![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2a/7a25881f896879782e97b037492f8743.jpg)
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
✳️ 世界の電力需要、27年まで年4%増加へ 中国は6%増
[パリ 14日 ロイター] 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表
した報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大
するとの見通しを示した。年間の電力需要の伸びは日本の総消費量を上回
るという。世界の電力需要の伸びの85%は新興国と途上国が占める見通
し。伸びの半分以上は中国によるもので、中国の電力需要は27年まで年
6%のペースで拡大すると見込まれている。中国では20年以降、電力を
大量に消費する工業部門や、太陽光パネル、バッテリー、電気自動車(E
V)、関連材料の製造など電力集約型製造業の急速な拡大を背景に、電力
需要が経済成長を上回るペースで伸びている。空調、データセンター、5
G(第5世代)ネットワークも電力需要増加の原因。インドも世界の電力
需要の伸びの10%を占める見通し。活発な経済活動やエアコンの急速な
普及が背景。米国など、これまで電力需要が停滞していた一部の先進国も
、輸送、暖房、データセンターなどの分野で急速に電化が進むため、電力
需要が拡大する見通しという。欧州連合(EU)の電力需要の伸びは昨年
7月時点の予測から1%ポイント下方修正され今年1.6%となる見込み
。マクロ経済の見通し悪化が背景。21年の需要水準を回復するのは少な
くとも27年以降になるという。再生可能エネルギーや原子力といった低
排出エネルギー源は、世界の需要増加傾向に対応できる見通し。電源構成
で石炭のシェアを引き続き上回っているという。石炭のシェアは100年
ぶりに33%を下回る見通し。27年には太陽光が水力に次ぐ2番目に大
きな低排出エネルギー源になると見込まれている(YAHOO! JAPANより)。
実証実験の様子(出所:横浜市)
✳️市庁舎窓に太陽電池、横浜市が実証しペロブスカイトも
横浜市は、公共施設を活用した次世代型太陽電池の実証実験に取り組んで
いる。第1弾のペロブスカイト太陽電池に続き、第2弾として、結晶シリコ
ン型太陽電池をガラス建材に組み込んだタイプを設置した。「既存の窓に
取り付け可能な太陽電池の実証実験」として、12月4日から横浜市庁舎ア
トリウムで開始。実証実験の実施事業者はAGC。同社の既存建物向け太陽
光発電ガラス「後付けサンジュール」を市庁舎2階南側のアトリウム窓面
に16枚設置した。パネル1枚あたりの大きさは110cm×80cm。結晶シリコ
ン型のセル(発電素子)を使用するが、今後ペロブスカイト太陽電池の活
用も検討する。電量は1日あたり約2~3kWh程度を見込む。発電した電力
はデジタルサイネージに活用し発電状況を検証する。電力の使用方法は、
今後定期的に変更し、多様なツールでの活用を予定する。実証期間は12月
4日から2025年12月末までの予定。「後付けサンジュール」は、既存の窓
や建物本体への工事が不要で、屋内側からの簡易施工によって設置できる
のが特徴。ガラスメーカーの知見を活用し、発電モジュールを窓際に設置
した際に発生するガラスの熱割れリスクを低減した。AGCは、12月から同
製品の試験販売を開始。横浜市では、太陽光発電の適地が限られる都市部
にさらに再生可能エネルギー設備を普及拡大させるため、公共施設を活用
した次世代型太陽電池実証事業の提案を募集し、9月に3事業者4提案を選
定した。⛑️第1弾の実証実験として、9月30日~11月28日に市庁舎アトリ
ウム南側2階管理通路にフィルム型ペロブスカイト太陽電池(1225mm×
460mm)を4枚設置し、LED点灯など発電状況を検証した。事業者は東芝
エネルギーシステムズ。(メガソーラビジネスより)
🪄続々と貴重な実健データが集積され改良されていくぞ
市庁舎の窓ガラスに太陽電池、横浜市が実証、今後ペロブスカイトも
✳️ 赤外光を電気エネルギー変換する無色透明材料の開発
―見えない電子デバイスの開発へ道―
タイトル Clear and Transparent Nanocrystals for Infrared-Responsive
Carrier Transfer
著 者 Masanori Sakamoto,* Tokuhisa Kawawaki, Masato Kimura, Junie
Jhon M. Vequizo, Hironori Matsunaga, Chandana Sampath Kumara
Ranasinghe, Akira Yamakata, Hiroyuki Matsuzaki, Akihiro Furube,Tosh-
iharu Teranishi*
掲 載 誌 Nat. Commun., Article ASAP, Published online January 24, 2019
D O I https://doi.org/10.1038/s41467-018-08226-2
◾本研究成果は、2019年1月24日に国際学術誌 Nature Communications」
オンライン掲載。
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図:本研究で合成したスズドープ酸化インジウムナノ粒子
【概要】京都大学・豊田工業大学・徳島大学・国立研究開発法人産業技術
総合研究所らの研究グループは、赤外光を電気エネルギーや信号に変換す
ることのできる無色透明な材料の開発に成功。 光を信号やエネルギーに変
換することができる無色透明な材料は、例えば、透明性を利用した不可視
の通信デバイスや、センサー、太陽電池といった先端技術を実現するキー
テクノロジーとして多くの注目を集めた。紫外域の光を用いれば、無色透
明でありながら光をエネルギーや信号に変換できる材料を作つことは、紫
外光は通信、エネルギー変換に向かないため、長波長で不可視の光である
赤外光を電気エネルギーや信号に変換することのできる材料の開発が強く
要望されている。 今回、本研究グループは、赤外域に局在表面プラズモン
共鳴 LSPR : Localized Surface Plasmon Resonance)を示す無機ナノ粒子
を用いて、赤外光を電気エネルギーや信号に変換することのできる無色透
明な材料開発した。赤外域にLSPRを示すスズドープ酸化インジウムナノ
粒子を光吸収材に応用することで、透明性 可視域の透過率95%以上)と
高い赤外光誘起電子移動効率 電荷注入効率33%)を両立することに成功
した。また、本材料は1,400–4,000 ナノメートルという近赤外域から中赤
外域の光に応答することが明らかになっている。本成果は、目に見えない
太陽電池、通信機器、光学センサーなどの最先端デバイスの開発への応用
が期待されいる。
◾ヘテロインターフェースの作製と特性評価
SWIR領域におけるLSPRを用いたキャリア注入には、合理的バンドアライ
メントを有するヘテロ界面の作製が不可欠です。ITOのNCとヘテロ界面を
形成するための電子受容体相として、2種類の金属酸化物半導体TiOを選定
しました2(アナターゼまたはP25、アナターゼとルチルの混合物)およびSnO2
なぜなら、これらの金属酸化物は「透明で無色」であり、電子輸送層およ
び/または光触媒として一般的に使用され、ITOのNCからのホット電子注入
に適したアクセプターレベル(すなわち、伝導帯(CB)の位置)を有するから
である。1a. フェルミ準位(EF)のITOとSnOのCB2およびTiO2はそれぞれ0.2 e
Vと0.7 eVで、ITO NCで生成されたホット電子にアクセスでる.ITOとSiO
の組み合わせ2また、ITO NCから絶縁性SiOへの電子移動がないため、ITO
のNCのLSPR刺激応答のモニタリングリファレンスとしても採用された。
フェーズが予想される。ITO NCは、以前の報告に従って合成されました。
また、熱焼鈍および還元焼鈍プロセスにより金属酸化物に固定化される(
方法を参照)。図1b、cは、ITO NCと3種類のITO/金属酸化物のUV-Vis-IR
スペクトルを示している。すべてのサンプルは、IR領域にLSPRピークを
持っています。TEMおよびXRD測定では、アニールプロセス中にITO NC
のサイズや結晶構造に変化は見られませんでした(補足図)。1–5)。SnO上
のITO NCのLSPR帯域の拡充2ITO NCのプラズモン結合からの結果(補足
図を参照)。
図2.a. スズドープ酸化インジウムナノ粒子のクロロホルム溶液の吸収スペクトル(左図)および
スズドープ酸化インジウムナノ粒子を塗布したガラス基板 右図)。 b. スズドープ酸化インジウ
ムナノ粒子を担持した酸化物の拡散反射スペクトル
エネルギー図と光学特性。a 酸化インジウムスズ(ITO)、ナノ結晶(NC)、
金属酸化物のエネルギー図。EFITO NCの値とSnOの伝導バンドエッジ2お
よびTiO2参考文献から取得されました10、11、12それぞれ。CB伝導バンド
;VB価数バンド。b 左図:CHCl中のITO NCの吸収スペクトル3解決。右画像
:ITO-NCコーティングガラス基板。c ITO/SiOの消光スペクトル2、ITO/
TiO2および ITO/SnO2還元的アニーリング後。オレンジ色で示されている
スペクトルは、太陽スペクトル(AM 1.5)
図3.a. 1700 nmのレーザーによる励起後のスズドープ酸化インジウムナ
ノ粒子およびスズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの5000 nmに
おける過渡吸収の経時変化。赤線はフィッテング。ピンクの線は装置関数。
スズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの場合、光照射後に電子移
動に由来する吸収が現れていることがわかる。b. 1700 nmのレーザーによ
る励起後のスズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの過渡吸収スペ
クトル。観測された過渡吸収スペクトル 黒丸)は、酸化スズの伝導帯電子
の吸収と一致した 赤線のスペクトル)。このことは、スズドープ酸化イ
ンジウムナノ粒子から酸化スズへの電子注入が起こっていることを裏付け
ている。
図4.a. スズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズ/タングステン電極の構造、b. スズドープ
酸化インジウムナノ粒子/酸化スズ/タングステン電極のアクションスペクトル、電極のアクシ
ョンスペクトルはスズドープ酸化インジウムナノ粒子のLSPRに一致しており、LSPRの励起によ
り電子移動が起こっていることを示している。c. d.短波中赤外光照射下での光電気化学測定結果。
✳️【論文情報】
タイトル:Fabrication of near-invisible solar cell with monolayer WS2
(単層WS2を用いた高透明太陽電池の創製)
著者:Xing He, Yuta Iwamoto , Toshiro Kaneko, and Toshiaki Kato
雑誌名:Scientific Reports, 12, 11315 (2022)
DOI: 10.1038/s41598-022-15352-x
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-022-15352-x
✳️【発表のポイント】
- 透明でフレキシブルな半導体原子シートである遷移金属ダイカル
コゲナイド(TMD)の、結晶成長初期の核形成過程を詳細に直接
観測する手法を開発。 - TMD原子シートの新たな核形成機構(非古典的な二段階核形成)
を世界で初めて発見。
【概要】原子オーダーの厚みをもつ遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)
は、炭素原子シートとして有名なグラフェンと類似の原子シート構造だけ
でなく、グラフェンにはない半導体特性、さらには原子層特有の柔軟性と
透明性を示すことから、次世代フレキシブル透明半導体材料として大きな
注目を集めている。しかし、TMDを高品質で合成する技術は未だ開発段階
にあり、特に品質を決める成長初期段階の情報が必要とされていた。東北
大学大学院工学研究科電子工学専攻の加藤俊顕准教授、金子俊郎教授らの
グループは、東京大学大学院工学系研究科の澁田靖准教授らのグループと
共同で、成長初期における核形成過程を解析する新手法を開発し、TMD
の一種であるWS2の結晶成長が中間クラスターを経由する新たな核形成モ
デルによることを世界で初めて明らかにしました。この新たな核形成モデ
ルを活用することで、今後精密な構造制御が可能となり、高品質で巨大な
原子シートの合成、及び次世代超高性能フレキシブル透明デバイスへの活
用が期待される。
✳️ 米、ウクライナのレアアース鉱物の50%所有を狙う?
2015年6月29日、カリフォルニア州マウンテンパスにあるモリコープのマウンテンパスレアアー
ス施設のツアーで展示されているレアアース鉱物、酸化セリウム、バストナサイト、酸化ネオジ
ム、炭酸ランタンのサンプル。REUTERS/デビッド・ベッカー/ファイル写真
伸縮性のある有機太陽電池
✳️ 高性能で伸縮する有機太陽電池を開発
発電層のひずみ再分配戦略
本研究成果は、2021年11月15日19時(日本時間)にネイチャーパブリッシ
ンググループの英国科学雑誌Scientific Reports(電子版)に掲載された。
理化学研究所(理研)らの国際共同研究グループは、高性能かつ伸縮可能
な有機太陽電池]を開発。本研究成果は、発電層の機械的特性に依存せず、
デバイス全体に伸縮性を付与するもので、他の発電層材料にも適用可能で
あるため、伸縮性有機太陽電池の開発に新たな道を開くと期待されている。
【概要】有機太陽電池は、柔軟性に優れ、衣服や人体の表皮に貼り付ける
ウエアラブルセンサーの駆動用電源として注目されています。有機太陽電
池の柔軟性を生かした応用を実現するためには、高いPCEだけでなく、連
続的な身体の動きによってデバイスに加えられる引張力から生じるひずみ
(引張ひずみ])に耐えられる機械的な強靭(きょうじん)さが必要です。
有機太陽電池は、基板と、基板上に透明電極と上部電極を備え、透明電極
と上部電極の間には、発電層と正孔輸送層[2]、電子輸送層[2]が成膜され
ている。このうち、透明電極以外は所望の性能を持ちながら伸縮性もある
材料のめどが付いています。しかし、透明電極については、透明性・導電
性・伸縮性の三つを備える材料がまだ見いだされていない。伸縮性太陽電
池の透明電極に広く使われている導電性高分子(PEDOT:PSS)の引張り
弾性率は通常2ギガパスカル(GPa、1GPaは10億パスカル)であり、伸縮
性を実現するには高過ぎる値です。PEDOT:PSSに可塑剤を添加しても、伸
縮性のある基板からの不可逆な塑性変形および局所的剝離を示しやすく、
有機太陽電池の永久的な伸びと伸縮サイクル(繰り返しひずみ)への耐久
性の低下を招きます。また、高いPCEを示す発電層の構成材料であるポリ
マードナー:低分子アクセプターのブレンド膜は、材料に破断もしくは亀
裂が発生する材料の伸長程度を表す亀裂発生ひずみ(COS:crack onset
strain)値が5%未満であり、5%未満の伸長でも破断してしまうため、機
械的耐久性の要件を満たさない。このように、透明電極に適用可能な高い
PCEと伸縮性を両立する材料は見いだされていない。
【研究手法と成果】
本研究では、高いPCEを有しながら、引張ひずみに対する高い耐久性を持
つ伸縮性有機太陽電池の実現に挑んだ。本研究で開発した伸縮性有機太陽
電池は、ポリウレタン基板上に、透明電極、正孔輸送層、発電層、上部電
極の順に積層されています(図1a)。
図1 デバイスの構造と材料
a)伸縮性有機太陽電池の概略図。ポリウレタン基板、導電性PEDOT:PSS
(ION Eを5mg/mL含む)から成る透明電極、PEDOT:PSSから成る正孔輸
送層、Ter-D18:Y6から成る発電層、共晶ガリウムーインジウム(EGaIn)
から成る上部電極の順に積層した。b)伸縮性有機太陽電池の電極材料と
活性材料の化学構造。透明電極は、導電性高分子材料である「PEDOT:PS
S」に「ION E(4-(3-エチル-1-イミダゾリオ)-1-ブタンスルホン酸)」
を添加しました。異なる引張ひずみ下での電気的および機械的特性(伸縮
性)を評価するために、10マイクロメートル(μm、1μmは100万分の1メ
ートル)厚のポリウレタン基板上に透明電極を塗布成膜手法によって溶液
から均一に成膜した。5mg/mLのION Eを添加した透明電極は80%の引張
ひずみで初期値の2倍未満の抵抗を示しました。対照的に、ION Eを含ま
ない透明電極は40%の引張ひずみで初期値の122倍の抵抗を示した。ION
Eを添加した透明電極は、伸縮性が向上するとともに、引張ひずみが増加
しても抵抗の増加を大幅に緩和することを確認した(図2a)。また、透明
電極のCOS値はION E濃度の増加に伴い明確に増えました(ION Eの添加
量2mg/mLで50%、5mg/mLで120%、10mg/mLで150%)(図2b)。
つまり、ION Eを添加した透明電極は大きな引張ひずみ下でも亀裂の進行
が著しく抑制されることを確認しました。
🎈全世界の埋蔵量は250~300万トン(W純分)と見られる。 最大の生産
国は中国で、世界の大半を占める。工業的に重要な鉱石は灰重石(シーラ
イト、CaWO4)と鉄マンガン重石(ウォールフラマイト、((Fe、Mn)
WO4)である。灰重石は比重が約6で灰色、鉄マンガン重石は比重7.2~
7.5で黒褐色を呈する。全世界の埋蔵量は250~300万トン(W純分)と
見られる。最大の生産国は中国で、世界の大半を占める。鉱石は日本にも
産するが現在は採掘されていない。粗鉱の品位はWO31%程度で、選鉱に
よりWO365%以上にする。通常WO370%以上で取引される。精鉱の主な
不純物はモリブデン・スズ・ヒ素・カルシウムなどである。わが国の鉱石
輸入量は年間約500トン(W純分約300トン)程度であるが、中間製品の
パラタングステン酸アンモニウム(APT)を年間約6,000トン(W純分約
4,200トン)消費している。主たる鉱石の輸入先は中国ならびにポルトガ
ルで、またAPTもそのほとんどを中国から輸入している。その他、タング
ステン炭化物や金属粉を中国・韓国・ヨーロッパ・カナダなどからおよそ
1,500トン輸入している。タングステン原料としてスクラップの利用率は
生産量の20%程度と見られる。
鉱あるいは浮遊選鉱により、WO3が65%以上、一般には70%以上の精鉱
とする。精鉱は数mmあるいはそれ以下の大きさの砂状で精錬業者に供給
される。精鉱は精錬前に粉砕機で再度200メッシュ以下まで粉砕する。粉
砕には銅製のロツドを入れた振動ミルや回転式のボールミルが用いられる。
タングステン鉱石は比較的粉砕されやすく、むしろ過粉砕に注意する必要
がある。過粉砕は精製工程で残渣の沈降を遅くして作業性を悪くする。粉
砕鉱石をスクリーンにかけ、微粒は再度粉砕機に戻される。微粒はホッパ
ーに貯蔵し、精錬工程に送る。
![透明電極を構成する導電性PEDOT:PSSの特性の図](https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2024/20240627_1/20240627_1_fig2.jpg)
図2 透明電極を構成する導電性PEDOT:PSSの特性
a)伸長中のポリウレタン基板と導電性PEDOT:PSSの積層フィルムの抵抗
値変化(引張ひずみを加える前の値で規格化している)。b)異なる量の
ION Eを含むポリウレタン基板と導電性PEDOT:PSSの積層フィルムの亀裂
発生ひずみ(COS)値。ポリウレタン基板と透明電極との間の界面の特性
を評価するために、ION Eの添加による導電性PEDOT:PSSの分子構造およ
び結晶構造の変化に加えて、導電性PEDOT:PSS内、および導電性PEDOT:
PSSとポリウレタン基板との間の二つの分子間相互作用を精査しした。
ION E添加なしと5mg/mLのION E添加ありの透明電極の2次元接着力マッ
プを取得しました(図3a、b)。ION Eを含まない導電性PEDOT:PSSの接
着力(1.15ナノニュートン(nN、1nNは10億分の1ニュートン))は、
ION Eを含む導電性PEDOT:PSSの接着力(5.66 nN)よりも大幅に低いこ
とが明らかになつた。この顕著な微視的接着特性が透明電極の伸縮性に反
映されているかどうかをマクロレベルに判断するために、界面接着力を評
価。「力-変位曲線」(図3c)は、ION Eを含むサンプルに適用された力
(80Nより大)が、ION Eを含まない試験片に適用された力の2倍以上であ
ることを示していました。堅固な界面接着は、剥離を抑制し、ポリウレタ
ン基板への機械的応力を分散させます。その結果、透明電極の面内亀裂の
駆動力が減少し、亀裂の発生と伝播が遅れ、透明電極の伸縮性が向上して
いることを確認した。
![導電性PEDOT:PSSから成る透明電極とポリウレタン基板との界面の特性評価の図](https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2024/20240627_1/20240627_1_fig3.jpg)
図3 導電性PEDOT:PSSから成る透明電極と
ポリウレタン基板との界面の特性評価
a)、b)ナノスケールの透明電極の2次元接着力マップ。aはION E無添加
、bはION Eを5mg/mL添加。c)接着特性評価のための透明電極を含むサ
ンプルの代表的な「力-変位曲線」(ION E無添加(緑)、および5mg/m
LのION E添加(赤))。
電層の伸縮性を向上させることは、高性能な伸縮性有機太陽電池を実現す
るためのもう一つの重要な要素。本研究で開発した伸縮性有機太陽電池の
発電層は、二つの高効率ドナー材料(PM6とD18)を混ぜてランダム三元
共重合ポリマードナーである「Ter-D18」を合成し、近年有機太陽電池と
して広く使われている低分子アクセプター材料「Y6」と混合してTer-D18:
Y6を作製しました。Ter-D18:Y6から成る発電層と透明電極とポリウレタン
基板とを備えた複合フィルム(図1a)のCOS値は、PM6:Y6から成る発電
層と透明電極とポリウレタン基板を備えた複合フィルムのCOS値と比較す
ると亀裂の発生が大幅に遅延されており、発電層の機械的特性が改善され
ていることが分かった。さらに、ION E添加なしまたはION Eを5mg/mL
を添加した透明電極と組み合わせた複合フィルムの機械的特性を調べる
ために、引張り応力下にある複合フィルムの光学顕微鏡画像を撮影して比
較したところ、ION Eを添加した透明電極を含む複合フィルムは、亀裂の
伝播が著しく抑制されることを確認した(図4a、b)。つまり、ION Eを
含む伸縮性の高い透明電極は、発電層内の引張ひずみを効果的に非局在化
して再分散し、それによって亀裂の発生と伝播を遅らせ、伸縮性有機太陽
電池全体の機械的完全性(高い伸縮性)を保証することを確認できた。
![ポリウレタン基板と透明電極と発電層から成る複合フィルムの機械的特性の図](https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2024/20240627_1/20240627_1_fig4.jpg)
図4 ポリウレタン基板と透明電極と発電層から成る複合
フィルムの機械的特性
- (a)引張り応力下にあるPM6:Y6から成る発電層を備えた自立型複合
フィルムの光学顕微鏡画像。上段は透明電極にION E添加なし、下
段は透明電極にION Eを5mg/mL添加。矢印は引張ひずみの値が0
%から40%に大きくなることを示している。 - (b)引張り応力下にあるTer-D18:Y6から成る発電層を備えた自立型
複合フィルムの光学顕微鏡画像。上段は透明電極にION E添加なし、
下段は透明電極にION Eを5mg/mL添加。矢印は引張ひずみの値が
0%から60%に大きくなることを示している。
このようにして伸縮性を確認した複合フィルムに、液体金属共晶ガリウム
ーインジウム(EGaIn)[6]から成る上部電極を備えた電子輸送層フリーの
有機太陽電池を作製し注)、太陽電池性能を評価しました(図5a)。Ter-
D18:Y6から成る発電層を持つ有機太陽電池は、伸長前に短絡電流密度(JSC)
[7]が25.18mA/cm2、開放電圧(VOC)[7]が0.84V、曲線因子(FF)[7]が
0.67、PCEが14.18%という高い初期性能を示した。これらの値は、PM6:Y6
から成る発電層の有機太陽電池(JSC: 25.87mA /cm2、VOC: 0.78 V、FF: 0.65
、PCE:13.14%)の値よりも優れている。さらに、有機太陽電池を伸長ス
テージに取り付け、伸縮性を分析しました(図5b)。PM6:Y6から成る発
電層を備えた有機太陽電池は、32%の引張ひずみで初期PCEの80%を維持
しましたが、より高い引張ひずみでは急速に劣化しました。対照的に、
Ter-D18:Y6から成る発電層を備えた有機太陽電池は伸縮性の大幅な向上
を示し、52%の引張ひずみで初期PCEの80%を維持した。
こうした伸縮性有機太陽電池の結果は、初期性能と伸縮性の優れた組み合
わせを示し、PCEがこれまでに報告された全ての高性能伸縮性有機太陽電
池の性能を上回りました(図5c)。
最後に、伸縮サイクルにおける伸縮性有機太陽電池の機械的耐久性を評価
した。Ter-D18:Y6から成る発電層を備えた伸縮性有機太陽電池は、10%
および20%の引張ひずみの100サイクル後も、それぞれ初期PCEの95%お
よび85%を維持しており(図5d)、顕著な伸縮サイクル耐久性があること
が確認された。
図5 伸縮性有機太陽電池の性能
a)伸長前の伸縮性有機太陽電池のJ-V(短絡電流密度-解放電圧)曲線。b)
引張ひずみ下での伸縮性有機太陽電池のエネルギー変換効率(PCE)。引張
ひずみ印加前の値で規格化している。c)過去に報告されたシステムと比
較した伸縮性有機太陽電池の性能。初期デバイス性能と、初期PCEの80%
になるひずみ値との関係で表す。d)10%および20%の繰り返し引張ひず
みサイクル下でのTer-D18:Y6から成る発電層を備えた伸縮性有機太陽電池
のPCE(引張ひずみ印加前の値で規格化している)。
✅2024年4月11日プレスリリース「全塗装プロセスで作製された超薄型ウエアラブルセンサー」
この項了 心に響く楽曲 『飛んでイスタンブール』1978年4月
ジャンル:ポップス 歌:庄野真代
作詞:ちあき哲也/作曲:筒美恭平
ライターの庄野真代(70)が13日(日本時間14日)、トルコ・イス
タンブールで同曲を歌唱した。「飛んでイスタンブール」は1978年に
庄野の5枚目のシングルとして発売され、エキゾチックな雰囲気のメロデ
ィと歌詞が、海外旅行がブームとなり始めた当時の日本人に受け、80万
枚を超える大ヒットとなった。
● 今日の言葉:『エネルギーフリー社会』構想の最終段階に入る。
春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
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