今までの忠臣蔵の映画にはなかった発想で、当時の価格を現在の価格に換算して、予算内にどうして収めるかを考えさせる映画です。
さて、忠臣蔵の討ち入りには、どれだけかかったのか、そしてその工面はどうしたのか、予算内に上手く収まったのでしょうか・・・
以下 一部ネタバレがあります。
まず最初から蕎麦屋のシーンから始まります。
この当時、どこの蕎麦屋もそば1杯は16文で現在の価格では480円とすると1文は30円となると・・・
そして、映画の冒頭は、浅野内匠頭(阿部サダオ)が火事場の消火訓練で筆頭家老の大石内蔵助(堤 真一)に消化活動も戦争であると説いています。
その10年後、あの松の廊下の事件が起こります。
即刻切腹させられ、おまけにお家断絶、領地没収の沙汰となり、つまり赤穂藩は実質 ”倒産” となります。
開城か戰かで紛糾している間も役方は・・・ 大石と大高源吾(濱田岳)
そこで、多くの赤穂浪士の映画でもある通り、番方(武官)と役方(文官)との争いが起こります。
その中にあって大石を中心の穏健派は、幕府にとりなしを頼みお家再興を図ろうと親戚筋の大垣藩や広島藩や、寺の住職(桂文珍)などに依頼しますが・・・
一方、役方は、割賦金(退職金)捻出に奔走していました。
特に役方の矢頭長助(岡村隆史)は、”武士はそろばんが出来なければでくの坊”だと自分の仕事に自信を持っていました。
家来たちの中には、開城すれば、割賦金は現在の金額で180万+1年の給与、城を枕に戦えば20万だと知らされます。 映画では、江戸時代の価格と現在の金額が表示されます。
多くの金額表示は、現在の価格と併記して表示されます。
話は、お家再興を願ったにもかかわらず、親戚筋や和尚の怠慢で内匠頭の弟浅野大学は蟄居されお家再興の望みが断たれ大石は吉良を討つことを決心します。
討ち入り装束は、
浅野家が誇る火事装束、 この装束に決まるまでは紛糾・・・
次に起こる問題は、”残務整理”、そして残金から討ち入りまでの日数と人数が多すぎることから人数を減らすことをはなります。
”リストラ”が図られ、残金に見合う人数に絞ります。
当初、討ち入りを翌年の3月14日の命日でしたが、吉良の在宅が前年の12月14日と判明したため急きょ12月14日に決めたということで、これらは、今までの忠臣蔵にはない内容となっています。
討ち入りの ” 図上演習 ” が行われます。
これには、馬回り役、軍師の菅谷半之亟(妻夫木 聡)が討ち入りの作戦を全員に指示します。
図上演習 作戦会議 仕切るは菅谷半次郎 瑶泉院 この人もお金に厳しい
討ち入りに不足金は、浅野内匠頭の正妻瑶泉院(石原さとみ)の持参金を借用し、それがひと悶着あり、今までの瑶泉院のイメージとは全く違うというのもこの映画の特色なのでしょう。
さて、色々紆余曲折があり、最後の武士の本懐を達成するためにどれだけの費用がかかり、予算通りに収まったのでしょうか・・・
どちらにしても、この映画の視点は、今までにない構成で、時代劇の言葉使いではなく大阪弁?的もあり、武士の言葉ではなく、少々違和感があるが、今後の時代劇のあり方なのでしょうか・・・