つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

緑地の主たち

2011-12-04 04:54:46 | 動物ウオッチング

会社勤めをしていたころは、休日になってもグッタリして、
体を休めるのが精一杯で、朝の散歩などする気にもならなかった。

退社して一週間は、何にもしないつもりだったし、疲れも全然取れて
いなかったのだが、一眼レフカメラを手に入れたということで、「香嵐渓」の
撮影会の後2日目には散歩に出掛けていた。

首からカメラをぶら下げ、歩けば5分で突入する我が庭緑地公園へ入り、
のんびり散策しがてら、シャッターを切りっている。まだリセットされていないので、
慣らし程度になるが最低1時間は歩いている。

公園に入る直前に割と大きな交差点があって、通勤車がズラリと信号待ち
する中、カメラを首からぶら下げたわたしが青信号を渡って行く…。
このとき、もう勤め人との時間が完全に違っていることを認識させられるの
だった。

今年の紅葉は、やっと5~6部というところで、例年より遅れているようだ。

池には、カモ・カルガモ・カイツブリ・シラサギなどがいて、これは以前と同じである。
カモたちに向け、シャッターを切る。

水鳥が動くと、水尾(みお)がきれいに引かれて、それが朝の光を静かに
割っていく様はなかなかいい…。池の中央に掛っている橋を渡り始めると、
スーッと蒼い筋が引かれて行った。その筋は池のほとりの茂みの中に消えたが、
カワセミである。「いたんだ…」思わず嬉しさがこみ上げてきた。

会社勤めをする10数年前初めて見た衝撃が蘇ってきた。最後に
見たとき2羽いたので、何代目かのカワセミに違いない。さすがに
宝石の鳥と言われるだけあって、その美しさは際立っている。
そのカワセミがまだこの池に棲みついていたのだ。

それから公園を一巡りして帰ろうと出口に差し掛かった時、
ふわりと鳥が降り立った。青サギである。

つい最近この出入り口は舗装され、そこを通勤の車が行きかっている。
その周りは、芦が茂ってすぐに土手になっていたが、その芦の茂みの中である。

青サギはサギ類ではかなりの大型だが、体の割には臆病で、まだまだ遠い
と思える距離でも、近づくのに気付くとすぐに飛び去ってしまうのだ。
いつもは水辺にいてあの大きな嘴で魚をとっているのだが、この日は
草むらから何やら虫などついばんでいるようっだった。

こんなとこで見るのも珍しいし、ほんの6~7メートルの距離に
居るのも珍しい。わたしは早速カメラを構え、芦の間に身を隠すように
しながらシャッターを切った。

さすがに、もっと近くから…とそ~と4~5メートルに近づいたが、
感づかれ飛び去って行ってしまった。

       青鷺に一眼レフの忍び足
この一句をもって、この日の散歩は終了した。

コメント
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