格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

麻生首相は郵政民営化委員を刷新して解散を断行すべし

2009-02-22 16:53:05 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


麻生首相は郵政民営化委員を刷新して解散を断行すべし
「神州の泉」主宰者の高橋博彦様には、いつも身に余るお言葉を賜りまして心よりお礼申し上げます。また、「植草事件の真相」掲示板に「またしても魂を売った裁判官」と題するご意見を寄稿くださった投稿者様には、温かなお言葉を賜りましてありがとうございます。心よりお礼申し上げます。

また、ひらのゆきこ様がJANJANニュースに民事訴訟についての貴重な記事を執筆くださいました。いつも貴重な記事を掲載くださいましてありがとうございます。心よりお礼申し上げます。


NHKは予算を握る監督官庁が総務省であるため、定時ニュースで「かんぽの宿疑惑」を取り扱っているが、テレビ朝日、テレビ東京を中心に民間放送はほとんどこの重大な疑惑報道を行っていない。


事案の内容は「ロッキード事件」や「リクルート事件」に匹敵する重要性を帯びている。小泉竹中政治の本丸であった「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であるとの疑惑が鮮明に浮上しているのだ。マスメディアが報道機関であると自任するなら、真相究明への真摯な姿勢が見られないことは、不自然極まる。


NHKは国民の支払う受信料によって支えられ、公共放送であることから法律によってさまざまな恩典を与えられている。衆参両院の本会議、予算委員会、および重要問題を審議する委員会審議は100%テレビ中継をするべきである。


大相撲と高校野球を完全放送して、国会を中継しないことを正当化する論理は存在しない。竹中氏の総務相時代のころから国会中継の完全放送が見送られているのではないか。NHKの国会中継のあり方、日曜討論のあり方について、国会で論議することが求められる。


「かんぽの宿疑惑」が拡大するなかで、2009年前半、郵政民営化は重大な局面を迎える。郵政民営化法第19条は「3年ごとの総合的な見直し」を明記している。本年が見直しの年にあたる。また、「かんぽの宿」一括売却に重大な問題があることが明らかになれば、西川善文社長の解任は必至である。


「ポリシーウォッチ」での竹中平蔵氏の切羽詰った稚拙な反論を見ると、竹中氏は西川氏の解任をどうしても避けなければならない、何か特別な事情を抱えているように見受けられるが、西川社長が貴重な国民資産を守るための「善管注意義務」を果たしていなかったのなら、解任は当然である。


竹中氏は「そのようなことをすれば民間から仕事を引き受ける人がいなくなる」というが、株式を100%日本政府が保有している以上、日本郵政は紛れもない「国営会社」であり、その最高責任者には、最低限度の行動として、国民財産を守る行動が求められる。それをできない人物なら、民間人であれ官僚出身者であれ、仕事を引き受けてもらうべきでない。竹中氏の発言は「本末転倒」である。


「仕事の引き受け手がなくなるから、重大な問題に目をつぶる」のは間違いであって、「重大な問題を発生させない適性を備える人物に限り、仕事を委ねる」ことが必要なのだ。


小泉竹中政治の副産物として、日本の雇用情勢は氷河期に突入した。日本郵政の経営を委ねる人材を民間公募すれば、「私」ではなく「公」のために精一杯汗を流す、能力のある人材がいくらでも名乗りを挙げるはずだ。小泉竹中政治は政府関連人事において近親者に地位を付与することを繰り返し、「人事」を「利権化」したと論評できる行動を随所に示した。新たな「猟官任用」の類型が形成されたと思われる。


日本郵政社長交代に加えて、もうひとつの重要事項が存在する。それは「郵政民営化委員会」委員の任期が本年3月で切れることだ。このメンバーを刷新しなければならない。


現在の委員5名は以下の通り。


田中直毅 国際公共政策研究センター理事長
飯泉嘉門 徳島県知事
辻山栄子 早稲田大学商学部教授
冨山和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役最高経営責任者
野村修也 中央大学法科大学院教授


次に、竹中氏と特に親しい人々がメンバーになっていると推察される「ポリシーウォッチ」のスピーカーメンバーを示す。


竹中平蔵
加藤 寛
岸 博幸
木村 剛
冨山和彦
野村修也
ロバート・フェルドマン

   
 次に、小泉元首相がロシアを訪問したが、訪問は「国際公共政策センター」の行事によるものだった。この組織の最高幹部は以下の通りである。


会 長 奥田 碩
理事長 田中直毅
顧 問 小泉純一郎


つまり、郵政民営化委員会が「同族会社」と化していると言っても良いのではないだろうか。この状況を放置したままでは、「郵政民営化」の「真相」が「郵政利権化」であり、「郵政米営化」であり、「郵政私物化」であるとの強い疑惑を払拭できない。


本年3月に委員の任期が満了する。任期満了に際して、すべての委員を刷新する必要がある。同時に、日本郵政の社長を交代するべきだ。


「郵政民営化見直し」を表明した麻生首相の解散権を封じ、総選挙前に四たび首相を交代しようとの蠢(うごめ)きが本格化しているが、国民を馬鹿にし切った自民党の横暴を許してはならない。


野党は予算成立と解散総選挙とを取引するべきだ。麻生首相は解散権を封じ込められる前に、日本郵政社長と郵政民営化委員を刷新し、野党との「話し合いによる衆議院解散」を決断するべきだ。判断を遅らせれば、三木武雄元首相、海部俊樹元首相と同様に解散権を封じられて、麻生氏は間違いなく首相の座から引きずり降ろされることになる。


国民の大半が早期の解散総選挙を求めている。予算成立と同時に解散総選挙を行うことが唯一の正しい選択である。小泉竹中一家の行動は時計の針を逆戻りさせる行動である。世界はいま、「市場原理主義」を否定し、「改革の美名の陰に隠された新型利権政治」を否定しようとしているのだ。

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竹中平蔵氏と日経新聞「かんぽの宿」の外堀が埋まりましたが氏はいつまで詭弁を維持するのだろう。

2009-02-22 16:14:09 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

竹中平蔵氏と日経新聞「かんぽの宿」の外堀が埋まりましたが
日本経済新聞と竹中平蔵氏はいつまで詭弁を維持するのだろう。


「かんぽの宿疑惑」はすでに「疑惑」の段階を超えている。「かんぽの宿不正売却問題」と表現する方が適切である。


日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が明らかにされた。
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
である。


通常、不動産の取引実勢価格は固定資産税評価額の1.3~1.5倍程度とされている。オリックス不動産が取得することになっていた価格は固定資産税評価額の13%、実勢価格が固定資産評価額の1.3倍だとすると、実勢価格の10%である。


2月20日の衆議院予算委員会の質疑では、また新たに二つの重要事実が明らかにされた。


ひとつは、2008年10月31日の「第2次入札」に応札したオリックス不動産とHMI社の2社の提示した条件を比較すると、価格、雇用維持条件、などを勘案すると、HMI社が提示した条件の方が、明らかに日本郵政に有利であったことが明らかにされたことだ。鳩山総務相が日本郵政が提出した資料をもとに明言した。


第二は、オリックス不動産に対して2年間の転売規制が付けられているとのこれまでの日本郵政の説明が虚偽であることが判明した。オリックス不動産との契約内容に、2年間の期間内でも例外的に施設の廃止や転売をオリックス不動産が実行できる条項が盛り込まれていたことが明らかにされた。


日本郵政が当初、「一般競争入札」としてきたものが、実は「一般競争入札」ではなかったことがすでに明らかにされている。会計法により、日本郵政の資産売却は「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のいずれかによることとされているが、「かんぽの宿」売却は、このいずれの範疇にも入らないものだった。


ただし、最終的に今回の「かんぽの宿」の事例では、最終的な入札に1社しか参加していないから、保坂展人議員によれば、「不落随契」と呼ばれる「随意契約」に分類されるとのことだ。


一括譲渡先決定のプロセスが明らかにされるに連れて、決定プロセスの不透明さは解消されるどころか、濃くなるばかりである。すでに「真っ黒」の状況だ。


日本郵政とメリルリンチ日本証券との間では、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報も浮上している。


この期に及んでも、日本経済新聞と竹中平蔵氏は、日本郵政が正しく、一括譲渡に「待った」をかけた鳩山総務相の行動が間違いであるとの「詭弁」を維持し続けるのか。


今回の問題に対して、中立公平の視点からの、一般常識に適合する論評をまったく示さず、ひたすら日本郵政と西川社長を擁護しようとする奇怪な行動が、「郵政民営化」に対する疑念を急激に拡大させていることに気付かないのだろうか。


朝日新聞は当初、鳩山総務相批判のポジションを取ったが、事態の進展に応じて、論調を転換した。日経新聞と産経新聞が当初のスタンスに固執している。


「ポリシー・ウォッチ」と呼ばれる、誰がスポンサーになっているのかを知らないが、メンバーに明らかな偏りのあるグループのサイトで、懸命に詭弁を弄する竹中平蔵氏の顔色に焦燥感が濃いと感じるのは私だけだろうか。


竹中平蔵氏が提供する、まったく進歩の見られない稚拙な反論に対するコメントを次回コラムに要約して提示する。


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国家の諜報組織化・・・ヒラリー国務長官の対日戦略

2009-02-21 10:16:11 | オルタナティブ通信

国家の諜報組織化・・・ヒラリー国務長官の対日戦略



「アメリカ憲法が日本の食糧自給を破壊する」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/109685412.html


「日本に軍隊を作ったのは誰か?」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/49430203.html


「核兵器産業の闇・・日本独立のための第18章」、参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/49605569.html





 1995年10月15日付、「ニューヨーク・タイムズ」は、同年6月行われた、ビル・クリントン政権下での日米自動車交渉において、米国側は、日本側代表の橋本龍太郎通産大臣(当時)の、対米交渉の戦略を「探る」ため、大臣周辺に盗聴を仕掛け、日本の通産省内部の事前会議、官僚と大臣との私的会話の大部分を把握していた事を報じている。

当時、米国側の交渉役であったUSTR=米国通称代表のミッキー・カンターは、こうした外交交渉の「敏腕プロ」ではなかった。カンターは、盗聴・諜報分野の専門家でもあり、カンターの部下=情報収集担当者の多くはCIAメンバーであった。

 米国の外交交渉・通商交渉の「担当」が、諜報関係者・CIAによって「担われている事」、国家機能そのものが「諜報組織化」している事を、これは示している。

(この項、続く・・・次回は、ミッキー・カンター等と、ヒラリー・クリントンの対日戦略について)。



*・・・なお、このUSTRを先兵として日本に毎年、米国が「突き付けて来る」年次改革要望書については、冒頭掲載の3つの文章を参照。

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「かんぽの宿」不正払下げを証明する固定資産評価

2009-02-21 09:54:25 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「かんぽの宿」不正払下げを証明する固定資産評価
2月19日の衆議院財務金融委員会で、「かんぽの宿疑惑」に関連して、また新しい重要事実が明らかにされた。


この点に関連する重要事実は、すでに2月16日の衆議院財務金融委員会で明らかにされていた。


本ブログ2月17日付記事「「かんぽの宿」不正売却の新事実判明」に、「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産評価基準額が明らかにされたことを記述した。


民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政がようやく「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額を明らかにしたのである。


日本郵政の寺崎執行役は「ラフレさいたま」の評価金額について、
日本郵政評価額    15億6700万円
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることを明らかにした。


松野頼久議員が日本郵政に対して資料提出を求め、日本郵政がオリックス不動産に一括売却することを内定した全国79施設および世田谷レクセンターの日本郵政評価額および固定資産税評価基準額に関するデータを提出した。


2月19日の委員会では、民主党の川内博史議員が質問に立った。質疑によって、世田谷レクセンタープラス79施設の数値が明らかにされた。


日本郵政評価額    185億円
固定資産税評価基準額 910億円


 不動産の場合、一般に不動産時価が固定資産税評価基準額の1.3倍から1.5倍程度であることが多いのではないかとの発言が鳩山総務相からあった。日本郵政がオリックス不動産に一括売却しようとしていた80施設の固定資産税評価基準額が910億円もあることが明らかにされたのだ。


 世田谷レクセンターを除いても、109億円での売却は間違いなく「不当廉売」である。


 日本郵政は物件の不動産鑑定を実施する際に、鑑定物件を「ホテル業を営む施設」として評価を委嘱したことを明らかにした。


 川内氏は、「かんぽの宿」は日本郵政株式会社法上、「加入者福祉施設」と位置付けられており、「ホテル業」としての不動産評価額鑑定は間違っていると指摘した。


 これまで繰り返し指摘してきたように、「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」であるために、料金体系が低水準に抑制されてきた。稼働率は70%に達しており、リゾート宿泊施設としては非常に高い稼働率を実現してきている。


 「赤字」の大きな原因が「減価償却費」にあるのではないかと指摘してきたが、山崎行太郎氏がブログで、日本郵政公社元常務理事の稲村公望氏の説明を紹介している。


 稲村氏はすでに週刊誌でも実名告発しているが、「日本郵政公社時代に、会計基準見直しで減価償却期間を60年から25年に短縮したため、帳簿上、年度ごとの赤字額が増大」したのだという。


資産価格が大幅に圧縮されてしまえば、新たに施設を購入した事業者の減価償却費は大幅に減少することになる。財務データの詳細を確認する必要があるが、「年間40億円の赤字」を鵜呑みにすることはできない。実体上の赤字は驚くほど小さい可能性がある。


日本郵政はこれまで、「事業の巨額赤字」と「雇用の維持」が低価格売却の理由であると主張し続けてきた。「3200人の雇用維持」と「事業の継続」が大きな重荷になり、入札辞退者が続出したと説明してきた。


日本経済新聞を筆頭に、日本郵政サイドの説明を強調する人々が依然として存在する。これらの人々は、皆が類似した説明を示しており、何らかの利害を共有する勢力であると判断される。


これらの人々の説明に説得力があれば別だが、いずれのケースも事実誤認がはなはだしく、日本郵政サイドの公式説明をなぞらえているだけに過ぎない。


国民新党の亀井亜紀子議員は、「ラフレさいたま」の正規職員数がたったの5人であることをブログに記述されている。


「雇用の維持」、「事業の継続」が強調されてきたが、オリックス不動産の場合、「雇用維持義務の期間」は1年、「転売規制」は2年しか付けられていなかった。この条件が入札への参加を希望した事業者によって異なっていたことも明るみに出始めており、すべてが「でたらめ」との印象が強い。


本当に3200人の雇用維持が義務付けられていたのか、また、雇用条件の見直しも認められていなかったのか、詳細な事実を明らかにする必要がある。


日本郵政公社は2007年3月に「かんぽの宿」などの売却を実施している。これまでに廃止や売却した施設の場合、雇用維持をどのようにクリアしたのかの検証も必要だ。


「かんぽの宿」は、老人福祉施設に改装して利用することも可能である。現に1万円で売却された鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は老人福祉施設として再利用されている。


固定資産税評価額が800-900億円の施設を100億円で売却することを正当化する理屈は存在しない。過去の政府保有資産が安値売却されたことを安値売却の正当性の根拠とする見解が存在するが、これは、過去の事例が正当なのではなく、過去の事例においても、「不当廉売」、「不正廉売」が横行していたことを意味するだけである。


「雇用維持条件」と「転売規制」を明確に定めて、「一般競争入札」を実施していれば、そもそも問題は発生していない。そのような透明性の高い一般競争入札を実施していれば、6億-7億円などの法外な手数料も発生しない。


また、米国投資銀行ベア・スターンズ社の経営危機が表面化して、米国の金融危機が本格的な危機に突入したのは昨年3月である。米国の金融危機が世界に波及するなかで、売却期限である2012年まで4年もの時間的猶予のある「かんぽの宿」売却が性急に強行されたことも理解しがたい。


「ラフレさいたま」だけで100億円程度の不動産時価が得られ、首都圏9箇所の社宅土地の時価評価が47億円である。これらを含む全国70の「かんぽの宿」と社宅9箇所の合計が109億円で売却されることを、無理やり正当化しようとする発言者は、そのことをもって、私は公正な発言者でないと判断する。


小泉竹中一家に括られる人々やマスメディアが懸命に、この、まったく説得力を持たない主張を訴えるが、この奇怪極まる主張を展開する人々は、何らかの形で小泉竹中一家=外資勢力とつながりを持つとしか判断できない。


2月18日の衆議院予算委員会で、公明党の大口善徳議員が質問に立ち、さらに新たな事実が発覚した。


「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していたことが明らかになった。


竹中平蔵氏は自著のなかで、「民営化」について次のように述べている。


「辞書によると、民営化とは、「民間の経営に任せること」とある。文字通り郵政民営化とは、郵政の経営を民間に任せることであり、政府はそれが可能なように、また効率的に行われるように枠組みを作ることである。これで、西川氏に、経営のすべて、民営化のすべてが委ねられることになった。」
(『構造改革の真実』239ページ、太字は植草による)


2007年10月1日に正式発足した日本郵政株式会社社長に西川善文氏が就いた。竹中氏は、これ以後は、日本郵政のすべてを西川氏の采配で決定できると勘違いしたのだろう。竹中氏と西川氏が通じていれば、竹中氏の意向を日本郵政の経営に反映させることも出来る。


竹中氏は1月19日の産経新聞に投稿した稚拙な反論のなかで、
「そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」
と記述したが、この判断が根本的に誤っている。


日本郵政株式を100%政府が保有している間は、日本郵政は「民間会社」ではなく、「国営会社」なのだ。「国営会社」である以上、資産売却等に対する国民と国会、行政による監視が不可欠である。


日本郵政の巨大事業、資産売却に対する国会、行政、国民の監視を制度的に保証する制度改正が不可欠だ。「郵政民営化見直し」は「郵政民営化法」第19条が定めている「法定事項」である。「郵政民営化見直し」に強烈に反対する小泉元首相などは、「郵政民営化法」に対する基礎知識を欠いていると考えられる。法律を勉強し直す必要があると思われる。


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小泉竹中「郵政民営化」による「日本収奪」の構造

2009-02-20 20:01:49 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

小泉竹中「郵政民営化」による「日本収奪」の構造
郵政民営化の流れを整理しておく。


2004年4月26日 郵政民営化準備室発足
2004年9月10日 「郵政民営化の基本方針」閣議決定
2004年7月11日 参議院選挙 竹中平蔵氏当選
2004年9月27日 竹中平蔵氏郵政民営化担当相就任
2005年2月  郵政民営化PRチラシ配布
(国民をIQで区分した「B層」ターゲットの広報)

2005年6月7日 城内実議員質疑
 郵政民営化準備室と米国の17回会合判明
2005年6月28日 郵政民営化関連法案修正案自民党            総務会多数決決定
2005年7月5日  郵政民営化法案衆議院可決
2005年8月2日 櫻井充議員質疑
 米国通商代表ゼーリック氏から竹中平蔵氏宛て信書暴露
2005年8月8日 郵政民営化法案参議院否決衆議院解散
2005年9月11日 総選挙
2005年10月21日 郵政民営化法・関連法案成立
2005年10月31日 竹中平蔵氏 総務相就任
2005年11月11日 西川善文氏準備企画会社 

(日本郵政株式会社)CEO就任内定記者会見
2005年12月26日 「郵政民営化委員会」人選発表
2006年1月23日  日本郵政株式会社設立
2006年1月25日 日本郵政公社承継基本計画
2006年7月31日 郵政公社承継実施計画骨格決定
2006年9月19日 郵政公社承継財産評価委員会
2006年9月26日 安倍内閣発足 菅義偉氏総務相就任
2006年9月28日 竹中平蔵氏議員辞職
2007年3月 日本郵政公社「かんぽの宿」等一括売却
2007年4月27日 郵政公社承継実施計画認可申請
2007年8月27日 福田内閣発足増田寛也氏総務相就任
2007年9月10日 日本郵政公社承継実施計画認可
2007年10月1日 日本郵政株式会社正式発足
2008年9月24日 麻生内閣発足鳩山邦夫氏総務相就任
2008年12月26日 日本郵政株式会社「かんぽの宿」            一括譲渡を発表
2009年2月16日 日本郵政株式会社「かんぽの宿」           一括譲渡白紙撤回を発表


郵政民営化法および日本郵政株式会社法などの関連法が成立したのは2005年10月21日である。2005年9月11日の郵政民営化選挙で自民党が大勝し、法律が成立した。


郵政民営化法の策定は2004年4月26日の「郵政民営化準備室」設立から、2005年4月27日の「郵政民営化法案」閣議決定までの1年間に行われた。


この1年間に、郵政民営化準備室が米国関係者と17回も会合を重ねたことが暴露された。国会での質問者は城内実議員で、城内氏は当時の模様を次のように記述されている。


「今、当時のことを思い出すと、前日質問をとりに来た郵政民営化準備室の関係者が、「この質問だけは竹中大臣にしないで欲しい。準備室長に答弁させていただきたい。」と強く迫った。彼らは大変丁寧なものごしでありながら、執拗にくいさがってきた。なぜ与党の議員なのにこういう(一番核心に触れる質問)をするのか、とにかくとりさげてくれと言わんばかりの迫力で、私も役人ながら大臣を守ろうとする使命感たるやあっぱれだなと思ったくらいだった。」
(城内実氏のブログからの引用)


竹中氏にすれば、米国関係者と17回も会合を重ねて法案策定が進められたとの事実は、「もっとも触れられたくない部分」であったのだと考えられる。米国は「対日年次規制改革要望書」で「郵政民営化」を最重要項目として、詳細に要求を突き付けてきた。郵政民営化は米国の要請、指示に従って細目が定められたと判断して差し支えないだろう。


大きな問題が三つある。


第一は以下の問題だ。日本郵政公社が担ってきた「郵便」、「貯金」、「簡保」の郵政三事業を「郵便」、「郵便局」、「ちょきん」、「かんぽ」の4分社化によって引き継ぐことは「郵政民営化法」によって定められた。しかし、具体的にどのように業務や資産を継承するのかについては、「基本計画」ならびに「実施計画」で定められると規定されたことである。


郵政民営化法第161条から164条にその定めが盛り込まれた。つまり、郵政民営化の細目の決定は法律事項ではなく、政省令事項とされたのだ。大枠は法律で定められたが、実体的に意味を持つ細目は総務省および日本郵政株式会社に委ねられたのである。


第二は、郵政三事業の資産承継の具体的内容が「基本計画」、ならびに「実施計画」で定められることになったにもかかわらず、「かんぽの宿」などの旧簡易生命保険法101条の1の施設、および「メルパルク」などの旧郵便貯金法第4条の1の施設の廃止または売却だけが、特別に取り扱われて、日本郵政株式会社法附則第2条に潜り込まされたことである。


民主党の原口一博議員によると、この規定は法案完成の2日前に盛り込まれたとのことだ。「かんぽの宿」の安値払い下げが2005年の法案策定時から画策されていた疑いが浮上している。


第三は、日本郵政公社からの資産承継に際して、評価委員が財産評価を行うことが法律に盛り込まれたことだ。これは、郵政民営化法第165条に規定された。


日本郵政株式会社が「基本計画」を定めたのは2006年1月である。しかし、「基本計画」には具体的な分割の規定がない。具体的な分割を決定したのが「実施計画」であるが、実施計画は2007年4月までに決定されるべきことが省令で定められた。


ところが、この実施計画の骨格は2006年7月31日に、前倒しで決定されたのである。竹中氏は2006年9月に突如、議員辞職の方針を示した。参議院議員の公職を任期半ばで放り出した。小泉政権の終焉と同時に議員辞職した。


竹中氏は、郵政民営化の細目の決定を、自身の任期中に前倒しで決めてしまったのである。また、財産評価委員会の第1回会合が2006年9月に開かれた。この財産評価委員会にオリックス関連企業の役員を務める奥田かつ枝氏が委員として指名され、日本郵政公社財産の評価額決定に重要な役割を果たしたと考えられる。


問題は日本郵政公社の資産と人員の分割にある。実施計画の概要に示された人員配分と日本郵政CRE部門斎藤隆司氏作成資料に記載されている各社保有不動産を列挙すると以下のようになる。


      人員(万人)   不動産(億円)
日本郵政   0.36     2250
郵便事業  10.01    14030
郵便局   12.07    10020
ゆうちょ   1.16     1200
かんぽ生命  0.54      900


 ここで、郵政民営化の形態を簡単に説明しておく。


 郵便、郵便局、ゆうちょ、かんぽ生命、の4社はすべて日本郵政の傘下に入る。日本郵政株式会社は持株会社で郵政4社を子会社として保有する。


 郵政民営化法第7条の規定により、日本郵政が保有する「ゆうちょ」と「かんぽ生命」の株式は全株が2007年10月から2017年9月までに売却されることとされている。


 つまり、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」については、株式売却が完全に終了した段階で「完全民営化」が実現することになる。


 「郵便事業」と「郵便局」は「日本郵政」の子会社であり、日本郵政が両社の株式を保有し続ける。しかし、「日本郵政」の株式については、郵政民営化法第7条および日本郵政株式会社法附則第3条の規定により、全体の3分の2を出来るだけ早期に売却することとされている。


 上記の人員と不動産の配分を見ると、大きな特徴を見て取ることが出来る。


それは、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」に配分される人員と不動産が極端に少ないことだ。もちろん、「ゆうちょ」と「かんぽ生命」には340兆円の資金が付随する。この「ゆうちょ」と「かんぽ生命」の株式は全株が売却されることとされている。この点は、米国が執拗に要求した点でもある。


 この「ゆうちょ」と「かんぽ」の株式をそれぞれ全株の2分の1以上買い集めれば、340兆円の資金の支配権を確保することが出来る。日本国民の貴重な340兆円の資金が簡単に外国資本の手に渡る危険があるのだ。


 一方、「日本郵政」、「郵便事業」、「郵便局」の3社連合はどうだろうか。最大の特徴は、郵政が保有する巨大不動産の大半がこのなかに接収されたことである。


 「この3社連合体」から「郵便事業」と「郵便局」を差し引くと、「巨大不動産」が残る。「日本郵政」は「不動産事業」を今後の事業の中核に据える方針を示している。


 だが、この点は、日本郵政株式会社法とは整合的でない。日本郵政株式会社法第1条(会社の目的)は以下のように定めている。


第一条  日本郵政株式会社(以下「会社」という。)は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有し、これらの株式会社の経営管理を行うこと並びにこれらの株式会社の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とする。


 不動産事業は日本郵政株式会社の本来業務ではない。この点に関連して問題になるのが、「かんぽの宿」の売却規定である。日本郵政株式会社法は附則第2条に「かんぽの宿」売却規定を設けた。


 このことについて、法案策定の決定権者である竹中平蔵氏は自著のなかで次のように述べている。


「メルパルクホールや簡保の宿など、本来の仕事つまりコア業務ではない(したがって競争力もない)ものは、資産を処分して撤退するべきだと判断した。」
(『構造改革の真実』177ページ)


 メルパルクや簡保の宿が「本来の仕事つまりコア業務」でないなら、日本郵政の不動産事業も「本来の仕事つまりコア業務」でないことになるはずだ。日本郵政が巨大商業ビル建設計画を発表し、マンション分譲事業に進出することを竹中氏は奨励する発言を示している。その一方で、「かんぽの宿」は「本来業務でないから売却することを決めた」と言うのは大きな矛盾だ。これも、「出来レース」を示唆する状況証拠である。


 「かんぽの宿」を不正廉売するための「トリック」を考察してみる必要がある。「事業を行い、赤字を計上すること」がDCF法による低い資産評価を生み出す「トリック」だった。鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は老人福祉施設に衣替えをして立派に活用されている。鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」は和風旅館「錦江楼」に生まれ変わり、壮大な資産価値を発揮している。いずれも1万円で売られることはあり得ない。


 日本郵政+郵便事業+郵便局は、不動産の評価額だけで2.6兆円を有する。しかし、22.5万人の人員を抱える。この状態で、株式を上場すれば、株価は極めて低い水準を付けることになるだろう。それが狙いなのだ。


 安い株価で日本郵政株式を買い集める。日本郵政の支配権を獲得した段階で、強烈な人員削減を実行する。郵便事業会社には、郵便事業に必要最小限の不動産しか配分されていない。3年ごとの見直しで「郵便事業」と「過疎地の郵便局」だけを「国営」に転換するとどうなるか。

 

 はじめは巨大な人件費負担を付随させて株式を売却する。その後、人員整理を進めて株式価値を高める。日本政府には当初の株式売却代金しか入らない。株価上昇による利益は外部投資家がすべて収奪してしまう。


 三菱地所にならぶ「日本(郵政)地所」が完成し、その株式を支配すれば、巨大利得を確保できる。


 国会は基本的に郵政民営化関連法の成立までしか監視していない。しかし、「郵政民営化」の「みそ」は「実施計画」の具体的内容に隠されていたのだ。竹中氏は自著のなかで次のように述べている。


「承継計画については、2007年4月までに政府に提出することが法令上義務付けられている。しかし私は、小泉総理の在任中に「承継計画の骨格」を固めておきたいと、早くから考えていた。改革のゆり戻しを、虎視眈々と狙っている勢力がいる。改革的な経営の方向性を明確にし、後戻りのないようにしておくことは重要なことだった。」(『構造改革の真実』240ページ)


 「郵政民営化」をいま見直さなければ、貴重な国民資産はハゲタカ一族に完全に収奪される。「郵政民営化見直し」に対する異常とも言える小泉竹中一家の反応の意味を洞察し、ハゲタカ一族による国民資産収奪を阻止しなければならない。


 なお、毎日新聞社に対する名誉毀損訴訟で、東京高等裁判所から不適切で不当極まりない判断が示された。この問題については、機会を改めて記述する。国家権力がいかなる弾圧を加えようとも、私は断固戦い抜く所存である。

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小泉元首相はCIA工作員

2009-02-20 19:35:43 | オルタナティブ通信

年02月19日
小泉元首相はCIA工作員


「日本の政界再編の地下水脈」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/111562241.html


「広域暴力団=財務省幹部達の『闇ビジネス』」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110877184.html


「引退宣言した小泉元首相の後継者・小泉進次郎の正体」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/107318894.html


「自衛隊の武器調達を専門とした『極秘』銀行」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/100161030.html


「ブッシュ一族の対日金融乗っ取り政策」、参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/49241295.html




 2000年7月16日付、「琉球新報」によると、1968年11月に行われた沖縄の日本「返還」後初の沖縄知事選挙(当時は主席公選と呼んだ)において、米国CIAが自民党の知事候補に選挙資金を援助し、自民党を勝たせるように裏工作していた事実が報道されている。

 この記事では、米国大使館から出された、「自民党にCIA資金を選挙の裏金として渡すよう」指示した、68年8月16日付の電文がスクープ掲載されている。

 なお、この沖縄知事選挙で自民党幹部職員として選挙を担当していた金尚氏によると、CIAの代理人として沖縄でCIA資金2000万円の授受を担当していたのは、小泉純一郎元首相である(週刊文春2002年8月15日、22日合併号)。

 小泉純一郎元首相は、40年前からCIA工作員であった。
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ヒラリー国務長官の来日

2009-02-20 19:27:18 | オルタナティブ通信

ヒラリー国務長官の来日


「『新』米国国務長官ヒラリー・クリントンの『出自』」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110611778.html


「決定的に変化した戦争の形態」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/101124596.html


「核兵器の密売人フランス」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/95890714.html


「米国スーパーマーケット業界=米軍」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/95305058.html


「北朝鮮=ブッシュ?」、参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/49429351.html




 米国の国務長官になったヒラリー・クリントンが、訪日した。

ヒラリーに同行するのはクリストファー・ヒル国務次官補である。北朝鮮への弱腰外交で「有名になった」男である。

しかし弱腰は、表向きで、ヒルは密かに中国と密通し、中国と米国共同で、北朝鮮に原油を提供し、その見返りに、北朝鮮のウラン鉱山等の開発利権を手に入れ、日本の拉致問題を「お蔵入り」させた。

ヒルは、その「外交手法を、航空機内でヒラリーにレクチャーするため」に、同行して来た。

「中国と連携し、日本の利害を封殺した」ヒルと、ヒラリーの、訪日における同行に、今後のオバマ政権のアジア戦略の「行方」が見えている。

 なお弁護士資格を持つヒラリーが顧問弁護士を務めていた、フランスの海運会社ラファルジュは、麻生首相の麻生産業の親会社である。そしてラファルジュは、ロスチャイルドの企業である。

ロスチャイルドの「末端の子分2名」が、日本で何を会談しようと、それとは無関係に、日本と日本人は「全く別の、生き残り策」を追求しなければならない。

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中川財務相辞任より重要な西川日本郵政社長解任

2009-02-19 20:15:51 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

中川財務相辞任より重要な西川日本郵政社長解任
2月5日の衆議院予算委員会で麻生首相が「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」方針を表明して以降の、マスメディアの麻生内閣攻撃は異常と言わざるをえない。


2月12日に小泉元首相が「郵政民営化を堅持し推進する集い」で麻生首相に対して、「笑っちゃうくらい、ただあきれている」と発言したことを、テレビメディアの多くが、まるで「皇帝閣下の発言」であるかの如くに祭り上げて繰り返し放送した。不自然な報道には「笑っちゃうくらい、ただただあきれる」ほかなかった。


「郵政民営化を堅持し推進する集い」への参加者は、「喜八ログ」様が指摘されたように12月の63人から18人に激減した。この重要な事実をまったく伝えず、「永田町に依然として影響力を持つ小泉元首相」などの事実とは恐らく異なる「サブリミナル演出」を織り交ぜた報道が繰り返された。


中川昭一財務相は、小泉元首相が定額給付金関連法案の衆議院再可決に反対する意向を表明したことについて、「あの方も(定額給付金に)賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそういうことを言うのは理解に苦しむ」と発言し、小泉元首相を痛烈に批判した。


1月6日以降、「かんぽの宿疑惑」が表面化した。詳細が明らかになるに連れて、疑惑は拡大の一途をたどった。遂に日本郵政は「かんぽの宿」一括売却を白紙撤回した。「公明正大で疑われるようなことは絶対にない」ディールなら、日本郵政は詳細を開示して、粘り強く総務相の認可を求めればよい。ところが、日本郵政はいとも簡単に白紙撤回に応じた。このことが、ディールの不正を証明していると言える。


麻生首相の「郵政民営化見直し」発言は、「かんぽの宿疑惑」拡大のなかで示されたものだ。麻生首相の行動は典型的な「コウモリ」であり、昨年9月の総裁選では「郵政民営化は私の担当」と述べたのに、一転して、「私は担当ではなかった。このことだけは忘れないでほしい」などと述べたことなどから、麻生首相は首相の資質を欠いていることを自ら立証してしまった。


この意味で、私は麻生首相が直ちに総辞職ないしは衆議院解散を実行するべきだと考える。ただ、麻生首相に主張する資格はないが、「郵政民営化を見直すべき」との主張は正しい。


「3年ごとの総合的な見直し」は「郵政民営化法」第19条に明記されている事項である。麻生首相が「郵政民営化見直しを行わない」と主張したのなら、袋叩きに遭うのは当然だが、法律の規定通りに「郵政民営化見直しを行う」と発言して、集中砲火を浴びるのは理に適わない。


「総合的な見直し」の文言が郵政民営化法の条文に明記されているから、「4分社化の見直し」も除外されるものでない。「かんぽの宿疑惑」によって、「郵政民営化」が「郵政利権化」、「郵政米営化」であるとの真実が誰の目にも垣間見えてきた。この機会に「抜本的な見直し」を実行しなければ手遅れになる。


マスメディアが麻生首相叩きを異常な激しさで実行し、竹中平蔵氏や小泉元首相が驚くほどの狼狽(ろうばい)ぶりを示しているのは、「郵政利権化」の実態が白日の下に暴かれ、「郵政民営化」の抜本的な見直しが実行されることを真剣に恐れているからだと考えられる。


中川財務相の辞任は、ローマでの記者会見の失態を踏まえれば、避けがたいものだ。しかし、小泉元首相に対して痛烈な批判をした直後の「もうろう会見」であっただけに、「小泉元首相批判」と「もうろう会見」の二つの事象の因果関係についても関心を払わないわけにはいかない。


「酒と薬」の混合が、人の神経を麻痺させることの意味を、私は自分が巻き込まれた冤罪事件に照らし合わせて、改めて強い関心を持った。


「かんぽの宿疑惑」について、日経新聞、朝日新聞、産経新聞は、社説等で鳩山総務相に対して激しい批判の言葉を浴びせかけた。しかし、売却先決定のプロセスが明らかになるに連れて、売却先決定プロセスがあまりにも不透明であることが明白になった。


そもそも、売却方法としては「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のいずれかでしかありえなかった。しかし、実際に取られた方法は「企画提案コンペ」とでも呼ぶべきもので、いずれにも当てはまらなかった。あえて分類すれば「随意契約」である。この点については社民党の保坂展人議員が国会追及で明らかにされた。


日本郵政は「雇用」と「転売規制」が低価格売却の最大の原因だったと説明していたが、入札参加希望を表明した企業に対する「雇用」と「転売規制」に関する説明が、企業によって異なっていたとの証言が浮上している。


メリルリンチ日本証券に対する法外な手数料支払いも不透明極まる。


驚くべきことは、日本経済新聞が、この期に及んで、なお、日本郵政サイドに立った主張を展開していることだ。日経新聞が当初の主張の誤りを認めることは辛いことかも知れないが、「過ちて改むるに憚る勿れ」である。言論機関の一角を担う全国紙としての「矜持の問題」だが、あまりにも見苦しい。


テレビメディアが中川氏の辞任問題報道に集中して「かんぽの宿疑惑」が脇に押しやられている。また、一部の報道機関が日本郵政サイドのまったく説得力のない説明を紹介して、売却先決定が「不正入札ではなかった」かの印象を与えかねない報道を展開している。


一括売却の白紙撤回で問題に幕引きを図ろうとする姿勢が垣間見られているが、幕引きは断じて許されない。


三つの重大な問題が存在している。
①日本郵政保有の巨大不動産が国民から収奪されようとしていること。
②日本郵政保有不動産が不正に売却されてきたこと。
③日本郵政が展開する不動産関連ビッグビジネスが「私的利益」を満たすために実行されること。
である。


中川昭一財務相が辞任したが、その前に西川善文日本郵政社長を解任するべきだった。「かんぽの宿一括売却先決定プロセス」における日本郵政の不適切な対応を明らかにして、西川社長をまずは解任するべきだ。中川財務相辞任よりも西川社長解任が本来は優先されるべきだった。


そのうえで、上記の三つの重大な問題を解決する方法を確立しなければならない。


第一の問題は、「巨大な価値を有する資産を、事業の収支をベースに極めて低い価格に置き換える手法」が悪用されることから生まれる。詳細については改めて解説するが、巨大不動産を保有する「日本郵政株式会社」株式が低価格で売却される恐れが高いことが問題である。


6000万円で転売された「かんぽの宿」が日本郵政公社から1万円で売却されていた事例が問題になっている。この事例も、事業の収支を基準にするDCF手法による資産評価方法の悪用が問題なのだ。「赤字の事業だから、資産評価金額が低水準になる」ことが、「安値売却を正当化する弁明」に使われているが、この手法を用いると、企業会計数値の人為的な操作によって、資産評価金額を人為的に操作することが可能になるのだ。


「かんぽの宿」の不当廉売と同じことが、日本郵政株式売却で実行されるリスクが極めて大きい。


日本郵政資産を不当廉売するとき、損をするのは国家、国民である。得をするのは不当に低い価格で資産を購入する事業者である。山崎行太郎氏が元日本郵政公社常務理事の稲村公望氏の言葉をブログで紹介されたように、「かんぽの宿疑惑」は明治の「北海道開拓使官有物払い下げ事件」と酷似している。


第二は、今回の「かんぽの宿」だけではなく、日本郵政公社時代に資産が不正廉売された可能性が濃厚に存在することだ。過去の資産売却についても、全容解明が求められる。


第三は、日本郵政はグループ全体で2.8兆円もの巨大不動産を保有している。日本郵政および傘下の「郵便局会社」と「郵便事業会社」だけで2.6兆円の不動産を保有する。日本郵政はこの巨大不動産を活用するビッグビジネスを展開する。


これらの事業が、特定の利害関係者の利益を生む形で実行されることは正統性を有しない。国民資産の開発にかかる事業であるだけに、透明性と公正性が強く求められる。


日本郵政人事で社外取締役などに民間人が採用されたが、これらの人材が私的な利益を得ることについてのチェックがまったく行われていない。「郵政民営化」が「郵政利権化」になっている側面が極めて大きい。


日本郵政人事を全面的に見直し、日本郵政の活動が特定の利害関係者の利益獲得に結びつかないための制度設計を再構築する必要があるのだ。この意味での「郵政民営化見直し」を実行しないわけにはいかない。


「郵政民営化見直し」を封じ込めようとする、小泉竹中一家と、連携するマスメディアの異常とも言える反応の意味を見抜き、「郵政民営化見直し」を断行しなければならない。


最後に、昨日付記事でお願い申し上げました、「アルファブロガー・ブログ記事大賞」への投票が本日2月18日に締め切られます。マスメディアに一石を投じる意味で重視しており、なにとぞお力添えを賜りますようよろしくお願い申し上げます。投票ページ最下段に当該記事URLを貼り付けていただくだけで投票が可能です。お忙しいところ誠に恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。

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「かんぽの宿」不正売却の新事実が判明

2009-02-18 19:39:58 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


「かんぽの宿」不正売却の新事実が判明
私自身はアワードに興味はなく、主催者に対する疑念も有しているのだが、「アルファブロガー・アワード2008」がブログ記事大賞の投票を受け付けている。


「カナダde日本語」様、「きっこのブログ」様など、尊敬すべきブログがアルファブロガーに名前を連ねられている一方で、ブロガーとしての基本的要件を満たしていないと考えられる人物の手によるブログまでがアルファブロガーにリストアップされており、背景に対する疑念の気持ちを拭えない。


本年は個別記事への投票で、2月18日に投票を締め切るとのことだが、このような機会に、もし審査が公正に行われるなら、読者の皆様には大変ご面倒をおかけしてしまうことになり、また、自薦になってしまい大変恐縮だが、下記記事に投票してくださることを希望する。大変ご面倒をおかけするが、2月17日中の投票を謹んでお願い申し上げたい。(「カナダde日本語」の美爾依さんには、せっかく記事を推薦くださったのに大変申し訳なく感じておりますが、なにとぞ事情をご理解くださいますようお願い申し上げます。)


私の個人的な利益のためではない。記事内容を一人でも多くの人に伝達したいと思うからだ。時間的な制約が大きいが、趣旨に賛同してくださる皆様にはご協力をお願い申し上げたい。審査が「かんぽの宿」のような「出来レース」である場合は、リストアップされる可能性はゼロだと思うが、そうではない可能性に期待してお願い申し上げたい。


ブログ記事:「「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」」(2009年2月16日付記事)


すでに多くの方が紹介されているが、2月15日のTBS番組「時事放談」で、野中広務氏と鳩山邦夫氏が極めて重要な発言を示した。私は放送を見逃したが、天木直人氏が概要を紹介してくださった。2月14日の同局番組「ニュースキャスター」と好対照を示した。


以下は天木氏のブログからの引用である。


「今朝早朝に流されたTBS系時事放談は野中広務と鳩山邦夫がゲストだった。その中で両者は驚くべき率直さで次の三点を国民の前で明言した。


1.小泉発言は「かんぽの宿」疑惑の追及が自分に向かってくる事を恐れた目くらまし発言だ。


2.「かんぽの宿」疑惑を追及している内に、小泉・竹中構造改革は米国金融資本に日本を売り渡した事がわかった。


3.日本のメディアは小泉・竹中売国奴構造改革に加担し、疑惑を必死に隠そうとしている。政局報道に矮小化しようとしている。


この三点セットこそ、これまで様々な人々がネット上で指摘してきたことだ。素人が何を言っても国民はそれを信じない。しかし裏を知り尽くした元自民党政治家と、現職の政権政党閣僚の口からこのいかさまが発せられ、全国の国民に流されたのだ。


この番組はユーチューブで繰り返し、繰り返し流され、何も気づかない多くの国民が知るようになればいい。


国民の覚醒によって、日本は崩壊のがけっぷちから、まだ救われる可能性が残っている。」
(ここまで引用)


まったくの同感だ。私が主張してきたことを、二名の政治家が代弁してくれた。


「ネットゲリラ」様、「株式日記と経済展望」様、「チラシの裏」様が貴重なメッセージを発してきてくれたのも事実だ。政治権力に支配されたマスメディア情報の嘘を暴き、ネットから真実の情報を発信してゆかなければならないと思う。


 「ネット・IT」を絶賛してきた竹中平蔵氏秘書官だった天下り大学教授が、一転して「ネットはゴミの山」などと慌てているのが滑稽である。


これも、すでに「ネットゲリラ」様などが記述されているが、2月15日放送の「新報道2001」は、「かんぽの宿」売却プロセスがでたらめであったことを明確に示した。もっともスタジオ出演の政治家は、小泉一家およびチルドレンである山本一太氏、片山さつき氏、小泉一家と連携していると見られる渡辺新党の江田憲司氏、民主党の原口一博氏の4名で、偏向ぶりは明らかである。


番組では「かんぽの宿」の「競争入札」の実態の一部が暴露された。


「雇用維持」と「転売規制」の条件がどのように明確に示されていたのかが疑わしいことを、私は本ブログで何度も記述してきた。竹中氏、日経新聞、産経新聞、朝日新聞が、「公明正大な競争入札のプロセス」がとられたとの前提に立って、鳩山総務相の「横やり」を批判したが、そもそも「公明正大な競争入札のプロセス」が取られてきたのかが疑わしかった。


HPページ上の告知も、重要情報を広く公開するものであったのかが疑わしい。「公明正大な競争入札」を実施するには、「雇用維持についての条件の詳細」、「転売規制の詳細」を明確に定め、そのうえで「一般競争入札」を実施すれば良いだけだ。


このような条件を設定するのに、高額手数料を支払って外部アドバイザーを雇う必要などない。「雇用維持」、「転売規制」を隠れみのにして、不正な売却が進められた疑いが浮上したのである。


「新報道2001」によると、譲渡を希望した事業者に対する説明がばらばらだったとのことだ。


「2年の雇用維持、5年の転売規制」を告げられた業者も存在した。


まったく説明のなかった業者もいた。


「雇用維持の年限が示されず、転売規制が2年」だった業者もいた。


「でたらめ」と言う以外にない。


最終的にオリックス不動産に提示された条件は「1年の雇用維持と2年の転売規制」だった。


第2次募集締め切りで、オリックス不動産は105.2億円、HMI社は105.5億円の札を入れた。HMI社が落札する札である。


日本郵政はこの後に条件を変更して、HMI社が応募を辞退し、オリックス不動産への一括売却方針が定められた。


メリルリンチにはこれまでに1.2億円の手数料が支払われ、ディール成立段階で6億円が支払われる約束になっていたとのことだ。


オリックス不動産に法外に低い価格で売却する方針が、当初から定められていた疑いが濃い。2007年に日本郵政に入社し、「かんぽの宿」売却を担当した伊藤和博執行役が在籍していた不動産会社「株式会社ザイマックス」はオリックスが出資する企業である。


2005年10月21日に成立した「日本郵政株式会社法」附則第2条に「かんぽの宿」を2012年までに売却ないし廃止することが規定されている。原口議員によると、「この附則は法案決定の2日前に潜り込まされた」とのことだ。


「郵政民営化法」は2005年10月に成立したが、「ゆうちょ」、「かんぽ生命」、「郵便事業」、「郵便局」の4社に、資産や人員をどのように配分するかは、日本郵政が作成する「承継基本計画」に基づき、やはり日本郵政が作成する「承継実施計画」によって定められることとされた。


「承継基本計画」は2006年1月に決定され、「承継実施計画」は2007年4月に総務省に認可申請され、2007年9月に認可された。


細かい話になっているが、要するに、具体的な資産や人員の配分は、2007年4月に認可申請された「承継実施計画」に盛り込まれたのである。


ところが、旧簡易保険の「かんぽの宿」、旧郵便貯金の「メルパルク」だけが、2005年9月の郵政民営化関連法成立の際、「日本郵政株式会社法」に潜りこまされたのである。


「出来レース」の第一のポイントが、この2005年9月の「日本郵政株式会社法」にある。なぜ、「かんぽの宿」と「メルパルク」だけが突如、十分な論議もなく、期限付き売却の対象とされたのかが明らかにされなければならない。


低価格で払い下げを実行するためには、日本郵政内部の「かんぽの宿」簿価が低く設定されることが必要になる。これが第二のポイントだ。日本郵政は今回の「かんぽの宿」および「ラフレさいたま」、社宅79施設の売却について、109億円が日本郵政内部の簿価よりも高いことを、「適正売却」の根拠としている。


ところが、簿価が人為的に低位に抑制された疑いが存在するのだ。


この点について、2月16日の衆議院財務金融委員会で、重要事実が明らかにされた。


民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政が「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額が明らかにされた。日本郵政の説明によると、「ラフレさいたま」は
日本郵政評価額    15億6700万円
に対して、
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることが明らかにされたのだ。


一般に不動産を売買する際、一般的に売買される「時価」とかけ離れた価格での売買が実行される際、「時価」と「売買価格」との差が「贈与、寄付金」として認識され、課税対象になる。「不当廉売」と認定されるのである。「ラフレさいたま」以外のすべての施設の固定資産評価額が明らかにされなければならない。

  

85億円の資産を15億円で売却したら、これは「不当廉売」である。この「不当廉売」を「正当な売買」に「偽装」するための手法が、「事業譲渡」であり、「事業収支に基づく不動産評価」なのだ。


この「不動産評価」を担当したのが「郵政民営化承継財産評価委員会」である。


検察当局がどのように動いているのかが確かでないが、「かんぽの宿疑惑」を刑事問題として追及することが必要な段階に移行しつつある。


テレビ朝日「サンデープロジェクト」は「かんぽの宿疑惑」を無視し続けている。麻生首相批判が、小泉元首相を批判した中川昭一財務相批判にまで拡大し、「郵政民営化見直し」封殺の動きが拡大しているが、「かんぽの宿疑惑」を封殺することは絶対に許されない。引き続き、本ブログでも追及を続けてゆく。

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「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」

2009-02-17 09:32:31 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」
城内実氏が「郵政利権=カイカク利権その3」と題する記事で、素朴な疑問を提示されている。


一、郵政民営化見直し、四分社化見直しがなぜいけないの?
二、「見直し断固反対」って今頃こんな態度とっているのは、もしかして国民の目からの「郵政利権(かんぽの宿)かくし」をするためではないよね?
三、数年前に私がある雑誌の鼎談で申し上げたが、郵政民営化をめぐる問題は、「改革派」対「抵抗勢力」の戦いではなくて、たった一握りの「売国派」対「国益擁護派」の戦いだった。
いや違うという反論を聞きたいのだけど。
四、新聞の社説を書く人も、経済学者も、多くの国会議員も郵政民営化の中身が本当に分かっているのかな。
五、あと郵政民営化をして良かったことがあったら教えて欲しい。
しかも具体的な数字をあげて。
六、全国に約2万局ある郵便局の事務機器や自動車、携帯電話などはこれまでできるだけ個々の郵便局が地元の業者から購入、リースしていたようだね。
(ここまで城内実氏のブログからの抜粋)


郵政民営化法第19条に「3年ごとに総合的な見直しを行い」との規定が明文化されている。「かんぽの宿疑惑」は郵政民営化の根本的な問題を表面化させている。問題がどこにあるのかを明らかにして、問題を解決することは当然のことだ。「見直し論議」に過剰反応を示して、「見直し」を封殺することが不合理である。


城内氏は、「8割近い国会議員は法案の内容が良く分かっていないかった」と指摘している。「かんぽの宿疑惑」が拡大しているが、郵政民営化法策定の段階から、「かんぽの宿」不正払い下げが画策されてきたとの疑いも浮上している。その経緯については改めて示す。


日本郵政は今回の「かんぽの宿」売却以外にも不動産売却を実施してきており、また、巨大不動産を開発する方針を示してもいる。日本郵政保有資産は紛れもない国民資産である。その貴重な国民資産が一部の特定勢力によって「私物化」=「利権化」されている現実が浮かび上がっている。


このような重大問題が浮上するなかであればなおさら、「郵政民営化の見直し」は不可欠である。小泉元首相や竹中元郵政民営化担当相の慌てふためいて見える、激しい反応が、「郵政民営化」に対する疑念を拡大させている。


2005年6月7日の衆議院郵政民営化特別委員会で、城内実議員が竹中平蔵担当相に質問した。
「郵政民営化準備室が発足したのが昨年の四月ですから、この昨年の四月から約一年間、現在に至るまで、郵政民営化準備室に対する、米国の官民関係者との間で郵政民営化問題についての会談、協議ないし申し入れ等、こういったものが何回程度行われたのか、教えていただきたいと思います。」


竹中氏は次のように答弁した。
「昨年の四月二十六日から現在まで、郵政民営化準備室がアメリカの政府、民間関係者と十七回面談を行っているということでございます。」


この経緯については城内氏自身がブログにも記されている。この延長上で、同年8月2日の参議院郵政民営化特別委員会で、民主党の櫻井充議員が、米国の通商代表ゼーリック氏が竹中氏に宛てた信書の内容を暴露した。


郵政民営化法案は米国の要請に従って詳細が定められたと推察される。竹中氏はその法案作成に、「前代未聞と言われるほど直接かつ詳細に係わった」(竹中氏の著書における竹中氏本人の表現)のである。


『文藝春秋』2009年1月号に読売新聞の渡邉恒雄氏へのインタビュー記事「麻生総理の器を問う」が掲載された。渡邉氏は竹中氏について以下のように述べている。


「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」と明言した。僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、「東京三菱と三井住友」だと言う。あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、「みずほとUFJはいらない」というわけだ。どうして三井住友を残すのかというと、当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」と聞くと、「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」


渡邉氏の証言に出てくる、
「当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いた」
というのが、2002年12月11日に、竹中平蔵金融相が三井住友銀行の西川善文頭取、ゴールドマン・サックス証券CEOのヘンリー・ポールソン氏、同証券COOのジョン・セイン氏と密会し、その直後に、三井住友銀行がゴールドマン・サックスから5000億円の資金調達を実行したことを示している。この点は2月13日付記事に記述した。


竹中氏は自著のなかで、日本郵政株式会社のCEOを人選することが重要な仕事であり、2005年10月29日に西川氏に就任を依頼したことを記述している。


西川氏が初代社長を務めることになった日本郵政株式化会社傘下での郵貯資金と簡保資金の委託運用先を見ると、三井住友系企業、ゴールドマン・サックス、メリル・リンチの比重が異常に高いことが分かる。この情報については、「ふじふじのフィルター」様がより正確な情報を提供してくださっている。また、「かんぽの宿疑惑」の時系列整理も示してくださっている。


オリックス不動産への「かんぽの宿」一括売却について、鳩山総務相が「待った」をかけたことに対して、竹中氏は1月19日付産経新聞に稚拙な反論を掲載した。すでに本ブログで指摘したとおりである。竹中氏は次のように記述した。


「(「かんぽの宿」売却の時期や価格の判断は)市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」


竹中氏は、日本郵政株式会社が発足した時点で、「民営化」は成立しており、これ以降、「郵政」は民間会社であって、政治家や官僚が口出しすることは「根本的に誤っている」と主張しているのだ。


また、竹中氏は、2008年4月20日他に放送された「朝日ニュースター」BS放送番組『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』第3回のなかで、次のような驚くべき発言を示している。以下の記述は、同放送を再構成した「ダイヤモンドオンライン」に掲載された「サブプライム危機の真実 民営化した郵政は米国に出資せよ」と題する記事からの引用である。


「そこで今回、ニッポンの作り方として、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」とぜひ申し上げたい。」


「翻って考えると、日本にはかつてとんでもなく巨大なSWFがありました。それが今の日本郵政なんです。資金量でいうと300兆円。他のSWFとは比べ物にならないほどのSWFがあったんです。民営化したので、今はSWFではない。だからアメリカから見ると安心して受け入れられる、民間の資金なんです。」(引用ここまで)


竹中氏は「民営化したので、今はSWFではない」と述べるが、当時はもちろんのこと、2009年2月段階でも、日本郵政株式は100%政府が保有している。「株式会社形態」に移行しただけで、「日本郵政」は純粋な国営企業、国有企業である。


日本郵政が保有する300兆円の資金は日本国民の貴重な、かけがえのない資金である。その資金を、まるで自分のポケットマネーのような感覚で勝手に使われたのではたまらない。


昨年春にもし郵政資金が米国サブプライム危機対策に流用されていたら、いまごろどのような事態に陥っていただろう。想像するだけでゾッとする。


郵政民営化プロセスにおける重大な構造的欠陥についての記述は機会を改める。


明確に認識しなければならない重要な事実は、「株式会社形態に移行した後は、日本郵政経営者の判断がすべてであり、所管官庁や政治家が監視することは「根本的に間違っている」との、現在の所管大臣に対する反論を全国紙に掲載して恥じないような人物が、「郵政民営化」を取り仕切ってきたという恐るべき現実である。


日本郵政も日本郵政保有資産も「かんぽの宿」も、紛れもなく貴重な国民資産なのである。特定勢力の利権を満たすために、勝手に流用することを許すことは出来ないのだ。


「郵政民営化」を取り仕切ってきた人物が、このような基本判断を有していることを踏まえれば、日本郵政公社ならびに日本郵政のこれまでの業務を全面的に再調査する必要が生まれる。資金運用委託先の決定がどのようなプロセスを経て決定されたのかも明らかにされなければならない。


「かんぽの宿」は巨大な闇にメスを入れるための突破口の役割を担っている。


郵政民営化法第二条(基本理念)には、
「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを基本として」
(郵政民営化が)行われると明記されているが、現実には、
「特定の利権勢力の利益に寄与することを基本として」
になってしまっているのではないか。


私は「郵政民営化」そのものに全面的に反対するわけではない。しかし、巨大組織であり、巨大資産を保有する機関であるだけに、国会と国民による完全な監視を満たすことが不可欠である。ずべての問題を明らかにするまで、株式売却等を凍結することが不可欠だ。

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