火曜日。私にとっては、早くも最終日。
きょうのスケジュールもシパダン4本。
朝から揺れが大きく、船に弱い人たちには、つらそうだった。
1本目・・・シパダン、バラクーダポイント。
今朝も壁から離れ、深度30メートルを漂い、気合をいれてハンマーヘッドを探すが不発。濁り具合
からは期待できそうな気配はあるのに。後半は、ハダカハオコゼ探しに燃えるが、自分で見つけた
個体は、すべて茶色版。ハダカハオコゼは、肉眼で見ると、目がダイヤモンドのようにキラキラして
いるが、写真だとその美しさが伝わらない。赤目軽減もトライしたが、予想どおり効果なし。
いつものようにコーラルガーデンでエキジットし、母船に戻ると、フランス人のおばあさんが、仁王立
ちになって待ち構えていた。ボートから降りるや否や、おばあは、「What did you see?」と聞くの
で、「Nothing special」と答えたら、「We saw a whaleshark!」だと。「Whaaat???」
ちょうど今朝、おばあがやって来て、「あなたたちは、みんなカメラを持っているけど、私も買った方
がよいかしら?でも、カメラを持って、カメラばかりに気に取られるのもいやなの。だけど、私はウミ
ウシが大好きで、ひとつひとつを忘れないように、写真に残してもおきたいの。」、とご自身でお決め
になるしかないですよ、的なことを聞きにきていた。そのとき彼女は、「私、今年の6月には、メキシ
コのホルボッシュでジンベイを一度に15も見たんだけど、そういうシーンも残しておきたいの。」とも
話していたので、この人は今、ジンベイ運が最高潮なんだろーな。しかし、日本人ボートも白人ボー
トも同じ時間帯に、同じポイントに潜って、この運の差。負け組な気持ち。それにしても、白人のダイ
バーさんたち、このおばあ以外、テンションあげている人はおらず、うれしそうな顔もしていなかった。
ダイブマスターのトムが、証拠写真だと言って、彼らのデジカメを持ってきたが、わずか3、4カット
だけ。COOLな人たちだ。というか、全員、ピン参加のようだが、みんな水面休息中は、談笑するで
もなく、常時いかめしい顔をしていている。感情が表にでない欧米人たちというのもレアだと思うが。
2本目・・・シパダン、サウス・ポイント。
こちらもグレーリーフシャークがちょろっといた程度。でも、悪くない。
3本目・・・シパダン、バラクーダ・ポイント。
最終日だから、好きなところへ、と言われ、迷わずリクエスト。今回は、マクロ系のウォッチングを
満喫。アケボノハゼ密度は、本当に高い。
ハダカハオコゼはピンク1と茶色を3つ発見。
4本目・・・シパダン、ドロップ・オフ。
旧ボルネオ・ダイバーズ前のJETTYから潜りたいと行ったが、「遠い」という、よくわからない理由で、
タートル・カバーンの真上からのエントリーとなった。まさに昨年、作業船が座礁したという場所であ
るが、エントリーポイントからリーフエッジを眺めた限りでは、傷あとはあまり見受けられなかった。
みんながどんどん潜降していくところ、ゆっくり浅瀬を見ているわけにもいかず、詳細のチェックは
できなかったけれど。タートル・トムまで行くと、今日もギンガメの大群が渦巻いていた。
見上げればギンガメ。
正面からもやって来る。
見下ろせば、またギンガメ。
今日は、朝からいろんなものが群れている。
いつものハタタテダイ、ヤマブキスズメダイ、ツバメウオやマダラタルミ、ハギなどなど。
モヨウフグも、群れはしないが、複数漂っていた。
安全停止のときに足元に現れたウメイロモドキもきれいだった。
特別な出物はなかったが、good diveだった。
一番最後に浮上し、ボートに戻ると、まだ明日以降もある他のゲストたちが、「ジェリー、どうもあり
がとぉ~。とても楽しかった~」と、まるでラストダイブかのような勢いで、ダイブマスターにお礼を言
っていた。
たとえ、ジンベイを見逃しても、特に大物、レアものに出遭わなくても、こんなにもみんながHappy
に思える、シパダンだった。
シパダンでの4ダイブ後、母船はマブールに戻るが、明日のフライトに備え、さすがにサンセットの
5本目は自粛。
ディナー後、トムを中心に歌う夕べとなり、シパダン・ソングをひさびさに歌った。
ディナータイム、ボートは大きく揺れ、船酔いで撃沈ぎみの人も出たが、最終的には、皆、回復、
日本人チームは全員で、泡盛と焼酎の夜となった。