20150412
ミンガラ春庭ミャンマー便り>ミャンマー出張(7)チャウタージーパゴダ寝釈迦像
ミャンマーには、ヤンゴンのほかにも巨大な寝釈迦像が知られています。お釈迦様が寝転がってくつろいだ姿で説法をしている様子を表した仏像です。
日本では釈迦入滅の「涅槃仏」のほうがありがたがられる仏像ですが、ミャンマーでは、寝ながら説法する「寝仏」が好まれます。
ヤンゴン市ではチャウタージーパゴダの寝釈迦像が、多くの信者および外国人観光客を集めています。
チャウタージーパゴダ

ミャンマーの人々にとって、お釈迦様ほか仏たちは、「少しでもその姿に近づきたい理想の姿」であるので、仏像はとってもリアルに作られています。このチャウタージーパゴダに並んでいた仏像、マダムタッソーの蝋人形館かと思うような、リアルな造形の仏像がずらりと勢揃いしていました。あまりにリアルなので、最近入滅した高僧の像かと思ったのですが、この蝋人形風も阿弥陀様とか菩薩様なのだそうです。
巨大な寝釈迦も、日本人がイメージする木彫りや銅像の仏様とは違い、まつげフサフサのくちびるくっきり赤い、白塗りのお顔。高さ17.6m、長さ65.8m

与謝野晶子をパクれば、「ヤンゴンやみほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな」となるところでしょうけれど、私にはやはり鎌倉大仏のほうが親しみやすい。もっとも鎌倉大仏はお釈迦様ではなくて、阿弥陀様。
それにしても、こういうイケメン仏像が信仰の対象になるっていうのも、ミャンマー上座仏教と我が大乗仏教の違いなのでしょうか。
この「 つけま つけま つけまつげ ぱちぱち つけまつけて とぅ 」のつけまつけっぷりときたら、日本のギャルも顔負けです。

ミャンマーでは、仏様に祈りを捧げるのにも、現世利益など願うのは御法度。そんな自分の利益を願う心根では、仏様に怒られてしまう。ひたすら、よい人間でいること、よりよい人間になっていけることを祈るのです。
仏教信徒は、托鉢する僧には食べ物を喜捨し、道行く人には水をふるまい、困っている人がいれば親切にして功徳を積み、お寺に来ては祈りをささげる。それが日常生活です。
「金持ちになりたい」とか「試験に合格」などという自分自身の利益のための祈りではない。
現世利益をかなえてくれる「ナッ」という精霊神も仏教と共存しているということで、日本の神仏混淆、仏神習合とは別の形で、ナッ信仰も盛ん。
寝釈迦仏の足裏にも、びっしりとありがたい仏法の絵が描かれています

チャウタージーパゴダの寝釈迦の前にも、祈りを捧げる熱心な信者や僧がいました。
寝釈迦といっしょに自分を撮してワーキャーしているいる人たちがいたので、日本人かなあと耳をそばだてると、韓国語を話していました。韓国人は5000万人の全人口の四分の一、1000万人はキリスト教徒ですが、仏教徒も人口の2割くらいはいるはず。
いっしょに参拝したK先生はプロテスタント信仰だそうなので、私の見方とは異なるのかも知れませんが、私はこのまつげばっちりのイケメン寝釈迦に説法されるよりは、薪をナタで断ち割ったような素朴な円空仏に見守られているほうが、心地よいと感じてしまいました。これは、それぞれの感じ方、それぞれの宗教観によるでしょう。私はどうも、楽して仏に安心をもらいたい、というダメ仏教徒。ミャンマー仏教の精神を学ぶにも、まだまだ勉強不足の春庭です。
鐘つきをしていた坊や。お父さんが坊やにカメラを向けて「こっち見ろ」と言っているのに、私のほうをじっと見つめてくれたので、1枚取らせてもらいました。

寝釈迦の前にごろりと横になっている信徒たちもいます。私も、「しばらくあの人たちといっしょに横になっていたいので、どこか、見たいところを回ってきてください」と、案内してくれているK先生にお願いしました。体調が限界になっていましたので。
小1時間も横になっていたでしょうか。
K先生が寝転がっている私に、あおいで風を送っていてくださったことに気づきました。
だいぶ体調もよくなったので、起き上がりました。
K先生、次は日常生活に欠かせない市場とスーパーを見学するとおっしゃる。またしても「ホテルで休みたい」とは言えませんでした。
最初に行ったボージョーアウンサンマーケットは、観光名所にもなっている宝飾品や衣料品などの土産物屋が並んでいる市内でいちばん由緒ある市場なのですが、3月27日は祝日の国軍記念日だったため、市場はお休みでした。
そこで、一番新しいショッピングセンターに行ってみました。ジャンクションスクエアという2年ほど前にオープンした衣料品から食品、日用雑貨など生活に必要なものがそろうお店。道ばたの露店でも日用雑貨は売っているけれど、日本で買えるような品質のものがほしければ、ずっと割高になるけれど、ジャンクションスクエアが一番、という説明を受けました。
Tシャツが一枚15000チャット(日本円1500円)くらいして、こりゃ、高いと感じました。私の感覚だと、ミャンマーでTシャツ買うなら300円以下で買いたい。日本で買ってミャンマーに着てきたTシャツ、日本のスーパー見切り品で300円のタイ製。(「ヤンゴンの朝ご飯」を食べているときのピンクのグーフィーTシャツです。品質が悪いわけじゃなくて、袖のところに汚れが付いてしまったので、格安に。なに、洗えば落ちた。)
スーパーで売っていた日本語つきの豆腐。日本語読めなくても、日本の文字っぽいものがついていれば、なんとなく高級そうになる。「とづふ」とかでなくちゃんと「とうふ」でした。

ケーキ&パン屋のイートインでお茶を飲んでいると、両親と幼い子どもふたりの家族、日本語での会話。話しかけてみたら、ご主人は1月にヤンゴンに赴任。住まいなどを整えてから奥さんとお子さんを呼び寄せたそうです。
ヤンゴンやネピドーでこれから貿易やらビジネスに活躍する人たちがどんどん入ってくるのだろうと思います。
スーパー内のケーキ屋

今日のメイン観光であるシュエタゴンパゴダ。K先生は昼のジュエタゴンはヤンゴンに着いてすぐに観光していたので、今回は夜間のライトアップされたパゴダを見たいということでした。日が暮れるまでの2時間ほど休憩することになり、助かりました。
ホテルに戻って、夕暮れまでベッドに横になりました。K先生もベッドでiパッドで調べ物をしたりしばしお休み時間。
いつもの私なら、案内してくれる人以上に張り切ってあちこち歩き回りたい人なのに、今回の腹痛体調不良は、とんでもない誤算でした。
しばし横になり、暗くなってからシュエタゴンパゴダに出発。
<つづく>
ミンガラ春庭ミャンマー便り>ミャンマー出張(7)チャウタージーパゴダ寝釈迦像
ミャンマーには、ヤンゴンのほかにも巨大な寝釈迦像が知られています。お釈迦様が寝転がってくつろいだ姿で説法をしている様子を表した仏像です。
日本では釈迦入滅の「涅槃仏」のほうがありがたがられる仏像ですが、ミャンマーでは、寝ながら説法する「寝仏」が好まれます。
ヤンゴン市ではチャウタージーパゴダの寝釈迦像が、多くの信者および外国人観光客を集めています。
チャウタージーパゴダ

ミャンマーの人々にとって、お釈迦様ほか仏たちは、「少しでもその姿に近づきたい理想の姿」であるので、仏像はとってもリアルに作られています。このチャウタージーパゴダに並んでいた仏像、マダムタッソーの蝋人形館かと思うような、リアルな造形の仏像がずらりと勢揃いしていました。あまりにリアルなので、最近入滅した高僧の像かと思ったのですが、この蝋人形風も阿弥陀様とか菩薩様なのだそうです。
巨大な寝釈迦も、日本人がイメージする木彫りや銅像の仏様とは違い、まつげフサフサのくちびるくっきり赤い、白塗りのお顔。高さ17.6m、長さ65.8m

与謝野晶子をパクれば、「ヤンゴンやみほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな」となるところでしょうけれど、私にはやはり鎌倉大仏のほうが親しみやすい。もっとも鎌倉大仏はお釈迦様ではなくて、阿弥陀様。
それにしても、こういうイケメン仏像が信仰の対象になるっていうのも、ミャンマー上座仏教と我が大乗仏教の違いなのでしょうか。
この「 つけま つけま つけまつげ ぱちぱち つけまつけて とぅ 」のつけまつけっぷりときたら、日本のギャルも顔負けです。

ミャンマーでは、仏様に祈りを捧げるのにも、現世利益など願うのは御法度。そんな自分の利益を願う心根では、仏様に怒られてしまう。ひたすら、よい人間でいること、よりよい人間になっていけることを祈るのです。
仏教信徒は、托鉢する僧には食べ物を喜捨し、道行く人には水をふるまい、困っている人がいれば親切にして功徳を積み、お寺に来ては祈りをささげる。それが日常生活です。
「金持ちになりたい」とか「試験に合格」などという自分自身の利益のための祈りではない。
現世利益をかなえてくれる「ナッ」という精霊神も仏教と共存しているということで、日本の神仏混淆、仏神習合とは別の形で、ナッ信仰も盛ん。
寝釈迦仏の足裏にも、びっしりとありがたい仏法の絵が描かれています

チャウタージーパゴダの寝釈迦の前にも、祈りを捧げる熱心な信者や僧がいました。
寝釈迦といっしょに自分を撮してワーキャーしているいる人たちがいたので、日本人かなあと耳をそばだてると、韓国語を話していました。韓国人は5000万人の全人口の四分の一、1000万人はキリスト教徒ですが、仏教徒も人口の2割くらいはいるはず。
いっしょに参拝したK先生はプロテスタント信仰だそうなので、私の見方とは異なるのかも知れませんが、私はこのまつげばっちりのイケメン寝釈迦に説法されるよりは、薪をナタで断ち割ったような素朴な円空仏に見守られているほうが、心地よいと感じてしまいました。これは、それぞれの感じ方、それぞれの宗教観によるでしょう。私はどうも、楽して仏に安心をもらいたい、というダメ仏教徒。ミャンマー仏教の精神を学ぶにも、まだまだ勉強不足の春庭です。
鐘つきをしていた坊や。お父さんが坊やにカメラを向けて「こっち見ろ」と言っているのに、私のほうをじっと見つめてくれたので、1枚取らせてもらいました。

寝釈迦の前にごろりと横になっている信徒たちもいます。私も、「しばらくあの人たちといっしょに横になっていたいので、どこか、見たいところを回ってきてください」と、案内してくれているK先生にお願いしました。体調が限界になっていましたので。
小1時間も横になっていたでしょうか。
K先生が寝転がっている私に、あおいで風を送っていてくださったことに気づきました。
だいぶ体調もよくなったので、起き上がりました。
K先生、次は日常生活に欠かせない市場とスーパーを見学するとおっしゃる。またしても「ホテルで休みたい」とは言えませんでした。
最初に行ったボージョーアウンサンマーケットは、観光名所にもなっている宝飾品や衣料品などの土産物屋が並んでいる市内でいちばん由緒ある市場なのですが、3月27日は祝日の国軍記念日だったため、市場はお休みでした。
そこで、一番新しいショッピングセンターに行ってみました。ジャンクションスクエアという2年ほど前にオープンした衣料品から食品、日用雑貨など生活に必要なものがそろうお店。道ばたの露店でも日用雑貨は売っているけれど、日本で買えるような品質のものがほしければ、ずっと割高になるけれど、ジャンクションスクエアが一番、という説明を受けました。
Tシャツが一枚15000チャット(日本円1500円)くらいして、こりゃ、高いと感じました。私の感覚だと、ミャンマーでTシャツ買うなら300円以下で買いたい。日本で買ってミャンマーに着てきたTシャツ、日本のスーパー見切り品で300円のタイ製。(「ヤンゴンの朝ご飯」を食べているときのピンクのグーフィーTシャツです。品質が悪いわけじゃなくて、袖のところに汚れが付いてしまったので、格安に。なに、洗えば落ちた。)
スーパーで売っていた日本語つきの豆腐。日本語読めなくても、日本の文字っぽいものがついていれば、なんとなく高級そうになる。「とづふ」とかでなくちゃんと「とうふ」でした。

ケーキ&パン屋のイートインでお茶を飲んでいると、両親と幼い子どもふたりの家族、日本語での会話。話しかけてみたら、ご主人は1月にヤンゴンに赴任。住まいなどを整えてから奥さんとお子さんを呼び寄せたそうです。
ヤンゴンやネピドーでこれから貿易やらビジネスに活躍する人たちがどんどん入ってくるのだろうと思います。
スーパー内のケーキ屋

今日のメイン観光であるシュエタゴンパゴダ。K先生は昼のジュエタゴンはヤンゴンに着いてすぐに観光していたので、今回は夜間のライトアップされたパゴダを見たいということでした。日が暮れるまでの2時間ほど休憩することになり、助かりました。
ホテルに戻って、夕暮れまでベッドに横になりました。K先生もベッドでiパッドで調べ物をしたりしばしお休み時間。
いつもの私なら、案内してくれる人以上に張り切ってあちこち歩き回りたい人なのに、今回の腹痛体調不良は、とんでもない誤算でした。
しばし横になり、暗くなってからシュエタゴンパゴダに出発。
<つづく>