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ミンガラ春庭「フレーダン市場の玉石」

2015-04-18 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150418
ミンガラ春庭ミャンマー便り>ヤンゴン出張(10)フレーダン市場の玉石

 大学近くの繁華街のひとつがフレーダン市場。
 さまざまな店が並び、路上には露店がぎっしりと出ています。
 私は、娘と息子へのおみやげに、ミャンマー文字がプリントされているTシャツが買いたかったのです。しかし、どの店を覗いても、そういう柄のTシャツはおいてありません。

 考えてみると、日本でもひらがなの五十音表がプリントされているTシャツを若者が喜んで着ているってことは考えられず、「カッコわるい」と、敬遠されるかも。たぶんミャンマー文字Tシャツは、外人用おみやげ屋にしか売っていないのでしょう。日本の浅草仲店あたりに外国人観光客向けの、胸に「愛情」とか「幸福」なんていう文字を書いたTシャツを売っているように。

 セインゲイハーマーケットというスーパーに入りました。箱入りのミャンマー緑茶やミャンマー名物の玉石のブレスレットを買いました。ミャンマー山岳地帯は、ルビー、サファイア、瑪瑙、玉石などの宝石の産地として有名です。

 ルビーは、ヤンゴン北方にあるモゴック地区が主要産地です。ヤンゴンから北へ600kmほど。マンダレーの北西150km。海抜2300kmの地帯にあるジャングルの中に採掘場があります。軍政時代以後、宝石産業は軍の厳しい管理下にあり、現在も宝石産地に一般人が入り込むことはできません。軍高官と中華系宝石商の癒着も伝えられていますが、どうなんでしょうか。

 タイや香港で売られている「天然ルビー」は、品質の下がる「牛の血色」ルビー石を熱処理加工したものがほとんどで、真の掘り出したままのルビー石「鳩の血色」は、一般の店などに出回ることはまれだそうです。非加熱処理「真の「鳩の血色ルビー」は、ミャンマーから、サザビーやクリスティーズなどのオークションに送られ、世界の富豪達の手に落ちる。ダイヤモンドより産出量が少ない分、価格は高騰の一方とか。どのみち縁がありませんけれど。

 ルビー、サファイアのほか、翡翠もミャンマー産が世界最高級品。中国産の翡翠はネフライト(nephrite:軟玉)と呼ばれ、置物や灰皿など、加工しやすい。一方、ミャンマー産は ジェダイト(jadeite:硬玉)と呼ばれ、ダイヤモンド以外にジェダイドを傷つけることはできません。
 ヤンゴン市内に「宝石博物館」がありますが、今回は行くことができませんでした。

 そのほか、ミャンマーでは、ペリドット、スピネル、ムーンストーン、トルマリン、トパーズ、タンブリ石、ジルコン、アイオライト、スカポライトなどの玉石類貴石類が産出されています。
 高級品質の玉石は、ルビーサファイアほどではなくても、それなりに値が張りますが、品質が下がるものは、日本では考えられないくらいの安い値段で、ネックレスやブレスレットに細工されています。

 スーパーの玉石ブレスレットは、ひとつ2500チャット(250円)でした。日本のアクセサリー売り場だと1000~2000円くらいのものなので、ジャスダンス仲間へのおみやげにちょうどいいかと思って10個ほど買いました。売り子のお姉さんに「いっぱい買ったのだからおまけして」と頼んでみたけれど、ダメでした。スーパーは定価販売、と言ってゆずりません。こういうのを大量に買うなら、土産物屋のほうがいいのかもしれません。ただし、私には玉石の品質の善し悪しがわからないので、まあ、チェーン店で展開している地元のスーパーのほうが品質は安定しているかと思ったのです。

 夫へのおみやげに、ミャンマーの新聞を買いました。軍政時代は新聞も政府御用達の大本営発表みたいな新聞だけで、おもしろくなかったけれど、現在は硬軟とりまぜてさまざまな新聞が発行されているそうです。
 まず、「デモクラシー」という新聞を買いました。たぶん名前からして「スーチー派」の新聞かと思って。ほかに何種類か、ミャンマー文字はまったく読めないけれど、適当に。元新聞記者の夫、読めなくても、諸外国の新聞を眺めるだけで、割り付けとか写真の扱い方とか新聞ごとに特徴があるからおもしろい、と言います。私にはそんなおもしろさはわかりませんが、まあ、安上がりなおみやげとして。



 フレーダン市場街からホテルまで、無事歩いて帰れました。
 ヤンゴンの町、基本的に安全です。人々は親切。フレーダン駅からフレーダンマーケットへの道を間違えたときも、おっさんがいっしょうけんめい教えてくれました。



 ただし、歩道の穴にはご注意を。それから、町中にあふれている野良犬にも。狂犬病の予防接種などしていないでしょうから、噛まれないようにしないと。
 人々は野良犬は「ほっておく」という態度で、餌をやったりもせず、いじめたりもせず。だいたい、他者をいじめたり動物を虐待したりしたら、来世は即ゴキブリ。

 日本の若者向けアンケートの最近の調査で、「来世や輪廻転生を信じるか」という問いに、40%が信じると答えたそうなので、けっこう信じる人が多いんだ、と驚きました。
 私は、輪廻転生とは「地球上の生き物は、最初の単細胞から人間まで、ひとつのDNAでつながっている」という意味だと思っているので、まあ、私の前世はアメーバだとも言えるし、来世はゴキブリかもしれないと思っています。ゴキブリは人類滅亡後でも生き残るそうで。

ヤンゴンのわんぱく盛りたちがたむろしていた店


 ミャンマーの仏教徒にとっては、前世来世は、今生の時間と同じくらい大切なもののようです。ヤンゴンの人々が親切なのも、善行功徳を積んでおかないと、来世によりよい生まれにならないから。アンケート調査の結果はないけれど、おそらくミャンマー仏教徒に「来世を信じますか」なんて聞いても「あなたは空気を吸って呼吸していますか」と尋ねるのと同じくらいに、「なにを決まり切ったあたりまえのことを聞くのか」という反応だろうと思います。

 ミャンマーで暮らすことになる8月以後、人々の仏教信仰をもっと理解しないといけないなあと思いました。
 軍人出身のテインセイン大統領政府とスーチーさんら民主化運動の軋轢もどうなるかわからないけれど、ヤンゴン市内はとりあえず平穏だし、ヤンゴンの人々を理解するには、まずは仏教信仰を勉強すべきかと。





<つづく>
コメント
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