日々の恐怖 1月17日 空席
数年前に気付いて以降、ずっと気になっていることがある。
頻度は数カ月に一度ほどだ。
それは、乗客の誰も関心を示さない空席がたまにあるということ。
他の座席はすべて埋まっていて、車両の中でそこ1席のみ空いている。
立っている人は相当いるが、誰も座ろうとはしない。
その席の間隔は充分にある。
狭すぎるわけではない。
シートが汚れているわけでもない。
毎回確認したわけではないが、近くに臭う人がいるわけでもなさそうだ。
不思議に思うが、1人で電車に乗り、車両内の誰もが押し黙ってスマホいじり等する中、
「 ねぇ、どうしてあそこ座らないんですかね?」
と隣で立つ人には聞けない。
一番不思議なのは、自分自身が“そこに座ろうと考えていなかった”ということに、ついこの前まで気づいていなかったこと。
普段は優先席でも空いてれば座るのに。
小さな不思議でひっかかっていた。
この週末、友人たちに話してみたら、ひとりだけ同じようにその空席を訝しんでいるヤツがいた。
自分自身が座らないのはなぜかと尋ねたら、
「 そういえば、なんでだろう・・・?」
どうだろうか、経験ないかな?
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