ひたむきに働らく先のクローバー きっと五つ葉ときみは微笑み
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T. pratense L.
市長選挙が始まっている。この4年間の抜本的な「少子高齢
田園都市ビジョン」(医療福祉・介護制度)を提示する候補
者に投票しようと考えているが、季節は五月に向けて政治の
季節到来だ。
五月の日輪はゆたかにかがやき
五月の雨はみどりに降りそそいで
野に
まんまんたる気槐はこもる
肉体のような土壌は
あたたかに、ふくよかに
まろく、うづたかく、ひろびろと
無限の重量を泡だたせて
盛り上り、もり上り
遠く地平に波をうねらす
あらゆる種子をつつみはぐくみ
虫けらを呼びさまし
悪きもの善きものの差別をたち
天然の律にしたがって
地中の本能にいきづき
生くるものの為には滋味と塒とを与へ
朽ち去るものの為には再生の隠忍を教へ
永劫に
無窮の沈黙を守って
がっしりと横はり
且つ堅実の微笑を見する土壌よ
ああ五月の土壌よ
土壌は汚れたものを恐れず
土壌はあらゆるものを浄め
土壌は刹那の力をつくして進展する
見よ
八反の麦は白緑にそよぎ
三反の大根はすでに分列式の儀容をなし
其処此処に萌え出る無数の微物は
青空を見はる嬰児の眼をしている
ああ、そして
一面に沸き立つ生物の匂よ
入り乱れて響く呼吸の音よ
無邪気な生育の争闘よ
わが足に通って来る土壌の熱に
我は烈しく人間の力を思う
高村光太郎『五月の土壌』
※下線は筆者強調
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「武器は保持するものではなく、使って見たいものだ」。ソ
マリア海賊問題の対処方法は、筋からいえば日本共産党の主
張が正しい。正しいが現実の対処方法としては適切でない。
で一番良い方法、国際機関による当該領海の統一的警察行動
が世界の軍拡主義の抑制や対費用効果から最良選択だが、そ
ういった意味では中国共産党の行動は不可解だ。それもでき
ないなら、『国会による個別承認』が大前提で「人命は地球
より重し」(故福田赳夫首相)もある。またぞろ「統帥権」
の鵺(ぬえ)でもあるまいし「けじめよ!」と。
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ガイトナー米財務長官
もう1つ。ガイトナー米財務長官が24日にワシントンで開
かれる7カ国財務相・ 中央銀行総裁会議(G7)で、世界
経済の成長促進を米消費者の支出に依存することはもはや不
可能とし、米金融システム安定化に向け継続中の「大胆な」
取り組みについて「米消費者に依存しない持続可能な成長に
各国政府が焦点を当てる形での、一段とバランスのとれた回
復と拡大の必要性について話す予定」との新聞が報じられた。
また、IMFは世界の金融損失4百兆円(3年間累積推定額
)と今年度のGDP成長率を-1.3%(日本は-6.2%)と報じ
た。金融瑕疵率では米国は10%、欧州5%、日本2%。これらの
数字は意味深いもので、日本の経済行動を、『文質彬彬型』
(故宮沢喜一首相)に展開せよと指示しつつ、現在的な『剰
余価値』とは何かを問うている。
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バイオテクノロジーは21世紀の物理学の試金石でもある。
手前味噌だが、わたしが所属するJBAには『みんなのバイ
オ学園』というHPもあるが、試験菜園をはじめたわたしに
は『超デジタル革命』を考えるに当たり、植物の未来を先ず
はじめに挙げるのは自然なことだろう。そして、それは「遺
伝子組換え作物」に行き着く。その技法は3つあり、(1)
従来の交配法、(2)パーティクルガン法、(3)アグロバ
クテリウム法があり、(3)はバイナリーベクター(2進数
的媒体生物)を利用し「形質転換植物」を創成する。平たく
言えば、『デジタル革命』における「媒体」(メディア)、
或いは、触媒ということなる。詳しくは『植物で未来をつく
る』/化学同人社などの著書に表されている。また、ネット
では「遺伝子組換えの科学的情報を提供する バイテク情報普
及会」なども参考になる。
(2)パーティクルガン法
particle gun
(3)アグロバクテリウム法
Agrobacterium tumefaciens
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『植物で未来をつくる』
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岡田清孝
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松岡信
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林隆久
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西澤直子
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高岩文雄
とりわけ、「ABCモデル」は被子植物の花の発生を遺伝子
の発現調節から説明するモデルで、1991年にE. CoenとE. Meye-
rowitz によって提唱された。シロイヌナズナやキンギョソウ
などの花の各器官(葉が変化したものと考えられるので花葉
と呼ばれる)に異常を起こす突然変異の研究成果に基づいて
おり、その後他の多くの植物に適用できることが示されつつ
あり重要な鍵語である。
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インカのめざめ
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Cytokinins
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また、実際に野菜からDNAを抽出してみようと考えるなら
ネット上では「バイオ基礎教室」にそのやり方が紹介されて
いるので自分でやってみるのも面白だろう。ともあれ、この
1冊の本から、(1)ゲノム研究で植物科学が飛躍し(2)
それは、岡田清孝のシロイヌナズナの実験からはじまり(3)
松岡信のスーパーイネ、(4)林隆久の森林蘇生、(5)柴
田太輔のバイオマスの研究、(6)西澤直子の土壌耐性種の
開発、(7)高岩文雄の抗スギ花粉症コメの開発、(8)そ
して、佐藤文彦による遺伝子組換え作物とそのプロセスのリ
スク評価と網羅されているのでわかりやすいので「未来植物」
の題目の触りは果たしたと思える。次回は『超デジタル革命』
の考察の第二弾として「土壌学」をひろい読みしたい。
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T. incarnatum L.
クローバー(英:Clover)は、マメ科シャジクソウ属(トリフ
ォリウム属、Trifolium)の多年草の総称。一般的にはシロナッ
メグサを指すことが多い。約300種が全世界に分布する。シャ
ジクソウ属の多様性は北半球において最も高いが、南米国や
アフリカにも多くの種が分布している。ハローワークにはい
まより増して失業者が訪れる。我々責任ある大人達が大変な
ことをしでかしたんだと自省する光景でもある。時間給にし
七百円そこそこで生計を立てなければならない人達が大勢い
る。五つ葉のクローバーは金銭に困らぬ象徴。「クローバー
」と「微笑み」を「メダルの裏表」の暗喩とし、そんな歌を
託し世情を詠む。牧場に咲く花「クローバー」。花言葉は「
勤勉」。