くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

’07年9月 セレベス・エクスプローラー乗船記2

2007-09-14 20:00:21 |  ダイビング


朝、シーフェスト・ホテルの部屋のカーテンを開けると、工事現場ビューだった。

目の前には、このホテルと同じくらいの大きさの、まだ、打ちっぱなしの外壁が立ち

はだかっている。午前9時にホテルを出ればいいので、ゆっくり眠っていたかったが、

マレーシアの工事現場の朝は早い。カンカン、バリバリ、ガガガーといった音が容赦

なくしてくるので、寝坊もできなかった。朝食つきなので、1階のカフェでお粥を食べ、

8時50分にチェックアウトした。




シーフェストホテルはウォーターフロントで、セレベスエクス・プローラーからの迎えの

ボートが出発する桟橋は、すぐ向かいだ。それでも、昨晩のドライバーのおじさんが、

ホテルから船着場への誘導にやって来てくれ、荷物はホテルのベルボーイが運んで

くれた。




船着場には、セレベス・エクスプローラーのゲスト担当のダスリが来ていたが、ボート

に他に乗っているのは、半ダースの材木だけ。私以外のゲストはおらず、各自ボート

のベンチにごろり。ボートがセンポルナを出てしばらくは、海は静かだったが、シパダ

ン方面に進むにつれ、うねりがどんどん強くなっていった。海、あんまりよくなさそうだ。

ずっと頑張って横になっていたが、スピードボートのガンガン打ちつけるような揺れで、

ころがり落ちそうなので、そうそうごろごろしてもいられなくなった。途中、ボートのエン

ジントラブルもあり、1時間少々かかって、シパダンに停泊している母船に到着。ちょ

うど私が母船に着いたとき、ダイビング・ボートが2本目のダイビングに出て行くところ

だった。センポルナへもう少し早い時間に迎えに来てくれれば、これに乗れたのに。




乗船すると、ウェルカム・ドリンクを飲みながら、簡単なゲストカードに記入するだけで

手続き終了。部屋は、階段を降りてすぐの船尾よりのところに案内された。前回は、

一番船首よりのキャビンだったので、かなり狭かったが、幾分、広い部屋をもらえて

よかった。さっそくファブリーズを噴霧しまくるが、油の臭いはどうしようもない。




そして、かんじんのダイビング。

ボートは2チームに分けられ、1パイは、スペイン人8人グループのツアー御用達で、

ガイドはトム、あとの4人=イギリス人のおじさん1人+フランス人のおじさん2人+私

を、ジェリーがガイド。そう、このボートのダイブマスターの名は、トムとジェリー。

初めてのゲストは、絶妙なコンビ名に喜ぶのだった。確かトムは昔、アブディラでは

ジェフリー・トムと名乗っていたけれど、ゲストに印象づけるために、トム、で通してる

のかな?確かに、トムとジェリーで、覚えられやすい、って効果は絶大かも。




1本目・・・シパダン、ハンギング・ガーデン

今日、母船まで来る間のうねりから予想はしていたが、海はかなり緑色だった。

    

私にとっては1本目でも、他の3人にとってはすでに3本目のダイビング。それなのに

エントリーしたとたん、フランス人の二人はダッシュで沈んでいった。1本目の私よりも、

ずっと深い。どう見積もっても、45~50メートルは行ってしまった。一方、イギリス人

のおじさんは、大きなビデオのハウジングにライト二灯という、本格装備でベテランの

ようだが、途中でなんらかのトラブルらしく浮上していってしまった。普通種のオンパレ

ードで地味に終了。リーフ上のサンゴはきれいだし、深場にある、ウミウチワも立派。

いつになったら、ソフトコーラルがぶらぶらハンギングする、サンゴの白化現象前の

景観が復活するんだろう。




2本目・・・シパダン、バラクーダポイント

フランス人二人は、またどんどんディープにのめりこんで行った。ただひたすら、サメ

が見たいらしい。サメといっても、とくにハンマーヘッドにこだわっているわけでもなく、

サメならよいらしい。バラクーダポイントでは、途中、外洋側にバラクーダの小群れが

そっけなく通り過ぎていった。




このあと母船はマブール沖に戻り、サンセット・ダイブに連れて行ってくれた。ヨーロピ

アン達は、小物にはいっさい興味がないとのことで、参加者は私だけ。今現在、マブ

ールのウリは、ホムラハゼらしい。私はこれまで、ホムラハゼに出遭うチャンスが

なかったので、とても楽しみだった。ダイブマスターのジェリーに、「サンセットまで、

ニシキテグリとホムラハゼだけ。動かないダイビング」と宣言された。




3本目・・・マブール、パラダイス・リーフ

SMARTとボルネオ・ダイバーズの間にある、長い桟橋の前でエントリーすると、すでに

2人の先客がいた。おそらく、ひとりはマブールのどこかのダイブマスターで、ニシキテ

グリをゲストに見せに来た人、もうひとりは多分日本人で、かなり気合の入ったマクロ

撮影装備で激写中だった。彼らの目的は、明らかにニシキテグリ。ただ、彼らの陣取っ

ている場所が、まさに目的地らしく、ジェリーは二人にはおかまいなく、割って入っていく

くらいの勢いで突進していった。きっとふたりともムッとしたと思う。そして案の定、その

男性が激写している斜め下に、ホムラハゼのおうちがあったのだ。はじめて見るホムラ

ハゼは、全長3センチもない小ささで、スリムで、そして他動児だった。ひっきりなしに

動きまわるので、一眼ならともかく、お手軽デジカメにはなかなかおさまらない。なんとか

写った写真も、全身が見えていない。だけれど、この背びれの焔模様がとても素敵。

    




ホムラハゼで、影の薄くなってしまったニシキテグリは、以前にもまして、たくさんいた。

まさにボロボロいる感じ。この大きい固体が、次々相手を変え、産卵行動に励んでいた。

    

ここでは少子化の心配はなさそう。




まだ何もしない子どもたち。この大きい方で1.5センチくらい。色も薄め。ただ1か所に

固まって、じーっとしているだけ。

    




真っ暗になるまで、ニシキテグリとホムラハゼの観察をした。

ホムラハゼにまた会いに来たいなあ、と思いながら、エキジット。

浮上後、ジェリーが口笛でボートを呼ぶが、なかなかピックアップに来てくれなかった。

空には、細い月。

セレベス・エクスプローラーでクリスチャンは、ジェリーとコックさんの2人だけだそうで、

他のスタッフは全員ムスリムだという。

ジェリーに、「みんなラマダンで、ちょうど今が食事の時間だから、来てくれないよ」、と

おどされたが、数分プカプカ浮いていたら、ボートマンはやって来た。




明日は、天候が許せば、朝7時からシパダンでダイビングだ。





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