今、中国の大気汚染が話題になっています。
あの北京オリンピックの時にも北京の空は暗くなり、その後改善されたように思ったのですが、一向に改善されなかったようです。
昨年末に中国にある米国大使館がネット上でクレージーな酷さとして発表したのですが、北京の当局は、そんなに汚染されていないと反発していました。
北京当局の発表と、米国大使館の数値と違うのは、中国当局の測定する汚染物質の大きさがが違うと言うことだそうです。
北京市民からは情報隠しを疑う声が高まってきました。
汚染物質が風に乗って・・・・ 右端が髪の毛の太さ、左がPM2.5
つまり、中国当局の数値はPM10以上の大きな粒子の数値を元に計っていたのです。
問題は、大きな粒子ではなく、汚染を測定するのは、それより、もっと小さな粒子を測定しなくてはならないのです。
PM10以上の粒子の測定では、健康被害に対する警告にはならないのです。
中国当局は、市民の健康を守るより、当局の安全と地位を守ることを優先させるために、汚染の実態と関係のない数値で誤魔化していたと指摘されています。
では、今云われているPM2.5とはどんなものなのでしょうか?
日本の環境基準の測定の対象になるものの定義としては、粒径10μm以下のものとされています。
浮遊粒子状物質のなかで、粒径2.5μm以下の小さなものを微小粒子物質(PM2.5)と呼んでいます。
この微小粒子物質は粒径がより小さくなることから、肺の奥深くまで入りやすく健康への影響も大きいと考えられています。
これから黄砂の季節になれば、偏西風に乗って黄砂と共にこの微小粒子状物資が日本上空を覆うと思うと、今まではある程度自然現象として我慢していても、今後はこれでは済まされないようです。
日本では、年平均値15μg/㎥以下且つ1日平均値35μg/㎥以下とする環境基準が2009年9月9日に定められました。
中国では、ある日の北京は、900μg/㎥と日本の基準の25倍以上の値だったそうです。
ちなみに
スギ花粉は、 0.03mm
黄砂は、 0.5~0.001mm
大気浮遊粒子状物質(SPM) ~0.1mm(粒径)
微小粒子状物質(PM2.5) 0.0025mm以下
この原因には、工場の排気ガスや石炭による暖房ですが、一番大きなものは、自動車用ガソリンの品質の低さが起因していると指摘されています。
そこで、中国でも2017年末までに排ガス規制に対応する基準を決めて行くように進めるとしています。
日本では、昭和43年に大気汚染防止法が制定され、工場の排気ガスや自動車の排ガスを法律で規制しています。
排ガスの少ない低公害の自動車や火力発電所も燃料の中で硫黄酸化物及びすすの出さない天然ガスを使用する割合を増加させています。