台風の 眼の中に居る 住み心地
issei
このような拙句を作ったことがある。
平屋からマンションに引っ越してきて丁度1年が過ぎた。マンションの住み心地が同じとは言わないが、
多人数の巣窟の一角にいるのは間違いないので、多少なりそのような思いをすることもある。
そこで、1年過ぎたマンション暮らしを検証してみた。
取り合えず良かったことを取り上げてみる。まずは、思ったほど物音は聞こえず、静かだったのが印象的だった。
上下左右、ほとんど音は聞こえない。上で家具など動かしていると聞こえることもあるが、
そう大きな音ではない。部屋はエレベーターの隣りなのだが、エレベーター音がまったくと
言っていいほど聞こえないので、助かっている。
ただ、階下で異様な声で大泣きする赤ちゃん、向かいの家の良く吠えるストレス犬、これらが、若干
耳障りではあるが、まあ大したことではない。
部屋の温度が安定していて、今年の猛暑もエアコンの設定温度は28度で済んでしまった。
冬もあっという間に暖まるので、冷暖房の効率はいい。
それに、なんといっても光熱費が半分以下になったのがありがたい。IHなのだが、思ったほど電気代も
上がらず、水道・下水代もかなり低い。(身内談)(具体的金額は身内まかせ)
マンションの出入りは、OO7の映画のように全て自動で、ただ歩いて行けばいいし、まあ、深夜に騒音を
起こさないように気を付けるぐらいで、住みやすさという点では少なくとも平屋にひけはとらない。
実はこのマンションの部屋を選ぶとき、11階の一部屋とこの低階と二部屋だけが残っていて、身内らは
見晴らしのいい11階に住みたがったのだが、わたしが自分の一部屋をキープできる低階を選んだのである。
住んでみて、これが大正解だったのだ。帰宅や出掛け時にエレベーターを待つこともなく、さっさと階段で
行けるし、景色にしたって1階ではないので、それなりの眺めは得られるだ。それに高所恐怖症ぎみの
わたしにとって踊り場を覗く度に震えなければならないことを思えば、安心感があるのだ。(笑)
後は何たって緑地公園が目と鼻の先にあって、我が庭と称しては春は桜、秋は紅葉と熱燗を引っ提げて出掛け、
ほろ酔い眼で眺め入っている。
それに個人的に一番嬉しかったのは、低階にもかかわらず、今年の夏一度も蚊に刺されなかったことである。
平屋のときは、毎夏、蚊の空爆を撃墜しつつ花に水をやっていたが、それでもイヤと言うほど刺されたのである。
悪いところと言えば、時折変な業者が聞いてない工事をしに来たり、入ったばかりのこのマンションの部屋を
売ってくれという不動産屋のチラシが、毎日のように郵便ポストに入っていたり、風向きによって臭ってくる
田舎の香水(近くに牧場があるらしい)である。
というわけで、いまのとこ、マンション暮らしもまあ悪くないかなあというところである…。