カメラで撮影したものは、描いたものと違いがありますのでそれをよく認識することが大切です。
構図の違い、明暗の違い、色の違い、そして決定的に違うのが”感じが違う”ことです。
構図における違いは、カメラで撮ったものは上下が縮まって見えます。
遠景から描き始めると近景が入りきらなくなります。
近景から描くと遠景が小さくなってしまいます。
通常のカメラではレンズの光軸とフイルムなどの感光面は垂直であり、かつ中心が一致しています。
これを意識的にずらしたり傾けることを「あおり」といって、この機能をカメラに付加する機構を「あおり機構」といいます。
ゆがみの補正目的では、建物の商業写真などで用いられることが多くあり、高いビルを地上の近い距離から撮影した場合、上にいくに従い小さくなって写りますが、「あおり」によって遠近感を奥行き方向だけ補正することが出来ます。
今ではコンピューター上での画像処理によって同様のことが出来ます。
標準レンズで撮影したもの 「あおり補正」をしたもの
それからカメラには広角、望遠とありますが、人間が自然に見える範囲は大体決まっているようです。
それはカメラでいう「50mm標準レンズ」に近いのです。
広角で絵を描くといっても大変描きづらいもので、つじつまが合わなくなり、自然が一番と思いはじめて、素直に描くと大体標準レンズと同じ範囲だということが分かってきます。