
2014/06/03
ぽかぽか春庭@アート散歩>建物散歩なつかしの小学校校舎(2)広尾小学校・昭和復興小学校
復興小学校とは、1923(大正12)年9月の関東大震災で多くの小学校が倒壊火災被害にあった後に、復興事業の一環として建築された小学校の総称です。
1924年から1935年にかけて、117の小学校が、不燃コンクリート化され、災害時には避難場所ともなるように設計されました。
中央区明石小学校、千代田区九段小学校、台東区坂本小学校、中央区泰明小学校など。現役の小学校も多いですし、生徒数現象のために廃校になったあとも、耐震工事をしたうえで地域活性化に役立つ利用がされている建物が多いです。
復興小学校のひとつ、渋谷区立広尾小学校は、山種美術館のそばにあるので、山種に行くおりに立ち寄りました。
外の道路側から見た広尾小学校

最初に行ったときは、日曜日でしたが、地域の子供のための小学校校庭開放日でした。PTAの役員さんが受付をしていたので、見学を頼んだら名簿記入もなしにOKしてくれました。近頃の小学校では外部者の来訪に異常なほど神経質になっているところもあるのに、名刺も身分証明書の提示もなしに見学OKでいいのかとも思いましたが、なにかやらかそうと思うような人だったら、名刺や身分証明書もどうせ偽造品でしょうから、紙切れが保証にはならないし、ま、いいかと校舎の中まで入って見学させてもらいました。
玄関のひさし飾りや丸い窓が「昭和モダン」っぽい



復興小学校として建設された当時、地域の消防署も併設されたため、小学校なのに、火の見櫓のような望楼がついています。

校庭開放日の広尾小学校。PTA係員のお父さんお母さんたちが見守る中、子供たちは、サッカーやバスケットに興じていました。
震災に負けずに強い子供に育ってほしいという親たちの願いをこめて建てられたであろう復興小学校。大正の関東大震災から90年経つ今も、地域の小学校として子供たちの声が響いているようすを見たら、新しい小学校の建設に関わった人たち、うれしいだろうなあと思いました。

<つづく>