つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

長崎は今日も…①

2010-08-07 12:26:43 | ちょっとした出来事
叔母の訃報を身内から知らされたのは、丁度会社に到着したときだった。
急きょ上司に連絡を入れ、その日のうちに一路長崎へ…。

叔母には、東京での漫画家予備軍のころ、栄養不足に陥ると、のこのこ訪ねて行ってはおいしい
ものを御馳走になって、英気を養ってがんばれたのだった。その他にも色々とお世話になった
人だったのだ。

雨男の本領発揮で、高速バスが長崎に着いたときは雨だった。享年84歳。長患いの末だったので、
覚悟はできていたのだが、看病に立ち会っていた妹から、「生命維持の点滴が入らなくなって、
全て外された」という報告を2週間前に受けていたのだ。

叔母はまん丸い顔をして、いつもニコやかだったイメージが強かったので、「栄養を断たれ、痩せて
骨と皮になっている」と妹に聞いたときは、顔を見るのは止めようと思っていた。しかし、せっかく
この通夜に出席したのだしなあ…と思い直し、焼香のとき恐る恐る拝顔した。すると、痩せては
いたが何十歳も若返ったような、綺麗で可愛い顔をしていたのだ。わたしは再度拝顔して、
ああ…見てよかった。つくづくそう思い、死者の顔の大切さを痛感させられたのだった。

いつの間にか雨は止み、漆黒の長崎の海を眺めつつ宿泊先のケアハウスに到着した。このケアハウス
には義母が居て、客室に泊まれるのだった。このケアハウスは、すぐ前に海が見える素敵なところ
で、我が終の住み家にもいかがなものか…と思えるほどだった。

翌日告別式に出席して、焼き場まで行き、長崎を後にした。坂が多く、山あいまで家が立ち並ぶ
長崎は帰りもだった。

コメント
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