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ぽかぽか春庭「老いの行く末、2045年」

2014-04-24 01:00:01 | エッセイ、コラム
2014/04/24
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記4月(3)老いの行く末2045年

 認知症高齢者の映画について、そして我が家の高齢化問題についてのお話をしました。私が住んでいる区は、23区で一番高齢化率が高いらしい。65歳以上の老年人口比率は25%で、つまり、街で見かける人の4人にひとりは高齢者。どっちを向いてもバーさんばっかり。自分もバーさんなんだけれど、それにしても婆さんだらけだと思います。

 今日も仕事帰りのバスで。「このバス、どこへ行きますか」と聞かれたので「車庫行きです」と答えると、「あれ?土手へは行きませんか」「ええ、行かないとおもいますが、運転手さんに確かめましょうか」というとおばあさんは、運転手にもういちど「このバスで土手にいきますか」「いいえ、行きませんよ。土手へ行くなら、ここで降りて乗り換えてください」と、運転手さんが言っても、まだ納得できずに「土手へ行きたいので、乗ったのに。雨も降ってきたのに」と、このバスが土手にいかないのは納得がいかない、というふうに怒っていました。

 家に帰ると娘が「母は、自分のパジャマが風の強い日に飛んでいってなくなっちゃった、だれかが拾ったとしても、捨てられちゃうだろうとか、怒っていたけれど、そこのハンガーにかかっているじゃない。母はね、すぐ風のせいだとかだれだれのせいだとか、言うけれど、自分が悪いのに認めようとしないんだから」と、怒っています。
 ほんとよく調べもせず探しもせず、ものがなくなったと思うとだれかのせいにしたり、自分の責任ではないと思いたがるのは、きっと私が年をとったしょうこなのでしょう。

 一日いちにちと老いていく。その現実はわかっているつもりなのに、自分の老いとはなかなか向き合えない。
 いつか、私も「このバスが土手にいかないのは、このバスが悪いからだ」と、プンプン怒るようになるのだろう。バックの中に鍵が入っていないのは、だれかが隠したからだとか言うのかもしれない。財布が見当たらないのは、電車の中ですられたに違いないとか。

 白髪やシワが増えていくことは納得しているつもりなのに、精神の老いはなかなか自覚できません。このブログにも、擦り切れたレコードのように、何度も繰り返して同じことを書くことかと思います。おっとレコードなどすり切れることもなくなりました。CDだって録音媒体としてもう古いのだから。

 2045年には、人間の脳の容量以上のビットを備えたコンピュータも登場するのだそうです。人間以上に賢いコンピュータに出会ってみたい気もするけれど、2045年には、私の脳のほうが擦り切れているかもしれず。
 SF小説の中の話だと思ったことが、もうまもなく現実になる。
 人間より賢いコンピュータが出現したら、2045年の私は、すぐさま支配下におかれてしまうだろうなあ。今だってすりきれた脳なんだから。はい、今日も同じことをくりかえし言う愚痴でした。 

<つづく>
コメント (2)
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