偏見と差別・・・
これは、なにもこの映画の当時だけではありません。あってはならない事が、残念ながら今でもそれはあらゆるところで見られます。
この映画は、戦前という厳しい環境の中、偏見と差別の中で野球というスポーツを通じて、一つの光を与えてゆくという話です。
1部ネタバレがあります。
1900年代初頭。 多くの日本人が新天地を夢見て、遥か遠くカナダへと海を渡りました。
しかし、そこは夢見た理想郷でも楽天地でもありません。
そこで待ち受けていたのは、差別と過酷な肉体労働、そして貧困と言った厳しい現実だったのです。
舞台は、カナダ・バンクーバー、時は、1914年~1941年。
実際の野球チームの話です。 チーム名が”バンクーバーの朝日”
チームは、日系カナダ移民の2世が中心で構成されたチーム。
アマチュアリーグに参加している”バンクーバーの朝日”は、体格の良い白人相手で負けてばかり。
ある時、キャプテンにレジー(妻夫木聡)がなり、体力では負けるので、バンド、盗塁、ヒットエンドランなどで相手をかく乱する戦術に出ました・
これが功を奏して、白人チームに勝ち続けます。
レジーの妹 彼女はこのチームの影の主役でした
その後デッドボールを受けたり、誤審があったりしますが、快進撃が続き、地区チャンピオンになり、カナダ地方へも遠征することになるのですが、1941年、太平洋戦争が勃発し、敵性外国人として収容所に入れられます。
ここでバンクーバーの朝日は、解散し、その後二度と結成されることはありませんでした。
しかし、それから62年経った2003年にはカナダ野球殿堂入りを果たしました。
戦前、戦後を通じて、海外で暮らす日系移民の苦労は並大抵ではありません。
その様子がありありと映し出され、それはなにも当時だけではないことを知っておくべきと思います。
なお、この映画の主なキャスト・・・・
妻夫木聡 (レジー笠原)主人公 キャプテン 、亀梨和也 (ロイ永西)ピッチャー
宮崎あおい (笹谷トヨ子)先生 上池祐輔 (トム三宅)キャッチャー
佐藤浩市 (笹原清二) レジーの父親
ユースケ・サンタマリア(堀口虎夫) 石田えり (レジーの母)
高畑充希 (レジーの妹)