知らされる。格差どころか官尊民卑そのものである。森友事件で、佐川なる悪徳官僚が嘘をついて、国税庁長官に出世した理由、はたまたTBS強姦魔事件で大活躍した警察庁の中村らの暴走も理解できる。

 国民はしっかりと記憶している。
<赤いうちわで風を起こすことが弱者の使命>
 世界には、ローソク革命だとか、弱者は知恵を働かせることで、天の声を実践して、暴政から離脱している。日本国民も、とうとうその時を迎えてきた。
 頼りにならない新聞テレビが、その壁である。無能・無力の議会、とりわけ野党の不勉強と行動力の弱さである。
 参院選では1人区で統一候補が、形だけそろったようだが、馬力がない。これを複数区でも実現しないと、アベ自公の暴政を駆逐できない。
 21世紀の姥捨て山を、赤いうちわで吹き飛ばす国民運動が必要不可欠であろう。F35やミサイルをキャンセルする国民福祉に徹したやさしい政権を打ち立てる時なのだ。
 「赤いうちわ」で解散に追い込むのである。野党のリーダーがボケて居なければ、必ずそうするだろう。
2019年6月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

本澤先生
山田盟子さんを調べていくと「天皇のロザリオ」という本に突き当たります。
未だ調べ途中ですが、似非右翼(読売・産経・日経・毎日・朝日)清和会・司法警察・キャリアヤク人が嫌がることが満載⁇のようです。







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