ミャンマーの糸操り人形
20160303
ミンガラ春庭ミャンマーだより>ミャンマーいろいろ(3)ミャンマーの人形たち
ひな祭り、それぞれの人に思い出の人形や忘れがたい出会いの人形があるのではないでしょうか。私にも、いくつかの人形の思い出があります。実家をひきうけた妹が、古くなって処分してしまった雛人形や、大事にしていたのに、何度かの引っ越しのうちに行方不明になったのや。
子供の頃、すごくほしいと思ったのに買ってもらえなかったもののひとつが、オルゴール。そしてふわふわのドレスにフリルたっぷりの衣装を着たクラシックドールです。母は、本についてはほしいと言えばすぐに買ってくれたし、フラフープやスケート靴など身体を鍛えることが出来そうなものは買ってくれましたが、クラシックドールとオルゴールは、母の目に「子供の情操や身体訓練に役にたつもの」に分類されなかった。
私はおこづかいをためて、誕生日に自分へのプレゼントをすることにしていました。5年生のときは、人形のための籐蔓で編んだ乳母車。6年生のときは、ウクレレ。中1でオルゴールを買いました。でも、クラシックドールは一度も買ったことがなく今日まできました。クラシックドール一体くらいは買える余裕ができたころ、娘が人形嫌いで、夜中に目が合うと怖いから、おひな様もほかの人形も飾っちゃ嫌だと言ったので、買わないまま。でも、近代美術館工芸館などで、人形作品を見るのは大好きです。娘の人形嫌い、ミッキーマウスやプーさんのぬいぐるみはいいけれど、人の形をした人形は今でも苦手のようです。
団地の部屋に段飾りは飾れないだろうけれど、せめて女びな男びなの一対くらいは、と、実家から送られてきた陶製の人形もしまったまま。
日頃は押し入れの中に押し込められている人形たち、今日はハレのひな祭り。華やかな出番を楽しんでいることでしょうね。
東欧やロシアの人形劇、日本の文楽をはじめ、それぞれの文化にそれぞれの人形があり、人形劇が生まれています。
ミャンマーでも、人形劇が伝統文化のひとつとして、観光資源にもなり、行事をいろどるイベントとして上演されています。
人形劇の伴奏は、前回紹介した伝統楽器。
竪琴サウンや木琴バッタラー、ドラム、ゴングなど伝統楽器の伴奏がつき、ラーマーヤナの変化したお話など、独自の民話を人形が演じています。
私は、からウェイパレスという伝統芸能ショウのレストランやバガンの人形劇ディナーショウで、ミャンマー伝統人形劇を鑑賞しました。本当は、村祭りのようなところで、村人が自分たちで楽しみに上演するようなものが見たかったのですが、それはまた後の楽しみに。
バガンの人形劇。手を上に上げている人が親方と思います。
バガンの人形劇は、ナンダレストランという劇場付きの店で見ました。
人形は、糸操りで、親方がひとり、中堅がふたり、若手が二人の5人が入れ替わりで人形をあやつり、宙返りも見せるし、なかなかの芸です。
いくつかの演目のなかで、私にもわかったのは、恋仲の二人の恋を成就する物語。娘の親が大事な一人娘を監視してなかなか逢瀬が果たせない。てんやわんやがあって、最後はめでたく結ばれる。伴奏の楽器演奏に歌がつくのですが、ことばがぜんぜんわからない外国人客にも、ストーリーがわかる単純なお話が中心でした。
ミャンマーは、絵画よりも立体造形のほうが好まれているようで、バガンの仏塔に壁画も残されているのですが、それより岩に刻んだ仏像など、立体造形のほうが見応えがあります。人形は、私が見たなかでは、庶民に親しまれた美しい造形作品になっていると思います。
托鉢僧侶の人形(ストラッドホテルの売店で)
みやげもの屋にも僧侶の人形
みやげ品人形を見て歩くのも楽しい。
ひまそうなみやげもの屋のおばちゃんと人形たち
みやげもの屋には、舞台に立つような立派な人形ではないけれど、糸操りの人形が売られています。やっちゃんは、バガンのみやげもの屋で、馬の糸操り人形を買いました。馬グッズ収集をしているので。
私は、人形製作工房を見学したいと思っています。
これから先、どんな人形に出会えるでしょうか。
ひな祭りの人形、本来は紙で作って、人のケガレを移し、川に流してケガレを清めるためのものでした。すべてのものごと、すべての神仏は私を守るためにあると信じているHAL,人形だってきっと「ヒトカタ」として、私のケガレを清めてくれるにちがいない。さあ、私の邪悪な部分よ、流れていけ。
あは、流しきれないこの身の邪悪さ。今もね、わら人形に五寸釘打ち込みたい人、います。あ、夫じゃないよ。私の夫はオカラで出来ているので、五寸釘打ち込んでも抜けてしまう。
ミャンマーの仏像は、荘厳重厚といういうのは余り感じなくて、なかなかかわいらしい造形になっています。
なんだかかわいらしい騎馬像。
僧侶や仏像の通行を前触れする鐘をもつふたり。
現是利益をお願いするほうのナッ神。虎にのって、月曜日のお釈迦様を守護。
シャン族の伝統舞踊「鳥の踊り」を踊っている人形
<つづく>