翌2日目は、夕方6時から同級生たちと
集まることになっているので、それまで
時間をつぶさなけれがならない。
といっても、3年ぶりの故郷の地につぶす時間など
あろうはずもない。
あまり名所旧跡に行きたいと思わないタチ
なのだが、この日は何だか妙に平和公園に
行きたくなってきた。
小中学の頃、よく遊んだ記憶があるのだ。
港からチンチン電車で20分ほどで簡単に行けた。
入り口の花壇沿いの階段を登ると、すぐに
噴水が見えてきた。
その奥に、有名な平和記念像がデンと
待ち構えている。
当時は何も考えずに記念像の下で遊んだものだ。
改めて、ぐるりと回って見てみた。
公園から見た浦上天主堂。
記憶を辿って脇道を降りていくと、大橋川に出た。
小さいころこの近くに住んでいたので、よくこの川で
遊び、溺れた記憶もある。
その溺れた場所は、すっかり護岸が整備されていたが、
、
中心部の岩の段差はそのままで、流れの音は
変わらない気がした。
しばし、そこに座ったままで、飼っていたアヒルの
餌のドンポ(ハゼの仲間)を獲ったこと、デッカイ
スズキが迷い込んできたのを獲って食べたこと…。
などが、頭を巡ってよみがえってきた。
故郷の川の流れの音に身をゆだねながら
2日目の時はゆるやかに過ぎていった…。
里の川変わらぬ春の流れ音
issei