皆様、こんにちは!
9月に入り、そろそろ年末の休みにどこに行こうかと家族でも話題になってくる時期ですね。
私たちの仕事では12月の年末調整に向けて色々準備を始める時期になってきました。
そこで今回は、(1)配偶者控除と(2)配偶者特別控除について、平成30年からの改正について簡単にご説明します。
今回の改正のポイントは以下の2点です。
① 納税者本人の所得制限が設けられた
② 納税者本人の受ける控除額が増減した
この改正のポイントを中心にこれからご説明していきます。
(1)配偶者控除とは
配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられることです。
そして控除対象配偶者となるには、年間の合計所得金額が38万円以下であることが要件となっています。これは、収入がアルバイトやパートの給与のみの場合であれば、給与収入が103万円以下であると要件を満たします。
この配偶者控除ですが、平成29年までは納税者に所得制限はなく、配偶者の所得が38万円(給与のみであれば給与収入が103万円)以下であれば、納税者は38万円の配偶者控除が受けられました。
しかし、平成30年からは納税者の所得に以下の表に示すように制限が加わり、所得に応じて納税者の受けられる配偶者控除の金額が変わるようになりました。
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控除を受ける納税者本人の合計所得金額(給与収入) |
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900(1,120) |
900万円超 950(1,170) |
950万円超 1,000(1,220) |
1,000(1,220) |
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配偶者控除額 |
38万円 |
26万円 |
13万円 |
なし |
このように、納税者の所得が900万円(給与のみであれば給与収入が1,120万円)以下であれば、38万円の配偶者控除が受けられます。
一方、納税者の所得が900万円(給与のみであれば給与収入が1,120万円)を超えると、控除額が表のとおり逓減・消失する仕組みとなっています。
(2)配偶者特別控除
次に配偶者特別控除についてご説明します。配偶者特別控除とは、配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられることをいいます。
平成30年度より配偶者特別控除の金額は以下の表のとおりになっています。
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控除を受ける納税者本人の合計所得金額(給与収入) |
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900(1,120) |
900万円超 950(1,170) |
950万円超 1,000(1,220) |
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配 偶 者 の 合 計 所 得 金 額 |
38万円超 85万円以下 |
38万円 |
26万円 |
13万円 |
85万円超 90万円以下 |
36万円 |
24万円 |
12万円 |
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90万円超 95万円以下 |
31万円 |
21万円 |
11万円 |
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95万円超 100万円以下 |
26万円 |
18万円 |
9万円 |
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100万円超 105万円以下 |
21万円 |
14万円 |
7万円 |
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105万円超 110万円以下 |
16万円 |
11万円 |
6万円 |
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110万円超 115万円以下 |
11万円 |
8万円 |
4万円 |
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115万円超 120万円以下 |
6万円 |
4万円 |
2万円 |
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120万円超 123万円以下 |
3万円 |
2万円 |
1万円 |
平成30年からは、配偶者控除と同様に納税者の所得制限が新たに設けられました。また、配偶者の所得が38万円(給与収入のみであれば103万円)以上で配偶者控除が受けられなくても、配偶者の所得が123万円(給与収入のみであれば201万円)以下であれば、
納税者は配偶者特別控除を受けることができます。
(3)まとめ
今回の改正では、働きたい人が就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から見直しが行われています。これによって、納税者が従来の38万円の配偶者控除と同じ控除を受けるための配偶者の所得の金額が、85万円(給与収入のみであれば150万円)に引き上げられています。
これによって、配偶者の働き方が変わってくるかもしれません。しかし、所得税では控除を受けるための収入が引き上げられていますが、社会保険の扶養に入るための収入は130万円のままです。さらに納税者が会社から支給されている扶養手当の要件が従来の103万円のままですと、配偶者控除が受けられても扶養手当が無くなり、家計としてはマイナスとなる可能性もあります。
これらのことを考えると、これからは家族のコミュニケーションが今まで以上に大事になってきますね。
今週末は是非ご家族の仕事についてお話をされる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
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監査部(独身) 平山