道端の小さき御形 母子草 咲き綻びし諸人ときみの
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人里の道端などに普通に見られ、冬の水田にもよく出現する。
冬は根出葉がややロゼットの状態で育ち、春になると茎を伸
ばして花をつけ、成長した際の高さは10~30cm。葉と茎には
白い綿毛を生やす。花期は4~6月で、茎の先端に頭状花序の
黄色の花を多数つけ、日本全国に見られるが、古い時代に朝
鮮から伝わったものとも言われる。国外では中国からインド
シナ、マレーシア、インドにまで分布するといわれる。これ
までもたくさんのひとたちの心遣いでここまでもれた。ふと
見ると小さく咲き乱れる御形、母子草の群生。社務所には桜
が萬を侍して咲き綻ぶ。春の七草の一つ「ハハコグサ」。花
言葉は「優しい人」。
母子草なづなの花に犬のふぐり小さきはなに蜆蝶舞ふ
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ぼくはいまのような事態になるまえに、非常に注目した
ことがあります。2008年に相次いで起きた20代の
青年による無差別殺傷事件です。それは直接にいまの状
況に関係がないといえばないのかもしれない。けれども、
ぼくはあれを、ぼくがいう現在のパンデミック状況の前
兆のような、兆しのような事件として考えています。
このことを語るに際して、非常に注意しなければいけ
ないのですが、ぼくはもちろんあの事件を肯定している
わけではない。ぼくは crime(犯罪)について語りたい
わけではないのです。ひとつの犯罪というものはいろい
ろなものが遠因になって立ちあがっていく。そういう発
作をしからしめていくプロセスを考えれば、crime に対応
するか sin(原罪)という面についてこそ深く掘りさげて
いく必要があるとおもうのです。
辺見庸『しのびよる破局』/24~26頁
辺見庸は、感染爆発や汎発流行にあたる、感染症や伝染病が
世界的に流行することを表すパンデミック(pandemic)も多
用する。 感染症がコミュニティ内で流行することをエピデミ
ック(epidemic)と呼ぶが、それが規模が大きくなり世界各地
で散発的に起こるようになった状態をいう。
ぼくがこれから話したいのは、無差別殺傷事件の青年
たちの心象、心のなかのことなのです。たとえば、三月
に茨城県土浦市のJR荒川仲駅で起きた事件。あの容疑
者が日常的になにをやっていたかというと、携帯電話を
もっていて、ゲームをやっていた。かれにとっては、世
界の切り口がつねに携帯電話やゲーム機のモニター画面
なのです。つるつるのモニター画面が世界の切り口にな
っている。つまり、そこには原質というかマチエールと
いうものはなにもない。スイッチを押せば世界は瞬時に
消えてしまう。
いまぼくは、マチエールということばを使いましたが、
それは人でいえば、においとか温もりとか、冷淡さとか、
あるいは抱きあったときの感触とか、つまり質感や手触
りや痛覚のことです。そういう交感可能だったものがい
ま、交感不可能になっているのではないかとおもうので
す。ぼくはつよいショックを受けたのですが、かれは携
帯電話を二台もっていて、一台の携帯電話に別の携帯電
話からメールを送信していた。つまり、自分で自分にメ
ールするわけです。それは、おそらくこの青年だけでは
ないでしょう。
ぼくはこの衝動かわからないようでよくわかる気がし
ます。じつはぼくも携帯電話を予備用に二台もっている。
ぼくは五年まえに脳出血で倒れてから、右手が自由に動
かせないので、携帯に依存せざるをえないことがいっぱ
いある。たとえば、原稿を害くのにも、後発の障害者な
ものだから、訓練しても左手ではパソコンの操作がひど
く遅いのです。それで、携帯で文章を打って、それを自
分のパソコンに送りこむというような作業をしたりする。
だから気持ちはわかる。
ふと机の上にある自分の携帯を見て、だれからもメー
ルがこないときに、自分でメールを入れたい衝動、無意
識の衝動みたいなものが、ぼくのなかにもあるような気
がするのです。「がんばれよ」とか「おい、元気だせよ」
とか慰めのことばとか、あるいは「きみを心配している
人間がいるんだ」とか。本当はそういうメッセージをじ
かに欲しいのだけれども、ないときに自分で自分にそれ
をやってしまう。ぼくはそれをかならずしも奇矯な行動
だとはおもわない。切ないのです。いまの時代というの
は、主として若い人たちの多くが、そういう孤絶状況に
追いやられているような気がします。
くりかえしますが、ぼくは Crirneの話をしているので
はなく、犯罪の底にある人間の原罪のようなものについ
て話したいのです。いまの資本主義のシステムが日々に
たきつけ、生成しているsinを見きわめたいのです。もう
一台の携帯から自分の携帯にメールを送信する行為が狂
気じみているというのであれば、われわれはすでにみん
な狂気じみていると、ぼくはおもうのです。
辺見庸『しのびよる破局』/24~26頁
孤独な自分に対し激励したい行動が‘ひとりごと’なのか‘
うちこみ’なのかの違いがあるだけで‘衝動’にあることに
変わりない。それが高度資本主義社会では携帯であったりパ
ソコンが‘手段’いや、‘メディア’違いであるだけでここ
だけではその背景の‘遠天’の違いがわからない。
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Linear motor car
パソコンとの付き合い相当長く25年になるが、いまでも欠
陥商品ではないかと思っている。1週間近くエクセル2007の
ソフトだけが調子悪く、いよいよ起動しなくなりマイクロソ
フト社のサポートセンタとコンタクトし指示を仰ぐ。ウイン
ドウズ・ビスタの立ち上げを早くするソフトを削除すること
でエクセルが使えるようになったので腰痛対策と気晴らしに
久しぶりにジムに行くとマイクロソフト社からセルラーフォ
ーンに連絡が入る。「いかがでしたか?」「いまはジムに来
ている」「ジムですか」、少々安堵の声。「直りました。有
り難う御座いました。」と短い遣り取りをした。しかし、高
速化ソフトを削除したのでこのブログもサクサク感がない。
気の重いことだが解決の道筋が見えたので明日対応しよう。
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ところで、サウナに入っていたら森田健作知事の報道がされ
ていたが、彼は公約として「海蛍」の通行料金を千円から八
百円へ割り引くことと、成田-羽田間のリニアモータカーの
導入を掲げていたことを知る(公明党も支持している)。財
務派の橋下徹大阪府知事や営業派の東国原英夫宮崎県知事、
元青島幸男東京都知事とは違うタレント知事で、悪くいえば
旧来の土建派自民党の風貌を感じた(ミニ角栄)。しかし、
公約の通行料金で言えば、民主党の高速料金無料化で対応(
「楽市・楽座政策」)可能だし、リニアモータカー導入は反
対ではないが、乗客の移動から物流(貨物用地下新幹線)の
全国物流専用にシフトさせ地下10~50メートルの地下ト
ンネルを高速運行させることを考えていたから、単に高架線
を時速五百キロメートルで乗客を乗せ走らせるだけでは、上
海の後追いでは面白くないし能がない。
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映画『ザ・コア』
それだけではない。小子高齢社会と高度情報化社会で、ビジ
ネス分野の出張はウェブ会議や電子メールで充分だ。まして
『デジタル革命』である。もはや、土建製品は反「独活の大
木」的製品の時代だしエコな時代でもある。やるからには、
地下なら景色も関係なく空気抵抗の問題解決すれば時速五百
超キロメートルで東京-大阪、1時間の物流が実現する。た
だ、リニアモータは同規模の出力の回転型電動機と比較した
場合、損失が多いため、消費電力が増えるが、ディーゼルエ
ンジン主体のトラック輸送を考えれば環境問題はクリアだが
初期投資が膨大だなぁ。ところでネタ話をするとこの発想は、
映画『ザ・コア』からきている。地中をうねうねと走り回る
イメージ。陸地面積の狭い日本、宇宙空間は、米国に任して
おいて、日本は海洋・海底・地中のプロジェクトに集中して
みてはどうか。
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Perfume リニアモーターガール
リニアモーターカー (Linear motor car) とは、リニアーモータ
により駆動する鉄道車両。JRマグレブの最初の開発者であ
った京谷好泰が名付けた。単にリニア略すこともあるが、時
速五百キロメータと高速で静かでシンプルな機構で保全が簡
単という特徴をもつ。動作原理により、リニア誘導モータ(
LIM, Linear Induction Motor)、リニア同期モータ(LSM, Linear Sy-
nchronous Motor)、リニア直流モータ(LDM, Linear Direct Motor)、
リニアステッピングモータがある。ローレンツ力を用いた電
磁式リニアモータだけでなく、超音波モータと同じ作動原理
であるピエゾ効果を応用した圧電素子で駆動するリニアモー
タも存在する。実は、退職前(証券コード:7735)は液晶パ
ネルの機能性塗膜のコータの開発をやっていて、三菱電機の
リニアモータを使い大面積のコータの製造技術はトップ・ク
ラスだ。『列島オール電化構想』、ネタはそろっている。
時々の花は咲けども 何すれぞ母とふ花の咲き出で来ずけむ
『万葉集』/防人の歌
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