わたしは長年にわたり、お気に入りのぐい呑みセットを探し求めていた。
しかし、ものぐさゆえに陶器の本場とか、催し物展などに出掛けることもなく、手近の
スーパーなどで購入して、間に合わせていたのである。
そんな折、とある方からNドームの入場ハガキをいただいた。と言っても野球ではない、
「ドームやきものワールド」と銘打った陶器即売展の催し物が行われるのだ。
これは願ってもないチャンスだ。我がのん兵衛至福ライフのために、欲しいものがあったら
値段を気にせず、(いいのかいなこんなに大見え切って)何が何でも購入するぞっと!と心に決め、
お絵描き預金から(そんなのあったかなあ?)引き出したお金をにぎりしめ、休日を待って車で出掛けた。
雨男にもかかわらず空は晴れ渡り天気は上々、といってもドームだから関係ないが、いい予感が
するではないか。
車はドームと繋がっている近くの大手スーパーに駐車し、(3千円以上お買い上げで3時間無料、
ただしお買い上げなくドームの野球観戦や催し物のために駐車すると、6千円請求されるらしい)
ドームへと渡った。
ドーム内は、迷路のように区切られたブースに、有名、無名の〇〇焼きと書かれたカンバンが立ち並び、
日本全国の焼き物のメッカから集まってきているのがわかる。
わたしが欲しいのは、お猪口・徳利・ビールジョッキ・焼酎湯割り呑みの、のん兵衛4点セットだ。
入口から一軒一軒4点セットを見ていく。このセットだけはネットで買うというわけにはいかない。
手に取り、触り、口に持っていってみないと、その感触を実感できないからだ。
いいなあと思っても手に取ると重すぎたり、肌触りが悪かったり、ジョッキなど取っ手の持ち具合が
手にしっくりくるかどうか、持ってみないとわからないのである。
そして、とある一角で、ついにウ~ムと思えるお猪口と徳利を見つけたのである。うわぐすりを塗っていない
手触り、持った重さもほどほど、色も苔むしのわびさび色。何よりぐにゃりと歪になっているのも、
我が探し求める“ゆらぎ”を感じるではないか。作者は何やらオエライ大家のようで、他のものの値段は
相当なものである。
だが、わたしが手にしているものはさほどではない。良く見ると、陳列してある棚に「わけあり」と
書いてあるではないか。なるほど、陳列品を仔細に見ると、ちょっと欠けていたり、色ムラが
あったりしている。手に取ったお猪口もちょっと色ムラがある。でも、わたしはそんなことは気にしない、
かえってリアルな手作り感があって、望むところだ。
ブースはまだまだあるので、二重丸のチェックを入れて、もうひと巡りして、これ以上のお気に入りに
出会えなかったら戻って購入。と決めてまた次のブースへ…。
さすがに人出は多い。カップル、家族連れ、オッサンオバサン、爺さん婆さん、青い目の方、正体不明の
サングラス、らが、ぞろぞろと各ブースを巡っている。ドームのステージではコロッケのモノマネショウの
真っ最中である。わたしも見たかったが、なるべく3時間の駐車時間内に終わらせたかったので、ちらちら
ハイビジョンを目で追いつつ、耳では松山千春マネを聴いていた。
ひと巡りして、まだまだブースを残していたが、さっき以上のは見つからず、疲れも出始めたので、
戻って購入しようと踵を返した。…が、このブース並は迷路のように区切られていて、元々方向音痴
ぎみのわたしは、どうやら違うところに迷い込んだようであった。
しかし、そこで何気なく目にしたものに目を奪われてしまったのだ。
しかし、ものぐさゆえに陶器の本場とか、催し物展などに出掛けることもなく、手近の
スーパーなどで購入して、間に合わせていたのである。
そんな折、とある方からNドームの入場ハガキをいただいた。と言っても野球ではない、
「ドームやきものワールド」と銘打った陶器即売展の催し物が行われるのだ。
これは願ってもないチャンスだ。我がのん兵衛至福ライフのために、欲しいものがあったら
値段を気にせず、(いいのかいなこんなに大見え切って)何が何でも購入するぞっと!と心に決め、
お絵描き預金から(そんなのあったかなあ?)引き出したお金をにぎりしめ、休日を待って車で出掛けた。
雨男にもかかわらず空は晴れ渡り天気は上々、といってもドームだから関係ないが、いい予感が
するではないか。
車はドームと繋がっている近くの大手スーパーに駐車し、(3千円以上お買い上げで3時間無料、
ただしお買い上げなくドームの野球観戦や催し物のために駐車すると、6千円請求されるらしい)
ドームへと渡った。
ドーム内は、迷路のように区切られたブースに、有名、無名の〇〇焼きと書かれたカンバンが立ち並び、
日本全国の焼き物のメッカから集まってきているのがわかる。
わたしが欲しいのは、お猪口・徳利・ビールジョッキ・焼酎湯割り呑みの、のん兵衛4点セットだ。
入口から一軒一軒4点セットを見ていく。このセットだけはネットで買うというわけにはいかない。
手に取り、触り、口に持っていってみないと、その感触を実感できないからだ。
いいなあと思っても手に取ると重すぎたり、肌触りが悪かったり、ジョッキなど取っ手の持ち具合が
手にしっくりくるかどうか、持ってみないとわからないのである。
そして、とある一角で、ついにウ~ムと思えるお猪口と徳利を見つけたのである。うわぐすりを塗っていない
手触り、持った重さもほどほど、色も苔むしのわびさび色。何よりぐにゃりと歪になっているのも、
我が探し求める“ゆらぎ”を感じるではないか。作者は何やらオエライ大家のようで、他のものの値段は
相当なものである。
だが、わたしが手にしているものはさほどではない。良く見ると、陳列してある棚に「わけあり」と
書いてあるではないか。なるほど、陳列品を仔細に見ると、ちょっと欠けていたり、色ムラが
あったりしている。手に取ったお猪口もちょっと色ムラがある。でも、わたしはそんなことは気にしない、
かえってリアルな手作り感があって、望むところだ。
ブースはまだまだあるので、二重丸のチェックを入れて、もうひと巡りして、これ以上のお気に入りに
出会えなかったら戻って購入。と決めてまた次のブースへ…。
さすがに人出は多い。カップル、家族連れ、オッサンオバサン、爺さん婆さん、青い目の方、正体不明の
サングラス、らが、ぞろぞろと各ブースを巡っている。ドームのステージではコロッケのモノマネショウの
真っ最中である。わたしも見たかったが、なるべく3時間の駐車時間内に終わらせたかったので、ちらちら
ハイビジョンを目で追いつつ、耳では松山千春マネを聴いていた。
ひと巡りして、まだまだブースを残していたが、さっき以上のは見つからず、疲れも出始めたので、
戻って購入しようと踵を返した。…が、このブース並は迷路のように区切られていて、元々方向音痴
ぎみのわたしは、どうやら違うところに迷い込んだようであった。
しかし、そこで何気なく目にしたものに目を奪われてしまったのだ。