極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

新型コロナウイルス抗体検出

2020年03月10日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                        

12 顔 淵 がんえん 
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「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
---------------------------------------------------------------------
2 仁とは何かと仲弓(再雍)にたずねられて、孔子は答えた。
「たとい同僚間でも、貴賓に接するのとおなじ鄭重な態度で接する。人民を
使役する場合もまた、祭祀のときとおなじ敬虔な態度をもってする。人から
されたくないことは、自分も人にしない。この共感の念があれば、公生活で
も私生活でも、すべて対人関係は円満になるだろう
 仲弓は言った。
「至らぬわたくしですが、精いっぱい努力いたします」

仲弓問仁、子曰、出門如見大賓、使民如承大祭、己所不欲、勿施於
人、在邦無怨、仲弓曰、雍雖不敏、請事斯語矣。

Zhong Gong asked about benevolence. Confucius replied, "Treat
others as guests of honor when you meet them. Behave like you
attend a rite when you use the people. Do to others as you
would be done by. And you will not incur the people's or your
family's enmity." Zhong Gong said, "Although I am an idiot,
I will put your words into practice."

   

【ポストエネルギー革命序論150】


doi: 10.3389/fcell.2020.00026

抗MERS-CoV抗体検出のための迅速な多重マイクロファイバーベースの
イムノアッセイ(Rapid multiplex microfiber-based immunoassay for
anti-MERS-CoV antibody detection)(Ⅰ)
【要約】
自然免疫抗体用のオンサイトマルチプレックスバイオセンサーは、
個人の健康状態を監視するための理想的なツール。さまざまな病気
に対して。この研究では、新しい抗体イムノアッセイ試験プラット
フォームを導入。特定の抗体を捕捉するための抗原のマイクロファ
イバーベースのアレイ。デバイスの製造とセットアップは、3次元
膜として機能する電界紡糸ポリスチレン(ESPS)マイクロファイバ
ーを中心に展開。迅速で多様な検体の捕捉が可能なフィルター。特
に、ESPSマイクロファイバーはパターン化した局所的な酸素プラズ
マにより、流体の流れと固定化を促進する親水性ゾーンを作成。こ
の堅牢な抗体イムノアッセイプラットフォームの大部分は、コンパ
クトなシリンジ駆動型特異的抗体に対する多重抗体イムノアッセイ
を実行できるカセット装置中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-
CoV)は、合計で合計5分、および200μg/ mLまでのMERS-CoVの高い
感度と特異性。
【序論】
これらは必要なパフォーマンスの基本要件----高スループット、高
速、高感度----したがって、これらの特性を組み合わせたアッセイ
が提案されているが、多くの場合、マイクロ流体工学とナノテクノ
ロジーにより実現されている。さらに、紙ベースの微小電気機械シ
ステム(MEMS)を含む多くのタイプのマルチプレックス免疫アッセ
イプラットフォームが報告されているす。ビーズベースおよびアレ
イベースのプラットフォーム。近年、このようなイムノアッセイの
最も顕著な用途の1つとして、医療の観点から見たプラットフォー
ムとしてウイルス検出がある。2012年以降、MERS-CoVは一般的な問
題となり、。約30%の高い死亡率のコロナウイルスは複数の国に
影響を与え報告された(世界保健機関(WHO))。さらに、MERS-CoV
比較的最近の発生であり、効果的なワクチンが存在しない。シンプ
ルで堅牢かつ迅速な方法での抗体診断手段は、患者に対するワクチ
ンまたは感染症の拡大を防止する薬物の有効性試験に必要であり、
ワクチン接種の世界では、血液抗体価はしばしば、酵素免疫測定法
(ELISA)の一般的な方法患者が適切な濃度で必要な抗体を現在持っ
ているかどうかを判断する。ELISAは非常に感度の高い方法であり、
MERS-CoVで1μg/mL未満の検出限界(LOD)を達成するが、専門家や
大型機器の要件により、診断結果の生成に数日かかる場合がある。
したがって、ワクチンまたは薬物の有効性をテストするには、大型
の試験装置を必要としない、より迅速で効果的な試験方法論が望ま
しい。グローバルを改善するために、健康管理には、低コストでシ
ンプルで堅牢なポイントオブケア(POC)デバイス製造の必要性の
強調が重要。
ここでは、数分以内に実施できる抗ウイルス抗体検査の迅速な免疫
測定法を紹介する。この作業は、ESPSマイクロファイバーマットを
キャプチャとして活用する新しい多重抗体イムノアッセイテストの
構築を示す超高速試験用の膜および圧力駆動対流。以前に確立され
た蛍光結合免疫吸着剤に加え、アッセイ(FLISA)マイクロファイバ
ープラットフォーム、マイクロファイバーマットはO2プラズマで事
前にパターン化され、複数の親水性異なる抗原を持つゾーン、した
がって多重検出システムを作成。概念実証として、対応する抗体を
個別捕捉するように設計された2つの異なる抗原試験である。
血清アルブミン(HSA)およびMERS-CoV。HSAは代表的なタンパク質
これはヒト血漿サンプルに存在するが、MERSはウイルス性病原体で
現在予防接種の手段を欠く。単純な設計、製造とセットアップの容
易さ、診断が可能な高速
このシステムで抗体検出を行うことはMERS
が発生した場合に一般公衆衛生を保護の低コストの商用デバイスを
作成する上で不可欠な一歩となる。

2.材料と方法
2.1 FLISA試薬および材料
高分子エレクトロスピニング処理では、ペレット化PS(PS日本)THF
(Sigma-Aldrich)を含む溶液に溶解し、DMF(Sigma-Aldrich)。
HSAのフルラピッドFLISAオペレーションにはヤギが含まれます抗ヒト
アルブミン(Bethyl Laboratories、A80-129A)、ヒト参照血清(
Bethyl Laboratories、RS10-110)およびFITCコンジュゲートヤギ抗
ヒトアルブミン(Bethyl Laboratories、A80-129F)、この研究では、
それぞれ「anti-HSA」、「HSA」、および「FITC anti-HSA」にとって
上記のHSA試薬と以下の両方をテストする抗体MERS試薬:His-MERS-NP
抗原タンパク質(横浜市大学)および anti-MERS-NP(横浜市立
大学
mAb#20)。この調査では、「MERS」および「FITCそれぞれMERSの試
薬。 Anti-MERS-NPは、フルオレセイン標識キット– NH2(同仁堂)リ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH 7.4、Gibco)とTween 20(PBS-T、pH7.4、
0.1w/v%トゥイーン20)とスキムミルク(ユキジルシ株式会社)は、
希釈剤、洗浄剤、ブロッキング剤などの目的。さらに、FITCconjugat-
edウシ血清アルブミン(BSA-FITC、Sigma-Aldrich、A9771-1G)とBSA
(Sigma Aldrich、A3608-50G)を組み合わせて蛍光顕微鏡用のESPSフ
ァイバーマット付きを使用。

2.2 エレクトロスピニング技術
10 vol%/vol%の事前ペレット化PSを次の溶液に溶解した。1:1 THF/
DMF。溶液は室温で穏やかに攪拌し、PSが完全に溶解するまで24時間。
PSソリューション次に、シリンジを介してエレクトロスピニング装置
に装填。環境および加工条件(補足資料表S1)は、エレクトロスピニ
ング後、呉らによって報告された技術「ウェットプレス」でマイクロ
ファイバー繊維を8層積み重ね、ESPS繊維マットを積層、互いの上に、
エタノール(EtOH)に浸してから挟むガラス板の間に積み重ね、2 kg
の重りで24時間加圧使用する。

2.3  O2プラズマスポット処理
O2プラズマクリーナー(PDC-001、拡張プラズマクリーナー、Harrick
プラズマ)とガス流量計の組み合わせ(PDF-FMG、PlasmaFlo Gas Flow
ミキサー、Harrick Plasma)を使用してESPS繊維マットを処理、O2プ
ラズマ。9穴(スポットサイズ= 2.5 mm)のスチールマスクはカスタ
ムメイドする。ESPS繊維マットにO2プラズマ処理のパターンを作製。
8層で湿式圧縮したESPS10重量%繊維マットを使用、スポット治療
実験用、8層の10 wt%ESPを使用。4
層のサンプルでは、追加された
試薬の非親水性スポット領域への拡散時間。8層サンプルでは、​​試薬
拡散または漏れを最小限に抑えた親水性スポット範囲でのO2プラズマ
処理を行う。スポット処理後の8層ESPSファイバーマットの蛍光顕微
鏡によるタンパク質吸着とブロッキングの優先度の両方をテスト。

ンパク質吸着のために、ESPS繊維マットをFITC-BSA溶液(20mL PBS中
の10wt%FITC-BSAからBSA)に1時間浸す。
次に、サンプルをPBS-Tで
20回浸漬洗浄する。ブロッキング効果には、BSA、BlockingONE、スキ
ムミルクをブロッキング剤として比較し、3つの別々のESPS繊維マッ
をそれぞれのブロッキング溶液に浸し、BSA(2 w/v)、BlockingONE
(20 v/v)、
PBS-Tで20回浸漬洗浄する前に、1時間スキムミルク(2
w/v)を加える。
次に、サンプルを同じ FITC-BSA溶液に浸漬。前の実
験を1時間行い、PBS-T で20回再度ディップ洗浄。
すべての蛍光画像
は倒立顕微鏡で測定
(CKX53、オリンパス)と蛍光光源およびフィルタ
ー(U-HGLGPS、オリンパス)の組み合わせ。cellSensが撮影した画像
(オリンパス)画像処理ソフトウェア。ROIマネージャーツールの下で
Image(National Institutes of Health)で測定。

2.4 カセットデバイスベースのイムノアッセイシステム
37 mmモニター(Advantec)は、内部膜を8層の10wt%ESPSに置き換え
カセットデバイスとして採用。37 mmモニター内に適切にカットおよび
成形されたフィルター紙(40 mm、No.5B、桐山ロート)を重ねたサン
プル。セットアップには、ろ紙を下層にO2プラズマ処理されたESPS繊
維マットを上層を使用。注入口から、バルク試薬(PBS洗浄、抗原、お
よび2次抗体)を挿入し、シリンジの圧力で反対側の出口から洗い流
す。

2.5 迅速なMERSイムノアッセイ試験プロトコル
すべてのイムノアッセイで、100Wで3分間O2プラズマ処理を行った8
層の10wt%ESPS膜を使用。カセットプラットフォームを使用した迅速
なイムノアッセイテストは、次の手順で実行。(1)抗原の固定化(2)
ブロッキング、および(3)抗体の捕捉。まず、HSAとMERSの濃度は処
理されたESPS膜上で単独最適。PBSのHSA濃度は、0〜1000μg/ mLの範
囲で変化させる。スポットあたり6μL。次に、2%w /vのスキムミル
ク2 mLによるブロッキングをシリンジから直接カセットに適用。1分
間保持した後、コンセントから引き抜く。最後に、1mLのFITCコンジ
ュゲート10μg/ mLの抗HSA抗体溶液をカセットに1分間保持し、フラ
ッシュした。同様に、MERSがテストされ、まず、His-MERS-NPを0〜500
μg/ mL。脱脂乳ブロッキング手順の後、1 mLのFITCコンジュゲート
11μg/ mLの抗MERS NP#20溶液をカセットに1分間保持し、フラッシ
ュする。HSAとMERSの両方のテストについてブロッキング工程とFITC
結合抗体工程の両方の後、1mL容量のPBS-Tで洗浄をカセットに3回
通し洗浄。
マルチプレックスイムノアッセイでは、上記のイムノアッセイプロト
コルと同じように実施されましたが、単一のESPS膜上で別々にパター
ン化された異なる抗原を使用しました。3つのスポットをMERSで処理
しました(200μg/ mL; 6μL)、HSA(200μg/ mL; 6μL)で処理さ
れた3つのスポット、および抗原が固定されていない3つのスポット。
再び、ブロッキングが実行された2%w /vのスキムミルク2mLをカセ
ットに1分間保持した後、フラッシュしました。最後に、抗体の3つ
の異なるテスト溶液を準備し、多重ESPS膜を通してテスト。1:100希
釈のFITC共役抗HSA溶液1 mL、1:50希釈のFITC共役抗MERS NP#20溶
液1 mL 、およびFITC共役抗HSA(1:100希釈)とFITC共役抗MERS NP#
20(1:50希釈)の1 mL混合物。各抗体の濃度はすべての場合で同一。
図1および補足資料の表S2は、手順全体と試験プロトコルに使用され
る最終濃度を示す。

図1(a)O2プラズマスポット処理セットアップの概略図、(b)ハ
ウジング環境と膜のセットアップの概略図、
(c)迅速なMERSイムノ
アッセイプロトコルで実行される手順概要


3.結果

3.1 O2プラズマスポット処理
多くの抗原が表面に固定化されることが重要である。抗ウイルス抗体
の免疫測定システムのシグナルを強化する。
したがって、タンパク質
固定化の量が最適化する。マイクロファイバー表面の疎水性を通し、
層の10重量%ESPSファイバーマットサンプルは、O2プラズマスポッ
ト処理によって処理された。
異なる時間の長さ、タンパク質の表面吸
着試験。
最大の抗体固定化の最適条件を決定するには表面では、BSAが
モデルタンパク質として使用された。
最初、O2プラズマの効果を確認
するために接触角を測定
処理(図2)。全体として、親水性領域がO2
プラズマで処理すると、接触角の減少傾向を示す。
一方、接触角は
水性ゾーンは、サンプル間で大幅に変更されていません。
次に、プラ
ズマ処理されたBSAの実際の吸着量
サンプルを分析して、抗原固定化
能力を推定。
さまざまなO2プラズマ処理条件の結果を以下に示す
3では、サンプルを100Wで1、3、5分間処理。ほとんどの量のBSAが3
分間処理したものに吸着されたことがわかる。1
分で十分なO2プラズ
マ時間が不足している可能性が高い
酸素が繊維に完全に浸透できなか
ったため、
BSA溶液が浸透するための十分に親水性の繊維表面繊維と
繊維の表面に接触します。
一方、過剰な5分間処理されたサンプルは、
サンプルを過剰処理して、
表面およびタンパク質サンプルとして、後
続の実験では、3分
繊維表面へのタンパク質固定化のためのO2プラズ
マ処理の最適な時間として選択された繊維表面への固定にある。さら
に、ブロッキング剤はESPSサンプル用に最適化する。
したがって、同
様のタンパク質吸着試験を3回実施しました
ブロッキング剤の種類:
BSA、BlockingONE、スキムミルク(図4)。
それらはすべて蛍光標識
BSA吸着の効率的な遮断を示しましたが、スキムミルクが機能するこ
とが実証されました
最高の。したがって、その後の実験では、脱脂乳
がブロッキング剤となる。

図2.(a)1分間、(b)3分間、(c)5分間のO2スポットプラズマ処
理の接触角測定。

図3  スポットO2プラズマで(a)1分、(b)3分、および(c)5分
間処理した8層の10 wt%ESPSに吸着したBSA標識蛍光画像。
(d)の
ために
BSA吸着の定量、蛍光(Fluo)およびバックグラウンド(BG)
強度を定量化しました。
(n = 4;エラーバーは標準エラーです)。
 

ブロッキング剤の予防能力の蛍光定量化/蛍光標識BSAの吸着、BSAとB
lockingONEの比較
(BlkONE)およびスキムミルク(牛乳)
ラベル付けされたBSA吸着、脱脂乳が最高のパフォーマンスを発揮する
ことが実証された。
したがって、その後の実験では、脱脂乳がブロッキ
ング剤として使用。
                         この項つづく
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新型コロナウイルス抗体検出の検出
9日、横浜市立大学が新型コロナウイルスの患者血清中に含まれる抗
ウイルス抗体の検出に成功したと発表。この方法は特別な装置を用い
ることなく、短時間で判定が可能。さらに血液採取による検査のため
二次感染のリスクが少ないという画期的なものであり、今後多数の検
体で検証し、診断法の確立や診断キットの開発など実用化を目指す




梁教授ら共同研究グループが人類の脅威となるMERSコロナウイルス
迅速、簡便、正確に検出する方法の開発に成功
MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスは、2012年にサウジアラビア
で同定された重症の呼吸器疾患を引き起こす新型のコロナウイルスで
あり、致死率が約36%と非常に高いことがWHOから報告されている。こ
れまでに世界で1600人を超える症例があり、2015年には隣国の韓国で
大流行が見られた。現在、韓国国内での流行は収束しているが、サウ
ジアラビア等の中東地域では依然として感染者の発生が続いており、
我が国への感染流入のリスクは続いている。MERSコロナウイルスに対
する抗ウイルス薬や感染予防のためのワクチンは未だ存在していない
ため、ウイルスを素早く特定し、迅速に対応することがウイルスの蔓
延を防ぐためには非常に重要となる。これまでMERSコロナウイルスの
検出には遺伝子検出法が採用されており、遺伝子を取り扱うことので
きる熟練した技術と特別な装置が必要なことに加え、検出までに要す
る時間が長い事が問題となっていた。また、MERSコロナウイルスは、
風邪の原因となる病原性の低いウイルス(229E、HKU1、OC43、NL63等)
や、2002年頃に流行が見られたSARSと同じコロナウイルス属に分類さ
れ、これらとは遺伝子的に類似した部分が存在している。一方でMERS
コロナウイルスは遺伝子的に変異しやすいウイルスであることも知ら
れている。以上の理由から、MERSコロナウイルスを誰でも簡単な操作
で短時間に、かつ正確に検出できるキットの開発が求められていた。 
(微生物学 梁教授ら共同研究グループが人類の脅威となるMERSコロ
ナウイルスを迅速、簡便、正確に検出する方法の開発に成功、 先端
医科学研究センタ、2016.04.27)
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プロリルイソメラーゼPin1はB型肝炎ウイルスコアの安定性タンパク質
Puroriruisomerāze Pin 1 wa B gatakan'en uirusukoa no antei-sei
tanpakushitsu
【要約】
ウイルスと宿主タンパク質の間の動的な相互作用は、効率的なウイ
ルス複製とウイルス誘発性の病因を確立するために重要である。
Pin1によるリン酸化依存プロリル異性化は、分子スイッチングのユ
ニークなメカニズムを提供し、タンパク質の機能と安定性の両方を
制御する。ここでは、Pin1がリン酸化依存的にB型肝炎ウイルスコ
アタンパク質(HBc)に結合して安定化し、効率的なウイルス増殖を
促進することを示す。HBc のさまざまな部位特異的変異体を用いた
Phos-tagゲル電気泳動により、C末端アルギニンリッチドメイン内の
Thr160および Ser162残基が同時にリン酸化されることが明らかにな
った。GSTプルダウンアッセイおよび免疫共沈降分析により、Pin1は
Thr160-ProおよびSer162-Proモチーフでリン酸化HBcと結合している
ことが示された。Pin1の化学的または遺伝的阻害により、リソソー
ム依存性経路の。HBcの急速な分解が大幅な加速。さらに、ピルビン
酸デヒドロゲナーゼは、ホスファターゼ触媒サブユニット2(PDP2)
は、Pin1結合でHBcを脱リン酸化できる。サイト、それによってPin1
を介したHBc安定化を抑制する。この発見は、Pin1によって触媒され
るHBc安定性の重要な調節メカニズムを明らかにし、促進する可能性
があり、Pin1機能を標的とする新しい抗ウイルス治療薬の開発を促
進するであろう。
鍵語:ウイルスと宿主の相互作用/リン酸化/プロリル異性化/リ
ソソーム/B型肝炎ウイルス

図1 Thr160およびSer162でのHBcの同時リン酸化。(A)この研究で
生成されたHBc欠失変異体の概略図。4つの主要なリン酸化部位(S1
55、T160、S162、およびS170)とアラニン置換を含むHBc CTDの配列
を示す。(B)Phos-tag GelにおけるHBcの移動度シフト。 HepG2細
胞にHA-HBcまたはその部位特異的変異体をコードするプラスミドを
トランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は24時間で回
収されたトランスフェクション後、細胞ライセートをPhos-tagゲル
電気泳動にかけ、抗HA抗体を用いたイムノブロット分析で分析。
(C)リン酸化特異的抗体によるHBcのリン酸化の検出。 HepG2細胞
にWT HBcまたはその部位特異的(T160A / S162A)変異体をトランス
フェクトしたプロテアーゼ阻害剤の存在下で48時間。次に、細胞溶
解物を、抗ホスホHBc(T160 / S162)、抗HBc、または抗a-チューブ
リンを用いた免疫ブロット分析にかけた抗体。(D)安定したHBV産
生HepG2.2.15.7細胞からの細胞溶解物は、子牛の腸アルカリホスフ
ァターゼ(CIAP)で処理された、または処理されなかった。抗ホス
ホHBc(T160 / S162)、抗HBc、および抗a-チューブリン抗体を用い
たイムノブロッティングを行った。
※関連論文:Prolyl Isomerase Pin1 Regulates the Stability of
Hepatitis B Virus Core Protein(プロリルイソメラーゼPin1のB型
肝炎ウイルスのコアタンパク質の安定性調節
)、2020 Jan 31;8:26.
doi: 10.3389/fcell.2020.00026. eCollection 2020.
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ノロウイルスの迅速簡易検出法(イムノクロマト法)

ノロウイルスの診断法は遺伝子診断法(RT-PCR, リアルタイムPCR,
LAMPなど)とともに抗原・抗体反応による抗原診断(イムノクロマ
ト法, 酵素抗体法, BLEIA法など)がある。外来・ベッドサイドで
迅速・簡易診断とするならイムノクロマト法(IC法)が一番扱いや
すい最初のICキットはGII.4 Loadsdale株のウイルス様粒子(VLP)
を家兎に免疫したポリクローナル抗体を用いた。RT-PCRに比較し感
度は73%に落ちるが, 特異度は91%であった。その後, マウスのモ
ノクローナル抗体でGI, GⅡI両方あるいはそれぞれに反応する抗体
を用いてGI, GⅡを1つのラインで, またはそれぞれのラインで判
定するキットが出現し, 感度・精度は向上した。さらにロタウイル
スとノロウイルスを同一キットで同時に調べ得るキットが市販され
た。わが国では現在のところ6
社によるキットがある。GEテストイ
ムノクロマト-ノロ, クイックナビ-ノロ2, クイックチェイサー-Noro,
イムノキャッチ-ノロ, ラピッドエスピー-ノロ, IPライン-デゥオ
「ノロ・ロタ」がある。また海外ではRIDAクイック-ノロウイルス
がある。
市販のキットで, ウイルスRNA濃度と比較した論文は多くはないが,
1010コピー数/mL以上あればICキットでほぼ確実に検出可能である。
106~109コピー数/mLでは概ね検出が可能だが, 105コピー数/mLでは
半数程が検出できない 。IC陰性は特定の遺伝子型によりみられた。
ノロウイルスのICキット作製に当たって次のような難しさがある。
(1)ノロウイルスは細胞培養が難しく, バキュロウイルスを用い
た人工的なVLPを抗原としている。現在GII.4 variantが頻度では多
いので, GII.3, GII.6など比較的頻度が多い遺伝子型にも反応する。
できればより広い遺伝子型の抗原に反応するモノクローナル抗体を
得る。(2)より少ないノロウイルス抗原と反応を示す反応系を用
いる。RIDAクイック-ノロウイルスは反応にビオチン・ストレピト
アビジンを用いている。(3)試薬によっては, 直腸便・浣腸便
でも検出できるとしているが, 直腸ではウイルス量が十分に取られ
ていなく偽陰性, 浣腸便ではグリセリンによる偽陽性のことがある
ので, できるだけ直接に便からが望ましい。重要な検体では遺伝子
診断法で確認する。(4)吐物に存在するウイルス量は105/mL程度
であるため, 現時点では吐物からノロウイルスを診断するICキット
はない。2014~2015年にアジアを中心に新型GⅡ.17がみられるよう
になった。上海では2014年12月以降~2015年にかけ, GⅡ.17がGⅡ
I.4より多くみられた。わが国のノロウイルス食中毒としてはGⅡ17
の割合が従来のGnⅡ.4と拮抗しているが, 我々の6都市の小児科ク
リニックの状況ではノロウイルス遺伝子型の10%に過ぎない(Tho-
ngprachumA私信)。ノロウイルスに繰り返し罹患した症例ではGⅡ.
17罹患の前のGII.4の時にGⅡ.17の血清IgG, IgA抗体も上昇してい
た (UshijimaH私信)。また, 下水の中にはGII.17が頻繁に見出さ
れていることから, 今後ノロウイルスの主流になることも否定でき
ない。(表1)GⅡ17の症例に市販のICキットを用いて診断したとこ
ろ, 検出感度が他の遺伝子型と比較し, 偽陰性となることがあると
わかった。通常GⅡ4は107コピー数/g以上存在すればICキットで陽性
になるが, GⅡ.17の場合は109コピー数/g以上でなければ検出できな
かった。わが国のICキットでは, お互いでの差は少なかったが, RI
DAクイック-ノロウイルスが感度において良かった(表2)。このこ
とは, 厚生労働省からの通達でノロウイルス感染症の迅速診断法の
注意点の中に含まれている。なお海外の試薬は, 輸入の認可を求め
ていないので市販されていない早急にGⅡ.17に対してもGⅡ.4並み
の感度のキットが望まれる。
2016年の10月以降のノロウイルスからはGⅡ.4, GⅡ.17以外のGⅡ
もみられ, イムノクロマト反応の評価を続ける必要がある。(IASR
Vol. 38 p.11-12: 2017年1月号)





●今夜の寸評:忙し過ぎて、我が家はマーシャル・ロー。

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