芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

斎藤兄から頂いた長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』にかかる

2014年02月19日 | Weblog
斎藤兄から頂いた長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』に、蕉風俳句の特色として、「切れ」を挙げている。「や、こそ、けり」などにより、句に間を持たせるという。これを切れ字という。
しかし、俳句の実作に疎い私などには、「キレジ」と聞くと痛みを伴って全く別の字を思い浮かべる。「切れ痔」である。おそらく、句作りに縁のないひとは、私と同じではなかろうか。いや、私の想像力がその程度なのではある。
芭蕉自身、「おくのほそ道」の旅の途次、しばしば苦痛を訴えていたと曾良の日記に記されているのも切れ痔に悩まされていたのではなかったか。しかし、作句では切れ字に苦吟していた訳で、キレジに縁のある宗匠ではあったのだ。
長谷川櫂によると、旅も終盤の金沢で「かるみ』を見つけたというから、ふたつのキレジに苦吟した挙げ句が、気楽に行こうと、「かるみ』を編み出したのかもしれない。

当分読書と試験問題作りに没頭できる

2014年02月18日 | Weblog
加藤教授は73歳にしていまだに記憶力と知識欲が旺盛で、お話が面白い。試験も終わり、読書に時間を割かれているというので、早大ボート部OBの芳野さんに頂いた村井康彦『出雲と大和』をお貸ししたら、内容が濃いのと面白かったので2回読んだといって返却するのに加えて元ミャンマー大使で加藤教授の友人の津守滋氏の本『ミャンマーの黎明』-国際関係と内発的変革の現代史ー(彩流社)をこれも2回読んだからと、下さった。
現在、私は、やはりボート部同期の斎藤兄から頂いた長谷川櫂『「奥の細道」をよむ』を読んでいて、これが私がかねてから知りたくても手元の本では得られなかった、「不易流行」と「かるみ」についての理解を助けてくれるいい本なので、この本を読んでから津守滋氏の本『ミャンマーの黎明』-国際関係と内発的変革の現代史ーにかかることにする。
昨日、日本語授業の学生にサーティフィケートコースの追試の説明をして、来月3日まで授業は休みにしたので、当分読書と試験問題作りに没頭できる。彼らは中間試験で本科の試験の準備に時間を割かねばならないから、選択の日本語授業は休みにしたのだ。

坂口安吾『堕落論』に想う

2014年02月17日 | Weblog
坂口安吾は、一方で、日本人は男女とも気が変わりやすく、「昨日の敵は今日の友だ」と「忽ち、二君に仕えたがる」とも言っている。
それ故に、戦中は、その日本人を抑え込むために、生きて虜囚の恥を受けるべからずと押し付けていたのだともいう。
また、「文士は未亡人の恋愛を書くことを禁じられていた。戦争未亡人を挑発堕落させてはいけないという軍人政治家の魂胆で彼女達に使徒の余生を送らせようと欲していたのであろう。軍人達の悪徳に対する理解力は敏感であって、彼等は女心の変り易さを知らなかったわけではなく、知りすぎていたので、こういう禁止項目を案出に及んだまでであった。」と記している。
子供の頃良く親達に聞かされたのは、「鬼畜米英」と言って、天皇という神様がその鬼畜に勝利するのだと、言わないと、「国賊」と密告されて、警察にしょっぴかれたという。
それが敗戦と共に、そんなことがまるでなかったかのように、「昨日の敵は今日の友だ」と「忽ち、二君に仕えた」のだから、そんなことを今更持ち出す事自体、愚かにな事ではあろう。
天皇を神から人に引きずり落とした米国大統領を神と崇めてそれに従うのは変わり身の早い日本人としては当然と言えば当然な態度であろう。
否、庶民はそんなお上の言葉を信じたつもりになっている、あるいは信じたふりをしてそれに従い、お上が変わると忽ち、二君に仕える知恵を有しているから、生き延びられていると言えるのではあるまいか。
安倍首相が原発は完全に統御出来ていると言った途端、マスコミの記者達は、それに触れなくなり、東京新聞だけが、原発の危険性について追跡しているのは、愚直というしかなく、そのうち、大事故が再び起こった時に、別の首相が訂正すれば、忽ちそれに従うのが、日本のマスコミで生き残る知恵と言えば、知恵であろう。これも庶民としては、そういう頼りない報道を見越して生きのこる道を探るしかないのかもしれない。

斎藤兄から送られた葉室麟『蜩(ひぐらし)の記』(祥伝社)を読了

2014年02月16日 | Weblog
斎藤兄から送られた葉室麟『蜩(ひぐらし)の記』(祥伝社)を読んだ。
出だしの情景描写が冗長なので、ちょっとつまずいた。しかし読み進むうちに、友人、水上信吾との豊後羽根藩城中での刃傷沙汰の廉で、家老・中根兵右衛門により切腹と引き換えに向井山村に幽閉中の元郡奉行、戸田秋谷の監視役に遣わされた檀野庄三郎の眼を通して、10年間の家譜編纂ののちに切腹を命じられている戸田秋谷の武士道精神にかなった生きざまに惹かれ、出世にのみ生きる家老・中根兵右衛門の意図に反して戸田秋谷の娘婿にまでなっていく物語の展開の仕方が面白く、一気に読み終わった。
さきの大戦での敗戦で、自決もできず東京裁判に引かれていった日本軍の将軍たちが絞首刑になり、武士道が完全に失われたという坂口安吾の『堕落論』を持ち出すまでもなく、日本人の美質である武士道精神を著者が考えようとしていることが理解できた。
尤も、『堕落論』は武士道精神を失ってしまった日本人は堕落しきらないと再起できないという趣旨ではある。
無条件降伏後いまだ他国の支配に安住している日本人の大半が、そのことすらも認識できていないのだから、堕落はしきっていると思うので、せめてその認識だけでもできればいいと思うのだが。

村上春樹『木野』

2014年02月15日 | Weblog
文春の他の記事なども読んだが、村上春樹『木野』を「出張から帰ると妻が他の男の上で」という目次の惹き文句に釣られ、読んだ。
もう一つ、木野というのは、私と同期で出版社に入社した一人が同じ姓で、大和わきさんと結婚した男で、ひょっとしてその男のモデルかとちょっと思ったからでもあるがやはり違った。彼はもう既に数年前からいない人で、その彼のことが何かかれていればという気持ちだったのだ。
最近、やはり同期で、入社試験を一緒に受けた、歌人でもあった鷲尾賢也が亡くなったのが、報道されていたので、気になったこともある。
しかし、この小説は終わらせるのに苦労したであろうことが、分かる作りだ。

文春にしては珍しく、反新自由主義の記事

2014年02月13日 | Weblog
現在、文春2月号を読んでいるが、文春にしては珍しく、反新自由主義の記事を載せている。
一つは、「グローバリズムという妖怪」という題の座談会だ。話者は、エマニュエル・トッド(歴史人口学者)、藤井聡、中野剛志、ハジュン・チャン(ケンブリッジ大学准教授)、柴山佳太である。もう一つは、「TPPが無視する遺伝子組み換え食品の恐怖」で筆者は鈴木宣弘(東京大学教授)だ。
菅義偉官房長官の安倍政治の大きい赤文字の題での絶賛記事のわきに申し訳程度ではあるが、ともかくも載せていることを評価できる。
前者は、新自由主義のゴローバリズムが格差社会を引き起こし経済を破綻させている韓国を見習って日本もTPPに参加しなければならないとする官僚を中心とした考えを批判しているのは、金子勝教授と同じ論である。
後者は、日本の農業は、モンサントによって破壊しつくされるという危惧を述べていて、これは、前にここで書いた米国の政策でもある世界農業支配の具体的な指摘だ。

人工雪や人工地震

2014年02月12日 | Weblog
8日(土)にピサン・ハリ・キ・マディヤというジャイナ教寺院に詣でたが、その時は何でもなかったのに、翌日からこむら返りのような筋肉痛に見舞われ、いまだに痛いうえ、食事会に残った食べ物を翌月曜日に食べたら、結構ひどい下痢に襲われて、まだ治らない。朝夕はやや寒いが、昼間は暑くなってきたので、食べ物が傷んでいたのかもしれない。
先日の都知事選に降った雪は人工雪だったという。その主張をしているサイトの説明によると、人工雪は、ねばっこく、熱を加えても溶けないということで、確かに、同時掲載されている写真を見ると、滑り台の下に流れ落ちているその雪は、固い生地の布が緩やかにたたまれたようになっている。東京の上空で勝手に人工雪用の化学剤をまけるのは、日本上空に制空権を行使している米軍くらいであろう。米軍機がしきりと東京上空を飛んだかどうかは現場にいなかったのでわからない。そういえば、東日本大震災も人工地震による起爆で、引き起こされたのだという主張がある。
その真偽のほどは別にしても、私が以前から述べてきた日本を支配してるのは、外国勢力であるという考えと同じ意見の人が出てきているのは喜ばしい限りである。
新自由主義によって、年金、生活保護費が削られてきているのを、社会が良くなると喜んでいる手合いが多いが、若者の非正規雇用が異常に増やされたため、所得格差が広がり、秋葉原事件、広島マツダ事件、千葉だったかの駅の事件など、社会不安が中国並みに増えていることへの認識が欠けている。その新自由主義の仕上げがTPPである。

研究室のパソコンがまた故障

2014年02月11日 | Weblog
昨日、五段活用、上一段活用、下一段活用、カ変、サ変を表にしたのを研究室のパソコンで印字しようとしたが、パソコンが壊れていて出来ず、コンピュータ係に直してくれるように頼んで待っても来なかった。CPUが古いので、しょっちゅう故障する。以前から交換を申し込んでいるが、インド的回答で、なかなか交換してくれない。
やむを得ず、授業に間に合わせるため、学生課で、それを印字、複写した。それに続けて、受け身、使役の動詞活用も複写したのを良く見ると、結構誤植があり、その訂正を終えたところで、授業の開始時間、18:00になった。今日、クボタの面接試験を受ける4年生の学生が授業を欠席したのは、その就職試験の準備のためかもしれない。

夕食に学生達を招く

2014年02月10日 | Weblog
2月9日午後4時に学生達が来ると言うので、待ったが、4時45分頃になった。一緒にお呼びしたトーマスさんはインド時間だと、同じインド人なのに言っておられた。トーマスさんは、インド人でもケーララ出身であるから、時間厳守の人で、4時少し前に来た。しかも、前日の夕方に確認の電話をして来ている。
学生達の中に去年約三ヵ月日本の滋賀県に行って来て、富士山にも登ったと言い、また、その学生は、東日本大震災の時に支援に来て、南三陸町ではホテル観洋に泊まり、女川にも来たので、その学生の体験談が面白かった。話しが盛り上がって、民謡やら、加藤教授の浜辺の歌、女子大生のインドの歌など出て大いに盛り上がった。
学生達6人のうち、肉食の出来るのは2人だけだったので、餃子の中身を鶏肉入りと野菜だけの種類のを約100個作った。コロッケもヴェジで、おおむね評判が良く、また呼んで欲しいと言って8時近くになって帰っていった。

ピサン・ハリ・キ・マディヤというジャイナ教寺院に詣でる

2014年02月08日 | Weblog
加藤教授がジャバルプル市内見物に行きたいというので、大学が雇ったタクシーで、ピサン・ハリ・キ・マディヤというジャイナ教寺院に行った。大理石渓谷に行く途中にある。ふもとから相当登る山の上にある。山上からはジャバルプル市街が一望出来る。拝殿がいくつもあり、大雄などが祭られていた。ここも加藤教授は3度目だとかで、最近大学はサービスが悪くなった、とも言われる。たいていのところに行かれたから、どこか新しいところに行きたいと言われ、帰りにすぐ見つかったデオタールという池のそばの拝殿群の神社を見て昼過ぎに帰った。ここは観光ずれしていなくてよかったと言われた。