大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月31日 昼の少年

2016-01-31 23:09:59 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 1月31日 昼の少年



 我が家は1階で両親が寝て、2階の一室で俺、妹、兄が3人で一緒に寝てた。
毎晩寝室で兄妹三人で騒いでて、時折、

「 あんた達、早く寝なさい!」

って親が叱りに来るんだけど、そういう時は階段を上ってくる音が聞こえてくるから、俺等は、

「 やばい!寝たフリ!」

って言って一斉に静かになる。
でも数秒前まで騒ぐ音が聞こえてるわけだからそれは通用せず、親はドアを開け怒ってくる。
 そして、その日の夜も例の如く騒いでたら階段を上ってくる音がしたから、急いで電気とテレビ消して皆布団に潜り込んだ。
 足音は止んでドアを開く音がした。
でもいつもの様にドアが開いたと同時の叱り声が聞こえない。
 一番ドア側にいた俺は、そーっと布団から覗き込むと、ドアは開いてるものの誰もいない。

“ 隠れて驚かそうとしてんのかな・・・?”

なんて思いながらドアをずっと見てると、開いたドアから見える隙間の暗闇に目が慣れてきて、誰かがドアの後方に立ってるのが見えてきた。
 でも何か立ち方というか、シルエットがおかしい。
手足が明後日の方向を向いてる。
 その瞬間、俺の頭に昼間の事故が思い浮かんできて、得も云われぬ不安に襲われて、無言で布団に潜り込んだ。
 一人でブルブル震えてる内に兄と妹が、

「 誰もいないじゃん。」
「 お母さん下降りていったのかな?」

ってまた話し始めて、明るい雰囲気になったので、俺も布団から顔を出した。
 ドアは開きっぱなしなものの、もうその向こう側には誰もいなかった。
あの時俺が見た人影は事故の少年と関係があるのかわからないけれど、今思い出しても凄く気持ち悪い。









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