日々の恐怖 1月18日 祠の横
夜の11時に仕事が終わって車で帰ってる途中のことなんやけど、家の少し手前の直線道路にさしかかったとき、いっつも点いてる街灯が全部なぜか消えてたんですよ。
そこでまず気味が悪くなって、ライトをハイビームにしたんです。
そしたら、道路の左側になんかあるんです。
もともとそこには中くらいの祠みたいなものが建ってて、毎日そこを通ってるから見慣れてるんですが、その日はその祠の横になんかあったんです。
で、だんだん近づくにつれて、それがどうやら人だってことがわかったんですね。
それで、なんかうちはホッとしたんですよ、
“ なんだぁ~、人か・・・。”
みたいに。
でも、いよいよその人がはっきり見える位置に来て、正直背筋がゾゾゾってしました。
ピクリとも動かんのです。
道路に背中を向けた状態で、両腕が脱臼したみたいにブラーンと下に垂れてて、頭もガクッと垂れて前のめりで。
顔がまったく見えんのです。
髪が長くて頭を垂れてるから髪が顔全体を隠してしまって。
通り過ぎた後、3回ミラーで確認して、4回目見ようとすると街灯が全部点いたんですよ。
で、ミラー見たらそこには何にも無かったです。
もっと詳しく言うと、その格好も異様な感じだったんよ。
夏だったのに、
“ いまどき着ないだろ!”
みたいなトレーナーにロングスカート。
なのに素足にスニーカー。
全体的に汚れてるの。
しばらくは思い出して夜寝れなかったが、
“ こっち振り向かれなくて良かった~。”
と思っています。
いや、どんなときに現れるなんて分かりませんし、知りたくないです。
そんなの調べて、こっちが興味を持ってるってアレに知られて、憑いて来たらどうするんですか、家近いんですから・・・。
あれから後、そこは夜には通らないで、遠回りすることにしてます。
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