山口会の怪?<本澤二郎の「日本の風景」(3523)
<山口敏夫が知っている!>
巷間伝えられているジャパンライフの広告塔メンバーである山口会なる秘密の会は、ジャパンライフの山口隆祥と山口敏夫が立ち上げた可能性を否定できないだろう。外相としてニューヨークの国連総会出席の場を利用しての、安倍との劇的な出会いを演出したのは、当時、中曽根後継で一銭一円でも金が欲しかった山口県田布施への毛ばりだったのだ。敏夫と隆祥のしたたかな詐欺的商法のスタート台だったのではないのか。
この場面をジャパンライフが、広告宣伝に使用したことで、国会で追及されている。岸信介=安倍晋太郎から森喜朗、安倍晋三につながるジャパンライフ人脈のすそ野は拡大、大掛かりな詐欺商法が開花した。その分、被害者は続出した。
<大金脈に飛びついた山口県の田布施一族>
この手のことに全く無頓着な政治記者は、現役政治記者20年という記録保持者にもかかわらず、この名前の記憶がない。
福田派清和会を岸信介一族と認識していたため、手抜き取材が暴露した格好である。清和会OBは、ジャパンライフというと、即座に反応した。派内で特別太い金脈として知られていたのであるが、彼は安倍との出会いは知らなかった。
ポスト中曽根は、竹下登と宮澤喜一、安倍晋太郎の三者に絞られていた。ロ事件のこともあって旧田中派の竹下指名に、ロ事件で中曽根を救った稲葉修は、安倍がいいと頑張っていた。しかし、選挙区のライバルとして対決してきた福田赳夫の後継者となった安倍晋太郎を快く思っていなかった。宮澤の芽は最初からなかった。外交財政と英語力とリベラルで圧倒する、政界随一の実力者に興味はなかった。
結局、竹下指名に落ち着くのだが、竹下は中曽根のために研究所設立資金を用意することで決着をつけた。要は金次第なのだ。
狡賢さでは政界随一の中曽根は、竹下を蔵相に起用して消費税導入をけしかけていた。軍拡の金だ。10%消費税も同じ理屈である。他方で、安倍を外相にして、世界行脚を強いた。哀れ体調を崩してしまうのだが、この辺の様子は晋三が詳しいのだが、彼もまた父親の罠にはまって健康はよくない。
特にストレスがよくない。会期の延長は、安倍の健康状態が許さなかったのだ。4選どころの話ではない。
ともあれ、二人の山口は安倍晋太郎に唾をつけて、悪徳事業を拡大してきたわけだから、ジャパンライフの犯罪の最大の共犯者ということになろうか。
<中曽根後継で焦る安倍晋太郎外相>
中曽根後継で焦る晋太郎に対して、御大福田赳夫も厳しい視線を投げかけていた。それだけではなかった。これは秘事に属することだが、秘書から男女問題で突き上げを受けていたという。
安倍家の弱点は「女にだらしない」という点だ。清和会OBの断言でもある。秘書仲間同士のひそひそ話が、代議士の最大の敵なのだ。
晋太郎が亡くなった後で、奥の間の大金庫から6億円が出てくる。これがジャパンライフのものか、それとも毎日新聞のための国有地払い下げの謝礼金なのか。憶測は今も続いている。
仰いで天に恥じず、伏して地に恥じず、とは無縁の安倍一族ということになろうか。余談だが、福田が晋太郎というよりも、中川一郎に期待していたことも事実だった。
そもそもは、岸の後継者であっても、A級戦犯の岸信介を福田は嫌っていた。しかも、福田の側近は、田中達夫だった。田中と晋太郎は政敵関係にあったのだから。筆者はよく田中の事務所に出入りして、安倍や息子の晋三の様子を聞いていた。
周辺に岸を評価する人物は、地元の千葉三郎ぐらいだった。ただし、千葉は岸を「岸君」と呼んでいた。
焦る安倍晋太郎に二人の山口が急接近、そこから山口会なる不気味なグループが誕生、多くの市民の懐から金をむしり取ってゆく?
<ニューヨークの出会いに感動した山口・ジャパンライフ>
ニューヨークの国連の舞台で、めでたく安倍晋太郎と握手する山口・ジャパンライフ。一介の詐欺師にとって、これ以上のプレゼントは当時、考えられなかった。
山口にとって救世主を得たような思いであったろう、と想像できる。
赤じゅうたんの上を風を切りながら飛び歩く政治記者にとって、多くの政治屋は尊敬の対象ではない。むしろ、国民に敵対する輩を懲らしめてやろう、との気概が爆発寸前である。傲慢すぎるかもしれないが、これがジャーナリスト、第4権力と俗称される所以であろう。
今から35年前から、この悪徳企業をたどると、栄枯盛衰の様子をつまびらかにさせることができる。そこでの安倍一族と森らの果たしてきた不正腐敗の土壌を明らかにできるだろう。
<段取り・下敷きを作った敏夫と安倍政務秘書官か>
35年前の安倍晋三外相政務秘書官の果たした役割に注目せざるを得ない。
そもそも何ゆえの政務秘書官なのか、である。事務秘書官が役所から任命される。これで充分であるが、実は金つくり・利権アサリ担当といったほうがいいのではないか。
大臣の知られたくない秘密の仕事をする秘書官である。大臣の財布を握る役目がどういうものか。したがって、政務秘書官は大臣のしりぬぐい役ともなる。両者は一体である。
誰でも政務秘書官になれるものではない。安倍の政務秘書官の今井という経済産業省出身の人物が、安倍の財布を握っている。それだけではない。政策全般にも口を出す。首相の能力不足から、その役割は大きい。
したがって、官邸からそれまでの財務省の地位が落下してしまった。「入りを測りて、出を制す」という国民にとって最も大事な役割が、官邸から消えてしまった。税収の倍の予算を編成、その半分を借金でやりくりするという安倍・自公・日本会議の政権で、空前絶後の借金の山が築かれている。
この後始末をどうするか。後継内閣は、ここから苦悩の治政を開始することになるわけだから、正直なところ、考えなくても頭がくらくらする。そして10%消費税で消費は激減、税収は減る。財閥には減税で、となると、気が遠くなるだろうが、悪徳商法から闇献金を受けてきている心臓はびくともしない。
35年前に自ら手を染めたジャパンライフとの切っても切れない深い仲は、首相としての第一次、そして第二次の7年間でどれほどの暴利を得たものか。被害者が多いだけに、徹底解明が求められる。
消費者庁への圧力の詳細も解明されなければならない。山口という極悪人とその仲間を容赦してはならない。
<森喜朗は後続組、山口那津男・TBS山口強姦魔は仲間か>
清和会OBは、35年前のことを知らなかったが、森喜朗とジャパンライフの太い関係は、派内で有名だった。他にもいるが、目下、話題の公明党代表のナツオは、山口会のメンバーなのかどうか。
TBS山口強姦魔は、どうなのか。関係方面の憶測は拡大している。
2019年12月13日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)