大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月13日 迂回

2016-07-13 18:18:44 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月13日 迂回




 5年程前のこと、仕事がなくて葬儀社の霊柩車の運転手を1年ぐらいやっていた。
もちろんソノ手の仕事なので不思議な体験はあったが、火葬場の話だと、いわゆる無縁仏の火葬では当然お骨の引き取り手がいない。
 斎場にもよるだろうが多くの場合、そうしたお骨は裏手の慰霊塔のようなところに一括に捨てられる。
こまめに坊さんを呼んで弔ってるトコはいいんだけど、四国のI市のように全くやってない所もある。
 その供養してないI市斎場での出来事。
梅雨時で2~3日雨が続いていた。
朝一番の式が終わって、霊柩車に家族を乗せ斎場に向かっていた。
 斎場近くのT字路にガードマンが立っていて、

「 この先がけ崩れしてるから、迂回してくれ。」

と言われた。
葬儀社から報告受けてないし、

“ おかしいな・・・・。”

と思いつつ、指示にしたがった。
 迂回路にも2人ほどガードマンがいたが、斎場から離れていってる気がして、喪主の人と、

「 変ですねぇ・・。」

なんて話しながら、とにかく急いだ。
 20分ぐらい走って、やっぱ絶対おかしいと思い、喪主と相談して引き返すことに決めた。
斎場までの道のり、3人いたはずのガードマンは1人もいなくなっていた。
もちろん、がけ崩れもなかった。
 なぜ彼らは火葬を邪魔したかったのだろう。
喪主や家族がいるホトケさんが羨ましかったのだろうか?











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