ディヴィッド・ゴードンのデビュー作であるにもかかわらず、世界が注目する新時代のミステリー小説というふれ込みで、興味があり、見に行ってきました。
しかし、外国人作家を日本的に翻訳した映画によくありがちな内容となっており、少し煩雑で凝り過ぎて無理があるように思われるところがあるようです。
また、題名にある「シリアリスト」の意味が分かりにくく、直接的な解釈では”連載小説家”であり、同時に二流小説家でもある、という題名になります。
わざわざ、横文字を入れる意味がない様に思いますが・・・・
他に意味を探すとすれば、順次とか続けてしまうと言う意味もあり、敢えて言えば、クセになって続けるという意味と解釈すれば連続殺人犯もまた「シリアリスト」なのかもしれません。
その連続殺人犯から、二流小説家の赤羽一兵(上川達也)に手紙が届くところから話が始まります。
その連続殺人犯は、自称写真家として、モデルを募集して集めた4人の女性を殺害した罪で死刑判決を受けています。
その手紙では、殺人の告白本を書いて欲しいという依頼だったのです。
なぜ、彼に依頼があったのか・・・・・
同居している姪の小川亜衣(小池里奈)から、一流になるチャンスと尻を叩かれ、死刑囚の呉井(武田真治)に会うために彼の弁護士前田礼子(高橋恵子)を訪ねる。
呉井に会った赤羽は、告白本を書くことの条件を突きつけられるが、一流小説家の欲望に駆られ条件を呑みます。
それに反対する被害者の会の面々から抗議を受けるが、ただ一人、被害者の妹が、告白本を書いて欲しいと懇願する。
事件は、その時に発生し、それが12年前の呉井が起こした事件とそっくりで赤い薔薇に包まれた首なし死体が・・・・
ここら辺は、ホラー仕立てとなっており、余り気持ちの良いものではありませんでしたが、その描写が余りにも幼稚な人形的で、現実的ではないのが、ホッとしたような、残念なような・・・・
さて、この犯人は誰か、呉井の再来と世間が騒ぐ中、赤羽も容疑者として調べられます。
赤羽と呉井の面談所の対決は、両者の対比がすさまじく、その後肝心のストーリー展開が早すぎ、犯人は誰かと思う間もなく、あの弁護士が・・・・そして母親が・・・本当に殺人したのは誰か・・・・
あの「砂の器」と同様、昔に母と子の逃避行が海岸べりを歩いている様子は、どこかで見た光景と苦笑せざるを得ませんでした。
後半は、余りの展開の速さに少々疲れ、誰と誰がどうなったかこんがらがってきましたが、町田刑事(伊武雅刀)の話で一息が付けました。
少しこじつけがあり、それが頭に残り、映画館を後にしても、モヤモヤが消えませんでした。
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