長崎へ着いた日、弟と一緒だったのだが、通夜の前に夕食を食べようと
滞在のケアハウスにタクシーを呼んでもらい、出掛けた。運転手は40代と
おぼしききれいな女性だった。「近くにおいしい魚を食べさせてくれるとがありますけん」と
なつかしき長崎弁で言うと一軒の小料理屋風の店に案内してくれた。弟が「せっかく長崎に
来たのだから、何か長崎らしいものをたべたい」などとナマイキをぬかすのだ。
普通は、チャンポンとか皿うどん、ちょっとシャレて卓袱(しっぽく)料理、ひねってトルコライス
というところだが、「長崎のうまい魚を食べたい」と言い出したのである。そこで案内してくれた
のである。
「わたしが一言言っときますけん」というと、なじみなのか運転手さんは「こちらさんにおいしい
作ってあげてよ」と一言添えてくれた。メニューに大きく「ゴンあじ」と書かれてある。はて?
佐賀関で獲れる関サバはブランドとして有名だが、「ゴンあじ」なんて聞いたこともない。
値段のとこに特価とあるお造りを、とりあえず二人で突つこうと一品頼んだ。来たのはサバほどの
大きいアジの姿造りで、口がパクリと動いた活き造りだ。これの旨かったこと…。コリコリとした
歯ごたえに甘みが口中に広がり、得も言われぬ味わいだった。
後で女将に聞いたところによると、水揚げされる五島列島の「五」と黄金の「金」(ごん)を
合わせて「ゴンあじ」と言うそうである。思ったよりも高い値段ではなかったので、それぞれ
もう一品ずつ料理を追加して、大満足で引き上げた。
まあ…実際は五島ではあったが、長崎の魚は堪能できたのである。めでたしめでたし
滞在のケアハウスにタクシーを呼んでもらい、出掛けた。運転手は40代と
おぼしききれいな女性だった。「近くにおいしい魚を食べさせてくれるとがありますけん」と
なつかしき長崎弁で言うと一軒の小料理屋風の店に案内してくれた。弟が「せっかく長崎に
来たのだから、何か長崎らしいものをたべたい」などとナマイキをぬかすのだ。
普通は、チャンポンとか皿うどん、ちょっとシャレて卓袱(しっぽく)料理、ひねってトルコライス
というところだが、「長崎のうまい魚を食べたい」と言い出したのである。そこで案内してくれた
のである。
「わたしが一言言っときますけん」というと、なじみなのか運転手さんは「こちらさんにおいしい
作ってあげてよ」と一言添えてくれた。メニューに大きく「ゴンあじ」と書かれてある。はて?
佐賀関で獲れる関サバはブランドとして有名だが、「ゴンあじ」なんて聞いたこともない。
値段のとこに特価とあるお造りを、とりあえず二人で突つこうと一品頼んだ。来たのはサバほどの
大きいアジの姿造りで、口がパクリと動いた活き造りだ。これの旨かったこと…。コリコリとした
歯ごたえに甘みが口中に広がり、得も言われぬ味わいだった。
後で女将に聞いたところによると、水揚げされる五島列島の「五」と黄金の「金」(ごん)を
合わせて「ゴンあじ」と言うそうである。思ったよりも高い値段ではなかったので、それぞれ
もう一品ずつ料理を追加して、大満足で引き上げた。
まあ…実際は五島ではあったが、長崎の魚は堪能できたのである。めでたしめでたし