大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月30日 挨拶

2016-07-30 19:04:53 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月30日 挨拶




 別に捕まえているつもりはなくても、結果的にそうなっていることがある。
それで、ハッと気付くと、もう感じることはできなくなる。
そんな経験があった。
 犬の散歩コースで、ちょい高台にある家の前を通り掛かると、その家の犬がいつも

「 ワンワン!」

と吠える。
 犬の姿はドウダンの茂みに隠れて見えないが、ガサガサと揺れる枝先に向かって私の犬も、

「 ウオッ、ウォッ!」

と挨拶を返す
それが何年もの間の日課だった。
 ある日、自治会の集まりで、その高台の家の奥さんと話す機会があり、私は、

「 あ、お宅、犬いますよね?
何犬ですか?」

と聞いた。
 奥さんは、

「 シェルティですけど・・、でも、昨年死んじゃいましたけどね。」

と言った。
 その日以降、もう枝先が揺れることは無くなった。
高台は今日も静まり返っている。











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