https://optronics-media.com/news/20240628/92532/![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/89/e479684609ecd7926774efdf5d6d95bb.jpg)
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
【季語と短歌:7月2日】
乱れ梅雨や家に籠もりて鬼仕事![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/67/19c4af94bb7bd0d5f66a4c9d860fc94e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/89/e479684609ecd7926774efdf5d6d95bb.jpg)
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
【季語と短歌:7月2日】
乱れ梅雨や家に籠もりて鬼仕事
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藤原龍一郎
1952年生・短歌人
夜と櫻と十人の女
昭和、平成、令和の夜の夜楼の開に降臨せし芹明香
1952年生・短歌人
夜と櫻と十人の女
昭和、平成、令和の夜の夜楼の開に降臨せし芹明香
満開の夜櫻並木を跳び去るは白狐憑きたる藤圭子なり
梶芽衣子漆黒の喪の衣裳にて夜に顕ちたり櫻の夜に
梶芽衣子漆黒の喪の衣裳にて夜に顕ちたり櫻の夜に
魔はつねに櫻の下の屍ぞ緑魔子なる女優のありき
短散史に樹齢重ねし櫻木のかく発光す与謝野晶子は
短散史に樹齢重ねし櫻木のかく発光す与謝野晶子は
さなきだに櫻はエロス官能の横酔いなる岡本かの子
浅川マキ唄う新宿鰍座の真夜に降る紙の櫻吹雪ぞ
鈴木いづみは闇の櫻の化身なれ切断されし指の行方は
一九九三年四月二日 対神取忍戦 於横浜アリーナ
鬼が憑く 北斗晶に鬼が憑く夜の櫻を喰らう鬼なる
永遠に楼嵐は億むなかれ乃木坂46川崎桜
鈴木いづみは闇の櫻の化身なれ切断されし指の行方は
一九九三年四月二日 対神取忍戦 於横浜アリーナ
鬼が憑く 北斗晶に鬼が憑く夜の櫻を喰らう鬼なる
永遠に楼嵐は億むなかれ乃木坂46川崎桜
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❏ 生成AIブームでデータセンターが急増
❏ 高性能フレキシブル有機太陽電池
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📚 最新海水淡水化システム・装置技術③
【関連特許技術】
3.特開2024-1944 溶媒駆動装置および溶媒駆動モジュール 株式
会社アシュマラボラトリーズ③
【概要】
吸水性駆動ゲル812aを用いる場合には、駆動溶液とは異なり、浸
透圧差に基づいた自発的な水の移動現象ではなく、高分子ゲルの強い
吸水力により、文字通り水が駆動される。図12に示す例では、移動
水は膨潤した吸水性駆動ゲル812b内に吸収される。このため、吸
水性駆動ゲル812bから淡水(浸透水L2)を得るには、膨潤した
吸水性駆動ゲル812bに対して熱や圧力等の外部刺激PWを与える
必要がある。また、図示されているように、淡水の分離工程の際に半
透膜モジュール814dから吸水性駆動ゲル812bを一時的に取り
外す必要性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】
【発明の効果】
本発明によれば、FO法による溶液処理において、溶液から駆動装置
に引き出した溶媒を駆動装置から容易に分離することができる溶媒駆
動装置および溶媒駆動モジュールが提供できる。
【発明を実施するための形態】
【関連特許技術】
3.特開2024-1944 溶媒駆動装置および溶媒駆動モジュール 株式
会社アシュマラボラトリーズ③
【概要】
吸水性駆動ゲル812aを用いる場合には、駆動溶液とは異なり、浸
透圧差に基づいた自発的な水の移動現象ではなく、高分子ゲルの強い
吸水力により、文字通り水が駆動される。図12に示す例では、移動
水は膨潤した吸水性駆動ゲル812b内に吸収される。このため、吸
水性駆動ゲル812bから淡水(浸透水L2)を得るには、膨潤した
吸水性駆動ゲル812bに対して熱や圧力等の外部刺激PWを与える
必要がある。また、図示されているように、淡水の分離工程の際に半
透膜モジュール814dから吸水性駆動ゲル812bを一時的に取り
外す必要性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】
【発明の効果】
本発明によれば、FO法による溶液処理において、溶液から駆動装置
に引き出した溶媒を駆動装置から容易に分離することができる溶媒駆
動装置および溶媒駆動モジュールが提供できる。
【発明を実施するための形態】
(第1実施形態:溶媒駆動装置)
<溶媒駆動装置(その1)>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/05/4a9ac2f21990abb7813c952f9cb6036c.jpg)
図2 溶媒駆動装置の正浸透実験について説明する図
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d7/7436fe524ee085dbc0c0f6e607116f66.jpg)
図3溶媒駆動装置の正浸透実験について説明する図
【符号の説明】1A…溶媒駆動装置(その1)1B…溶媒駆動装置(
その2)1C…溶媒駆動装置(その3)10…駆動ゲル 10a上面
20…半透膜 h1,h2…高さ L1…海水 L10…食塩水 L
2,L20…浸透水
【0038】図2に示す浸透開始時においては駆動ゲル10の上面1
0aには浸透水L20は滲出していない。図3に示すように、浸透開
始から24時間後において浸透水L20が駆動ゲル10の上面10a
(食塩水L10の液面の高さh1と等しい)を超える高さh2まで達
しており、少なくとも、3.5wt%食塩水の浸透圧よりも高い浸透圧
が誘起されていることが確認された(正浸透では、浸透圧の低い側か
ら高い側へ水が移動する。)。これにより、寒天ゲルが、海水淡水化
を行う溶媒駆動装置1Aの駆動ゲル10として利用可能であることが
実証された。【0039】
なお、上記の例では、寒天の濃度を5wt%、ショ糖の濃度を50wt
%としたが、これは一例であって、他の濃度であってもよい。好まし
い濃度範囲としては、寒天の場合は、濃度1wt%~20wt%、シ
ョ糖の場合は、濃度30wt%~80wt%である。【0040】
また、上記の例では、ゲル化剤に寒天を使用したが、寒天の主成分で
あるアガロース(寒天の精製物)またはアガロース誘導体も寒天と同
様、あるいはそれ以上にゲル化剤としての作用効果が見込められるの
で、ゲル化剤として使用可能である。【0041】
また、駆動微粒子13の例である糖類分子についても、上記の例では
ショ糖を使用したが、ブドウ糖、果糖、麦芽糖等の他の糖類分子でも、
ショ糖同様に溶解性が高く、その水溶液は高い浸透圧を示すことが知
られており、駆動微粒子13として使用可能である。また、エタノー
ル(エチルアルコール)、グリセロール(グリセリン)、エチレング
リコール等のアルコール類分子、および塩化ナトリウム(NaCl)、
塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)等
の塩類イオンも、それらの水溶液は高い浸透圧を示すことが報告され
ており、同様に駆動微粒子13として使用可能である。
【0042】<高さ方向の濃度分布>
上記説明した寒天の濃度(ゲル化度)やショ糖濃度は駆動ゲル10内
で均一としたが、こられの少なくともいずれかに濃度勾配を持たせて
もよい。例えばショ糖濃度について駆動ゲル10の高さ方向(上下方
向)で分布を持たせてもよい。一例として、駆動ゲル10における上
方から下方に向けてショ糖の濃度が漸減する構成にすることが挙げら
れる。ここで、濃度の漸減とは、連続的に濃度が低くなる場合のほか、
段階的に低くなることを含む(「漸減」について、以下の説明でも同
様)。【0043】
具体的な一例として、駆動ゲル10の上面10aから半透膜20の下
端と同レベルの位置までは50wt%、それ以降、連続的に減少させ
て駆動ゲル10の下面10b付近で0wt%となるように調整するこ
とが挙げられる。【0044】
駆動ゲル10の上方から下方に向けてショ糖の濃度を漸減させる構成
にすると、対象溶液から半透膜20を介して引き出された水が駆動ゲ
ル10に浸透し、ショ糖の漏出が抑制され、水が自重で下方に移動す
るにしたがい、水の移動速度が高まることになる。これにより、駆動
微粒子13であるショ糖の漏出を抑制しつつ、水を効率良く下方へ移
動させることができる。【0045】
寒天およびショ糖の駆動ゲル10内での濃度分布については、上記に
限られたものではなく、駆動ゲル10へ浸透した水の流速が最大とな
り、かつ、ショ糖の流出が抑制されるよう、適宜、設定すればよい。
【0046】また、濃度分布を調整するには、予め複数のショ糖濃度
のゾル状調製物を用意しておき、注入温度、注入量により制御すれば
よい。例えば、第1のショ糖濃度のゾル状調製物を型枠に注入し、温
度制御によって硬化(または半硬化)させ、次にその上に第2のショ
糖濃度のゾル状調製物を注入し、温度制御によって硬化(または半硬
化)させる、という処理を繰り返し、最終的にゲル状に硬化させる。
【0047】所定の濃度で型枠に注入するゾル状調製物の1回あたり
の注入量が少ないほど滑らかな濃度変化となり、1回あたりの注入量
が多いほどステップ的な濃度変化となる。これにより、高さ方向にシ
ョ糖の濃度分布を持った駆動ゲル10が作製される。【0048】
<溶媒駆動装置(その2)>
図4(a)および(b)は、溶媒駆動装置(その2)の構成を例示す
る模式図である。図4(a)には全体模式図が示され、図4(b)に
は(a)のB部の拡大模式図が示される。図4に示す溶媒駆動装置1
Bの駆動ゲル10は、ゲル化剤で形成された3次元網目構造体11、
3次元網目構造体11に保持された第2の溶媒の例である水12、
3次元網目構造体11に保持された駆動微粒子13に加え、繊維また
は繊維状材料による補強部材14を有する。【0049】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/5c/dee380df2ae3b05f087fc13fde174950.jpg)
図4.(a)および(b)は、溶媒駆動装置(その2)の構成を例示
する模式図
ゲルは流体と固体との中間的な物質であるため、柔軟性に富む一方、
機械的強度は高くない。このため、ゲルを薄膜化した場合に強度不足
となりゲル膜の損傷を招く可能性がある。そこで、駆動ゲル10に補
強部材14を含めることで、駆動ゲル10の機械的強度を高める。補
強部材14としては、例えばバイオポリマーからなる繊維が挙げられ
る。【0050】
溶媒駆動装置1Bの駆動ゲル10は、ゲル化剤と水12と駆動微粒子
13とを混合し、徐々に加熱撹拌してゾル状態に調整した後、ゾル状
調製物を所定の型枠内で補強部材14の例であるバイオポリマーの繊
維に含浸させ、冷却することにより作製される。【0051】
例えば、3次元網目構造体11を形成するゲル化剤としては寒天、駆
動微粒子13の例としてはショ糖、さらに、代表的なバイオポリマー
の例としてはセルロースの繊維からなるコットン(例えば、コットン
不織布)を用いることができる。寒天とショ糖を精製水中で加熱撹拌
してゾル状態にした後、ゾル状調製物をコットン不織布に含浸させ、
冷却することにより溶媒駆動装置1Bの駆動ゲル10が作製される。
【0052】 具体的には、駆動ゲル10の厚さ(第1方向D1の厚
さ)を約10mmとする場合、先ず、駆動ゲル10の厚さと同等の厚
さ約10mmの脱脂綿シート(コットン不織布の薄膜シート)を用意
する。次に、ゾル状調製物を準備した後、脱脂綿シートを型枠内に敷
く。次に、ゾル状調製物をその型枠内に均一に注入し、ゾル状調製物
を徐々に脱脂綿シートに含浸させ、その後、常温まで徐々に冷却して
ゲル化させる。
この項つづく
<溶媒駆動装置(その1)>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/05/4a9ac2f21990abb7813c952f9cb6036c.jpg)
図2 溶媒駆動装置の正浸透実験について説明する図
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d7/7436fe524ee085dbc0c0f6e607116f66.jpg)
図3溶媒駆動装置の正浸透実験について説明する図
【符号の説明】1A…溶媒駆動装置(その1)1B…溶媒駆動装置(
その2)1C…溶媒駆動装置(その3)10…駆動ゲル 10a上面
20…半透膜 h1,h2…高さ L1…海水 L10…食塩水 L
2,L20…浸透水
【0038】図2に示す浸透開始時においては駆動ゲル10の上面1
0aには浸透水L20は滲出していない。図3に示すように、浸透開
始から24時間後において浸透水L20が駆動ゲル10の上面10a
(食塩水L10の液面の高さh1と等しい)を超える高さh2まで達
しており、少なくとも、3.5wt%食塩水の浸透圧よりも高い浸透圧
が誘起されていることが確認された(正浸透では、浸透圧の低い側か
ら高い側へ水が移動する。)。これにより、寒天ゲルが、海水淡水化
を行う溶媒駆動装置1Aの駆動ゲル10として利用可能であることが
実証された。【0039】
なお、上記の例では、寒天の濃度を5wt%、ショ糖の濃度を50wt
%としたが、これは一例であって、他の濃度であってもよい。好まし
い濃度範囲としては、寒天の場合は、濃度1wt%~20wt%、シ
ョ糖の場合は、濃度30wt%~80wt%である。【0040】
また、上記の例では、ゲル化剤に寒天を使用したが、寒天の主成分で
あるアガロース(寒天の精製物)またはアガロース誘導体も寒天と同
様、あるいはそれ以上にゲル化剤としての作用効果が見込められるの
で、ゲル化剤として使用可能である。【0041】
また、駆動微粒子13の例である糖類分子についても、上記の例では
ショ糖を使用したが、ブドウ糖、果糖、麦芽糖等の他の糖類分子でも、
ショ糖同様に溶解性が高く、その水溶液は高い浸透圧を示すことが知
られており、駆動微粒子13として使用可能である。また、エタノー
ル(エチルアルコール)、グリセロール(グリセリン)、エチレング
リコール等のアルコール類分子、および塩化ナトリウム(NaCl)、
塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)等
の塩類イオンも、それらの水溶液は高い浸透圧を示すことが報告され
ており、同様に駆動微粒子13として使用可能である。
【0042】<高さ方向の濃度分布>
上記説明した寒天の濃度(ゲル化度)やショ糖濃度は駆動ゲル10内
で均一としたが、こられの少なくともいずれかに濃度勾配を持たせて
もよい。例えばショ糖濃度について駆動ゲル10の高さ方向(上下方
向)で分布を持たせてもよい。一例として、駆動ゲル10における上
方から下方に向けてショ糖の濃度が漸減する構成にすることが挙げら
れる。ここで、濃度の漸減とは、連続的に濃度が低くなる場合のほか、
段階的に低くなることを含む(「漸減」について、以下の説明でも同
様)。【0043】
具体的な一例として、駆動ゲル10の上面10aから半透膜20の下
端と同レベルの位置までは50wt%、それ以降、連続的に減少させ
て駆動ゲル10の下面10b付近で0wt%となるように調整するこ
とが挙げられる。【0044】
駆動ゲル10の上方から下方に向けてショ糖の濃度を漸減させる構成
にすると、対象溶液から半透膜20を介して引き出された水が駆動ゲ
ル10に浸透し、ショ糖の漏出が抑制され、水が自重で下方に移動す
るにしたがい、水の移動速度が高まることになる。これにより、駆動
微粒子13であるショ糖の漏出を抑制しつつ、水を効率良く下方へ移
動させることができる。【0045】
寒天およびショ糖の駆動ゲル10内での濃度分布については、上記に
限られたものではなく、駆動ゲル10へ浸透した水の流速が最大とな
り、かつ、ショ糖の流出が抑制されるよう、適宜、設定すればよい。
【0046】また、濃度分布を調整するには、予め複数のショ糖濃度
のゾル状調製物を用意しておき、注入温度、注入量により制御すれば
よい。例えば、第1のショ糖濃度のゾル状調製物を型枠に注入し、温
度制御によって硬化(または半硬化)させ、次にその上に第2のショ
糖濃度のゾル状調製物を注入し、温度制御によって硬化(または半硬
化)させる、という処理を繰り返し、最終的にゲル状に硬化させる。
【0047】所定の濃度で型枠に注入するゾル状調製物の1回あたり
の注入量が少ないほど滑らかな濃度変化となり、1回あたりの注入量
が多いほどステップ的な濃度変化となる。これにより、高さ方向にシ
ョ糖の濃度分布を持った駆動ゲル10が作製される。【0048】
<溶媒駆動装置(その2)>
図4(a)および(b)は、溶媒駆動装置(その2)の構成を例示す
る模式図である。図4(a)には全体模式図が示され、図4(b)に
は(a)のB部の拡大模式図が示される。図4に示す溶媒駆動装置1
Bの駆動ゲル10は、ゲル化剤で形成された3次元網目構造体11、
3次元網目構造体11に保持された第2の溶媒の例である水12、
3次元網目構造体11に保持された駆動微粒子13に加え、繊維また
は繊維状材料による補強部材14を有する。【0049】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/5c/dee380df2ae3b05f087fc13fde174950.jpg)
図4.(a)および(b)は、溶媒駆動装置(その2)の構成を例示
する模式図
ゲルは流体と固体との中間的な物質であるため、柔軟性に富む一方、
機械的強度は高くない。このため、ゲルを薄膜化した場合に強度不足
となりゲル膜の損傷を招く可能性がある。そこで、駆動ゲル10に補
強部材14を含めることで、駆動ゲル10の機械的強度を高める。補
強部材14としては、例えばバイオポリマーからなる繊維が挙げられ
る。【0050】
溶媒駆動装置1Bの駆動ゲル10は、ゲル化剤と水12と駆動微粒子
13とを混合し、徐々に加熱撹拌してゾル状態に調整した後、ゾル状
調製物を所定の型枠内で補強部材14の例であるバイオポリマーの繊
維に含浸させ、冷却することにより作製される。【0051】
例えば、3次元網目構造体11を形成するゲル化剤としては寒天、駆
動微粒子13の例としてはショ糖、さらに、代表的なバイオポリマー
の例としてはセルロースの繊維からなるコットン(例えば、コットン
不織布)を用いることができる。寒天とショ糖を精製水中で加熱撹拌
してゾル状態にした後、ゾル状調製物をコットン不織布に含浸させ、
冷却することにより溶媒駆動装置1Bの駆動ゲル10が作製される。
【0052】 具体的には、駆動ゲル10の厚さ(第1方向D1の厚
さ)を約10mmとする場合、先ず、駆動ゲル10の厚さと同等の厚
さ約10mmの脱脂綿シート(コットン不織布の薄膜シート)を用意
する。次に、ゾル状調製物を準備した後、脱脂綿シートを型枠内に敷
く。次に、ゾル状調製物をその型枠内に均一に注入し、ゾル状調製物
を徐々に脱脂綿シートに含浸させ、その後、常温まで徐々に冷却して
ゲル化させる。
この項つづく
【今日の注目技術】高性能フレキシブル有機太陽電池
理化学研究所らの研究グループは、高性能かつ伸縮可能な有機太陽電
池を開発。研究グループは透明電極として,導電性高分子材料「PEDOT:
PSS」に「ION E(4-(3-エチル-1-イミダゾリオ)-1-ブタンスルホン
酸)」を添加したところ,伸縮性が向上し,引張ひずみが増加しても
抵抗の増加を大幅に緩和した。また,大きな引張ひずみ下でも亀裂の
進行が著しく抑制された。ポリウレタン基板と透明電極との界面の特
性を評価したところ,ION Eを含まない導電性PEDOT:PSSの接着力は,
ION Eを含むものよりも大幅に低かった。堅固な界面接着により,透明
電極の面内亀裂の駆動力が減少し,亀裂の発生と伝播が遅れ,透明電
極の伸縮性が向上していることを確認。発電層は,二つの高効率ドナ
ー材料(PM6とD18)を混ぜてランダム三元共重合ポリマードナー「
Ter-D18」を合成し,近年有機太陽電池として使われている低分子アク
セプター材料「Y6」と混合してTer-D18:Y6を作製。Ter-D18:Y6から成
る発電層と透明電極とポリウレタン基板とを備えた複合フィルムは,
発電層の機械的特性が改善した。ION Eを添加した透明電極を含む複合
フィルムは,亀裂の伝播が著しく抑制され,ION Eを含む伸縮性の高い
透明電極は,伸縮性有機太陽電池全体の機械的完全性(高い伸縮性)
を保証することを確認。
【展望】優れたエネルギー変換効率を備えながらも伸縮性に課題を残
す、他の優れた発電層材料の伸縮性の向上にも適用可能で、本設計戦
略を利用することにより、高性能な伸縮性有機太陽電池の実現し、衣
服に貼り付けた環境エネルギー電源、ウエアラブルデバイスやe-テキ
スタイル]用の電源開発を実現する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/43/b70fa3fc47da2612758a3429777802f6.jpg)
【掲載誌】
"Intrinsically Stretchable Organic Photovoltaics by Redistributing Strain to
PEDOT:PSS with Enhanced Stretchability and Interfacial Adhesion", "Intrinsically Stretchable Organic Photovoltaics by Redistributing Strain to PEDOT:PSS with
Enhanced Stretchability and Interfacial Adhesion", Nature Communications, 10.1038/s41467-024-49352-4.
Nature Communications, 10.1038/s41467-024-49352-4