極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 96

2025年01月04日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

半世紀ぶりに公開されることが決まった横山大観の絶筆「不二」(足立美術館提供)


【季語と短歌:1月4日】

         会いたいと賀状届き即応す 

                  高山 宇 (赤鬼)


                 巳年 イラスト に対する画像結果

✳️ 私たちが知っておくべき「理系雑学」⓵
   どうして海の水はしょっぱいの?
海の水がしょっぱいのは、子どもでも知っている。しょっぱさの正体は、
塩素とナトリウムが結びついた塩化ナトリウム、つまり「塩」。

一つ目が、地球に海ができた直後からしょっぱかったという説だ。およそ4
6億年前のできたばかりの地球は、熱い溶岩のかたまりで海もなかった。
それが、次第に温度が下がり、空気中の水蒸気も冷えて雨が降るようにな
った。雨は空気中の塩素ガスを溶かして流れ、塩素を含んだ水が大地にた
まった。
また、この頃の大気は、火山から噴出したガスで満ちていたが、
火山ガスを含んだ雨は、岩を溶かす力もとても強い。そのため、岩石や土
に含まれているナトリウムが溶けて海に流れ込み、塩素と結びつくことで
塩化ナトリウムを含んだ海ができたというのだ。

もう一つが、地球に陸ができてから徐々にしょっぱくなったという説。地
球に陸ができたのはおよそ27億年前で、陸地の岩や土に含まれていた塩素
やナトリウムが雨によって溶け出し、海まで運ばれた。海水が太陽に照ら
されると、水分だけが蒸発する。これが何億年も繰り返されるうちに、塩
分濃度が徐々に濃くなった。
現在では、これら二つの説の両方が相まって、
海はしょっぱくなったと考えられている。海の水は常に蒸発しているが、
それがまた雨になり、川になって海に戻るため、地球に生物が出現して以
来、塩分濃度は変わっていない。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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✳️  能登地震「5カ月断水」復旧を困難にした理由

発生から1年を迎えた能登半島地震で浮かび上がった課題を教訓に、3月末
に期限が切れる半島振興法の改正・延長に際して、考え方を反映させる方
向だ。 能登半島地震では道路や港湾の大規模な損壊により被災地への進入
路が限定されるなど、半島特有の問題が明らかになった。石川県輪島、珠
洲、穴水、能登の4市町では一時、24地区の計3345人が孤立状態に。通信
インフラ障害や停電、断水も広範囲で長期化した。
(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)

3月末に期限が切れる半島振興法の改正・延長に際して、考え方を反映さ
せる方向だ。  能登半島地震では道路や港湾の大
規模な損壊により被災地
への進入路が限定されるなど、半島
特有の問題が明らかになった。石川県
輪島、珠洲、穴水、能
登の4市町では一時、24地区の計3345人が孤立状態
に。通信
インフラ障害や停電、断水も広範囲で長期化した。

   こうした被害状況を受け、他の半島地域も危機感を共有。2024年11月に
東京都内で行われた半島振興に関する会合で、
和歌山県の岸本周平知事は
「道路が寸断されれば、付け根の
部分から先に応援に行けないというのは
紀伊半島も全く同じ」
と口にした。そこで焦点が当たっているのが、10年
に1度の
改定期限を控える半島振興法だ。議員立法で1985年に成立し、
れまでに3度延長。税制上の優遇措置による産業振興に重
きを置く法律だ
ったが、自民党は防災強化あっての産業振興
だと発想を転換し、抜本的な
改正を検討してきた。ハード・
ソフト両面の対策を強化するのが柱で、「
半島地域のすべて
の道路は防災に資する」といった考えに基づくインフラ
整備
や、地域に分散した小規模な発電設備、給水システムの導入などを後
押しする。定住増につながる生活環境の整備も重視
し、児童や障害者への
配慮を盛り込む。



✳️  能登半島周辺でこの1年M6クラス地震が数カ月ごとに発生   
半島西方沖や金沢市直下などの活断層では新たなひずみが生じて地震のリ
スクが通常より高まっているとの指摘もあり、専門家は「数年よりもっと
長い期間で注意が必要だ」と訴えている。
2024年11月26日には半島西方

沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。M6.6は、この4年間では能登

半島地震に次ぐ規模で、その後も震度1以上の余震が相次いでいる

能登半島地震を引き起こした半島北東側の断層より西に震源があり、別の
活断層が動いた「誘発地震」とみられる。近くには「羽咋沖西断層」(長
さ約21キロ)があるが、現時点で同断層が動いたかどうかは分かっていな
い。  金沢大の平松良浩教授(地震学)は「1月の大地震で動いた断層の
ひずみは解放されたものの、北陸地方にある周辺の断層には新たなひず
みが生じている」と指摘。新潟県・佐渡島周辺の「富山トラフ西縁断層」
(長さ約61キロ)の一部や、金沢市直下を走る「森本・富樫断層帯」(長
さ約26キロ)などでも地震のリスクがこれまでより高まっているとした上
で、「震度6強、場所によっては震度7クラスの大きな地震が起きる可能性
もある」と懸念する。

 

✳️ 箱根駅伝の"超高速化"の謎
  厚底シューズ革命とシード権争い激化
第101回箱根駅伝の復路が3日、箱根町・芦屋湖~大手町の5区間、109.6
kmコースで行われ、往路優勝の青学大が逃げ切り、2年連続8度目の総合優
勝を飾った。優勝タイムは、昨年同大学が樹立した記録を6秒更新する10
時間41分19秒の大会新記録。なぜ箱根駅伝の超高速化が続くのか?

「シード権のラインが高くなっています。誰かが区間賞の走りをしないと
順位を上げることができません。安堵感はあるんですけど、シードを確保
する大変さを感じましたね。どのチームも成長しているので(自分たちも
)進化しなければい
けないと感じるシード権争いになりました」  実際、
どれぐらいハイレベルだったのか。今回は11位の順大が10時間55分05秒。
このタイムは過去3大会でいえば5位相当だが、それでもシード権に届かな
かったことになる。  この高速化の波はどこから来ているのか。年々レベ
ルアップを重ねているが、近年では〝シューズ革命〟が大きい。2017年
にナイキが投入
したカーボンプレート搭載の厚底シューズ。  当時、魔法
のシューズを履くだけで、「5㎞で10秒ほど違う」という声が強かった。実
際、薄底シューズ時代の大会記録は10時間49分27秒(2015年)だったが、
2020年大会で10時間45分23秒、2022年大会で10時間43分42秒、前回で
10時間41分25秒まで短縮している。  箱根駅伝のブランド別シューズシ
ェア率は2018年大会からナイキがトップを独走。2021年大会では95.7%
(210人中201人)に到達した。近年は他社もカーボンプレート搭載シュー
ズを続々と開発。現在はナイキだけでなく、アディダス、アシックス、プ
ーマ、オンなど様々なブランド
のモデルを選手たちは履いている。



 

 


【完全循環水電解水素製造技術概論⑲】
【最新特許事例研究】
1. 特表2024-51594 アニオン交換膜を利用する水電解装置
  グリーンライザー  ユーエス,インコーポレイティド
【要約】 水電解装置には、少なくとも2つの電気化学セルを含む電解装置
スタックが含まれる。各セルは、アニオン交 換膜、卑金属アノード電解触
媒、卑金属カソード電解触 媒および、分流がスタックに供給される総電流
の1%未 満になるような隣接セル間の充分に長いイオン伝導経路 、を含
む。

【符号の説明】
【特許請求の範囲】
【請求項1】電解装置スタックを含む、水素ガスを製造するための水電解
装置において、前記電解装 置スタックが少なくとも2つの電気化学セルを
含み、前記電気化学セルの各々が:(a)アノードガス拡散層(GDL)
および一定量のアノード電解触媒を含むアノードと ;(b)カソードGD
Lおよび一定量のカソード電解触媒を含むカソードと;(c)前記アノー
ドおよび前記カソードのうちの少なくとも1つに対して導かれる水を含 む
溶液の供給源と;(d)前記アノードと前記カソードの間に間置されたア
ニオン交換膜と、を含み、
 前記アニオン交換膜の各々が平均厚み(t)を有し、前記電解装置スタ
ック内の前記電気化学セルのいずれか2つの前記アノードGDL間の 最短
イオン伝導経路(LGDLA)が;
 LGDLA>10*t*σsol/σmem
であり、式中、σsolは60℃における前記溶液の伝導率(S/cm)
であり、σme mは60℃における1MのKOH中で測定した前記アニオ
ン交換膜の各々の伝導率であり 、 LGDLA>1.5cmである、水電
解装置。
【請求項2】 LGDLA>50*t*σsol/σmemである、請求項
1に記載の水電解装置。
【請求項3】 LGDLA>3cmである、請求項1に記載の水電解装置。
【請求項4】 前記電解装置スタック内の前記電気化学セルのうちのいず
れか2つの前記カソードGD Lの間の最短イオン伝導経路(LGDLC)
が: LGDLC>10*t*σsol/σmem
である、請求項1に記載の水電解装置。
【請求項5】 前記溶液が25℃で8超のpHを有する、請求項1に記載
の水電解装置
【請求項6】 前記溶液が25℃で12超のpHを有する、請求項5に記
載の水電解装置。
【請求項7】 前記溶液が25℃で0.05S/cm超の伝導率を有する、
請求項1に記載の水電解装置。
【請求項8】 前記電気化学セルの各々の中の前記カソード電解触媒が、
非担持粒子または導電性担体 
上に担持された粒子の形をしており、前記粒子が0.6nm~100nm
の平均サイズを 有する、請求項1に記載の水電解装置。
【請求項9】 前記電気化学セルの各々の中の前記アノード電解触媒が卑
金属触媒を含む、請求項1に 記載の水電解装置。
【請求項10】 前記電気化学セルの各々の中の前記カソード電解触媒が
卑金属触媒を含む、請求項1に 記載の水電解装置。
【請求項11】前記電気化学セルの各々の中の前記アノード電解触媒が本
質的に1つ以上の卑金属触媒 からなる、請求項9に記載の水電解装置。
【請求項12】前記電気化学セルの各々の中の前記カソード電解触媒が本
質的に1つ以上の卑金属触媒からなる、請求項10に記載の水電解装置。
【請求項13】前記電気化学セルのうちの少なくとも1つの中の前記アニ
オン交換膜が正荷電アミンを含む、請求項1に記載の水電解装置。
【請求項14】前記電気化学セルのうちの少なくとも1つの中の前記アニ
オン交換膜が正荷電環状アミ ンを含む、請求項13に記載の水電解装置。
【請求項15】 前記正荷電アミンがイミダゾリウム、ピペリジニウムま
たはピリジニウムである、請求 項14に記載の水電解装置。
【請求項16】 前記アニオン交換膜が、(i)スチレンとクロロメチル
スチレンのコポリマ;
(ii)ベンゼン環を含有するポリマ;
(iii)フェニレン基を含有するポリマ;
(iv)本質的に炭素と水素で構成されたポリマ鎖;および
(v)本質的に炭素、水素およびフッ素で構成されたポリマ鎖、
のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項13に記載の水電解装置。
【請求項17】 前記アニオン交換膜がスチレンおよび/またはフェニレ
ンを含む、請求項15に記載の 水電解装置。
【請求項18】 前記アニオン交換膜が本質的に炭素、水素、窒素、酸素
およびフッ素からなる、請求項 1に記載の水電解装置。
【請求項19】 前記電気化学セルの各々の中の前記カソードがイオノマ
ーを含む、請求項1に記載の水 電解装置。
【請求項20】 水電解装置。
【請求項21】 水電解装置を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】【0001】 関連出願の相互参照
 本出願は、「アニオン交換膜を利用する水電解装置」という名称の20
21年4月5日 出願の米国特許出願第17/222,553号に関連し、
それに対する優先権の利益を主張するものである。’553出願は、その全
体が参照により本明細書に組込まれている。
 本発明の分野は電気化学である。本明細書中で説明されているデバイス
、システムおよ び組成物には、水の電気分解が関与する。
【背景技術】
【0002】水の電気分解は現在、例えば水素スタンドおよび化学プラン
トにおける水素供給源とし て、および「パワーツーガス」と呼ばれる技術
を用いる余剰の再生可能エネルギの貯蔵方法として使用されている。
【0003】温電解装置には、プロトン交換膜(PEM)電解装置とアル
カリ水電解装置という2つの主要なタイプが存在する。PEM電解装置は、
2V未満のセル電圧で1A/cm2前 後の電流密度で動作でき、迅速なオ
ンオフ切換えが可能である。残念なことに、PEM電 解装置は典型的に、
白金またはイリジウムなどの貴金属触媒の使用を必要とする。これは 、経
済的に大きな制約となる。
【0004】対照的に、アルカリ水電解装置の現世代は、貴金属の使用を
必要とせず、代って卑金属触媒を使用することができる。残念ながら、ア
ルカリ水電解装置の現世代は典型的に、PE M電解装置よりも低い電流密
度で動作する。これにより、資本設備コストが上昇する。
【0005】例えば、特許文献1は、アルカリ水電解装置が、1.8~2
Vのセル電位で200~300mA/cm2(0.2~0.3A/cm2)
で動作すると指摘している。特許文献1 は同様に、セル温度を110℃ま
で上昇させることにより1A/cm2の電流を得ること ができると標示し
ているが、特許文献2中で指摘されているように、80~90℃を超え る
と過度の腐食がこれらの高pHシステム(典型的には1MのKOH電解質)
において観
察されることから、実用的アルカリ水電解装置の温度上限は、
80~90℃である。最近 .9Vで40A/dm2(0.4A/cm2)
を得 ることのできる改良型電解装置設計を開示している。これは大幅な改
善であるが、それで もなおPEM電解装置の性能を下回っている
【0006】 従来のアルカリ水電解装置の代用品としてのアニオン交換
膜(AEM)水電解装置をめ ぐる文献中の議論も同様に始まっている。
VincentおよびBessarabovに よる最近の書評(非特許文
献1)では、「AEM水電解」について公表されている研究論 文はわずか
である(20件未満)」と記されている。
【0007】2018年以降多くの追加論文が公開されてきたが、ほとん
どが単一のセル性能しか検 討していない。多数のセルを組合せた電解装置
スタックが求められており、スタックの設 計は広範に検討されていない。
【0008】しかしながら、小規模電解装置スタックを格納する小型の業
務用のAEM電解装置がEnapter社から入手可能である。Enap
ter社のセル設計は、特許文献4に記載 されている。Enapter社
のAEM電解装置が設計された時点では、利用可能なAE Mは、1%超の
KOH濃度において安定していなかった。その結果、Enapter社は 
1重量%のKOH(0.17M)溶液をセル内に補給することによって動
作するように 、自社の電解装置を設計した。
【0009】 しかしながら、より最近では、Maselの特許文献5お
よび特許文献6が、室温で9 MのKOHにおいて安定しているAEMを実
証した。これにより、Maselおよびその 共同研究者達は、特許文献7
に記載されているようなより高いKOH濃度で動作するAE M電解装置を
開発することができた。これらのAEM電解装置の利点は、以下の通りで
あ る:
(a)セル電流ははるかに高く、したがって、セルははるかに多くの水素
を生成すること ができる、
(b)卑金属はより高いpHで安定していることから、貴金属触媒の使用
を回避できる。
【0010】より高いKOH濃度の使用は、主要な課題を提示する。すな
わち、特許文献8および特許文献9に記載されているように、KOH濃度
が増大するにつれて、分流が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】【0011】
【特許文献1】米国特許第4,445,994号明細書【特許文献2】米
国特許出願第15/029,952号明細書(米国特許出願公開第20 1
6/0237578号明細書)
【特許文献3】米国特許出願第15/103,924号明細書(米国特許
出願公開第20 16/0312371号明細書)
【特許文献4】米国特許第9,340,882号明細書
【特許文献5】米国特許第9,370,773号明細書
【特許文献6】米国特許第9,580,824号明細書
【特許文献7】米国特許第10,647,652号明細書
【特許文献8】米国特許第4,371,433号明細書
【特許文献9】蘭国登録特許第1013630号明細書
【非特許文献】【0012】
【非特許文献1】Vincent  and  Bessarabov著(Re
newabl e  and  Sustainable  Energy  Revi
ews、第81巻p1690~1704(2018年))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】当該AEM電解装置設計は、分流を最小限に抑えるかまたは
少なくとも軽減し、1A/ cm2以上の電流で動作する。
【課題を解決するための手段】【0014】
 水素ガスを製造するための水電解装置は、少なくとも2つの電気化学セ
ルを含む電解装 置スタックを含むことができる。前記セルのうちの各々の
セルは、(a)アノードガス拡散層(GDL)および一定量のアノード電
解触媒を含むアノードと ;
(b)カソードGDLおよび一定量のカソード電解触媒を含むカソードと;
(c)前記アノードおよび前記カソードのうちの少なくとも1つに対して
導かれる水を含 む溶液の供給源と;
(d)前記アノードと前記カソードの間に間置されたアニオン交換膜と、
を含むことができ、ここで、
(i)前記溶液は、60℃で少なくとも0.05S/cmの伝導率(σsol)
を有し、
(ii)前記アニオン交換膜の各々は、平均厚み(t)および1MのKO
H中60℃での 伝導率(σmem)を有し、
(iii)ここで、セルのうちのいずれか2つのアノードGDLとスタッ
ク内の任意の異 なるセルのアノードGDLの間の最短イオン伝導経路(L
GDLA)は: LGDLA>10*t*σsol/σmemである。
【0015】いくつかの好ましい実施形態において、LGDLAは、
 LGDLA>50*t*σsol/σmemである。
【0016】 いくつかのより好ましい実施形態において、LGDLAは、
少なくとも1.5cm、好 ましくは少なくとも2cm、3cm、4cm、
5cm、6cm、7cm、8cm、9cm または10cmである。
【0017】 いくつかの実施形態において、スタック内のセルのうちの
いずれか2つのセルのカソー ドGDLの間の最短イオン伝導経路(LGD
LC)は:LGDLC>10*t*σsol/σmemである。
【0018】いくつかの好ましい実施形態において、溶液は25℃で8超
のpHを有する。いくつか のより好ましい実施形態において、溶液は25
℃で10超のpHを有する。いくつかのよ り一層好ましい実施形態におい
て、溶液は、25℃で12以上のpHを有する。
【0019】いくつかの好ましい実施形態において、σsol>0.05S
/cmである。いくつか のより好ましい実施形態において、σsol>
0.1S/cmである。
【0020】いくつかの好ましい実施形態において、電解装置は、スタッ
ク内の1つのセルのアノー ドをスタック内の異なるセルのアノードに対し
流体連結する導管を含み、水を含む溶液の 供給源はこの導管へと導かれて
いる。
【0021】 いくつかの好ましい実施形態において、電解装置は、スタ
ック内の1つのセルのアノー ドとスタック内の異なるセルのカソードの間
に電気接続を含んでいる。
【0022】 いくつかの好ましい実施形態において、電解装置は、スタ
ック内の1つのセルのカソー ドとスタック内の異なるセルのアノードの間
に、電位供給源を含んでいる。
【0023】 いくつかの好ましい実施形態において、電解装置は、スタ
ック内の1つのセルのカソー ドをスタック内の異なるセルのカソードに流
体連結する導管を含む。
【0024】いくつかの好ましい実施形態において、前記セルの各々の中
のカソード電解触媒が、非担持粒子または導電性担体上に担持された粒子
の形をしており、粒子は0.6nm~100nmの平均サイズを有する。
【0025】いくつかの好ましい実施形態において、前記セルの各々の中
の前記アノード電解触媒は 卑金属触媒を含む。より好ましくは、アノー
ド電解触媒は本質的に1つ以上の卑金属触媒 からなる。
【0026】いくつかの好ましい実施形態において、前記セルの各々の中
のカソード電解触媒は卑金属触媒を含む。いくつかのより好ましい実施形
態において、カソード電解触媒は本質的に 1つ以上の卑金属触媒からなる。
【0027】いくつかの好ましい実施形態において、前記セルのうちの少
なくとも1つの中の膜は、 正荷電アミンを含む。いくつかの好ましい実施
形態において、前記セルのうちの少なくと も1つの中の膜は、正荷電環状
アミンを含む。
【0028】いくつかの好ましい実施形態において、正荷電アミンはイミ
ダゾリウム、ピペリジニウムまたはピリジニウムである。
【0029】いくつかの好ましい実施形態において、膜は、(i)スチレ
ンとクロロメチルスチレンのコポリマ;
(ii)ベンゼン環を含有するポリマ;
(iii)フェニレン基を含有するポリマ;
(iv)本質的に炭素と水素で構成されたポリマ鎖;および
(v)本質的に炭素、水素およびフッ素で構成されたポリマ鎖、のうちの
少なくとも1つを含んでいる。
【0030】いくつかの好ましい実施形態において、膜はスチレンおよび
/またはフェニレンを含む 。
【0031】 いくつかの好ましい実施形態において、膜は本質的に炭素、
水素、窒素、酸素およびフ ッ素からなる。
【0032】いくつかの好ましい実施形態において、少なくとも1つのカ
ソードは、イオノマーを含 む。いくつかの好ましい実施形態において、前
記セルの各々の中のカソードは、イオノマ ーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】【図1A】図1Aは、3つの電解装置セル101、102お
よび103を含む電解装置ス タックの斜視図である。
【0034】【図1B】図1Bは、3つの電解装置セル101、102お
よび103を含む電解装置ス タックの別の斜視図である。
【0035】【図2】図2は、電極に対面する板の主要な表面内に形成さ
れた反応物質流路を有する2 つの流動場板の間に間置された膜電極アセ
ンブリを含む電解装置セルアセンブリの分解組立図である。
【0036】【図3】図3は、経路200として標示されているアノード
101aとアノード102b の間の最小イオン伝導経路を伴う、図1A
の電解装置スタックの断面の、部分的に透視の 斜視図である。
【0037】【図4】図4は、具体例1における説明にしたがって構築
された水電解装置の斜視図であ る。
【0038】【図5】図5は、内部流体連結を伴う5セル電解装置スタッ
クの分解斜視図である。スタ ックの頂部セルは、内部構成要素を顕示する
ために、さらに拡大されている。
【発明を実施するための形態】
【0039】本明細書中に記載の特定の方法、プロトコルおよび試薬は、
ここで関与している技術の 当業者であれば認識する通り変動し得ることか
ら、該プロセスはこれらの方法、プロトコ ルおよび試薬に限定されるもの
ではないということが理解される。同様に、本明細書中で 使用されている
専門用語は特定の実施形態を説明する目的でのみ使用されており、当該プ 
ロセスの範囲を限定するように意図されていない、ということも理解すべ
きである。同様 に、本明細書中および添付クレーム中に使用されている単
数形態「a」、「an」および 「the」には、文脈上明らかに別段の指
示がなされているのでないかぎり、複数の言及も含まれるということも指
摘しておくべきである。したがって、例えば、「リンカ(a linker)
」に対する言及は、当業者にとって公知の1つ以上のリンカおよびその等 
価物に対する言及である。同様にして、「および/または」なる言い回し
は、記載されて いる一方または両方の事例が発生し得ることを標示するた
めに使用され、Aおよび/また はBには(AおよびB)および(Aまたは
B)が含まれる。
【0040】別段の定義が無いかぎり、本明細書中で使用されている技術
的および科学的用語は、該 プロセスが関係する技術の当業者が一般に理解
するものと同じ意味を有する。該プロセス およびそのさまざまな特徴およ
び有利な詳細の実施形態は、非限定的な実施形態に関連してより完全に説
明され、かつ/または添付図面中で例示され、以下の明細書の中で詳述さ 
れる。図面中に例示されている特徴は、必ずしも原寸に比例して描かれて
おらず、たとえ 本明細書中に明示的に記載されていなくても、1つの実施
形態の特徴は、当業者であれば認識すると考えられるように、他の実施形
態でも利用可能である。
【0041】 本明細書中で列挙されているいずれかの数値範囲は、いず
れかの低位値といずれかの高位値の間に少なくとも2単位の分離が存在す
ることを条件として、1単位の増分で下位値 から上位値までの全ての値を
含む。一例として、構成成分の濃度または例えばサイズ、角度サイズ、圧
力、時間などのプロセス変数の値が例えば1~98、具体的には20~8
0 、より具体的には30~70であると記されている場合、本明細書には、
15~85、22~68、43~51、30~32などの値が明示的に列
挙されるように意図されている 。1より小さい値については、1単位は適
宜0.0001、0.001、0.01、また は0.1であるものとみな
される。これらは単に、具体的に意図されているものの一例に すぎず、最
小値と最大値の間の数値の考えられる全ての組合せが、同じように扱かわ
れる ものとする。
【0042】さらに、以下に提供するのは「定義」の項であり、ここでは
該プロセスに関連するいくつかの用語が具体的に定義される。特定の方法、
デバイスおよび材料が説明されているが 、本明細書に記載されているもの
に類似したまたはそれと等価のあらゆる方法および材料 をプロセスの実践
または試験において使用することが可能である。
【0043】 定義本明細書中で使用される「ポリマ電解質膜」とは、概
して多数の共有結合した負荷電基を有するポリマを含むカチオン交換膜と、
概して多数の共有結合した正荷電基を有するポ リマを含むアニオン交換膜
の両方を意味する。典型的なカチオン交換膜には、プロトン伝 導性膜、例
えばE.I.du  Pont  de  Nemour  and  Company 
、Wilmington、DE.からNAFIONの商品名で入手可能な
ペルフルオロス ルホン酸ポリマなどのプロトン伝導性膜が含まれる。
【0044】本明細書中で使用される「アニオン交換膜電解装置」なる用
語は、カソードからアノー ドを分離するアニオン伝導性ポリマ電解質膜を
伴う電解装置を意味する。
【0045】 本明細書中で使用される「水素発生反応」、略して「HE
R」なる用語は、電気化学反 応2H++2e-→H2を意味する。
【0046】 本明細書中で使用される「MEA」なる用語は、膜電極ア
センブリを意味する。
【0047】 本明細書中で使用される「UEA」なる用語は、ユニット
化電極アセンブリを意味する 。
【0048】 本明細書中で使用される「ミリポア水」なる用語は、少な
くとも18.2メガオーム- cmの抵抗率を有するミリポアろ過システム
により製造される水を意味する。
【0049】 本明細書中で使用される「イミダゾリウム」なる用語は、
イミダゾール基を含有する正 荷電リガンドを意味する。これには、素の
イミダゾールまたは置換イミダゾールが含まれ る。

という形態のリガンドが具体的に含まれ、ここで、R1~R5は各々独立
して、水素、 ハロゲン化物、直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、
ヘテロアルキル、アリール 、ヘテロアリール、アルキルアリール、ヘテロ
アルキルアリールおよびそれらのポリマ、 例えば本明細書中に記載のビニ
ルベンジルコポリマの中から選択される。
【0050】 本明細書中で使用される「ピリジニウム」なる用語は、ピ
リジン基を含有する正荷電リ ガンドを意味する。これには、素のピリジン
または置換ピリジンが含まれる。
                          この項つづく

  今夜のクラシック 
J.S.バッハ:『いと高きところにホザンナ』


 今日の言葉:




        春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                       (因果報応の季節風)より




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エネルギーと環境 95

2025年01月03日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

巳年 イラスト に対する画像結果

【季語と短歌:1月3日】

         初茜書き初め舞いて大笑い 

                  高山 宇 (赤鬼)

 書き初めに南無阿弥陀仏壁に貼り吾を諭して覚悟迫りぬ     大作
 夢の世にかつまどろみて夢をまた語るも夢もそれがまにまに   良寛
 余震とも本震かとともつかぬ日々超えても続く能登の荒廃    大作
 永らへむことや思ひしかくばかり変わり果てぬる世とは知らずて 良寛
 元旦の星に縋れど天変地変治まらぬ能登救済をば血肉にせん   大作

 
   

🪄近年は、正月の礼拝は安土は沙沙貴神社に参拝が習わし。お目当ては境
  内の静寂と蝋梅の薫りの包まれた光景。暖冬紅き蝋梅も小ぶりであった。


 

✳️ ドイツの電力取引価格が一時マイナス

ドイツの電力価格が2日の取引で一時マイナスとなった。再生可能エネル
ギーの拡大を背景に、欧州では同様の事態が起きる回数が増えている。翌
日分の電力を売買するドイツの電力先物取引では2日、マイナスの価格が
4時間にわたって続いた。風力発電の供給が40ギガワットにも達し、需要
を大きく上回ったためだ。急拡大する風力や太陽光の導入が発電量を押し
上げる中で、昨年は欧州の電力取引市場でマイナス価格の発生時間が過去
最長に上った。欧州電力取引所(EPEXスポット)のデータによると、
ドイツで昨年、電力取引価格がマイナスとなったのは計468時間と、前年
から60%増加した。フランスでは2倍余り増えて356時間に及んだ。


🎈Titol::German Power Slips Below Zero as Negative-Price Phenomenon
Grows
(抜粋)
More stories like this are available on bloomberg.com ©2025 Bloomberg L.P.


Projections of turbine sizes by producer Enercon. Source: jahobr/wiki
🪄そうですか。マイナス対策にエナジーストク制御事業構築で解決(原価
償却碑+環境維持費を含め計算)!


✳️ ホンダ「N-VAN e:」に拍手 なぜか?!
ひとつは、いわずもがなではあるが、モーター駆動となり、重い駆動用リ
チウムイオンバッテリーを車載することで、商用車と思えない走りのよさ
と快適性が得られる。一般に商用車は快適性のための防音材などが省かれ
周囲の物音が聞こえ、車内はかなりうるさい。走ればエンジンからの排気
音はもとより、タイヤの騒音もそのまま室内へ入り込むので、イライラさ。
これがEVになると、モーターは駆動の際に騒音を出さないので、車内はか
なり静かになる。排気音がないだけでずいぶん違う。荷物を積んだときに
は、アクセルペダルをより深く踏み込まないと十分な発進・加速を得にく
い。変速スイッチは、DからBへ切り替えると、アクセルペダルを戻した際
の回生がより強く働く。これにより速度調整がしやすくなるとともに、停
止するときにもブレーキペダルを少し踏むだけで十分な制動力が得られる。
アクセルやブレーキのペダル操作が減り、軽い操作で済む。

◾電動化による走りの変化
駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したことで車重は増すが、それが
安定感につながり、乗り心地も快適だ。それでいて、軽商用バンとして不
可欠な300kgの積載重量が確保された。EVになると商用車が乗用車のよう
な快適さを得られ、、N-VAN e:には、乗用として個人が使える「e: FUN」
と名付けたグレードが設定されている。このe: FUNのほか、「e: L4」とい
う2グレードは個人でも購入可。車室内もエンジン車のN-VANと比べて若
干だが横幅を広くする改良が加えられ、シフトレバーではなくシフトスイ
ッチとすることで、車内での移動もしやすい。

車両価格は、243万9800万円からで(一般ユーザーが購入できるモデルは
269万9400円~)、これに営業用の黒ナンバーであれば約100万円のLEVO
補助金が適用され、最終的にはエンジン車でもっとも廉価なN-VAN(Gグ
レード/FF車:136万5100円)との差額が8万円を切るほど近づく。この営
業用の車種はリース販売が前提で、月額3万1840円からの支払いになる(
e: Gグレード/月間走行距離3000㎞の場合)。
現在は高価格帯に偏りのあ
るEVの選択肢が広がり、いよいよEV時代の到来を迎えることが夢でなくな
る。
単に1台のクルマの性能や商品性だけでなく、未来のクルマ社会を切り
拓く広い視野で見たとき、N-VAN e:に勝る新車は目に入らない。

🪄『最早電気自動車時代』(2017.12.05)に電気自動車の優位性を取り
 挙げている。トランプが軽自動車の税制に新自由主義者の弁を借り「い
 ちゃ文」をつけてたが、日本では地方活性のキーツールであり、主婦労
 働者の活躍の源泉(時短労働の)である。そして「カーボン・ゼロ」の
 優等生なの
だ(飛翔するオールソーラーシステム ②】2022.09.22)。

✳️ ミツミ電機、スーパーキャパシター充放電制御IC発売
ミツミ電機は、電源バックアップ用のスーパーキャパシター充放電制御IC
「MM4039」を発売した。停電など予期せぬ電源喪失時でも、外部メモリ
の適切なクローズ処理を行うことで、データの破壊を防ぐ事ができる。

ミツミ電機は2024年12月、電源バックアップ用のスーパーキャパシター充
放電制御IC「MM4039」を発売した。停電など予期せぬ電源喪失時でも、
外部メモリの適切なクローズ処理を行うことで、データの破壊を防ぐ事が
できる。監視カメラや産業用IoT機器などの用途に向ける。
MM4039を用いると、メイン電源からマイコンなどに電力を供給しながら、
スーパーキャパシターを充電することができる。万が一、メイン電源を喪
失した時には、「電源喪失フラグ」を出力する。これをトリガーにしてバ
ックアップ動作に切り替え、昇圧した電力をスーパーキャパシターからシ
ステムに供給する。これにより、外部メモリのクローズ処理などを行うた
めの時間を確保することができる。
MM4039の外観 
MM4039の外観 出所:ミツミ電機
MM4039は、入力最大定格が13Vで、5V/3.3V系のシステムに対応する。
1直と2直のスーパーキャパシターに対応し、2直用はセルバランス機能を
内蔵している。充電電流や充電電流などは外付け抵抗で設定することがで
きる。また、フラグ出力としてメイン電源喪失の他、「パワーGOOD」や
「充電エラー」などを用意した。
スーパーキャパシターの充電電流設定範
囲は0.5~2.5A、充電電圧設定範囲は2.0~4.5V、電源バックアップの出力
電圧設定範囲は2.7~5.0V、出力電流は最大2.5A、動作温度範囲は-40~
105℃となっている。パッケージは外形寸法が4.0×4.0×0.75mmのSQFN-
24で供給する。サンプル品の価格(税別)は1000円。


✳️ 世界初! カイコの遺伝子組換え技術を確立
カイコの繭は、ほぼ 100%タンパク質でできている。そこで、目的とする
タンパク質をつくる遺伝子を染色体に組み込んだ組換えカイコであれば、
診断薬や医薬品などの原料となるタンパク質をカイコで生産できるのでは
ないかと考えた。十数年にわたる研究の結果、平成 12 年、農研機構は、
カイコの遺伝子組換え技術の確立に成功したことを世界に先駆けて発表。
カイコのつくる繭糸は、図の通り、絹糸腺という器官でつくられ、絹糸に
なる繊維状の2本のフィブロイン層と、それをつなぐ糊の層であるセリシン
層という2種類の純度の高いタンパク質で構成される。水に溶けやすいセ
リシン層の中に組換えタンパク質を生産すれば、不純物の少ない状態で、
目的のタンパク質の抽出・精製が可能。一方、フィブロイン層のタンパク
質にも様々なタンパク質を結合させるなどして、新しいシルク素材の開発
を進めている。

カイコの体のしくみと繭糸の構造


衣料素材として普及してきたシルクは、繊維だけでなく、粉末や液体、ゲ
ル、フィルムなど形状をさまざまに変えることができる。そのため、幅
い分野で利用できる可能性を持つ素材です。


プリント基板へのシルク焼結体の利用を検討(写真はイメージ)

電子素材
フィブロイン粉末を、高温・高圧で処理する(焼結)ことにより、電気を通
しにくい性質を持つ素材をつくることに成功。この素材をコンピューター
や電化製品に欠かせない、プリント基板などの電子部品として利
用するこ
とが検討されている。また家電やIT 機器の急速な進歩により、
それら機器
の交換期間が短くなっている。そのため自然由来で、環境に
優しい再生可
能な素材として、絹タンパク質の電子部品に注目が集まって
いる。

✳️ 新型レーザー共焦点顕微鏡で氷の成長を観察
北海道大学は,オリンパスと共同開発した光学顕微鏡技術を駆使し,氷の
融点に近い温度で現れる擬似液体層の内部で氷が一分子層ずつ層状に成長
する様子を観察することに成功した。2019.01.22

擬似液体層内部で+の位置から生成した氷が層状に成長する瞬間(右図は
水色矢印から見た模式図)


   今夜の演歌  『氷川きよし:白雲の城』
          作詞:杜甫松井由利夫作曲:水森英夫

『白雲の城』(はくうんのしろ)は、日本の歌手氷川きよしの6枚目の
シングル。。2003年2月19日発売



 
   

  

● 今日の言葉:克己常態  ラストスパート
尖閣列島のコミットのように、ロシアの日・韓のロックオンへのコミット
のように、前者は、中国船諸突事件、
後者はサイバーへのNTTサイバー攻
撃あり、ブログが投稿できなくなったようになる。勿論、米国へのコミッ
トも大統領や外交官の反応があり、サイバー空間の戦いを強く意識するよ
うになっている。でも、わたし(たち)のコミットが真剣なものである以
上、今後も行動を止めることはできない。



        春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                       (因果報応の季節風)より

 ことしも飛躍の年でありますように 

        

 

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エネルギーと環境 94 

2025年01月01日 | suma-to

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

             
  
                         
【季語と季語と短歌:1月2日】

         歯応え唯一絶品数の子ぞ


                  高山 宇 (赤鬼)


遠き日に購ひし詩集を読み直す老眼われは両手を伸ばし

文庫本の文字は今より小さくて半世紀経し紙は黄ばみて
道造中也もわれより歳上で夭折などをあくがれしころ
享年は道道二十四中也三十、われは六十五享年未だし
未練引きし詩篇のあれど読み直す未線なき詩のいくつもゆかし

          この詠草欄に応募し始めて十年以上になります。
          最近では五首のテーマ捜しや、それをいかにして
          歌に起こすかという産みの苦しみも却って快感に
          なってきたようです。これを短歌ハイと名づけて
          います。
                   浅井克宏氏 愛知県名古屋市
        「短歌研究詠草」(「短歌研究年鑑2024」)より

立原道造全集 全5巻セット

🪄短歌が書けない日々が9月から続いている。「気鬱」抱え、この五首が
   印象に残り掲載。一首目の「老眼われは両手」に託す。


✳️ 露が日韓の攻撃リスト準備
12月31日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)はロシア軍が日本や韓国
との戦闘を想定し、両国の原子力発電所など計160カ所の攻撃対象リストを
作成していたと伝えた。この機密文書の作成は2008~14年だが、同紙は「
現在にも関係する戦略」との見方を示している。
標的は原発や防衛施設の
ほか、道路やトンネル、橋といった民生インフラも含まれる。日本では、
原発など原子力関連施設が集まる茨城県東海村、自衛隊の防空監視所があ
る北海道・奥尻島、山口県と福岡県を結ぶ関門トンネルなどが攻撃対象と
なっている。奥尻島の建物は、細かい寸法まで記載されているという。

国では、浦項(ポハン)製鉄所や釜山(プサン)の化学工場などが標的に
挙がっている。
文書作成の詳細な経緯は不明。同紙によると、仮にロシア
が北大西洋条約機構(NATO)加盟国との戦争に突入した場合、東のアジ
ア方面の守りが手薄になることを恐れ、あらかじめ日韓の主要施設をリス
ト化した可能性があるという。
NATOで核軍縮・軍備管理を担当してきた
元高官のウィリアム・アルバーク氏は、同紙に「文書は、欧州とアジアが
(ロシアによる)戦闘の舞台として切り離せないことを示している」と述
べた。
同紙はペスコフ露大統領報道官にコメントを求めたが、応じなかっ
たという。


東海再処理施設の高レベル放射性廃液の20%が外部に放出された場合の
シミュレーション。1個で死者20人を示す■は、実際には無数に重なり
合っている(上岡直見氏作成)


⛑️ ウクライナのチェルノブイリ原発をロシアはなぜ制圧したのか? 東京新聞 2022年2月25日

 🪄「悪魔の道」或は「糞垂れの道」、つまり「破滅の道」しか残されて
      いない。

図1 新世代のハイブリッドシステム
図1 新世代のハイブリッドシステム:「スイフト」の
エンジン「Z12E」と無段変速機(CVT)を組み合わす。

✳️ スズキの48V新ハイブリッド
スズキが小型車用の新世代のハイブリッドシステム「スーパーエネチャー
ジ」を発表した(図1)。汎用性を重視しており、多様なエンジンや駆動方
式、変速機に設定できる。スズキ四輪パワートレイン技術本部本部長の高
田英樹氏は「MT(手動変速機)やFR(前部エンジン・後輪駆動)でも組
み合わせられるシステムにした」と明かす。スズキは国や地域の再生可能
エネルギー化の状況、顧客の使用状況に合わせ、適所適材な電動車を届け
る「マルチパスウェイ戦略」を掲げる。電気自動車(EV)と共に、効率に
優れたハイブリッド車(HEV)やエンジンの開発を進めている。同社代表
取締役社長の鈴木俊宏氏は「(非化石エネルギーが普及し切るまでは)
HEVの生きる道はある」と語っている。


図 1. 落下衝撃の高速ビデオを収集するために使用した実験装置の概略図

✳️  説明可能なAIによる液滴衝突の観察手法開発

液滴が固体面に衝突する現象(液滴衝突現象)は,航空や医用生体工学な
ど様々な分野に応用できる。この液滴衝突現象を理解するには,注意深く
観察することが大切だが,物質の持つ様々な性質の影響を受けるため,肉
眼での観察は難しい。
近年,画像分類AIが著しく発展し,今まで人間の肉眼で行ってきたタスク
を高速・高精度で行なうことが可能になった。しかし,AIが何を根拠に画
像を判断・分類しているのかについては,現状解明されていない。
研究で
は,固体面に衝突した液滴が飛散する動画と,飛散しない動画を分類でき
るXAIを新たに構築し,低粘度と高粘度の液滴衝突動画を学習させた。XA
Iは低粘度液体の飛散では92%,高粘度の液体の飛散では100%の精度で画
像を分類。

図2 液滴衝突動画で学習させたXAI の分類過程の可視化結果。(Yee et al., Morphological evolution
of splashing drop revealed by interpretation of explainable artificial intelligence, Flow, 2024)

このXAIの分類根拠を可視化し,分析を行なった。その結果,XAIは液滴の
輪郭,飛び散った小滴,また液滴の底部から皿状に広がった液膜に基づい
て画像を分類していることが分かった。また,XAIは動画のフレームごと
を数値化して,液滴が飛び散るかどうかを判断して分類していることが判
明。
結果として,XAIは低粘度の液滴に対し衝突の早い段階で分類でき,
高粘度の液滴に対しては衝突の遅い段階で分類できることが分かった。こ
のように液滴の時間変化に対してもXAIからこれまでにない知見を得られた
点に,この研究の革新性があるとする。

開発したXAIを用いた研究観察手法は,肉眼に代わる,より高速・高精度
な観察方法として期待される。研究グループでは今後,液滴衝突現象の解
明や様々な分野への応用が期待される。

図 3. 収集されたすべてのエタノール滴データの平均である正規化された滴頂点と正規化された衝突時間
【掲載論文】
本研究成果は、Flow (IF=2.8)(12月20日付)に掲載
論文タイトル: Morphological evolution of splashing drop revealed by
interpretation of explainable artificial intelligence
URL:https://doi.org/10.1017/flo.2024.28

 ✳️ ペロブスカイト物質の光学特性を解明
上智大学,静岡大学,東京大学は,金属ハライドペロブスカイト(MHP)
材料のCsPbBr3単結晶を用いて,励起子と光の相互作用の大きさ(LT分裂
エネルギー),励起子が2個結合した励起子分子,励起子と光の結合状態
の特性について詳細な実験を行ない,これらの特性を明らかにした。
MHPは,太陽電池や発光デバイス,放射線検出器,非線形光学など幅広い
分野で注目を集める材料。その理由は,優れた光学的特性にあるが,それ
らを支える基礎物性,特に励起子の特性については十分に理解されていな
かった。励起子は光と物質の相互作用における重要な役割を果たす準粒子
であり,その束縛エネルギーや励起子と光の相互作用の大きさを示すLT分
裂エネルギーは,光学デバイス設計における重要な基礎情報となる。これ
までの研究では,2次元のMHPの励起子に関する研究は多くあるものの,
3次元のMHPでは,励起子のパラメータの測定にばらつきがあり,正確な
特性評価が課題とされてきた。


図1 高励起条件下での(左)発光スペクトル、(右)時間分解発光イメージ。 励起子、2種類の
励起子分子、励起子-励起子散乱の発光を観測。


研究グループは,3次元MHPの一つであるCsPbBr3の高品質な単結晶を用
い,極低温下で光学測定し,詳細な解析を行なった。反射スペクトルの分
析により,LT分裂エネルギーが約7meVであることを明らかにした。
また
高励起条件下での発光および時間分解発光測定により,励起子分子による
2種類の発光(縦波励起子および横波励起子への遷移)と励起子-励起子散
乱による発光を観測した。これらの発光エネルギーの位置から,励起子分
子の束縛エネルギー,励起子の束縛エネルギーを見積もることに成功した。

さらに,白色パルス光を用いた時間分解透過測定により励起子ポラリトン
の群速度分散を測定した。その結果,この分散がローレンツモデルを用い
た計算と一致することが確認され,CsPbBr3における励起子のダイナミク
スがこの単純なモデルで記述可能であることが明らかになった。
励起子分
子に関しては,さらに詳細な測定を行なわないと断定はできないが,明瞭
な励起子分子からの発光を観測できたこと,および励起子ポラリトンの試
料裏面からの反射が観測されたことは,非常に高品質な単結晶が得られた
ことによる。
研究グループは,この研究で明らかにされたパラメータは,
高効率な太陽電池や発光デバイスなど,幅広い応用分野における技術基盤
として寄与することが期待されるとしている。
【掲載論文】
・The Journal of Chemical Physics
・Title:Exciton dynamics in CsPbBr3 single crystal: LT splitting energy,
 exciton–polariton dispersion, and biexciton binding energy
・https://doi.org/10.1063/5.0232604
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🎈励起子ポラリトン Exciton-polariton
励起子ポラリトンとは、光のエネルギー状態と励起子のエネルギー状態が
結合した結果生じる準粒子である。光は波動方程式によって波として記述
することができる。また、ド・ブロイ波の概念より、励起子も波として記
述することができる。波は重ね合わせることが可能となるため、この重ね
合わさった状態を、励起子ポラリトンという新たな物質の状態としてとら
えることができる。励起子ポラリトンが形成されると、光のエネルギー準
位と励起子のエネルギー準位が結合し、エネルギーが分子軌道のように2つ
の状態に分裂する(図2)。エネルギーが高いものをアッパーポラリトン(
Upper
Polariton, UP)、低いものをロウワーポラリトン(Lower Polariton,
LP)と呼
び、両者のエネルギー差()をラビ分裂(Rabi splitting)と呼ぶ。
この現象により、本来の物質が持つ準位構造を変化させることができる。


図.光と励起子が混ざった準粒子 ”励起子ポラリトン”

図2. 励起子ポラリトンのエネルギー準位図

⛑️
励起子ポラリトンの発生
2枚のミラーを向かい合わせにしたキャビティ(共振器とも呼ぶ)構造を
用いると、光を閉じ込めることができる。このときミラーの距離を入射光
の波長の整数倍/2の長さにすることで、光が何度も往復して干渉し、定在
波となる (図3)。このキャビティに閉じ込められた光子をキャビティ光子
と呼び、離散的なエネルギー準位が形成される。

図3. 定在波ができる過程

キャビティの中に発光効率の良い半導体などを入れ、光を入射することで
電子が励起され、正孔と結びついて励起子を形成する。この励起子の吸収
ピークと定在波のピーク(キャビティモードと呼ぶ)が一致するようにキ
ャビティの幅を調整することで、励起子がエネルギーを光子として放出し
た瞬間に定在波によって再度励起されるという現象が発生する。また、半
導体から放出された光子はキャビティ内を往復するため、放出された光子
が再度半導体に吸収される。この状況は、光と励起子の間でエネルギーが
共有されているとみなせる。この状態を強結合状態と呼び、生成される混
成状態を励起子ポラリトンという準粒子として扱う。

🎈励起子ポラリトンの性質と応用
励起子ポラリトン状態では、物質と光の状態が混ざったような物性を確認
することができる。具体的には、物質由来のスピンの情報をもちあわせた
偏光を示す一方、光由来の超高速かつ超軽量な性質を持つ。また、分子間
のエネルギーの授受において、エネルギーを受容する分子をポラリトン状
態にし、エネルギーを供与する分子のエネルギーに近い準位を新たに形成
することで、分子間の軌道の相互作用が大きくなり、高効率なエネルギー
輸送ができるとされている。この現象を用いることで、高効率なエネルギ
ー変換を叶える太陽電池の開発などに応用できるのではないかとの期待が
高まっている。

   『
B'z:ultra soul

【B'z】「ultra soul」NHKホールの観客も総立ち【紅白】|NHK

        
B'z:ultra soul
 


        『B'z:LOVE PHANTOM』


● 今日の言葉:

        春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                       (因果報応の季節風)より

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エネルギーと環境 93

2025年01月01日 | ポスト新自由主義


彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-




車両のルーフに搭載された大型ソーラーパネル(ソーラールーフ)により
太陽光発電を行い、その電力を駆動用電池および補機バッテリー系統へ供
給するシステム。

 世界初の量産技術を確立
   バクテリアが直す自己治癒コンクリート世界初の量産技術を確立
🎈 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00107/00137/


✳️ 「新自由主義と民主主義」⓵
               夜千冊 1386夜 交貨論 2010.10.09
                 山口二郎編 ポスト新自由主義 より
          
本書の場合は、金子勝(1353夜)との対話でだいたいが出来ている。
第1には、世界金融危機の本質は資源インフレと資産デフレによるものだ
った。すなわち石油と食糧のインフレと、バブル崩壊による資産デフレ、
この二つが同時に進行したスタグフレーションだった。金子によれば、こ
の対策にもはやマクロ経済政策もミクロ経済政策も効き目はない。

第2に、この現状に対してオバマがやろうとしているのは環境投資政策で、
それがグリーン・ニューディールなのだが、これはいわば「隠れたシュン
ペーター・ヴィジョン」ともいうべきもので、半分はクリントン時代の産
業政策の継承、半分はケインズ政策の復活。つまり、シュンペーター流の
「創造的破壊」にあって、そのためにジョン・ポデスタやロバート・ゲイ
ツなどの英才を起用。金子からすれば、そこには他方で大胆な損失処理が
伴うはずだから、それを失敗すれば元も子もなくなる。

第3に、日本は、金融立国に代わる産業政策を早めに確立すること。すで
に小泉時代に財政の3つの経費、国債費と社会保障費と地方財政対策費の
3つともを組み立てそこなる。さらには雇用が崩壊し、貿易赤字国になっ
たから、まったく新しい産業構造を提案しなければならない。
例えば、今村奈良臣が提唱した「第六次産業化」。加工(第一次産業化)
流通(第二次産業化)、販売・サービス(第三次産業化)のそれぞれに付
加価値をつけ統合化するという方策。
🪄この折、わたしは、「デジタル革命渦論」の「第四次産業化」とテレ―
ポーテションなどの超人類指向とした「第五次産業化」を想定し、提案し
ている(2010年前後と記憶)。
もとい、
自治省(現在の総務省)出身で、鳥取県知事を8年間務めた片山
善博は、その後は慶応で地方自治を教え、テレビのコメンテーターなどで
顔を売ったのちは、いまは菅民主党政権の総務大臣になった。その片山が
夕張市の経営破綻について、「人口たった1万数千人の自治体がなんと、
600億円の債務(経理上は400億円弱)で倒産」した理由を、

 なぜ借金が膨らんだかというと、「正規の借金」と「闇の借金」の両方
がか嵩み、それを市長も議会も無チェック(放置)。正規の借金は地方債
で、それが300億円になった。地方債は10年で返すから、1年で元金
だけで30億円を返す必要がある。夕張市の財政は43億円程度(地方税
と地方交付付税交付金)だから、30億円ずつ返すのは不可能。
加えて、
闇の借金も300億円近かく、金融機関から借りた金で、これは一時借入
金で「転がし」する。たとえば4月1日に銀行から300億円借りて、年
度内の3月31日にそれを返して、また4月1日に借りる。つまりは粉飾
経理すると。
片山は鳥取県知事時代に、「日本の地方議会は八百長ばかり
が多い」と言って物議をかもしている。片山は「議会の根回しをしない」
と言って知事になったが、そのため修正や否決が日常化、そういう議会で
ないかぎり、地方政治はヘタる。では、この体験を民主政権にいて国政に
生かせるはづであった。

3番手の高橋伸彰は早稲田の政経出身で、日本開発銀行(現在は日本政策
投資銀行)をへて、立命館の国際関係学部に所属し、『優しい経済学』(
ちくま新書)や『グローバル化と日本の課題』(岩波書店)などの著書が
ある。
高橋は父が北海道の北炭に勤め、三笠という炭鉱町に生まれで、夕
張にもいた。当時、北炭(北海道炭礦汽船)は政商として有名な萩原吉太
郎の企業だが、すでに“黒いダイヤ”と呼ばれてきた石炭産業は石油化学産
業に押され崩壊し、ポスト石炭時代をどうするかという課題が全面化。

張市は「石炭の歴史村」「夕張メロン」「マウントレースイ・スキー場」
「夕張国際映画祭」といったポスト石炭の市政に打って出たが借金をした
から破綻した、ここから片山の話と微妙にくいちがってくる。高橋は、夕
張市は借金はしたもののいずれも斬新な施策だったが、当時、中田鉄治市
長だったが、それが結局は財政破綻に陥いる。
その中田が助役のころ、高
橋は日本開発銀行時代に融資を頼まれる。25億円の融資を頼まれ、高橋
は承諾したが、本店が蹴った。中田はそのとき、銀行はもっと貸さなきゃ
ダメだ。借り手によってその投資がいくらでも大きくなって返ってくるん
だという哲学をぶちまける。
炭鉱町に住み、中田のことも知っていたせい
か、高橋が夕張破綻を見る目は片山とは違っていて、
まず、かつて北炭は
町そのもののインフラをさまざまに提供。多くの炭鉱社員の社宅をクラス
別に作り、水道代も電気代もタダ同然で提供し、病院を設立し、映画館な
どの娯楽施設も建てが、次に、その北炭が閉山に追いこまれたとき、萩原
吉太郎は新鉱開発に資金を投じたのだが、その夕張新鉱がわずか8年で93
人の犠牲者を出し、さらなる閉山に追いこまれ、萩原は「資本の論理」に
敗退していった。

夕張市が財政破綻になったのは、夕張からすべての炭鉱が消えた1990
年からだと高橋には見る。このとき中田市長は夕張市が北炭からインフラ
を買い取り、それを維持管理するために借金をしてでもがんばれば、その
借金をいずれ国や道がある程度は肩代わりしてくれると予想していたはず、
それがダメになったのは、小泉竹中の改革が自己責任論を持ち出して、一
挙に自己破産宣告を誘導したと、高橋はそのように見た。
このことを本書
では、「文明は合理的だが、文化は非合理ながらもみんながそのルールを
いかしているから、何かが失敗したとしても、それをすべて文明の合理で
切り裂いていくのはどういうものかと語る。

むろんその通りだ。だが、そこをどうするかである。『二つの自由主義』
のジョン・グレイ(1357夜)はそこに「暫定協定」という方法を入れ
たわけだった。たとえば福祉である。これまで福祉を支えてきたのは、①
人間が互いにもっているだろう慈愛心、②さまざまな社会保険システム、
③企業福祉力、この3つである。
①の慈愛心はよほど子供時代に教育されないと、なかなか発揮できず、②
の社会保険システムは国家の福祉政策の根幹になっている。実は何をリス
クとみなすかが難しいといのも、みんなが同じリスクに直面しているとい
うことなど、ありえないから。③の企業福祉力は、それこそ昭和40年代
までの北炭のような企業にあったものだったが、いまは薄れてしまった。
その理由は、資本がグローバルに動きまわり、生産拠点もまた好きなとこ
ろへ移動できるようになって、企業と従業員の関係が地域から離れていっ
からだった。もうひとつは社会主義国家がさかんに打ち出していた「人
の一生の面倒を見る計画経済」が破綻した。さらにここにコンプライアン
スが加わる。

こうして福祉に代わって「セーフティーネット」と「再分配システム」の
しくみを用意するという考え方が浮上した。高橋もいっときはここに最大
の突破口があると見ていたが、この突破口はグローバル資本主義が大手を
ふっているあいだはムリがあるというふうに思うようになった。いくら再
分配をしようとしても、その前にグローバル資本主義がもっと大きな所得
と格差をつくりだすそこでは、
資本主義そのものがもたらすトータルな
総資本に戻って、そこからの配分方式を変更しないかぎりは、新たな突破
口はつくれない。ウォーレン・バフェットやビル・ゲイツばかりにお金が
集中していくのでは、つまりは株主が儲かるか儲からないかというビジネ
ス社会ばかりで、たまに大儲けした連中がいくらそのあとに慈善行為をし
てみせようと、社会はなんら変わらない

信用の供与で仮想的な取引拡大していくような社会では、もう無理がある。
そうではない信用によって組み直された社会が必要であると。新たな信用
や価値の産出にとりくまないとダメなのだ(グレイはそこで「暫定協定」
を持ち出す)4番目の上野千鶴子(875夜)のセッションは、高橋の福祉
論や再分配論を多少は受けるかっこうで、「わたしのことはわたしが決め
る」というふうになっている。上野さんらしいタイトルだ。
中身は、上野・
中西正司の共著『当事者主権』(岩波新書)にも述べられていたラディカ
ルな提案に近いもので、そうとうに説得力がある。ちなみに中西は20歳
のときに交通事故で四肢麻痺になり、1986年に八王子で障害者が自立
するためのヒューマンケア協会を立ち上げ、いまは全国自立生活センター
協議会の代表として活躍。

当事者主権」という言葉は、いい。世の中では「社会的弱者」などと呼
ばれることが多いが、上野や中西はその弱者が何かをしてもらおうとする
だけでなく、自分から「したいこと」も「してもらいたいこと」も決めて
いくようにするべきだと言う。社会が弱者だと規定するその当事者が、自
分のほうから主権を主張して動く

これはたんなる自己決定や自己責任なのではない。それはネオリベ(新自
由主義)が言いたがる。英語でいえば“self governance”

(自己統治)とか“individual autonomy”(個人の自律)というふうになる。
たんなる自立ではなく、自律。その当事者の自律的な運動が「わたしのこ
とはわたしが決める」なのである。
このような主張や運動が重要になって
くるのは、2000年に高齢者に対する介護保険の概念が大きく変わった
からだった。福祉は「措置」から「契約」へ、「恩恵」から「権利」へと
変わった。それなら高齢者こそが当事者にならなければならない。
高齢者
だけが当事者になるだけでは足りない。官も民も変わらなければならない。
新自由主義の構造改革は社会保障を総量規制のもとに押しこみ、官から民
を標榜した。それではダメだ。上野は、官・民・共・協・私の「福祉ミッ
クス」にならなければいけないと言う。「共」や「協」というのはコモン
ズのことをいい、このような
発想や展望は、新自由主義者には逆立ちして
も思いつけない。それをポスト新自由主義というのかどうかは知らないが。

上野はラディカルで冴えまくっているが、詳しくは中西との共著の『当事
者主権』と、評判の『おひとりさまの老後』(法研)を、また『老いる準
備』(朝日文庫)や『ニーズ中心の福祉社会へ:当事者主権の次世代福祉
戦略』(医学書院)の読書を勧めたい。
最後のゲストスピーカーの柄谷行
人(955夜)は、講演タイトルは「地域自治から世界共和国へ」だが、
話のほうはもっとざっくりしたもので、『世界共和国へ』(岩波新書)を
読んだほうが早い。
そのかわり、この講演では社会学から「部分社会」
いうキーワードを引っ張り出して、これを本来の意味での「アソシエーシ
ョン」から始まって、それらをネットワーク的につなげていくことで、き
っとそのモデルの姿をあらわすことができる。柄谷はそう考えて、「ぼく
は世界共和国の原理は、贈与の原理や互酬性の原理にもとづくものだろうと
思っています」と締めくくる。
🪄グローバリズムと新民主主義 2025年」の考察を開始していく。


 雅楽
『越天楽:Gagaku:Etenraku』


今日の言葉:克己常態  ラストスパート


        春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                       (因果報応の季節風)より

 

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