12 顔 淵 がんえん
-------------------------------------------------------------------
内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄
弟なり」(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君た
れととも君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必
ず催す」(19)
------------------------------------------------------------
「申し立てをきいただけで判決を下せる裁判官となると、さしづめ
由(子路)だろうな」と、孔子は言ったことがある。
子路は、いったん承諾したことは、期日までにかならず仕遂げた。
子曰、片言可以折獄者、其由也與、子路無宿諾。
Confucius said,"Only Zi Lu can judge a case by hearing a part
of an accusation. He always executes things he undertook i
mmediately.
✔新型コロナ、世界の死者2万人超/5日で倍増、欧米で拡大、全
国ニュース、 四国新聞社、2020.3.26 10:09
【ウイルス共生描論Ⅳ】
✔抗コロナウイルス戦記
検温は10日間で、測定数33、測定値℃:36.8>36.2、中央値;36.5
✔朝食にしじみ味噌汁(下図参照):味噌汁だけを含め10日
1杯でしじみ70個分のオルニチンが摂取できるみそ汁。しじみのう
まさをギュッと濃縮した味わいに仕上げた。おいしく飲みたい人、
さわやかに目覚めたい人、忙しく働いている人、若さを保ちたい人
におすすめ。
✔中国の武漢市からのコロナウイルスの蔓延は急速に続き、3月24
日の時点で全世界で415,000人を超える確定例が確認されている。
このウイルスは170の国と地域で確認。これまでのところ、ジョン
ズホプキンス大学は、ウイルスによって引き起こされた約1万9,000
人の死者を追跡した。
✔犬からひとに感染しないのか
3月4日、香港政府は、新型コロナウイルスの感染者が飼っていた
ペットの犬から低レベルの感染を確認したと発表。ヒトから伝染し
た可能性があるとしている。ロイター通信は同日、ヒトから動物に
感染した初のケースの可能性があると伝えた。政府の発表では、2
月下旬、この犬の鼻と口から採取した検体から、ウイルスの弱陽性
反応を検出、犬が実際に感染したのか、それともウイルスが鼻や口
に付着しただけなのか調べるため検査を継続。動物の感染症対策を
担う国際機関、国際獣疫事務局(OIE)などの見解を踏まえ、検査
結果は感染を示すとの結論。犬は現時点では発症しておらず、政府
の施設で隔離されている。
Can dogs get coronavirus? One pet in Hong Kong has tested
positive, Fortune, 2020.2.28
✔日本国内の感染状況
✔テドロスの罷免署名、WHOに台湾を含む50万人超
WHO首相の辞任を求める請願、台湾の包含は50万人の署名を上回わ
る(Keoni Everington、台湾ニュース、2020.3.26 10:16)。TAIPEI
(Taiwan News)—世界保健機関(WHO)のTedros Adhanom事務局長
を追放し、台湾を組織に含めるよう求める請願が500,000件の署名
を超えました。1月31日、Osuka Yipという名前のネチズンは、Ch-
ange.orgで、「WHO局長のTedros Adhanom Ghebreyesusの辞任を求
める」という請願を開始し、1月23日に武漢コロナウイルス(COVI
D -19)地球規模の緊急事態。これは、感染した症例数が次の5日
間で800から10,000に10倍以上に増加したことの一部のせいである
と著者は述べる。我々は、Tedros Adhanom GhebreyesusがWHO事務
局長として彼はふさわしくないと強く思い、Tedros Adhanom Gheb-
reyesusの即時辞任を求める。
中立性へのWHOの約束された約束にもかかわらず、Adhanomは額面
通りに中国により提供された感染者の数をとったことを嘆く。コ
ロナウイルス感染症の大多数は共産主義国で発生しており、執筆
時点では81,226件の感染が報告され、その数は著しく過少報告さ
れていると考える3,281人がいることを確認した。
3月24日(火)、台湾外務省(MOFA)は昨年12月31日のCOVID-19
の人から人への感染についてWHOに警告したことを確認したが、
WHOは要求情報を社内の Webサイトに公開せず、1月8日には中
国のウイルス同定を称賛し、旅行制限を怠った。
1月22日、テドロス氏は中国内流行の管理を称賛し、中国の説明
に非常に感銘を受けた」と語った。台湾の警告のほぼ1か月後、
武漢視察したWHO代表団は最終的に「人から人への感染が武漢で
起こっている」との結論に達した。
1月30日までにテドロス氏は最終的に発生を国際的な懸念の公衆
衛生緊急事態(PHEIC)であると宣言。信じられないことに テド
ロス氏はウイルスが118,000人に感染し 114か国で4,291人の患者
が死亡した時点で、世界的なパンデミック宣言を行う。最初に、
この請願が投稿されて以来、世界中の感染症の数は468,362人に
急増、死者は21,181人にまで急増。パンデミックへのWHOの不適
切な対応をめぐり、世界的な怒りが高まる中、請願書は現在513,
177件の署名に達した。この請願はまた、台湾は中国の圧力によ
りWHOとの折衝を拒否され続けたと指摘、台湾は政治的理由から
WHOから除外されるべきではなく、それらの技術はWHOリストのい
くつかの国よりもはるかに進歩的であった。
台湾は中国に非常に近く、WHOから除外されてはいるが 発生を早
期阻止を実現したことで、多くの国際的な報道機関やJournal of
the American Medical Associationから称賛を受けている。この
ウイルスは26億人が封鎖され暴走しているが、台湾は国への影響
を235件と2人の死亡に抑制し、ほとんどの症例は今や海外からの
ものである。
✔米国務長官「中国がわざと誤った情報を広めている」(新型
コロナ、NHKニュース、2020.3.26 16:16)
新型コロナウイルスの感染が広がる中、G7=主7か国の外相に
よるテレビ会議が行われ、アメリカのポンペイオ国務長官は会議
のあとの会見で「各国は、中国がわざと誤った情報を広めている
ことをよく分かっていた」と述べ、中国はさらに詳しい感染状況
を公表すべきだと主張。G7=主要7か国の外相会合は、日本時
間の25日午後8時からテレビ会議の形式で行われ、会議の後、議
長国アメリカのポンペイオ国務長官が会見を開きました。この中
でポンペイオ長官は「最も緊急を要した議題は『武漢ウイルス』
だ」と述べ、新型コロナウイルスを武漢ウイルスと表現した。さ
らに「アメリカがウイルスを持ち込んだという中国の当局者の主
張はどうかしている」と述べて、中国への批判を展開。そのうえ
でポンペイオ長官は「会議では中国がわざと誤った情報を広めて
いることについて多くの時間を割いた。すべての国が中国共産党
のキャンペーンをよく分かっていた」と述べ、G7のほかの各国
と認識を共有したとして、中国はさらに詳しい感染状況を公表す
べきだと主張。アメリカは、新型コロナウイルスをめぐって中国
と非難の応酬を続けていて、ポンペイオ長官としては、アメリカ
の立場にG7各国の理解が得られたと強調するねらいがあるとみ
られる。
✔専門家有志「50人超の屋内イベント、徹底的に避けて」
新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、政府の専門家
会議メンバーを含む専門家有志が、市民に行動の見直しを呼びか
けるキャンペーンを署名サイト「Change.org(チェンジドットオ
ーグ)」で始めた。「2月までの比ではない感染拡大が日本国内
で起きる可能性がある」と警鐘を鳴らし、屋内で50人以上が集ま
るイベントや家族以外の多人数での会食を徹底的に避けることな
どを求めている。この有志の会には、専門家会議座長の脇田隆字・
国立感染症研究所長のほか、厚生労働省クラスター対策班の研究
者、実際に診療にあたる医師らが参加。24日時点で、首都圏の医
療機関で新型コロナの重症患者が急増していると指摘し、「私た
ちが行動を自粛してきたつもりでも、その効果が十分ではなかっ
た」と危機感を募らせている。サイトでは「私たちにできること」
として、密閉、密集、密接の3条件が重なる場所や50人以上の屋
内イベントの参加などを徹底的に避け、かぜ症状があれば外出を
控えることを挙げる。さらに、大規模イベントの参加者や、海外
から2週間以内に帰国・入国した人に対しては、その後2週間、
人との接触をできるだけ避け、健康観察を怠らず、体調に異変が
あったら近隣の帰国者・接触者相談センターに相談することを求
めている。
【ニューヨーク共同】新型コロナウイルスの脅威を過小評価し、
世界的な感染拡大を招いたとして、世界保健機関(WHO)のテ
ドロス事務局長の辞任を求める声がインターネット上で高まって
いる。署名サイトでは25日までに、賛同者が50万人を超えた。
このサイトは「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」。
カナダ在住の発起人は、1月23日に「時期尚早」だとして緊急
事態宣言を見送るなどしたWHOの初期対応を問題視。新型コロ
ナの感染が世界規模で広がった責任の一端がテドロス氏にあると
非難。WHOは政治的に中立な立場を保てていないとして辞任す
べきだと訴えた。
【特集:再エネ100%電力の選択肢Ⅰ】
再エネを主力エネルギー源として脱炭素社会実現をめざす
地球温暖化は確実に進行しており、現在の温室効果ガスの排出ペ
ースだと、産業革命以降2度以上の平均気温の上昇をもたらす可
能性の高い累積排出量に30年以内で達する。
このために、我が国は、2030年度に13年度比26%削減の中期目標
を掲げ、さらに、長期目標として50年までに80%削減を目指すと
している。
脱炭素社会を実現するには、化石燃料(有限のストック)の輸入
ではなく、C02を排出せず、どの地域にも存在する再エネ(再
生し循環するフロー)を主カエネルギー源とする必要がある。
また、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)では、目
指すべき17のゴールの一つに「気候変動への具体的な対策」とと
もに「誰の手にもクリーンなエネルギー」が掲げられており、「
誰一人取り残さない」未来の実現のためにも、再エネ活用は欠か
せない。
脱炭素へ日本企業が動き出す。
「脱炭素社会」実現へ向けた、地球温暖化対策の長期戦略の閣議決
定を受けて、国内の主要産業、事業におけるC02排出量の削減
対策が動き出している。ここ数年の国内上場企業の脱炭素社会、
地球温暖化対策への取り組みは、「ESG」「SBT」「RE100」「SDGs」「CDP」
への積極的な参加で顕著化し今後さらに増えると予測される。今
や世界中の企業がSDGsを経営の中に取り込むことで、ESG投資
を呼び込もうと力を注いでいる。日本においても、SDGsと経営を
結び付けることで、企業価値を高めるべく先鋭的な取組を進めて
いる大企業・ベンチャー企業も多くみられる。
政府においても、SDGs推進本部において「拡大版SDGsアクション
プラン2018」や「SDGsアクションプラン2019」を策定し、「SDGs経営
推進イニシアティブ」を進め、企業等の経営戦略へのSDGsの組込
みを推進している(環境ビジネス、2020年春季号)。
多様な需要家の再エネ活用モデル
需要化の動向再エネ活用の気運の高まり
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の「ESG投資」が日本企
業を地球温暖化対策重視の経営戦略へ転換させた。
<ESG投資><SDGs><RE100><STB>
世界最大規模の機関投資家である我が国の年金積立金管理運用独
立行政法人(GPIF)は、2018年度末時点で159兆2154億円の資産を持
つ。日本株を約40兆円持ち、資産の約半分を国内外の株式が占め
ることから、上場企業にとって、GPIFの動向には目が離せない。国
内企業に対しGPIFは、東証1部に上場する全企業の株式を同じよう
に買う投資が主だったが、17年度からESG投資に切り替えた。
GPIFはESG投資を開始して以降、ESG投資残高は3.5兆円(19年3月)
と、18年9月の1.2兆円から1年で約3倍に急増した。GPIFは引
き続きESG投資を拡大していくと公表している。
GPIFが環境や企業統治などを考慮したESG投資を増やしている
ことを受け、国内の上場企業は競ってESG投資対策に取り組み、
続可能な経営体質への見直しが一気に広がった。その一環として、
脱炭素経営に向けた具体的な取り組み、消費エネルギーの脱化石
燃料化、再エネ電力の積極的な導入が進んでいる。
信念としての“環境"でなく
化学的“脱炭素"は日本企業向き
今まさに日本企業は、気候変動対策のための設備投資や、技術革
新に必要な膨大な資金の獲得競争、さらにはそうした取組をポジ
ティブに評価するESG投資の資金獲得競争に立ち向かうことが
必須の経営環境にある。企業が従来取り組んできたCSR(Corporate
Soda1 Responsibility/企業の社会的責任)も、環境に配慮するも
のであり、企業理念に“持続可能な社会の実現"を掲げた企業も
多かったが、経営戦略の表舞台に出てこなかった。しかし、全世
界の潮流である“脱炭素" は、実にシンプルな課題である。取り
組みの優劣が、数値化されやすく、各社の課題解決策や実施内容
が比較されやすい。ピンポイントな的(目標)は、経営陣にとっ
ても理解しやすく戦略も立てやすかった。
ビジネス主導の“脱炭素化"が動き出した
2018年7月に発表された「第5次エネルギー基本計画」も拍車を
かけた。日本が掲げている「2050年までに温室効果ガスを80%削
減する」という高い目標の達成に向けて、「エネルギー転換」を図
り、「脱炭素化」への挑戦を進める。まず、30年までに再エネの電
源構成比率22~24%実現を目指し、主力電源とするというもの。
大規模災害に対応した電力ネットワークの強靭化と再エネの更な
る大量導入も加わった。
政府は、昨年(2019年)我が国で開催したG20で、議長国である
機会を捉えて、最終到達点としての脱炭素社会を掲げた。野心的
に今世紀後半のできるだけ早期にC02ゼロ実現を目指すととも
に、50年までに80%削減を内外に明言した。ビジネス主導でエネ
ルギー・環境投資の拡大を図り、イノベーションの成果を活用し
て、エネルギー・環境施策や関連産業の高度化を推進させるとい
う。
RE100に加盟する日本企業
事業に必要な電力を100%再エネでまかなうことを目指す、国
際的な企業連合「RE100」に加盟する日本企業が30社に達した(20
年1月31日現在)。ただ実績では欧米勢に大きく後れを取る。再エ
ネの調達コストが高い日本で、どうやって実効性を高めるかがカ
ギになっている。とはいえ、グローバル企業にとっては、ビジネ
ス取引条件として環境対応を重視する取引先や顧客の要望が高く、
背に腹は代えられない状況になっている。
昨年12月、楽天(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:
三木谷浩史)は、「RE100」への加盟を発表した。2025年ま
でに自社の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギ
ーにすることを目指す。
楽天グループは近年、同社グループでエネルギーサービスの取り
組みとして、「J-クレジット」の取引システムの提供、「楽天
市場」の出店店舗や「楽天トラベル」の加盟宿泊施設などの電力
を実質再エネ100%にするサポートの実施、また楽天グループ
が関わるスポーツの試合におけるC02オフセットなどを行い、
再エネの導入および利用を推進してきた。今後は、楽天本社をは
じめ、データセンタや物流センタなどの拠点において、使用電力
を25年までに再エネ100%「RE100」達成に向けた取り組みを
推進するというもの。
高島屋(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:村田善郎)も昨年9
月に「RE100」参加を発表している。事業活動で使用する車両を
100%電気自動車化することを目指す「EV100」にも参加している。
SBT認定に国も積極後押し、国も温室効果ガス(以下、GHGとい
う)排出量削減取組みや脱炭素経営を審査、認定する国際基準機
関への参加を後押ししている。パリ協定を契機として、企業はG
HG排出量削減をサプライチェーン全体で行うことが求められる
ようになってきている。
このような中、企業のGHG排出量削減目標がパリ協定に整合し
ていることを審査するSBTi(Sdence Based Targetsinitiative)に
よる認定(SBT認定)を得ようと、グローバル企業を中心に検
討が進んでいる。
環境省では、2017度から企業における中長期的なサプライチェー
ン全体の削減目標設定を促進、SBT認定への参加支援を開始し
ている。SBT認定に現在(2020/01/2D国別では53カ国から773社
の参加があり、国別認定企業数では、アメリカ61社に次いで日本は
60社、イギリス29社と続いている。 ●
この項つづく
【ポストエネルギー革命序論157】
高体積エネルギー密度全固体リチウム二次電池技術Ⅱ
図1 a、高面積容量(> 6.8mAh cm-2)のNMCカソード、SSE、およ
び過剰なLiを必要としないAg-Cナノコンポジットアノード層で構成
されるASSBの概略図。正極および負極の集電体として、それぞれAl
およびSUS箔を使用 。
High-energy long-cycling all-solid-state lithium metal
batteries enabled by silver–carbon composite anodes:
https://www.nature.com/articles/s41560-020-0575-z
3月12日、三星リーサーチは安全な大容量・長寿命な銀・カー
ボン複合正極の全固体型電池を開発したことを公表。前回に引き
続き関係論文(上図参照)を掲載し評価と問題点を考察する。
全固体電池は、電池の正極と負極の間にある電解質として液体
ではなく固体を使うことで、熱や外部の衝撃に対して強くなり、
安全性を確保している。将来的にはリチウムイオン電池の性能
を上回るともみられ、電気自動車(EV)向け次世代電池として
注目されている。そのため、韓国メディアは「サムスン電子が
驚異的な技術を開発した」と大々的に報道した。SAITは、1987
年に開設されたサムスングループの研究開発組織である。未来
のための基礎研究と核心技術の開発を手掛けており、頻繁に著
名な学術誌に投稿し、研究成果を認められている。全固体電池
を巡っては、グループのサムスンSDIが2013年に全固体電池を公
開したほか、SAITも2015年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)
との共同研究成果を発表している。さらに、2018年6月にはソウ
ル市内でサムスン電子主催の「全固体電池フォーラム(Solid-
State Batteries Forum)」も開催した。同フォーラムでは、ト
ヨタ自動車の小谷幸成氏や、米コロラド大学ボルダー校(Univ-
ersity of Colorado Boulder)教授のイ・セヒ(Sehee Lee)氏
など著名な専門家が登壇し、次世代電池の研究動向について紹
介した。全固体電池はまだ技術的な課題が多い。SAITによると、
全固体電池では負極にリチウム金属を使うが、リチウム金属に
は「デンドライト問題」が付きまとう。これは、電池の充放時
に電極間を移動するリチウムが負極表面に析出する枝のような
結晶体(デンドライト、Dendrite)が電池の分離膜を破壊し、
寿命と安全性が低下するという問題である。SAITはこの問題を
解決すべく、負極に厚さ5㎛の銀-炭素ナノ粒子複合層(Ag-C
Nanocomposite Layer)を設けた「析出型リチウム負極技術」
を適用した。これは世界で初めての試みだという。前出の論文
によれば、この薄いAg-C層はリチウムの析出を効果的に制御で
きることが示された。これによって「EVに搭載したときの航続
距離800km、1000回以上充電可能」というような、高性能かつ
長寿命の全固体電池を作れるようになった。
【要約】リチウム金属アノードを備えた全固体金属電池は、従
来のリチウムイオン電池の機能を超える強力な候補です。ただ
し、望ましくないLi樹状突起の成長と低いクーロン効率は、そ
れらの実用的なアプリケーションを障害となる。ここでは、硫
化物電解質を備えた高性能の全固体リチウム金属電池が、過剰
なLiのないAg–C複合負極で実現させることに成功する。銀-カ
ーボン層がLiの析出を効果的に制御させた、これにより真に長
い電気化学的サイクル特性が実現し、フルセルのデモンストレ
ーションでは、高比容量(> 210 mAh g-1)と高面積容量(>
6.8 mAh cm-2)を備えた高Ni層状酸化物カソードと、アルギロ
ダイト型硫化物電解液を使用した。電極と電解質の間の接触を
改善のため、温間静水圧プレス技術も導入。このような準備で
プロトタイプのポーチセル(0.6 Ah)は、高エネルギー密度(
>900 Wh-1)、99.8 %を超える安定したクーロン効率、および
長いサイクル寿命(1,000回)を実現。固体Li金属電池は、最
も有望な充電式バッテリーテクノロジーの1つ。ここで、硫化
物電解質、高Ni層状酸化物カソド、特に過剰なLiを含まない銀
-炭素複合負極で作られた並外れた高性能プロトタイプ固体ポ
ーチセルを報告。今夜は、「高体積エネルギー密度全固体リチ
ウム二次電池技術」(極東極楽、国際抗ウイルス創業局Ⅲ、20
20.3.16)の【概要】の「Ag–Cナノコンポジット層の有無によるLi
堆積」から記載をつづける。
補足図1 SSEの自立フィルムの写真。 a、WIP前 b、WIP後。
WIPの加圧により密度の増加により、SSEフィルムの機械的強度
が
SEフィルムの均一性に対する溶媒の影響。SSE分散が強化され、
キシレンとイソ酪酸イソブチルの混合溶媒を使用してピンホー
ルのないSSEフィルムが得られた。
補足図3
アルギロダイト粉末と、アルギロダイトとアクリレートタイプ
のバインダーを含むSSEシートのラマンスペクトル。
補足図4
a、b、硫化物固体電解質と接触しているCuおよびSUS電流コレク
ターのサイクリックボルタモグラム。(スキャン速度:2 mV s-1、
サイクル数:5)c、d、Ag-C | LiハーフセルおよびAg-C | NMC
フルセルの初期充放電プロファイル
サイクリックボルタモグラムに示されているように、Cuは硫化
物と反応する。したがって、一般に、LIBのアノードの集電装置
として使用されるが、硫化物ベースのASSBでは使用できない。
特に、集電装置と電解質がAg-Cによって物理的に分離されてい
る場合でもナノコンポジット層では、硫黄の揮発性により接触
が発生する場合がある。このため、このシステムの集電装置と
してSUSを採用する(補足図4b)。Ag2Sの形成も疑われている。
しかしながら、この研究におけるAg-C層のハーフセルプロファ
イル(補足図4c)は、Ag2Sのリチウム化の明確な兆候を示して
いない。Ag2Sのリチウム化は、2.0 V付近でLi / Li +と比較し
て発生が知られている(Solid State Ionics 340、115015(20
19))。しかし、電流がハーフセルに印加された直後に、電圧
は1.0 Vを大幅に下回り、Ag2Sの形成は重要ではないことがわ
かる。
補足図5
完全に充電された状態と完全に放電された状態の100サイクル後
の断面SEM画像。付記1
CおよびAg層でのLi析出挙動
補足の図6は、 充電セルの断面SEM画像を提供。カーボンと銀
の粒子。炭素粒子のみの場合、Li金属は、SE層と直接接触する
ことなく、集電体と炭素層の間に堆積する。ただし、不均一で
多孔性の界面の形成が観察される。銀粒子のみの場合、Li金属
の成長はより均一となる。ただし、充電中に銀層が消え、Li金
属とSE層が直接接触し、SE分解が発生する可能性が高くなる。
したがって、Ag-Cナノ複合材料層は、単一成分を有する層
を指す。カーボン/ SE界面ではなく、集電体にLiの堆積を強制
するメカニズムをさらに解明する必要があるが、このメカニズ
ムが電荷移動抵抗の違いに関連している可能性が高い。
アモルファスカーボンでも電子伝導はイオン伝導よりも大幅に
高速です(補足表1)。
輸送現象がLi堆積の位置を支配する場合、堆積は炭素/電解質
界面で発生するようにバインドされる。これは通常、液体電解
質でカーボンまたはグラファイトのアノードを過充電するとき
に観察されます。ただし、Li金属が反対側に堆積していること
を観察しているため、電荷移動速度論が支配的な要因であると
考えられる。
補足図6
0.1C(0.68 mA cm-2)充電後のさまざまな充電/放電率と断面
SEM画像を備えたポーチ型フルセルの充放電プロファイル。a、
b、カーボン単層c、d、Ag単層。
補足表1 Ag-Cナノコンポジット層のシート抵抗。
シート抵抗率はCMI-SR1000N(Advanced Instrument)で測定さ
れた。
電子伝導の炭素の抵抗率(100%)は、電子の抵抗率よりも数
桁低いイオン伝導の典型的な固体イオン伝導体(> 1000Ωcm)。
補足図7
Ag-Cナノコンポジット層がある場合とない場合の0.1C / 0.2C充
放電レートでのポーチ型フルセルの初期充放電プロファイル。
補足図8
a、TEM画像およびb、初期のAg-Cナノコンポジット層におけるC
のSADP。 c、CのXRDパターン。
補足図9
充電後のAg-Cナノコンポジット層におけるAgのSADP。一部の断
片化されたAg粒子は、この段階でもまだ結晶性を示す。
付記2 WIPと外圧の影響
WIPを使用した加圧後のセル内の各コンポーネント間の界面特性
の変化は、SEMで観察された(補足図10)。
分析の結果、改善は電極と電解質の間の接触、ならびに電極と
電解質の両方の密度の増加は、WIP加圧によって実現された。
セル厚さは、WIP後7日間は有意に変化せず、微細構造緩和が発
生す(補足表2)。さらに、レート機能とサイクルの依存性を
調査した外圧の大きさのパフォーマンス (補足図11)。
2〜4 MPaの範囲で、レート機能とサイクルパフォーマンスに大
きな違いはなかった。最終的には外圧を下げるのに有利、2MPa
という比較的低い圧力が採用。一方、4 MPaを超える高圧をかけ
ると短絡する確率が高くなり、興味深いことに、Ag-Cナノコン
ポジット層を使用すると、外部圧力がなくても低いcレート(0.1
C)での操作が可能だった(補足図12)。
補足図10 固体電解質と電極に対する静水圧の影響。 SEMで観
察された、WIP(490 MPa)を使用した加圧後のセル内の各コン
ポーネント間の界面特性の変化
補足表2 WIPを使用した加圧(490 MPa)後の厚さの変化
補足図11 a、レート機能、および b、外部圧力の関数として
のサイクルパフォーマンス
追記3
Ag-C層構成の最適化
Ag-Cナノコンポジット層の組成は、小袋フルセル(2×2 cm2、
20 mAh)のレート機能とサイクル性能を60°Cで評価することに
よって最適化された(補足図13)。充放電プロファイルは、補
足図14にも記載されている。まず、カーボンのみを使用する場
合(Ag = 0 wt%)、または少量のAg NPs(<10 wt%)を使用す
る場合、1.0 C / 0.33 Cの放電容量比は、 Ag(95–96%)を含
む他の組成の値に。その結果、0.5C / 0.5Cの過放電・
放電動作ができず、カーボンのみで被覆層を形成した場合、シ
ョートが発生しやすかった。
また、さまざまなAg:C比もテストしました。 Ag:C = 1:1で
は、短絡が発生する可能性が高かった(補足図13c)、CEは非
常に低かった(<95%)。
これは増加に起因することができるAgの量が増加するにつれて
Ag NPの凝集とボリュームの大きな変化Ag-Li合金の量が増える
と、Ag-Cナノコンポジット層。 Ag量を1:2のAg:C比に減ら
すと、サイクル保持とCEは改善されたが、結果はまだ不十分。
さらに、放電後のAg NPs(不可逆Li)に残っているリチウムの
量の増加も、短絡につながるシナリオに寄与する可能性がある。
AgとCの比率が1:3の場合、レート機能、サイクル保持率、お
よびクーロン効率は300サイクルの間高いままであり、そのため、
この組成物はプロトタイプセルに適用された。
補足図13 Ag-C層の組成の最適化
Ag-C層の組成はAgとCの比率の関数として最適化された。a、レート
機能(1.0 C / 0.33 C)およびb、c、容量充電/放電率0.5 C / 0.5C
のAg-C | SSE| NMCパウチ型フルセル(20 mAh)の保持率(b)およ
びクーロン効率(c)(電圧ウィンドウ:2.5–4.25 V vs Li +) /
Li、60°C)。NMCカソードの面負荷容量は6.8 mAh cm-2(1.0 C =
6.8 mA cm-2)
✔観測表面形状の緻密化と人工知能技術の深耕の早さに驚く昨今、
俯瞰し解析➲再定義・体系化する間もない。この記事・論文の了解
もままならないほど「この世界」は謎に満ち面白い。
この項つづく
● 今夜の寸評:件の工務店社長は、仕事は沢山あるのだが、社員
に一人でも感染者がでると、多くの事業体は危機に瀕すると苦笑し
ながら話す。それを聴きながら相槌を打ちながら、「予言なき民は
滅びる:Where there is no vision, the people perish」の一
説を噛みしめる。