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ぽかぽか春庭「松本-日本海旅行2」

2013-09-22 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/22
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十三里半日記9月(4)松本-日本海旅行2

 擬洋風建築探索というテーマが決まったので、9月最初の週末は、きちんと計画を立てました。ビジネスホテルをインターネット予約し、9日夜のムーンライトえちごの座席指定券も予約。いざ、「おいしい日本海リベンジ」&「擬洋風建築探索」&「青春18切符でできるだけ長い時間電車に乗っている」という欲張りな旅行に出発です。
 計画は以下の通り。

<9月7日(土)>
1)05:30四谷発06:26八王子着06:36八王子発10:17松本着 青春18切符利用(225km、4080円)
2)松本市内散歩 市内路線バス利用
 旧開智学校、旧松本高校などを見学。
3)17:34松本発 長野直江津乗り換え22:08柏崎着  青春18切符利用(180km2940円)
4)柏崎駅前 ホテルサンシャイン シングル宿泊4500円

<9月8日(日)>
5)07:46柏崎発09:18新潟着 80km1620円(現金で切符購入)
6)新潟市内散歩
  新潟市郷土資料館みなとぴあ(新潟税関庁舎 第四銀行住吉町支店)、新津記念館(新津恒吉邸洋館&和館)、新潟県政記念館などを見学
7)新潟駅前東急イン宿泊4200円

<9月9日(月)>
8)6:08新潟発06:46新発田06:49~09:30酒田着 青春18切符利用(390km2940円)
9)酒田市内散歩  自転車レンタルまたは市内循環バス
  六角灯台、本間家本宅、本間美術館など見学
10)酒田発17:22~新発田乗り換え19:30新潟着 青春18切符利用(390km2940円)  
11)新潟発23:38ムーライトえちご  
   新潟-新津青春18切符(15km530円)新津で日付変更。青春18切符の利用終わり。新津-新宿 5,250円
(青春18切符2枚(4200円)利用の移動距離合計1200km。

<9月10日(火)>
12)新宿着05:10 

 以上の青春18切符旅行計画をたてて、9月7日朝、出かけました。
 10:30に松本駅に着いて、駅の観光案内所へ。無料の貸自転車があるというので喜んで借りて街へ出たら、怪しげな空模様。ま、いいかと、一番の目的地である旧開智学校へ向かいました。途中松本城は、前に中を観光したことがあるし、今回は明治初期擬洋風建築というテーマなので、外から見ただけで終わり。

横から見た松本城

 旧開智学校は、1873(明治6)年に建てられた小学校です。この夏、軽井沢静養中の天皇皇后両陛下が視察されたということなので、ニュースで建物を目にした方もいると思います。自転車で向かうと、旧開智学校の手前に現在の開智小学校があり、生徒が元気にサッカーをしていました。


旧開智小学校




 旧開智学校の見学を終えて入口にもどると、雨が強くなってしまい、いったん駅に戻ろうとしました。ところが生来の方向音痴、自転車を借りた松本駅前ではなく、北松本駅に行ってしまいました。雨は強くなる一方で、途中車に追い立てられてころぶし、さんざんな思いで、もとの道に戻るのが鉄則と思って開智学校に戻って、やっとこさ松本駅前に自転車をかえしました。濡れたシャツ、夏向き冷却シャツになったと思うことにしました。

 市内循環バスを利用(300円)。あがたの森公園旧松本高校へ。旧制高校の校舎、今でもいろいろな教育関係のイベントに利用されています。
 山辺学校歴史民俗資料館も見たかったのですが、バスの本数が少ないのであきらめ、かわりに松本美術館に入館。草間彌生の展示室があったので。鏡を使った展示など、草間らしい「増殖していく」イメージの作品が展示してありました。

草間彌生のオブジェ作品 美術館入り口脇の野外展示


 信州に来たら蕎麦食べないと、と思って夕食は松本駅舎のなかにある「榑木野」という蕎麦店へ。駅ナカの蕎麦屋というと立ち食いそばのようなところでしか食べたことのない私ですが、この「榑木野」は、地元の人も通うという店らしかったです。
 私はエビ天ぷらとかけ蕎麦。雨に濡れたシャツがまだ湿っていて温かい蕎麦が食べたくなったので。

 特別快速妙高5号などを乗り継いで柏崎へ。夜の移動だったので景色は楽しめませんでしたが、柏崎手前の鯨波でしばし郷愁に浸りました。子供の頃の私にとって、海といえば鯨波だったので。

 駅前のビジネスホテル。特にすることもないので、格別見たいわけでもなかったけれど、テレビをつけて「達人達 佐渡裕×羽生善治」を缶ビール飲みながらぼうっと見ていました。つけっぱなしにしていたら、次にETV「ガタロさんが描く町~清掃員画家のヒロシマ~」の再放送がありました。評判がよくて何度も再放送されてきた番組とのことですが、ほんとうに心打たれるドキュメンタリーでした。

 30年間広島市内の団地商店街で清掃員として働きながら、ゴミの中からクレヨンや絵具を拾い集め、ぞうきんやモップを画材にして絵を描き続けてきたガタロさん。被爆2世として広島の街を見つめ、清掃道具を見つめてきました。ガタロさんの描いた雑巾やモップは、ゴッホが描いた古びた靴の絵を思い出させました。古びた雑巾が、すごい存在感でした。ガタロさんに言わせると、雑巾が古く黒くなるのは、他のものをきれいにしてやった結果だと。働き続けた雑巾を「愛おしい存在」という目で見つめていることが、絵からにじみ出ていました。

 家にいると夜のドキュメンタリーなど見ることもなかったでしょうから、こんなテレビ番組との出会いも、旅先だからこそと言えるでしょう。

<つづく>
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