極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ウイルス共生描論Ⅲ

2020年03月24日 | 環境学・環境思想



                    

                                                                      

12 顔 淵 がんえん 
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内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
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11.斉の景公が、政治の根本原則は何かとたずねたのに対して、孔子は答
えた。君は君として、臣は臣として、父は父として、子は子として、それぞ
れの本分を尽くすことです」
 景公は、得たりとばかり、
「まったくそのとおり。実際、君が君らしく、臣が臣らしくなく、父が父ら
しく、子が子らしくなければ、どんなに財政が豊かであろうと、安心できん
からな」

齊景公問政於孔子、孔子對曰、君君。臣臣、父父、子子、公曰、善哉、
信如君不君、臣不臣、父不父、子不子、雖有粟、吾豈得而食諸。

Marquis Jin of Qi asked Confucius about politics. Confucius replied,
"Monarch must behave like monarch. Vassals must behave like vassals.
Father must behave like father. Children must behave like children.
" Marquis said, "Definitely right. If they did not behave like them-
selves,I could eat nothing even though there is food."

  
【ポストエネルギー革命序論156】


n型多結晶太陽電池セルで世界記録:変換効率23.81%
3月18日、カナディアンソーラーは大面積のn型多結晶シリコン太陽電池セ
ルで変換効率23.81%を達成し、世界記録を更新したことを公表。今回変換効
率23.81%を記録した多結晶セルは、157x157mm、表面積246.44平方センチメ
ートルのn型P5(キャストモノ)シリコン・ウエハーを用い、PASCon(パッシ
ベーション・コンタクト)技術を利用して製造されたもの。同社は独自のP5
技術を用いた製品の開発を勧めており、2019年4月に当時の世界記録である変
換効率22.28%を記録している、同年9月には22.80%を達成し、世界記録の更
新を続けている。



➲ p型太陽電池の効率を改善し、n型太陽電池の製造コストを下げる方法を
探しており、これらの技術はいずれもすぐに消えることはないが、太陽光発
電の国際技術ロードマップ(ITRPV)は、p型mono-c-Siの市場シェアは 2028
年まで約 30%を保持し、n型mono-c-Siはわずか5%から約28%に増加すると
予測。Solar Power World 誌によると、これはより高効率のモジュールに対
する業界の需要に応えるため、ソーラー購入者はより多くの n型設計が主流
になると期待している。


シャープが卒FIT太陽光の買取価格を値上げ:業界最高水準
3月19日、シャープエネルギーソリューションは、「再生可能エネルギー
の固定価格買取制度(FIT)」の買取期間が終了した“卒FIT太陽光”の余剰
電力買取サービス「SHARPプラン」について、同年4月検針分から買取単価を
引き上げることを公表(上表参照)。新たな単価は、九州を除く国内9エリア
で業界最高水準に設定したとしている。なお、シャープ製の蓄電池を新規購
入した顧客を対象に、1年限定で買取単価を4円/kWh上乗せする「SHARPプラ
ン 蓄電池プレミアム」についても、各電力会社管内で通常プランと同額の値
上げを行う。



金カーボン混成高性能伸縮電極の製造 
【要点】
①金・カーボンナノチューブ混成高性能の伸縮電極作製法
②カーボンナノチューブ電極の低抵抗化
③金・カーボンナノチューブ混成高性能の伸縮電極低抵抗化と性能改善研究
④高電力密度と高速充電を備えたスーパーキャパシタの開発

進歩と可能性
ウェアラブル電子機器や生体統合電子機器などの新しい電子機器は、長年に
わたり急速に進化。このブルームは、バッテリーやスーパーキャパシターな
どの高性能で伸縮可能なエネルギー機器に大きな需要をもたらした。多くの
ナノ材料と戦略が、大ひずみ下で耐久性のあるデバイスの製造法が提案され
てきた。大ひずみ下での堅牢化と低性能問題の障害になっていた。ここでは、
金・カーボンチューブを介し、堅牢で高性能で伸縮可能な電極とスーパーキ
ャパシタを正常作製する。純粋なカーボンナノチューブと比較し、金修飾カ
ーボンナノチューブ電極は、極小抵抗の全固体スーパーキャパシタは、高出
力密度と高速充電/放電能力を実証、多数の用途向けの垂直配列したカーボ
ンチューブまたはナノワイヤを介し、高伸縮で高性能なスーパーキャパシタ
の開発を実現。


【概要】
垂直に整列したナノチューブまたはナノワイヤに基づく伸縮性スーパーキャ
パシタは、大きくて繰り返し変形する場合の堅牢性と電気化学的性能が向上
し、注目を集めている。ここでは、伸縮のある皺状金コート・カーボンナノ
チューブ層(Au-CNTフォレスト)の堅牢な高性能を示し、実験測定で、金・
カーボンナノチューブ電極の抵抗は、純粋なカーボンナノチューブ電極抵抗
より約1桁低い。二軸の皺状電極は、さまざまな歪み条件(つまり、0%か
ら800%の面積歪み)で異なる測定充電/放電レートでほぼ同一の電気化学的
性能を示した。調製された対称性スーパーキャパシタは、大きなひずみ下で
も、電流密度40 mAcm-2で、最大比静電容量が約6 mF cm-2を示し、優れた機
械的および電気化学的安定性を示す。この研究は、並外れた堅牢な電気化学
的性能の達成に、垂直に整列したナノチューブまたはナノワイヤに基づき高
度な伸縮可能なスーパーキャパシタの簡便な作製法を提提示する。

表1 皺状金・CNT超キャパシタ
の電気化学的・機械的性能の比較



再エネ由来水素GTCC発電84万kW級水素焚き火力発電設備初受注
3月12日、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2020年3月、米国ユタ州
のIPP(独立電力事業者)であるインターマウンテン電力(IPA)が計画する
水素を利用したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェ
クトから、84万kW級発電設備を受注したことを公表。GTCC発電設備は、米国
ユタ州都ソルトレイクシティの南西約140 kmに位置する石炭火力発電所の設
備更新により建設するもの。発電設備はIPA が所有し、同社の最大株主であ
るロサンゼルス水道電力局(LADWP)が運営する。プロジェクトでは、2025
年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%で運転を開始し、2045年まで
に水素 100%での運転を目指している。MHPSは同社が実用化した水素焚き大
型ガスタービン技術を用いたシステム2基を中核とする GTCC発電設備を納入
する。同社が同形式のシステム設備を受注するのは今回が初めてとなる。関
連機器の納入と併せて、20年間の長期保守契約(LTSA)も締結している。



次世代太陽電池の開発に大きなインパクト
ペロブスカイト結晶中に超格子構造を発見
世界の再生可能エネルギーの発電量は年々増加しており、国際エネルギー機
関(IEA)や各国の研究機関の予測では、2030年の発電量は、2016年の2~3
倍になる見込みだ(経済産業省「エネルギー白書2018」)。世界的に地球温
暖化への懸念が広まるなか、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電への
期待は高まっている。子どもの頃、化学系の研究者だった父に憧れていた内
田聡氏は、真理を追究する博士になることが夢だった。やがて東北大学で助
手として、金属材料や光触媒の分野で研究者の道を歩み始め、心に芽生えた
のは、自分の追究した真理で社会に貢献したいという思い。エネルギーに関
わる仕事がしたいと考え、1991年に発表された色素増感太陽電池の論文を見
て、きっとこれはすごいことになるという直感だけで、このテーマに取り組
んだ。(次世代太陽電池の開発に大きなインパクト、SI NEWS:日立ハイテク
そこで、高効率の原因やその条件、発電の動作原理などの解明に取り組んだ。
発電効率は、電圧を調整しながら電流を測定して描くI-V曲線を基に算出する。
ところがペロブスカイトでは、電圧を上げていくときと、下げていくときで、
異なる曲線になり一致しない。これでは発電効率の値が2つあることになり、
どちらが正しい値かわからない。これはシリコン素材の太陽電池では起こら
ない現象で、ペロブスカイト特有なのだが、なぜその現象が起こるのかはわ
かっていない。シリコン型はp型半導体とn型半導体の2種類の素材を張り合わ
せるのに対して、ペロブスカイト型はペロブスカイト層を含め5層を塗り重ね
て作る。ここに着目し、それぞれの層の界面にキャパシタンスが形成される
ことで、2層構造のシリコンとは桁違いの電子が溜まることを見出す。効率
測定の最中に電子が充放電されることで、I-V曲線が分裂することが明らかに
する。当初、イオンが動き回るという別の考え方が主流を占めていたのだが、
2017年に発表された内田論文により初めて分裂したI-V曲線を再現できること
が実証される。

2015年ごろから、ペロブスカイト結晶構造の観察にも取り組む。これまでに
何度も日立ハイテクのサイエンスラボラトリで、集束イオンビーム(Focused
Ion Beam:FIB)装置でサンプル試料の加工をしながら、透過型電子顕微鏡(
Transmission Electron Microscope:TEM)を使い観察し、写真撮影を行う。
2016年11月、初めて試料を観察した日、試料のペロブスカイト層の高解像度T
EM像を確認し、マウスでその一部のエリアを抜き出してスキャン、電子線回
折(EDS)像を再現した。すると六角形の光の点の周りに、サテライトのよう
に存在する小さな六角形が目に飛び込む。小さいスポットは見た瞬間に、何
かすごいことが起きていることがわかった。通常の単位格子とは別に、それ
らが複数連なって更に大きな繰り返し周期を作る「超格子」と呼ばれる構造
をこのときペロブスカイト層のなかに発見する。


図1 CH3NH3PbI3ペロブスカイト薄膜中に観察された超格子のTEM像(a)、
EDS像(b)及びフーリエ変換像(c)
この発見には、3つの重要な意味があり、①従来、ペロブスカイト結晶は常
温において1つの結晶相(正方晶;Tetragonal)しか存在しないと思われて
いたが、これとは原子間の距離が僅かに異なる高温の結晶相(立方晶;Cubic)
が共存していたことに加えて、②この正方晶と立方晶は、規則正しく交互に
規則配列した超格子構造(Superlattice)になっていることを世界で初めて
確認。③さらに重要なのは、この構造が、基板にペロブスカイト溶液を塗布
しただけで、容易にその一部が自発的に超格子構造を取ることがわかった。

超格子構造においては、さらなる発電の高効率化が見込まれることから、こ
の形成をうまくコントロールできれば、今後の太陽電池のあり方を大きく変
える可能性がある。この発見は、その後1年を費やして論文にまとめたが、
学術雑誌や学会から予想以上に強い拒否反応が起きる。通常ペロブスカイト
溶液が結晶になるときは、55℃以上だと立方晶、それ以下だと正方晶になる。
従って室温では正方晶しか存在しないはず。大きなバルク結晶の場合は確か
にその通りなのだが、太陽電池で使っている結晶は300~500ナノメートルの
ような超薄膜なので、このような混合が起こると考える。すぐれたTEMをもつ
大学や研究所は、世界に少なくないが、拒否反応の1つの原因は、誰もがこ
の写真の状況を自分で再現することができないことにあった。ベストを尽く
しても、日立ハイテクの技術のクオリティには至っていないからだと思う。
試料を薄片にスライスして整えたうえで(FIB加工)、さらに観察するという
2つのステップがあるのだが、どちらも非常に難しい技術。そもそも薄片を
作ることすら難しいうえに、試料が熱や電子線のダメージに弱いため、短時
間で処理して撮影しなければならない。それをクリアして撮影した写真を見
せたので、誰も信じてくれなくて、ありとあらゆるクレームを受ける。今回
の発見は、将来新しい太陽電池を設計するための大事な指針になるはず。こ
の偶然に生み出された超格子を制御して、今までにない高効率の太陽電池を
作りたいと今後の抱負を語っている。

長年にわたる研究を支えてきたものは、自然エネルギーこそが、未来永劫、
もっとも安定して供給されるエネルギーだという強い思い。太陽光発電のみ
ならず、風力や地熱などの自然エネルギーを活用すれば、資源の枯渇を恐れ
る必要もなく、温暖化対策にも大きく貢献できる。そのような大きなメリッ
トをもつにもかかわらず、社会的には自然エネルギーは不安定で使えないと
いうネガティブな印象が強い。発電と蓄電の問題がすり替わっている。自然
エネルギー利用の問題は、発電力そのものよりも、蓄電ができないこと。蓄
電池は、低コスト化やさらなる技術開発も進められ、原発の停止に伴ってあ
まり稼働していない揚水発電をもっと有効活用できるのではないかと考える。
科学者が自然エネルギーの発電方法を生み出すだけでは、自然エネルギーは
定着しない。今後の未来社会において、自然エネルギーをどのように活用し
ていくのか、行政や専門家のみならず、社会全体で真剣に考えてほしいと語
っているが、初めてセミナー受けた思い出や、静岡大学で行われた講演会と
見学などご一緒させていただいた日々を思い出し、改めて、"進行中の革命"
成就を誓う。

【ウイルス共生描論Ⅲ】


パンデミック」が加速している! 世界保健機関のテドロス事務局長は、
世界的な大流行を意味する「パンデミック」が加速しているという見方を
示し、感染の広がりを抑えるためには外出を避けることや人との間に距離
を置くことが大切だという考えを改めて示す。



セファイド 45分以内にCOVID-19を検出
米国の多くの病院では、COVID-19のテストの現在の所要時間は24時間以上、
場合によっては4日間。コロナウイルスを検出するためのより速い速度と
能力が切望されている。1週間前、スイスの診断メーカーであるRocheと、
綿棒サンプルを処理するための完全自動化システムが報告された。ロシュ
のマシンは、3.5時間以内にテスト結果を生成できる。これは、以前のバー
ジョンの10倍の速度を実現。現在、別の会社が、感染している可能性のあ
る人に対するテストを加速するソリューションを推進中。これは、ロシュ
が開発したマシンよりも高速となる模様。Cepheid Incは、COVID-19を引き
起こすウイルスであるSARS-CoV-2を検出の迅速な分子診断テストのXpert
Xpress SARS-CoV-2について、米国食品医薬品局(FDA)からEmergency Use
Authorization(EUA)を取得。このテストは、世界中の23,000以上のCepheid
の自動化されたGeneXpertシステムで動作設計されており、検出時間はわず
か45分。ここに見られるように、GeneXpertシステムは、シングルカートリ
ッジバージョンから最大80カートリッジを同時に処理できる「Infinity」
バージョンまで、いくつかの構成でスケーラブルで使用可能。病院サービ
スの需要が増加しているこの時期、臨床医は医療施設への入場を評価され
る患者のリアルタイム管理のためにオンデマンド診断テストを緊急に必要
としてる。患者の近くで行われる正確なテストは変革的である可能性があ
り、2019-nCoV発生の出現が呼吸隔離リソースを適切に割り当てる必要の
ある医療施設に与える圧力を軽減するのに役立つ。



現在のXpert Xpress Flu / RSVカートリッジテクノロジーの設計原理を活
用することで、ウイルスゲノムの複数の領域を対象として、SARS-CoV-2の
現在および潜在的な将来のバリアントを迅速に検出。実用的な治療情報が
迅速に必要とされる複数の設定で、リファレンスラボ品質の結果を提供す
る。Cepheidには、ポイントオブケアテストおよび病院での使用が可能な、
ほぼ5,000のGeneXpert Systemsが米国にある。この自動システムでは、ユ
ーザーがテストを実行するために特別なトレーニングを受ける必要はない。
24時間年中無休で実行できる。
✔ 検査の迅速化と高精度化が同時進行していることが了解できるが、公的
認定の迅速化と標準化も同時進行させる必要がある(やはり、完成度の高
い検査システムの実現には、向こう1年~2年は必要か?)。



高分子複合材料中グラファイトナノプレートレットで細菌防御
このブログで18年に掲載した「羽の構造に抗菌作用」で、「8月27日、
伊藤健関西大学教授らの研究グループは、クマゼミなどセミの透明な羽の
表面に、薬剤を使わなくても細菌を殺す抗菌作用を持った特殊な構造があ
ることを解明したことが公表された。クマゼミやミンミンゼミなどのセミ
の透明な羽には抗菌作用があることが知られていたが、これまで詳しい仕
組みは分かっていなかった。グループではクマゼミの羽を詳しく観察した
ところ、羽の表面に直径5000分の1ミリ以下(新型コロナウイルスは
百ナノメートル、つまり、2百ナノナノメートルより小さい)の極めて細
かい突起が規則正しく並んでいることに注目しました。そこで、セミの羽
をまねて表面に同じようなごく小さな突起が並んだシートを作り、表面に
大腸菌が含まれた液体を加えたところ、菌は10分から20分ほどで細胞
膜が壊れて死んでしまっている」と掲載している。
今年1月9日、スウェーデンのチャルマース工科大学の研究グループは、
医療機器上のグラファイトナノプレートレットを作製し、このナノプレー
付着しようとする細菌の 99.99%を殺し感染を防ぐことを公表。これは、
数百万人に影響を及ぼし、膨大な時間とお金を費やし、抗生物質耐性を加
速する問題に対する安価で実行可能な解決策となり、インプラント表面の
ナノプレートレットは、細菌感染を防ぎ、健康なヒト細胞を損傷すること
はなく、ヒトの細胞は細菌の約25倍の大きさであるため、グラファイトナ
ノプレートレットは細菌を切り裂いて死滅させるが、ヒトの細胞を傷つけ
ることはほとんどないインプラントの感染症は、血液などの液体中で体内
を移動する細菌によって引き起こされる。取り付ける表面を探し適切な表
面に着地すると増殖し、バイオフィルム-バクテリアコーティングを形成し
始める。研究者による以前の研究では、グラフェンの垂直フレークがどの
ように、インプラントの表面に配置し、保護コーティングを形成し、バク
テリアが鳥の営巣を防ぐように設計された建物のスパイクのように付着す
るのを不可能にし、-グラフェンフレークが細胞膜を損傷し、 細菌を殺菌
する。しかし、これらのグラフェンフレークの製造は高価であり、現在、
大規模生産には適さないものの、今回、優れた抗菌効果を実現したが、非
常に用途の広いポリマーと混合し、比較的安価なグラファイトナノプレー
トレットを使用。ポリマーまたはプラスチックは、グラファイトナノプレ
ートレットと本質的に互換性はない。標準的なプラスチック製造技術では、
材料の微細構造の調整に成功し、かなり高いフィラーを使用して、望まし
い効果を達成している。そして今では、多くの生物医学的応用に大きな可
能性を秘めているインプラント表面のナノプレートレットは、細菌感染を
防ぐが、決定的に、健康なヒト細胞を損傷することはない。ヒトの細胞は
細菌の約25倍の大きさであるため、グラファイトナノプレートレットは細
菌を切り裂いて死滅させるが、ヒトの細胞を傷つけることはほとんどない。
患者の苦痛と抗生物質の必要性を減らすことに加えて、これらのインプラ
ントは、今日使用されているものよりもずっと長く体内に留まることがで
き、その後の作業の必要性が少なくなる可能性がある。このような感染が
世界中の医療サービスを引き起こす莫大なコストの削減にも貢献する可能
性がある。また、さまざまな濃度のグラファイトナノプレートレットとプ
ラスチック材料で実験を行い、約15〜20%のグラファイトナノプレートレ
ットの組成は、形態が高度に構造化されている条件で、最大の抗菌効果が
認められた。以前の研究のように、決定的な要因はグラファイトナノプレ
ートレットを正しく方向付けて分布させているが、最大の効果をえるには
正確に行う必要がある。


図S1 GNP-LDPE複合材料のGNP配向の特性評価
a)の2Dおよび3D AFM画像:15%の「Tカット」GNP-LDPE複合材
b)15%“ Lカット” GNP-LDPEの2Dおよび3D AFM複合画像



✔ Precontrolled Alignment of Graphite Nanoplatelets in Polymeric
Composites Prevents Bacterial Attachment,

https://doi.org/10.1002/smll.201904756

✔  この論文の「インプラント」は体内に埋め込む医療機器や材料の総称
で、インプラントは歯科インプラントの意味で用いられる。従って、着目
点は。①カーボン垂直フレーク間隔を百ナノメートル以下にして、②例え
ば、マスク表面にコーティング配置し細菌(+ウイルス)を死滅できない
かを検討してみた。
                           この項つづく



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